欧州関連

英紙から見た日本の防衛強化計画、子供が思いついたことを羅列しただけ

Times紙は海上自衛隊元海将の発言を引用して「日本の防衛強化計画は子供が思いついたことを羅列しただけのように見える。国防戦略上の必要性を判断する前に予算を配分すれば非効率な意思決定の誤りを招く」と報じている。

参考:Japan begins to throw off its pacifist shackles

物理的な防衛力強化も重要だが、政治家も軍事力によって裏打ちされた外交力の扱いに慣れなければならない

英国を訪問した岸田首相は11日、両国が互いの国に訓練目的で自衛隊や英軍を派遣する際の手続き簡素化など定めた円滑化協定(RAA)に署名、スナク首相は「日英の軍事協力において決定的な一歩だ」と日経新聞に寄稿した中で述べたが、Times紙は岸田政権が昨年末に発表した防衛体制の強化計画について「巨額の財源配分だけで安全保障に染み付いた制限を変えることはできないし、短期間でまとめられた装備調達の数々は必要を精査したとは考えにくく、子供が思いついたことを羅列しただけのように見える」と報じている。

出典:海上自衛隊

Times紙は「日本の安全保障政策がアジア戦略のバランスにどのような変化をもたらすか」というテーマで報じた記事の中で、長い戦争に疲れ果てていた戦後日本にとって平和憲法は宝物であり、冷戦時代において「在日米軍が抑止力を提供し自衛隊がバックアップする」という取り決めは理に適っていたものの中国や北朝鮮の台頭を受けて方針を転換、日本はGDP比2.0%水準まで国防予算を引き上げ、イージス艦、極超音速兵器、巡航ミサイル、無人機などの取得やサイバー防衛能力の拡張などに資金を投資する予定だと紹介。

しかし平和主義からの脱却に積極的な岸田首相が率いる自民党と世論に間には熱量に差があり、依然として多くの日本人は「命の危険を伴う軍事的な役割の拡大」に慎重で「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法の第9条改正はブレグジットのような激しい対立を引き起こし国を二分するだろう」と指摘、さらに短期間でまとめられた装備調達の数々は必要を精査したとは考えにくく「国防戦略上の必要性を判断する前に予算を配分すれば非効率な意思決定の誤りを招く」と主張している。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Jonathan Sunderman/Released

さらにTimes紙は「まるで日本政府の計画は子供が思いついたことを羅列しただけのように見える。この計画は自衛隊内部で積み上げられた現場の声を反映しているようには見えず、ここ数ヶ月間に繰り広げられたことは『突然あらわれた砂糖の山=GDP比2.0%水準まで国防予算を引き上げるという前提』から少しでも分け前を得ようとする蟻の群れのようだ」という香田元海将の発言を紹介しているのが興味深い。

中国や北朝鮮の脅威に対する防衛力強化は依然から叫ばれていたものの、岸田政権は昨年末に発表した防衛体制の強化計画が「周到に練られたものか」と言われれば「2023年度予算に間に合わせる感が強い」という側面が強く、例えばUCAVの運用経験がないにも関わらず「陸自のAH-64DやAH-1Sを廃止して無人機で置き換える」と発表したのは非常に冒険的で、攻撃ヘリによる火力支援をUCAVに一本化した国は今のところ存在せず、通常ならUCAVを試験導入して「攻撃ヘリの役割を代行できるか」を精査したのちに発表するべき内容だ。

出典:GA-ASI MQ-9

まぁ岸田政権の防衛強化計画は他国と同じで「ロシア軍によるウクライナ侵攻による安全保障環境の激変」がトリガーになっており、時間をかけて計画の細部まで周到に精査するのが正解かというと違う気もするので判断が難しいが、Times紙の記事はもっと踏み込んだことも書いている(多分ありのまま書くとアレがアレ)ので興味のある方は原文を読んで見てほしい。

因み米メディアは「攻撃兵器を運用する専門的な能力が日本には欠けている」と過去に指摘したこともある。

出典:首相官邸

攻撃能力による戦争抑止は政治力、外交力、軍事力の3つで構成されているため「自衛隊に専門的な能力が欠けている」という話ではなく、日本の政治と外交は何十年も攻撃能力を扱ってこなかったため「扱い方を一歩間違えれば逆に地域の安定を損なうだけ」とThe National Interest紙は指摘しており、物理的な防衛力強化も重要だが「政治家も軍事力によって裏打ちされた外交力の扱いに慣れなければならない」という意味だ。

