ポーランドのモラヴィエツキ首相は24日にキーウを訪問し「約束したレオパルト2A4と60輌のPT-91がまもなく到着する」と発表、ウクライナのシュミハリ首相も到着した4輌のレオパルト2A4を公開した。
参考:Премьер Польши приехал в Киев в годовщину российского вторжения
参考:Моравецкий: 60 танков PT-91 на днях прибудут в Украину
欧米諸国はただ支援を行うのではなく「政治的に効果的な支援の見せ方」にも注意を払っている
ウクライナ侵攻の節目にあたる2月24日を意識して米国のバイデン大統領(20日)、イタリアのメローニ首相(21日)、スペインのサンチェス首相(23日)がキーウを訪問、侵攻開始にあたる24日にはポーランドのモラヴィエツキ首相がキーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談した。

出典:President of Ukraine
この日に合わせてポーランドは約束したレオパルト2A4の移送を始めており、モラヴィエツキ首相も「ウクライナに最初の4輌を引き渡した」と会談後の会見で発表、シュミハリ首相もウクライナに初めて到着したレオパルト2A4の様子を公開して注目を集めている。
さらにモラヴィエツキ首相は「数日以内に60輌のPT-91も到着するだろう」と明かしたため、ポーランドの新たな戦車提供は計84輌(A4×14輌とPT-90×60輌)になり西側諸国の中で最大の戦車提供国(累計300輌以上)であると示唆した格好だ。
因みにブラスザック国防相は先月「国内に残るT-72やBMP-1を提供してウクライナ軍の旅団を編成する」と述べていたため、T-72M1ベースのPT-90がポーランドで編成された新旅団向けの装備かもしれないが、旅団編成は1月21日に発表されたので新旅団とは無関係=PT-91提供と別話の可能性もあり、ポーランドが一体どれだけの旧ソ連製装備をウクライナに提供しているのか見当もつかない。
どちらにしても欧米諸国はただ支援を行うのではなく「政治的に効果的な支援の見せ方」にも注意を払っており、モラヴィエツキ首相は「提供を約束した国の中でポーランドがレオパルト2を一番最初に引き渡した」と強調している。
※PT-90→PT-91に修正
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※アイキャッチ画像の出典:Денис Шмигаль Прем‘єр-міністр України
外交では見せ方が何よりも大事です。
岸田総理も55億ドルの札束と金塊を送った方がアピールできると思いますよ。
バブルの時期じゃあるまいしGDP世界4位になるかもしれない国がそれをやったら、傾いた商家の苦労知らずの若旦那が金をばら撒いているようにしかみられんでしょう。
民生品でも武器でも構わないので、その金で国産製品を買って提供する等、国富が国外に流出しないよう苦労しているように見せるべきでしょうな。
現金送付は悪手ですよね。理由は。
・GDPが減る。
・今一つ感謝されない。
国産すれば、その分はGDPが増えて多少なりとも景気対策にはなります。
それでも、持ち出しにはなりますが。
日本だと、大量生産可能な装備で、役に立ちそうなのは4WDトラックとかですかね。
ウクライナは切実に現金を求めています。
兵士に支払う給料は何よりも必要なので、ドル紙幣現物はちゃんと効果はあります。
まあ、日本が現地で役に立つものを目に見える形で送れるのなら、それはそれで立派ですが
55億ドルの内訳なんて、日本人ですらまともに知らないでしょう?
現金なんて嫌味だ、成金だと言われようが、支援した事すら世界には満足に知られてないより万倍マシですよ。
現金をばら撒いても感謝されなかったのが湾岸戦争。
湾岸戦争後のペルシャ湾掃海活動で初めて感謝された現実を知らないのでは?
武器がダメでもロケット砲や対空機関銃が搭載可能なランクルやハイラックス、瓦礫の撤去や陣地構築に必要な建設機材や避難所や最前線で歓迎されるポータブル発電機等、軍民両用でウクライナ側が欲する物質を日本が積極的に提供すれば良いのである。
この記事のテーマは『ただ支援を行うのではなく「政治的に効果的な支援の見せ方」にも注意を払っている」と言う話なのに、なぜ支援内容についての話にすり替えられてるのでしょうか。
今回は周辺でウクライナ難民を受け入れている国が経済的に疲弊しているという話もあるので金はそちらでも役に立つはず
あと掃海部隊って感謝されてましたっけ?
数だけは多かったけど、行くのが遅れたのでメインの航路帯はヨーロッパの掃海部隊が掃海してしまい、残りのあんまり船の通らないような海域を受け持つことになったように記憶してますが
それでも装備が非常に旧式だったので大変苦労したそうですが
いうて湾岸戦争の時は金持ちへの支援だったからなぁ。
ウクライナへの支援とは現金の価値も違うんじゃない?
確かに日本から支援する現金に色が付けてあるわけではないですからねえ。ありがたいのは現金であっても日本に直結しないから、アピール効果としては一過性に過ぎない。
掃海部隊の派遣は、アピールとしては地味であっても持続的だし、派遣に必要な諸経費のある程度は国内に還流されるし、装備改善の刺激になったわけで筋はよろしい。
結局のところ単純な国富の流出である現金給付は大きければ大きいほど「政治的に効果的な支援の見せ方」としては費用対効果が悪くなりますな。災害時の赤十字を通じた支援額レベルにとどめるのが無難です。
外貨準備高って知ってる?
去年の秋に円安が進んだ時は、今回のウクライナへの支援の9倍位のドルを市場介入で使ってますんで、外貨準備的にはインパクトのある額ではないですね
>国内に残るT-72やBMP-1を提供してウクライナ軍の旅団を編成する
ポーランドはK2の一次納入分(2025年までに180両)の調達目処が立っているのでしょうね。第一次バッジの10両は昨年10月に受注から3ヶ月というスピード納品を達成、2023年に韓国は何両のK2を供給するか?
ポーランド国産のボルスク歩兵戦闘車も製造元のスタロヴァ・ヴォラ製鉄所に1000両の発注をしたばかりで国内の機甲部隊向けの装甲戦闘車両の一新が決定しているからこそPT-91などの旧式装備をウクライナへ優先供与(ポーランドからすると在庫処分?)するのでしょう。
私が知らなくてもうしわけないのですが、「PT-90」というのはPT-91と別の戦車があるのでしょうか?
いや、管理人さんが書き間違えただけでしょう。
西側戦車が供与されつつありますが、数の問題も含めて、使い方はどうなのでしょう。
レオ2は種類別に2個戦車大隊に纏めるようですが、やっぱり数が少なく思えます。
これは昔のティーガーみたいに火消しに使うのでしょうか。
数からして、ロシアがするような、敵陣地への突撃は勿体無い気がします。
チャレンジャー2やM1A2はもっと少ないですから、それこそ火消しと思えるのですが。
他に供与されるIFVとの組み合わせはどうするのでしょう。
伝えられるものを聞く限りでは、今行われているのは歩兵戦のようなので。
或いは、中隊規模くらいで兵科別に編成をしておいて、戦闘の流れ次第で、
随時に連隊規模の戦闘団を編成するのかな。
2月24日付、ウクライナプラウダ紙に、
ちょっとおちゃめなレズニコフ氏のショートビデオがありました。
リンク
レオパルトの内部を見学した感想を聞かれ、
『すみません、モスクワへの道はどこでしょうか?』
とポーランド語で答えて周囲をわかせたそうです。
レズニコフ氏は法律家で頭脳明晰、交渉術にも長けていて
今のウクライナには必要不可欠の人材。
スキャンダルに巻き込まれて罷免させられないで良かったわ。