ロシア軍によるウクライナ侵攻初期の3月上旬、ウクライナ代表団の一員だったデニス・キレフ氏は防諜部門に拘束され遺体で発見されたため「スパイ容疑で殺害された」と関心を集めたが、この事件の真相を関係者が明かし波紋を呼んでいる。
参考:Плохая координация между СБУ и ГУР: Подоляк назвал причину убийства Киреева
参考:Застреленный СБУ Киреев предупредил Киев о планах РФ
任務でロシア側代表団の主要人物と連絡を取り合うキレフ氏をSBUはロシア側のスパイだと疑い、司法手続きを無視して射殺してしまった
ラトビアメディア「Delfi」の取材に応じたポドリャク大統領府顧問は事件について「キレフ氏はウクライナ侵攻計画に関する貴重な情報をもたらした人物で、彼が誤って殺害されたの保安庁と情報総局の間に統一された調整がなかったためだ」と明かし、米メディア「WSJ」の取材に応じたGBRのブダノフ准将も「もし彼がいなければ恐らくキーウは占領されていただろう」と述べている。
ブダノフ准将の説明によるとキレフ氏はウクライナ国防省情報総局(GBR)のエージェントで「彼がロシア側の情報を伝えてくれたお陰で23日にプーチンがウクライナ侵攻を命じたことも、攻撃の目標が何処なのかも全て事前に知ることができ、キーウ防衛のため軍を配備する貴重な時間を得ることができた」と述べており、24日朝にロシア軍空挺部隊がアントノフ空港を強襲するのを事前に把握して阻止できたのは「キレフ氏のお陰だ」と示唆。
さらに「彼はロシア側代表団の主要人物2人と親交があったため和平交渉団に参加するよう指示した」とも明かしており、ロシアとウクライナの双方で人脈を築いてきたキレフ氏が「ウクライナ代表団の一員」として表舞台に登場するのは非常にリスクが高く、ブダノフ准将は「彼が会場に現れればSBUに怪しまれるのは明白だったが、当時は危機的な状況だったのでリスクを覚悟した選択だった」と述べ、2回目の協議が決まると再びキレフ氏の参加をブダノフ准将をねじ込んだらしい。
この時点でキレフ氏はウクライナ保安庁(SBU)はロシアのエージェントではないかと疑われていたためGBRに護衛されキーウ駅まで移動したが、身の危険を察知したキレフ氏は「逮捕されるかもしれないので邪魔しないでほしい」と伝えたのち遺体で発見され、ブダノフ准将は「スパイ容疑でSBUによって拘束されたキレフ氏はそのまま射殺された」と明かしている。
SBUは当初「電話の盗聴でキレフ氏がロシアと繋がっている証拠を持っている」と主張したが、GBRは「特別任務中にキレフ氏は死亡した」と発表、ゼレンスキー大統領も「国家に対する卓越した貢献」を評して勲章を贈り、バイコヴェ墓地に眠るウクライナ初代外相の隣に英雄として埋葬されたらしい。
つまりキレフ氏の存在をウクライナ保安庁にも明かしていなかったため、任務でロシア側代表団の主要人物と連絡を取り合うキレフ氏をSBUはロシア側のスパイだと疑い、拘束するまで良かったもののSBUが司法手続きを無視して射殺(頭を撃ったあと遺体を街中に放置しているため見せしめ的な側面を強い)してしまい「キーウ占領を阻止した影の立役者を無意味に失ってしまった」というのが事件の真相だ。
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ソースが何処であっても、現時点で出てくるこの手の話は何かしらバイアスがかかっていると考えておいた方が宜しいかと・・・。
真実は永遠に闇の中か、最低でも戦後を待つしか無いように思います。
疑うのは分かるが、いくらなんでも司法手続を無視して射殺して見せしめで放置はありえない
この一件に関してだけは養護できる余地は一切なく、ナチス的と言わざるをえない
100歩譲って、射殺自体が暴走した個人の行為だとしたら、法治国家として射殺した人物を逮捕・起訴しなければならない
個人の違法行為は個人の腐敗だが、それを政府が容認してしまったら法の支配の否定になる
戦争犯罪にしたってアメリカはイラク戦争などで色々やらかしてるし捕虜の拷問もあったかもしれないが、建前として違法行為は全て軍法会議で裁かれ懲戒処分などが下っている
今回の戦争はロシア兵捕虜への暴行などが投稿されている。実際にそういう事をやる気持ちは分かるが、それを自ら撮影して投稿して、さらにそれが社会に称賛されるようになったらもはや法治国家ではないという事