関連記事:日本、米巡航ミサイルを調達する前提の敵基地攻撃議論は危険か
関連記事:陸自がAH-64やAH-1Sを廃止、海自もP-1とSH-60Kを削減して無人機で代替

 

※アイキャッチ画像の出典:首相官邸

ドイツのランブレヒト国防相が来週中にも辞任か、ウクライナ支援で功績前のページ

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コメント

    • 2023年 1月 14日

    攻撃ヘリを無人気に置き換えるってのは、子供が思いついたのをやったって感じでは全くないと思うがな
    むしろかなり本気にシミュレーション重ねた結果だろうと思う
    思い付きで攻撃ヘリ消し去れるわけがない

    56
      • 名無し
      • 2023年 1月 14日

      運用経験も無いのにシミュレーション()で全てが分かるわけなかろう

      71
      • ともろう
      • 2023年 1月 14日

      ウクライナでは両軍ともSAMを恐れてロケット弾バラまいてるだけで効果的に使えてるとは言い難いですからね。

      29
        • 名無し
        • 2023年 1月 15日

        少なくとも、広がる陸地でどこからでもMANPADSが飛んで来るリスクがあるウクライナと、拠点的な島々を広範囲にカバーする必要のある日本を同列に扱うのは間違っていると思います

        9
      • nkvu4
      • 2023年 1月 14日

      本気でシミュレーションを重ねようとするなら、UCAVを試験導入して「攻撃ヘリの役割を代行できるか」を精査すると思います。
      攻撃ヘリを廃止してUCAVに一本化する日本に追随する国はまだいませんし、日本の防衛強化計画が机上の空論で終わる可能性もあります。
      攻撃ヘリを廃止する代わりに既存ヘリの武装化も行うらしいので、個人的には攻撃ヘリを廃止しなくても良いのではと思いますが。
      シミュレーションを重ねたのならその内容を知りたいですけど、防衛省は特に公開していないですよね。

      64
        • 匿名希望係
        • 2023年 1月 14日

        まず老朽化してポンコツなAH-1
        そもそも設計からしてポンコツ疑惑のあるAH-64D(メーカー検査したローターがはずれて死亡事故)

        うん。そりゃゴミ箱にたたき込むわ

        34
          • nkvu4
          • 2023年 1月 14日

          AH-Xを続ければ良いだけでは…?
          防衛省は次期攻撃ヘリを導入した時のシミュレーションを行っているのか分かりませんけど。

          11
            • 匿名希望係
            • 2023年 1月 15日

            各種輸送ヘリの軽武装の版で十分って事では?
            対戦車戦などに入れないのなら

            10
            • 匿名希望係
            • 2023年 1月 15日

            ついでにいうとアビオニクスの高度化に伴う価格の高騰で輸入でAH-64Eが67億(2014年当時)
            今だと80億近くしそうっていうアホみたいに価格高騰しているので

            陸自固定翼航空隊新設した方がっていう与太話すらできるLvで高いのもあるね。>戦闘ヘリの新規導入

            19
      • くらうん
      • 2023年 1月 14日

      これは正直微妙なところで、陸自はUCAVで攻撃ヘリを完全代替できると踏んだというよりは、こうするしかなかったのではと思います。
      パイロットの生存性で言えば攻撃ヘリよりUCAVの方が無論圧倒的ですが、現状では完全スタンドアローンで飛行できない以上、UCAVには常にジャミングのみによって完全無力化されるリスクが付きまとう。場合によってはイランの時のような乗っ取りも起こりえます。有人の攻撃ヘリならば、通信ジャミングが発生しても自己判断で攻撃も帰還も可能です。いざという時の判断の柔軟性も有人機に軍配が上がる。
      これは人的資源の確保が年々難しくなっている自衛隊としては、上記のデメリットに目をつぶっても、平時の運用コストと人的損失を抑えられるUCAVに代替させるしかないということなのではないでしょうか。

