侵攻500日目を迎えたウクライナでは「戦争終結までトルコに留まる」という条件で解放されたアゾフ連隊の指揮官などが帰国し、ロシアは「トルコとウクライナの双方によって捕虜解放の合意条件が破られた」と批判している。
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ロシアの主張が正しいかどうかは不明だが、合意条件を破ったトルコを強く批判していないので「何らかの根回し」があったのかもしれない
ロシア軍による侵攻直後、ヘルソン州やザポリージャ州の内通者や裏切り者が適切な対応を妨害したためクリミア方面からのロシア軍の侵入を許し、特に目立った抵抗もなくマリウポリまで辿りついてしまい、ここを防衛する第12特務旅団アゾフ連隊や第36独立海軍歩兵旅団はロシア軍に包囲された状況で80日以上も戦うことを強いられた。
マリウポリ市内の一角にあるアゾフスタル製鉄所に立てこもり、多くのロシア軍部隊を引き付けることで他の戦線の負担を軽減、西側からの支援を引き出す貴重な時間を稼ぐことに成功したものの5月20日に降伏、ロシアはアゾフ連隊の兵士を「ナチス犯罪者」と呼んで死刑が妥当だと主張していたが、エルドアン大統領の仲介と拘束されていたメドベチュク氏を引き渡すことで捕虜交換が実現。
ただし、アゾフ連隊のプロコペンコ司令官や第36独立海軍歩兵旅団のボーヴァ少佐などの指揮官は「戦争終結までトルコに留まる」という条件で解放されたのだが、ゼレンスキー大統領は8日「アゾフスタル製鉄所を防衛した指揮官を帰国させた」と発表、どうやら交渉によってトルコが帰国を認めたらしい。
しかしロシアのペスコフ大統領報道官は「トルコとウクライナの双方によって捕虜解放の合意条件が破られた。今回帰国した指揮官は戦争が終結するまでトルコ領内に留まることになっていたが、誰もロシアに通知しないままウクライナへの移送が行われた」と述べ、このような決定はウクライナ軍の反攻作戦失敗に関連しているとも主張している。
ペスコフ報道官は「協定に違反してアゾフの指導者をウクライナに引き渡すという決定は確実に反攻作戦の失敗に起因している。NATOは首脳会談を控えており、トルコも同盟の一員として連帯を示さなければならないことを我々は理解しているが、このような合意条件の違反は誰にとっても好ましいものではない」と述べており、要するに「首脳会談を控えたNATOは反攻作戦の失敗を覆い隠すため、トルコに圧力を加えてウクライナ人指揮官の帰国を認めせた」と言いたいのだろう。
ロシアの主張が正しいかどうかは不明だが、合意条件を破ったトルコを強く批判していないので「何らかの根回し」があったのかもしれない。
因みにアゾフスタル製鉄所で捕虜になった1,900人以上の兵士(内700人以上がアゾフ連隊の兵士)は未だに抑留されたままで、ウクライナ国内では家族が兵士の早期解放を求めている。
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※アイキャッチ画像の出典:Zelenskiy Official
>指揮官は「戦争終結までトルコに留まる」という条件で解放されたのだが、ゼレンスキー大統領は8日「アゾフスタル製鉄所を防衛した指揮官を帰国させた」と発表、どうやら交渉によってトルコが帰国を認めたらしい。
うーんルール無用
これ残りの捕虜の解放にも支障出るのでは?
そのロシアの主張する合意が事実かつ有効かどうかわからないので。
合意があったとするロシアの主張が実際の書面上で存在してないのはよくあること(NATOの東方拡大禁止とか)
ロシアの主張する交換の条件が事実ではないとしてじゃあなんでトルコにとどまっていたとお思いで?
ロシアとのトップ会談を控えているタイミングのトルコですが、捕虜の帰還を認めたのみならずNATO加盟の支持と、ここにきて急にウクライナに寄った姿勢を見せています。ところがロシアの非難が、当のトルコではなくNATO各国へと明後日を向いているあたり(ウクライナ加盟に関しては管理人さんが記事にしていた通り、逆に米国を筆頭に慎重派多数)、額面通りの話じゃないでしょうと私も思います。
例えば追加の捕虜交換を期待した明文化されていない自主規制であった可能性もありますね
今のところ仲介したトルコがウクライナを非難してませんよね?