スピード違反をしたからといって悪人とは限らないし、黙認されている部分もあるが、その様子を自ら撮影して投稿したら逮捕しなきゃいけないのと同じ。建前というと悪い物のように聞こえるが、むしろ法治国家にとって重要なのは建前
ロシアだって建前として法を守っているからマリウポリで捕まえたアゾフの司令や副司令の捕虜交換に応じたわけで
ロシア相手なら何してもよいってなると、ロシアも「じゃあ国際人道法から撤退して無制限攻撃するよ」となって結果的に犠牲者は増える
この件が初めて報道されたときから市井諸兄の反応には違和感しかなかったな
“行政が”正当な手続きなく拘束された人間を殺害するとか擁護の余地ないと思ってたけど、大絶賛の嵐でドン引きした思い出
ロシアの捕虜虐待の時もそうだけど、個別の事案は個別に判断されるべきであって、進行された側が何をしても許されるというわけでは決してないんだよね
それがまかり通るのなら、ロシアのウクライナ侵攻だって背景を踏まえると云々みたいな論法が正当化されてしまう
ウクライナに対する世界的な(少なくとも多くの西側からの)支援が増大するにつれ、明らかにウクライナに非があることを矮小化しようとしたり正当化しようとする動きがウクライナの内外で活発化してるのは残念なことだ
前々から主張してるけど、ウクライナに対する支援の中に「ガバナンスの強化」が絶対に必要だと思うんだよなぁ
細かいこと知らないから一般論でしか語れませんが、変に処刑を急ぐのは実は冤罪なのだと判ってて執行する場合と、逮捕しても上からのストップがかけられるのを予想していて先に手を下した、あるいは生かしておいて公判にかけると不都合な理由があった、つまりは口封じの意味があるか
そういう場合しか思いつきません
何かまともでない作用があったのは確実
政権側がsbuを信用していなかったことがよく分かるエピソードだね
ウクライナ保安庁は、ソ連国家保安委員会の後継機関であり、ウクライナ共産党の影響が強かった
歴代長官は一昔前までソ連KGB出身
今もやり方はソ連時代と変わらず、最近はロシア兵捕虜の個人情報を公開して晒し者にしたり、捕虜に家族に電話させて公開したり、出国禁止なので女装して国外に逃げようとしたウクライナ人を「裏切り者」としてHPに個人情報を晒したりなど
西側の国としてはありえない行為を繰り返している
一時話題になった、死んだロシア兵の携帯で、家族や恋人に「お前の息子(恋人)は死んだ」と電話する様子を撮影して公開したのも保安庁
救いの無さ過ぎる失態
仮にスパイだったとしても、拘束した時点で無力化出来ているし、さらに彼から情報を聞き出して、どこの誰と繋がっていたのか、その情報源や情報網からさらに炙り出すべきスパイがいるか、或いは逆に利用できるかなど、得るべき情報が大いにあったはず
そう言う意味でも、何の手続きも経ずに殺したのは完全なる落ち度だった上に、そもそもスパイどころか多大な貢献をした愛国者だったなんてのは、ありとあらゆる意味で殺害者は無能の誹りを免れ得ない
今はアゾフ連隊や、クラーケン連隊、スヴォボダ連隊のような国家親衛隊を管轄する内務省の内務大臣が、ヘリコプターに乗っていて墜死した直後でもあり、ウクライナ政府内も相当に混乱しているでしょう。
そもそもオルガリヒという地方財閥の資金でアゾフ連隊や、スヴォボダ連隊などが編成されたのは、国防省管轄のウクライナ軍の中に親ロシア派が多いと疑われていたためでした。
一方でブダノフ准将の方などは、国防省が管轄するウクライナ軍の側であり、逆に国防省管轄でない内務省管轄の国家親衛隊などの方が信用できないというのもあるでしょう。
SBUがこういった感じであれば、他の組織、機関、部隊なども、今までどんな感じであったのか?と疑われても仕方がありません。内務大臣がどうして墜死したのかも、現時点ではよくわかりません。報道が統制されているのはもちろんです。
似たような話では、ベトナム戦争中にも南ベトナムの公安の幹部が、路上でベトコンを射殺したのが大きく報道されたのもありました。
バフムトの方面は、ロシア軍が南北の突破した地区から大きく迂回して、完全包囲を目指すような態勢になりつつあり、そういうような戦況も、こういう話が今になって出てくる背景にあるかもしれません。
ロシアを支持する気は微塵も無いけど、極端なウクライナ支持者も多いよね。
1mmもウクライナに貶めるニュースを認めない層の特徴は「そこは重要じゃ無いから問題なし」「ソースが信用できない」「バイアスがかかった情報」とか?