      46
      • HY
      • 2023年 1月 15日

       いや、癪だが英紙の言う通りだと思う。
       なぜ日本がかくもあっさりと攻撃ヘリを捨てる決断ができたか?訓練以外に「使ったことがない」からだよ。
       この国が戦争をしないことを誇りに思ってきたのを忘れたのかい?
       当然アメリカのCSISようなシンクタンクもできないし、戦争シミュレーションもない。
       防衛省で研究なんてしたらマスコミにすっぱ抜かれて大目玉だよ。
       やったことがないなら「子供の思い付き」にならざるを得ない。

      7
        • HY
        • 2023年 1月 15日

        (追記)とは言え英国も戦車廃止とか大胆な決定している辺り、五十歩百歩な気がする。

        1
    • panda
    • 2023年 1月 14日

    なんとも偏った見方だなぁと
    基地強靭化や長距離兵器の整備等、我が国の安保環境に沿った大方針だと思いますけども

    93
      • HY
      • 2023年 1月 15日

       いやむしろハードばかりに「偏っている」と指摘されているんだよ。国民意識とか自衛隊法とか外交とかソフト面が置き去り状態。
       いくら兵器を取りそろえていても有事の時に使えなければ意味がないし、今の低姿勢外交スタイルのままじゃ核保有したってなめられる。
       9条改正とか本気で取り掛からないと全部無駄になる。

      18
    • おにぎり
    • 2023年 1月 14日

    >>しかし平和主義からの脱却に積極的な岸田首相が率いる自民党と世論に間には熱量に差があり、依然として多くの日本人は「命の危険を伴う軍事的な役割の拡大」に慎重で「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法の第9条改正はブレグジットのような激しい対立を引き起こし国を二分するだろう」と指摘

    世論は防衛増税に反対なだけで防衛費増は賛成多数、いつもの野党共闘組が反対なだけで対立は変わらん

    75
      • 匿名戦士
      • 2023年 1月 14日

      世論も簡単に振れますからねぇ
      増税反対と防衛費増額反対を意図的に混ぜたような報道の仕方も有り、最近では防衛費増額に反対の方が多いという世論調査の結果も出ていました。
      防衛力強化は良いと思いますが、現場の意見を拾ってフィードバックする事や、世論に丁寧に働きかけるのも重要でしょうね。
      また記事にもあるように、政治・外交の強化も並行して力を入れていかねばですね。

      36
      • 名無し
      • 2023年 1月 14日

      >世論は防衛増税に反対なだけで防衛費増は賛成多数、いつもの野党共闘組が反対なだけで対立は変わらん

      とはいうものの、いざ、

      『台湾有事を日本有事の前哨戦と位置づけて、台湾有事の際には積極的に自衛隊(日本軍)を派兵して中国軍と交戦して奴らを挫き、高いレベルでの国防を推進させよう。』

      と生生しく表現すると、威勢がよかった人までみんな、ちょっとそれは。。。われわれ、平和の民だし。。。(あるいは、台湾と日本は別だから関係ない。台湾有事は前哨戦なんかじゃない。戦争なんてする必要無い。)みたいに、日和るんだよねえ。。。

      32
        • nkvu4
        • 2023年 1月 14日

        まずは日本防衛が大前提だと思いますので、日本防衛よりも台湾派兵が国防の最優先事項になるのはちょっと違うと思いますけどね。
        基地の防衛強化や長距離攻撃兵器を導入して、米軍援護のために日本国土から中国軍を攻撃し続けるのが適切だと思います。

        44
          • 名無し
          • 2023年 1月 15日

          軍事力を使った他国への介入は、ファーストチョイスではないにせよ、普通の国なら絶対に考えなければならないオプションのひとつなのに、
          日本人は、その思考の入り口に立つことすら、断固、拒絶する。
          あなたのような軍事クラスタの人でさえも。

          これって、平和ボケ以外の何物でもないでしょう。
          9条反対みたいなこと言ってる人ですら、心の何処かで日本は9条で護られた特別な国、特別な立場であると、慢心してるんだよ。

          15
      • tokumei
      • 2023年 1月 14日

      激しい対立は9条改正のことを言っているのであって、防衛費増額のことを指してないのでは?
      まあ、いまなら特定野党の反発も多数派世論にならず改憲めざせそうだけれど。

      25
    • la
    • 2023年 1月 14日

    いやぁ、ブリテン人はおっしゃることが違いますなぁ(笑)

