スウェーデンのクリステルソン首相は24日「ウクライナにレオパルト2A5を最大10輌を提供する」と発表、ドイツも編成中のA6戦車大隊の不足をカバーするためA6を追加で4輌すると報じられている。
参考:Pål Jonson
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魔法を唱えるかわりにレオパルト2保有国に電話を掛け続けたピストリウス国防相
スウェーデンのクリステルソン首相は24日「レオパルト2をウクライナに提供する国際的なグループへ正式に参加し、レオパルト2A5(Stridsvagn122)を最大10輌を提供する」と発表、ジョンソン国防相も「ウクライナの防空能力を強化するため相当量のHawkシステムと弾薬を提供する。さらにドイツと協力してIRIS-Tシステムも提供する」と明かし、この装備提供は以前に発表したアーチャーとCV90が含まれるパッケージに追加されるらしい。
@swedishPM and I just announced that Sweden is joining the Leopard 2 tank coalition. Sweden will give up to 10 Leopard 2 A5 main battle tanks to Ukraine. This, with the 50 CV90 infantry fighting vehicles on the way, will significantly strengthen the armed forces of Ukraine. (1/7) pic.twitter.com/wk7DFBVCYr
— Pål Jonson (@PlJonson) February 24, 2023
独Spiegel紙によればスウェーデンが提供するレオパルト2A5は「ドイツ主導で編成中のレオパルト2A6戦車大隊(40輌)」に組み込まれる予定で、ドイツ提供の14輌とポルトガル提供の3輌(4輌という説もある)しか集まっておらず、ここにスウェーデン提供分が加わればA6戦車大隊の戦車は27輌になる。
ドイツのピストリウス国防相は「約束通りレオパルト2(A6戦車大隊)をウクライナに提供するのは難しい」と述べていたが、この問題について独Spiegel紙は「予定されていたパートナーの何れもA6提供を発表しなかっためピストリウスは各国の説得に奔走することになった。魔法を唱えるかわりにレオパルト2保有国に電話を掛け続けスウェーデンからA5提供を引き出した。しかしこれ以上の提供にパートナーが応じなかったためピストリウスはドイツの提供数を14輌から18輌に増やさざるを得なかった」と報じているのが興味深い。

出典:Krauss-Maffei Wegmann GmbH & Co. KG
ドイツが追加提供する4輌のA6について独Spiegel紙は「A6(14輌)が故障した場合に備えて用意してあった予備車輌(5輌)から引き出される」と指摘しており、ウクライナ軍に引き渡したA6が故障したり修理を必要とする場合に用意してあった予備車輌は1輌だけになるという意味で、ドイツが減少する予備車輌を補充するのかは不明だ。
どちらにしてもA6戦車大隊はスウェーデン提供のA5とドイツが追加提供するA6を加えることで31輌(ウクライナ軍戦車大隊の標準定数)になるため、なんとか形になってきたと言える。
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※アイキャッチ画像の出典:Jorchr/CC BY-SA 3.0 Stridsvagn122
いろいろ言われてるけど
ドイツって良くも悪くもやると一度決めたらなんとかしてやり遂げようとする国だなあと
製造ラインや治具が残ってるのなら、この機にレオパルド2新造しないのかな
ノルウェーがレオパルト2A7の採用を決めたのでレオパルト2は新造が予定されています。ただしヨーロッパ各国がウクライナへ供与するA4はスペインが保管中の物を含めて状態の悪い車両が多い上にラインメタルが保管中のレオパルト1も供与が決定された為、これら戦車のオーバーホールが当面の優先事項になるのでノルウェー向けの新造は時間がかかるみたいです。(2026〜2031年に納品予定)
ノルウェーに採用されたことをすっかり忘れてました。ありがとうございます
官僚機構の極みというかドイツ人の気質というべきか
一度動き出したら止まれないのはドイツらしいですね