トルコにしたら面子潰されてるわけで、本当にロシアが主張する約束が存在したのかトルコの反応とかその後の報道を見極めてから決めた方が良いと思いますよ
ロシアの主張は少なくとも疑ったほうが良いでしょう。
ロシアの主張がそれほど信頼できるなら、昨年2月半ばには戦争しないと言う言葉も事実であれば良かったんですがね
「戦争終結までトルコに留まる」
この条件にどれほどの意味があるのでしょうか?ロシアは何のメリットがあるのか、よくわからなかったのですが。
ロシアとしては。
実務的にはウクライナ側高級将校の捕虜は、ウクライナ側に捕らわれているロシア軍高級将校の捕虜と交換したいんですね。
ただ、国内向けにはウクライナ側をナチスと認定してナチスを征伐する聖戦をやっていることになっているので、ナチス幹部を正当な捕虜として返還するのは国内的に体面が悪く。
苦肉の策で、「捕虜はトルコに送った、戦争からは除外される」という方式で格好を付けていたんですね。
こういう時には通常、約束違反の時のペナルティが別途定められているはずです。このケースだと供託金システムでしょうから、ロシア側は供託金を没収することになります。
外形的には単に身代金を払って捕虜を取り戻したのと同じですが。
ウクライナ側はロシアに身代金を払ったとは立場上言えないんです。ロシアに戦争資金を与えるなと諸外国に怒鳴っているのに、自分が払ってましたとは言えません。
すなわち,双方の内政的要請が噛み合った結果の茶番、という奴ですね。
>>こういう時には通常、約束違反の時のペナルティが別途定められているはずです。このケースだと供託金システムでしょうから、ロシア側は供託金を没収することになります。
外形的には単に身代金を払って捕虜を取り戻したのと同じですが。
ここに関しては完全に憶測であり本当のところは誰にも分からいので断言するのはやめたほうがいいのでは。
出てきている情報が少なすぎる中で「○○でしょう」と断言するのはちょっと…。
基本はおっしゃる通りです。しかし、ウクライナ兵捕虜の方が断トツに多いので、ロシア兵捕虜が溜まると交換になります。つまり、ロシア側には交換に出すウクライナ将兵は沢山の在庫があるわけです。
この時の捕虜交換は、ウクライナがプーチンに近い民間人(たしか野党の指導者かテレビ局等のオーナーだったか?)を拘束して、その後にその人のやつれた姿が宣伝されていたのです。それとの交換なんですよ。ロシア兵1人対ウクライナ兵4人くらいの交換比率の時だったと思います。
ロシア側からするとアゾフは住民を虐殺や処刑していた許せん奴ということだったのですが、上のような事情でアゾフの捕虜交換に応じて、トルコを巻き込んで変則的な形になったのです。
第36海兵旅団の方は住民に対する虐殺の話もない部隊だったのですが、マリウポリの捕虜でセットになったか、ウクライナに戻りたくなかった?とか。
ちなみに、この第36海兵旅団は徹底的に戦って壊滅しましたが、強くかつ住民を巻き込んだり虐殺もしない立派な部隊で、バフムト市街最後の93旅団と並んで、私的には評価が高いです。
ウクライナでは、住民を盾にとって住民を解放したらすぐに降伏したアゾフが英雄になっています。しかし、この36旅団で生き残って奇跡的に退却できた将兵はウクライナで裁判にかけられた?報道の記憶があります。戦争では時々ありますが、皮肉なことですね。
これは今回のロシアウクライナ戦争に限らず過去の戦争や将来起きうる戦争でも気になりますが、
捕虜交換で帰ってきた兵士って経験豊富なベテラン兵になってるわけで、軍役に復帰したら厄介な敵になりますよね。
戦時中に捕虜交換した場合、返還した捕虜が自軍を殺す事も大いにありうるのですがそこらへんどう整理してるのでしょう。
終戦後に捕虜交換にならず、戦時中に捕虜交換する意図はなんなんでしょうか。
交戦中の両国ともメリットがデメリットを上回ると判断しているから、戦時中にも捕虜交換が行われるのでしょうけども
第二次世界大戦では日米も捕虜交換してたんですかね
いわゆるジュネーブ条約において、捕虜が送還後に現役の軍務に再びつくことは禁止されていますよ。守られているかどうかはさておき。
独ソ戦でスターリンの長男とヒトラーの甥の捕虜交換の話が出たけれどスターリンが拒否したんだよね
後に捕虜収容所内でスターリンの息子は悲観して自殺で終わったけど
日本海軍の海軍乙事件の福留中将も捕虜対ゲリラへの掃討命令の交換なだけにちと違った
有れば知りたいですね第二次世界大戦中の捕虜交換
捕虜になる兵士はずっとウクライナの方が多いわけだけどこういうことが起こるならこれからの捕虜交換に支障が出るだろうな
それでもなおウクライナが帰国させた背景には将校の不足があるんだろう
半導体の密輸にトルコ人も関わってたから、それ絡みとか?流石に関係ないか。
「反攻作戦の失敗」が一瞬何の話してるのか分からなかった
緒戦で西側戦車を壊滅させたと大戦果をプロパガンダしまくった結果、ロシア国内に限ってはもう終わった話になってしまったのな
トルコは約束を破ってない、とも言える。
ロシアは戦争ではなくて特別軍事作戦をやってるだけだから。