    15
      • 半分の防衛費の国から
      • 2023年 1月 14日

      こいつ(核兵器)を手に入れろと言いたいのではないかと愚考するしだいです。

      リンク
      リンク

      11
      • A
      • 2023年 1月 14日

      モンティ・パイソンの国ですからね。
      なかなか手厳しい。

      1
    • NHG
    • 2023年 1月 14日

    年末に兵頭さんか高橋さんが「日本はいつ政府レベルでの防衛政策の見直しが来てもいいように、常に評価してる」と言ってたけど、それが知られてないのではなかろうか
    (でも攻撃ヘリの全廃決定は前のめりすぎな気はする)

    40
    • tsr
    • 2023年 1月 14日

    遠いあちらがどう構えているかは知らないですが、こっちはあと数年以内に東アジアで大戦争が起こるという切迫感があるのでマジで急いでるんですよ…

    まぁ指摘の通り、政治・外交・法律でソフト面が追いついていないのはその通りなので、しっかり練り上げて行く必要性はあると思いますが、後方支援体制の充実と長距離スタンドオフ兵器の拡充は台湾有事を考えれば正しい選択だと思います。

    61
    • ザコ
    • 2023年 1月 14日

    第三者の視点という意味では英国は近すぎず遠すぎずいい距離感だと思いますね。日本人としてはようやく重い腰を上げたって感はありますが、海外からはどうした急にって思われるのも無理はないかもしれません。

    42
    • くらうん
    • 2023年 1月 14日

    記事は半分合ってて半分間違っているという印象です。
    日本の国防政策においては、そもそもどのような紛争のし、どのような対抗策を講じるのかという説明が一般には行われないため、ただ単に性能の良さそうな兵器を手当たり次第に買っているように見えるのでしょう。
    確かにトマホークなどを「弾道ミサイル発射台に対処」とあたかも北朝鮮に対抗するように説明し、本命であるはずの中国軍航空基地や軍港を叩くことを直接説明しないのは民主主義として邪道だと思います。
    これは北朝鮮というわかりやすい「悪役」を据えることで、経済的に結びつきの強い中国と票田たる経団連を刺激しないためでしょう。
    野党は野党で本気でそれを質せば、中国脅威論が本格的に高まり「平和憲法」維持に対する藪蛇になりかねないからしない。
    かくして、いつまで経ってもトンチンカンな安保議論を国会でしている。
    ただ購入している装備品については、対中国を念頭に置いた理にかなったものが大半に思えるので、その点はTIME誌は掘り下げられていないように思う。

    96
      • 2023年 1月 14日

      邪道と言えば邪道ですね。しかし古代ギリシャの対ペルシア強硬派であったテミストクレスの先例に倣うならば、邪道もありかと。テ~は対ペルシア用海軍を身近な脅威である対アイギナ用海軍と偽って整備した。
      国会答弁でまともな国防論議は望めないのは、くらうん氏に同感。むしろ国会の野党に変に介入されて、ちゃぶ台返しされるくらいなら、とんちんかんの方が望ましい。
      南西シフトに沿った部隊編成や装備導入に向かっているなら、とりあえず及第点である60点はあげてもいいのでは?もちろん野党は零点採点ですよ。

      31
    • 無能
    • 2023年 1月 14日

    でも予算措置しなければやる気がない危機感がないって安全圏から叩くんでしょう?

    28
    • トクメイキボウ=サン
    • 2023年 1月 14日

    友好的な防波堤に囲まれた島国には敵対的な軍事強国に囲まれた島国の気持ちや内情はわからんのでは?
    確かに拙速に見えるかもしれんが巧遅に物事を進めて間に合わなかったら意味無いし

    44
    • 下僕
    • 2023年 1月 14日

    内閣参与の元次官さんの思いつきなんでしょうけど、制服組も縦深反撃とか縦深抑止とか言われても分からないと思いますよ。全然今まで研究してないでしょう。この際石破が言うように自衛隊を米軍の指揮下に組み込んだ方が効率的で有効な抑止ができると思いますけどね。

    7
      • 下僕
      • 2023年 1月 14日

      次の戦争に勝つつもりなら数万ないし十万ヶ所の大陸の目標を破壊する必要があって、スタンドオフとか腰の引けた事を言ってられないはずです。スタンドオフミサイルとかそんな事を言ってたら何十兆円予算があっても足りない筈ですよ。