もうちょいバランス良くいこうよ。
この記事についても、かなりバランスの良いコメントがほとんどだと思いますが?
気の毒なお話です。ウクライナ戦争は映画になりそうなエピソードがたくさんありますが、この人もスパイゾルゲみたいに後の世で語り継がれるかもしれません
手続き無視の速度重視か、法治国家としての手続き重視か、どちらを重視するべきなのか悩ましい。どちらも国が存続しないと実行できないので。どちらにしても、戦後に処理するべき。少なくとも、キレフ氏の件は、戦後判断すべきこと。合掌。
ウクライナの諜報機関も元を辿ればソ連ですからね
東側流と言う奴でしょうか
西側の国民としては中々強烈なものがあります
ソ連は何をするにも形式的な手続きが必要な国でしたよ。
拷問して自白の調書を取って裁判にかけて有罪にする、弁明件なしで裁判にかけて有罪にする、そういった形式的手続きを踏んでから処刑しました。
捕まえて撃ち殺して放置はただのゴロツキ行為。
ロシアから侵略を受けているので日本を含めた西側諸国は支援しているが、本来ウクライナもロシアと同レベルで腐敗した国だからな
背景に権力争いがあっただの、ロシアの謀略に乗せられただの後から出てきても人命は戻らないもんな
なぜ司法手続きを踏まずに処刑したのか、ウクライナの闇も深い
墜落事故で高官が死亡したあとに、この手の話が出てくるのも胡散臭さを感じる
無闇矢鱈と陰謀論を展開したいわけじゃなく、ウクライナ政府内での力関係をめぐる暗闘もやはりあるのだろう
当時の記事だと、
ロシア軍の対テロ特殊部隊がウクライナに送り込まれた。この部隊も実は攻撃が阻止されたと、
それは、ロシア軍の中にいたスパイから情報がもたらされて阻止された
という真偽不明の情報がある、というような内容でした。
この情報のウクライナ側の受け手がキレフ氏だったのかもしれません。
スパイだった?停戦交渉のウクライナ代表団の1人が射殺 専門家「双方が情報戦」
リンク
【悲報】ウクライナ側の停戦交渉団のメンバー、デニス・キレーエフがロシアのスパイだったとして射殺される
リンク
さすがに今回のは射殺は早すぎたかなぁ。
捕まえるまでならよかったのに
誰も指摘していないのですが、この事件は一見するとGBRとSBUの連携不足による悲劇の様に見えるものの、実はもっと斜め上な真相だったのかも知れません
それは「キレフ氏を殺害したSBUメンバーの正体は、実を言うと『SBUに潜入していたロシアFSBのエージェントあるいはその内通者だった』」です
その根拠としては
「実行犯のSBUメンバーは司法手続きを無視してキレフ氏を射殺した上、見せしめ目的で路上に放置しているが、これは幾らウクライナがアレでもバレた場合のリスクが高過ぎる方法であり、むしろロシア側による内通者に対する警告と見た方が自然」
「SBUは旧ソ連時代に有ったウクライナKGBの後進組織の為、旧KGBの血を引くロシアFSBとしてはエージェントや内通者を潜入させ易いと思われる」
「開戦時におけるキレフ氏の功績を考えると、ロシアFSBが報復をしないはずが無い」
「キレフ氏を殺害したSBUメンバーのその後が伝わっていない(もしかするとウクライナ側は彼等の交友関係等から、他の内通者を炙り出しているのか?)」
恐らくですが、ロシアFSBは和平交渉団にキレフ氏の知人を参加させる事で彼を誘い出した後、SBUの内通者に拘束させた上で報復したと言うのが真相かも知れません……
それは陰謀論者をネタにした冗談ですか?
いいえ、情報戦の世界では冗談では無く陰謀論スレスレの現実が展開されたりしていますよ
実際、今回のロシアによるウクライナ侵攻ではヘルソンのSBUトップが部下に逃走を指示した結果、早い段階でヘルソンが陥落したと言う話等、SBUによる内通騒ぎが幾つか流れていますし、それ以前からSBUはロシアとの内通疑惑が有ったんです
仮にスパイだったとしても、なぜ大物をいきなり射殺したんだろうという違和感しかない
と私も思う 普通に尋問すべきだからね
利益があるから支援してるだけでウクライナもロシアと変わらない腐敗国家だからねぇ