      7
      • a
      • 2023年 1月 14日

      それよりも日本国自体をアメリカの自治区として組み込んでいただく方が良い
      日本人は政治的権利を放棄する代償として、合衆国二等市民として保護されるようになる

      1
        • NAFO
        • 2023年 1月 15日

        それは流石に冗談だよな?
        奴隷は嫌だぞ

        10
        • 台湾大好き
        • 2023年 1月 15日

        そうするとアメリカの人口の四分の一は日本系になりますな。そうすっと大統領選で候補者に対し絶対的な要求を突きつけられるし、日本系に尻尾を振らない候補者は通らなくなるわけだ。
        そんなプランが通ると思う?

        36
    • 空母クイーンエリザベス
    • 2023年 1月 14日

    大英帝国最強!!

    5
      • ボリス
      • 2023年 1月 15日

      結局、定期的に戦争をしている国が強い!

      3
    • 寒い
    • 2023年 1月 14日

    攻撃ヘリは元々数が少ないですし、そこから整備する事を考えると廃止は当然の帰結と言えなくは無いですね。あと、日本もタフな外交(恫喝じゃない)の出来る国に早くなって欲しいです。

    38
    • Ard
    • 2023年 1月 14日

    まあその辺の能力はゼロと言って良い。しかしアメリカに同調すれば及第点以上は楽に取れるから問題無い。

    7
    • 霞ヶ浦
    • 2023年 1月 14日

    装備に金使う前に死ぬ気で人員確保に力いれるの先決だとは個人的には思う

    18
    • TAO
    • 2023年 1月 14日

    こういう欧米メディアのご指摘(笑)をうむ!その通りだ!素晴らしい視点だ!っていうのがもうね…
    色んな話ってのは表に出てくる前にその予兆が至る所に見えるものなんですけどね
    ここ最近の防衛力整備計画についても、これらが突然出てきた話だと感じるのであれば、今まで日本の防衛について何見てたのとしか言えないかな
    ドラスティックではあるけど予想外の物なんて一つもありませんよ?全て「そうなるよね」という類の物ばかりで…
    何だか表層的な部分だけしか見えてないんだなという感じかな

    46
      • 名無し
      • 2023年 1月 15日

      君みたいに日本語しか読めない人と違って様々な国のディフェンスメディアの情報を集約して紹介してくれるのがこのサイトなんで説得力が違うんすよ

      12
    • 折口
    • 2023年 1月 14日

    元海将って香田提督だと思うんですけど、氏が言っているのは「作る買う兵器が必要な理由をちゃんと示せ、国防戦略ではなく兵器の購入から始まる作戦計画は順序が逆」ということで、これは至極最もなことです。今回の日本の軍拡は政治主導で始まったもので、諸々の混乱や迷走を見るに、作戦レベルや個々の兵器調達といった相当にミクロなマネジメントも与党国防部会の政治家たちの発案や見解が強く反映されているんだろうなというのは感じます。文民統制の弊害が出てるぞということを氏は主張なさっていたんだと自分は理解しました。何より新しい防衛戦略で一番割りを食ってるのは海上自衛隊ですしね。

    ただ自分は香田提督の意見に完全に同意は出来ないです。目下の危機に対しては従来の、戦略(防衛大綱)ベースで政治が方針を示して現場が調達などを調整しながら能力を構築していく従来のやり方では到底間に合わないでしょう。日米の拙速極まる作戦計画の詰め方に見られるように、戦略文書を改定して基礎から再構築している余裕が既にないので、末端の実力に係わる部分だけ増強して応急的に能力獲得に動かなければいけないというのが現状なんです。思い返せば氏が自衛艦隊司令官をなさっていた00年代末から既に方針として防衛力の拡張の下地作りは行われていましたし、だからこそ対潜ヘリ空母常時2隻体制やイージス艦8隻、潜水艦22隻などの拡張が間に合ったけど、それでも不足だったから現在があるんだと自分は思うんです。

    そこでタイム誌の本記事ですが、これは一般のイギリス人の見解に強く寄せた内容見えます。先ごろ日英間で部隊間協力円滑化協定というのが交わされました。この協定は双方への軍隊駐留を法的に規定するなど結構踏み込んだ内容だったのですが、同時並行で日米間の動きが活発だった日本ではサッと流されていました。逆に、英国では「次世代の軍事同盟だ」と言わんばかりに強調して喧伝されていました。英国がここまで日英部隊間協力円滑化協定を大きく取り上げた理由は分かりませんが、同記事はこれに対するある種のカウンターパートというニュアンスなのかなという印象を持ちます。日本の一般市民が台湾有事に対して「でも外国の話だし、無関係を通せばいいんじゃないの」と思っている人が一定数いるように、英国市民が必ずしも地球の裏側の情勢に関心を向けている訳では無いでしょう。まして防衛協力や駐留とくれば政府負担が増えていく訳で、好意的じゃない意見のほうが多くなって当然だと自分は思います。そういうベース層に向けて、日本国内の批判的な記事も掻い摘んで現地事情を「検証的に」まとめた記事という感じなのかな…と思いました。

    45
    • 2023年 1月 14日

    え?
    英国の子供って「極超音速グライダー兵器を開発しろ」とか
    「戦闘ヘリを廃止して無人化しろ」とか言ってんの?
    凄いね。

    28
      • ジョチウルス
      • 2023年 1月 15日

      ハイセンス♡

      5
      • 名無し3
      • 2023年 1月 15日

      ワロタ
      まぁ徴兵制のある韓国でも「玄武ミサイルで日本を火の海にしてやる!」とか言ってるし別に軍事アレルギーのない国の国民が別に軍事に詳しいわけでもないのはそう

      3
    • 黒丸
    • 2023年 1月 14日

    装備よりも先に各自衛隊の基地自体の防御力強化がいるのでは
    掩体の無い航空基地・潜水艦の基地は2か所のみで修理できるのは1か所
    現在の耐震基準をも満たしていない隊員宿舎
    建設労働力は減少しているし、自衛隊基地の工事に外国人労働者を使うわけにいかないので
    これから対応しようにも工事費も当然高くなるはず。
    場合によっては施設科の活用も考え、現代戦に対応した基地機能の強靭化がいるかと

    後、米軍の増援が来る場合に備えて各地の宿舎に余裕も
    この漫画みたいにならないように
    リンク

    12
    • tx
    • 2023年 1月 14日

    香田氏かな?と思ったらそうだった
    彼の主張はずっと一貫してますね
    国内でもこれまで普通に発言してるので英国メディアに噛み付いてるのは筋違いですよ
    自分の知り合いの元背広組も香田氏に近い意見だった
    自衛隊に戦争をする能力はないと
    人員も教育もなにもかも足りずお金をかけても人は集まらない
    今回の大転換でお手並み拝見ですね

    15
    • 桜さん
    • 2023年 1月 14日

    攻撃ヘリ云々より部隊新設は相次ぐし新装備もてんこもり、なのに人員問題含めた問題は政治家も背広組も制服組もほぼノータッチって所が本当闇が深い。
    この辺は装備の話題一辺倒になりがちなミリオタも同じだと思うけど。
    陸から2千移管した所で解決する問題でもなかろうに。

    んで毎回「特定野党ガ~」でお花畑な方々に責任を押し付けて問題の本質から逃げてきたツケもあると思うぞ。
    80年代ならいざ知らず、今や力も決定権もない連中に押し付けて何の解決になるんやら…

    20
      • TA
      • 2023年 1月 15日

      悪いことはみんな野党や沖縄のせいにしとけばええんやぞ
      長年政権を担ってきた自民党に責任はありませーん

      12
    • F3戦闘機のモック見たいぜ
    • 2023年 1月 14日

    コメントでは戦闘ヘリ廃止への意見が妙に多いwが、廃止自体は流れとして正しいと思うよ。
    まぁ戦闘ヘリ云々は記事の内容からしたら枝葉末節という気もするけど。

    記事には趣旨というものがあるし意図というものがある。
    誰を購読層において書いてる記事なのか考えれば、あんまり日本人が議論を深めるような記事でもないと思う。
    あえて言えば日本の内閣府や立法機関はもっと働けということになるかな。

    14
    • green tea
    • 2023年 1月 14日

    いやぁ…その通りだったら笑えませんが
    流石ブリテン人、とても優しいですね。
    昔と変わらない素晴らしさ、大英帝国此処にあり
    末永くいい関係を続けていきたいものです。
    同じ?島国同士、仲良くしようね!

    • panda
    • 2023年 1月 15日

    日本の環境で戦闘ヘリが活躍できるような戦場が存在するかと言うと厳しい
    特に想定される敵が人民解放軍となれば・・・

    8
    • 名無し
    • 2023年 1月 15日

    思いつきで装備調達そのものは別に今に始まったことじゃないけどね
    ポシャったけどF-15JにLRASM搭載とかRQ-4調達あたりは防A省の職員ってまさかそこらのミリオタ以下なんかと疑ったけどね

    3
    • ネコ歩き
    • 2023年 1月 15日

    >「巨額の財源配分だけで安全保障に染み付いた制限を変えることはできないし、短期間でまとめられた装備調達の数々は必要を精査したとは考えにくく、子供が思いついたことを羅列しただけのように見える」

    「安全保障に染み付いた制限を変える」とは専守防衛政策を放棄するということでしょうか。とすれば大きな誤解だと思います。
    法治国家を標榜し現行憲法を持つ日本政府が、例え敵基地攻撃能力を保有したとしても、他国並みの安全保障戦略に移行するわけではありません。現在厳密に定義されているわけではありませんが、敵基地攻撃は専守防衛の範疇と解釈される内での先制阻止を許容するものです。

    「短期間でまとめられた装備調達の数々は必要を精査したとは考えにくく」は明らかな認識不足かと。
    無人装備等はこれからで課題が多いのが事実ですが、5年後10年後を見据えた整備計画です。HGVや極超音速巡航ミサイル等その他の装備はこれから研究開発を始めるとでも思っているのでしょうか。事前の研究開発事業で必要性有効性取得性を精査した上で装備化スケジュールを上程したものです。
    イギリス他欧州人から見れば、HGVや極超音速巡航ミサイルの装備化計画は「子供が思いついたこと」なのかもしれませんが。以前からタイムス紙の記者は本邦の軍事技術開発力を見下しているふしがあるように感じます。

    13
    • TA
    • 2023年 1月 15日

    このブログを読むようになって自衛隊が相当やばい状態にあるのがなんとなく分かるようになったぜ
    前は優秀なイメージだったが多分ここでボロカスに叩かれてるドイツ軍と50歩100歩だろう
    やっぱ現実は甘くないな

    22
    • k
    • 2023年 1月 15日

    核大国である中国と対峙しているのに核兵器保有の議論すらせずに防衛予算だけ積み上げても意味あるの?って考えが根底にあると思う。相手が核大国の場合、お互いに十分な量の核兵器を保有して相互確証破壊が担保されている状況で初めて、通常兵器による抑止力が機能する。もちろん今の日本は日米関係や国民感情を考慮すると核兵器保有の議論を大っぴらにすることは極めて困難なのだが、核大国ロシアと核兵器の使用を巡って激しい鍔迫り合いをしてきたであろう米英からすると、核兵器について完全に無視して通常兵器だけに莫大な投資しようとしている日本は現実から目を背けているようにしか見えないのかもしれない。

    13
      • ネコ歩き
      • 2023年 1月 15日

      日本は核抑止力を米に依存するのが従来からの安全保障戦略です。
      国家安全保障戦略でも日米防衛協力体制の更なる強化を謳っていますが、対外的に冷戦期同様米の核の傘の下にあることを示すことも狙いの一部かと。現在の日米同盟は米とNATO加盟国との関係に準じると印象付けられれば成功です。
      仮にもタイムス紙の記者が集団的安全保障の意義について無頓着ではないと思いますが。

      10
    • あああ
    • 2023年 1月 15日

    80億のアパッチ失敗で無人機と火力UHでやるの、アパッチ増やした所で地獄だったし維持予算は据え置きでオスプレイ装備がそもそも問題で、それでいてチヌーク増勢の無茶。それが突如に予算倍増だがアパッチが無人機とスタンドオフ火力使うならあの高額機体の意味が無く、無人機運用の機材も人員も余裕で乗るUH60が適当だろな。
    そんで継戦できないSSMに打撃予算全振りで今ハイマース導入しないの、じゃあ水陸戦の対地は艦載127mmでやんのか?AAV7の投入状況をまさか地上から12式で掩護するのか?直掩航空隊がなければ自前の火力を艦上展開する他ないの分かっててそれを確保しない不作為。
    まるで超極音速兵器が全てを解決するかの幻想は実際あるだろう。12式能力向上型の飽和攻撃したその後は守るも奪還するも水陸歩兵頼みの島嶼作戦になりかねないのロシアとあんま変わらん。もしくは何もしない気なのかは知らん。しかし解放軍の質が昔とは違うの極めて致命的と言わざるをえない。

    5
      • トーリスガーリン
      • 2023年 1月 15日

      HIMARSで上陸支援をしようとするとGMLRSでは射程が短すぎると思われます(例:宮古-石垣間は約120km、与那国-西表約85km)
      射程500kmのATACMSを1両1発ずつ撃つなら極超音速弾と投射能力に差はないでしょう
      一応おおすみ型の甲板上に並べて撃たせる訓練やってるのでそれならGMLRSが届くと思いますが、自衛隊の貴重な揚陸戦力であるおおすみ型にそんなことをさせている余裕ありますかね?
      結局のところ実際に可能なのは航空攻撃と地対地・艦隊地誘導弾、並びに艦砲射撃だけだと思います

      10
        • あああ
        • 2023年 1月 15日

        MK45での地上戦支援は精々20kmでエクスカリバーN5で50km程です。しかも幾ら撃てるかは特に後者は知れてます。敵地攻撃でこのレンジを戦闘艦艇でやるリスクを海自がどれだけ許容可能か。陸自自前の火力であれば好き勝手撃てるが海自火力はそうもならない。
        ではハイマーズですが、何かかしらの艦艇の甲板に極少数の据え付けて四六時中どんだけ撃てるか。GPS80kmでGLSDBなら150kmです。これらは米軍在庫のアテもある。一方で127mmGPSは現状その限りではない。
        しかし現状の陸自の航空火力は極めて弱小です。動員可能なアパッチは片手で数える程。コブラは無理。ほぼAH無しでの両用作戦なんて愚の骨頂でも実情です。今可能な最善策は輸入ハイマースの艦載化しか無い。でないと火力が無い。多少のAHや武装UHが増えても火力の継続は無理です。またそれら航空機を運用する海自余力がそもそもありません。
        しかし艦上ハイマースは僅かで済む。ロケットコンテナは砲身交換不要です。トラック積載装置をバラして予備保管も容易です。ヘリ程の工数にもなり得ない。後は無人機連接です。無人機飛ばしまくってハイマース連射。どうあがいてもこれが最適です。

        1
    •  
    • 2023年 1月 15日

    国会が出来レースなのはその通り
    議会で比較的まっとうな議論が出来てる米英からみたら、「大丈夫かコイツ?」と思うのは当然だからしゃーない
    軍事に明るくて日本独自の本音と建前を解せる人間にしかわからない事案なのだし…今回の措置が当たりかどうかは後世の人間にしかわからないけども

    13
    • 似非市民
    • 2023年 1月 15日

    『厨二乙』って言われたみたいな・・・・

    • torpeDog
    • 2023年 1月 15日

    軍拡以前に自衛官という仕事が魅力に欠けるのが問題で、
    防衛大の任官辞退者が15%にも及ぶ現状を無視してはいけない。
    戦前は貧乏人が高等教育受けるための手段が軍人さんになることだったけれど、
    高等教育が身近になった現在は自衛官が他の公務員と比べて
    早期に退職を迫られるのが避けられる理由の一つではないかと思う。

    そもそも若年定年制にあまり根拠がないのでこれが是正されるだけでも違ってくるはず。
    65歳から年金の支給なのに十年近く前に退官ですとなると不安に思う学生は多いはずなので。

    人事的な面でいうとUCAV等の『兵隊さん』が不要な兵器の拡充は
    生産年齢人口が減少し始めて30年近くたつ日本には必須で
    攻撃ヘリの操縦士のような花形職ですら集まらなくなるということを考えていかない。

    5
    • ムタ
    • 2023年 1月 15日

    内容の是非はともかく
    ・政治主導で軍事力拡張が行われている
    ・状況の変化に素早く反応している
    ・岸田政権が憲法改正に対し前向き(というありがたい勘違い)
    と日本のシグナリングが上手くいっている事は評価出来るのでは。

    4
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