欧州関連

ポーランド国防相、国内の修理拠点がウクライナ軍のレオパルト2受け入れを開始

独メディアは「ポーランドにレオパルト2の修理拠点を開設する話は条件面で合意できず交渉を打ち切った」と報じていたが、ブラスザック国防相は23日「グリビツェの修理拠点が稼働を開始した。既にウクライナから最初の2輌が工場に運び込まれている」と発表した。

参考:Hub remontowy dla czołgów Leopard w Gliwicach rozpoczął działalność – informuje minister M. Błaszczak.

ポーランドの単独運営か、ドイツと合意したレオパルト2A5とA6にも対応した修理拠点なのかは不明

ドイツのピストリウス国防相は4月「ウクライナに提供されたレオパルト2の修理拠点開設でポーランドと合意した」と発表、当初計画ではKMWとラインメタルが合弁会社を設立、PGZが所有するグリビツェとポズナンの工場にレオパルト2の修理拠点を5月末までに開設する予定で、ドイツが開設費用の1.5億ユーロと修理にかかる費用を全額負担するというものだったのだが、PGZが要求する修理費用が高額過ぎて交渉が難航していた。

出典:Photo SGM Marco Dorow, German Army

独メディアは「修理拠点に持ち込まれるレオパルト2の状態検査にPGZは10万ユーロ以上を要求したが、ドイツでは当該検査に1.2万ユーロほどしかかからない。PGZは修理内容に対する保証も拒否しており、本当に異常としか言いようがない。このような妨害行為の背景には政治的なキャンペーンが潜んでいる」と指摘。

さらに「ここ数ヶ月間、ワルシャワはベルリンに対するネガティブキャンペーンを繰り広げてきたため、与党PiSがこのチャンスを逃すはずがない。ポーランドは戦車提供に関連してドイツを「支援のブレーキ役だ」と公の場で散々批判してきたことがあり、今回の修理拠点開設に巡る屁理屈も政治的な動機によるものなのは明らかだ」と強い調子でポーランド側を非難、それでもピストリウス国防相は粘り付く良く交渉をづづけていたものの12日に「ポーランドとの協定を打ち切った」と報じられていた。

この件についてポーランド側は「修理拠点に関する交渉は続いている」と主張していたが、ブラスザック国防相は23日「グリビツェの修理拠点が稼働を開始した。既にウクライナから最初の2輌が工場に運び込まれている」と発表したものの、この拠点はドイツと協力してウクライナ軍に提供されたレオパルト2A4、A5、A6を修理できるのか、それともポーランドの単独運営でレオパルト2A4の修理のみ対応なのかは不明だ。

もしポーランドの修理拠点がレオパルト2A4にしか対応していない場合、損傷したレオパルト2A5とA6はドイツかリトアニアの工場に送って修理を行う予定だが、ブラスザック国防相の投稿に添付された写真がA4なので「ポーランド単独の運営=A4のみ対応」を示唆している可能性が高い。

追記:ポーランドで修理可能なのはA4のみ

関連記事:ドイツとポーランドが決裂、ウクライナのレオパルト2はドイツで修理
関連記事:ポーランドとドイツが戦車を巡って喧嘩、戦車争奪戦の正直者はどっち?

 

※アイキャッチ画像の出典:Mariusz Błaszczak

豪国営放送、ウクライナ人は外国人軍団を辞める人間を投獄すると脅す前のページ

ウクライナ、HAWKに相当する独自の中距離防空システムを開発中次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    ゼレンスキー大統領、戦闘機提供に肯定的な決定が下されたが詳細は明かせない

    ゼレンスキー大統領は欧州議会での演説後「欧米によるウクライナへの戦闘機…

  2. 欧州関連

    トルコ、ギリシャのF-16Cを東地中海上空で追い回した映像を公開

    今月27日、トルコ空軍のF-16Cとギリシャ空軍のF-16Cが東地中海…

  3. 欧州関連

    誰がウクライナにパトリオットを提供するのか? ギリシャは提供に否定的

    ウクライナはパトリオットシステムの追加供給を要請、Financial …

  4. 欧州関連

    スペイン軍のヘリ戦力に対する史上最大の投資、Airbus製ヘリを100機購入

    スペイン国防省の調達部門は18日「Airbus製ヘリコプターを100機…

  5. 欧州関連

    スペイン国防省、イスラエル企業と締結した対戦車ミサイル契約を破棄

    スペインはイスラエルの軍事行動を強く批判しており、4月にイスラエル企業…

  6. 欧州関連

    独仏がウクライナと安全保障協定を締結、2024年に101億ユーロの軍事支援を約束

    英国に続きドイツとフランスが「安全保障に関する2国間協定」をウクライナ…

コメント

    • 匿名
    • 2023年 7月 23日

    これ普通のトレーラーで戦車運んでない?
    履帯の半分ぐらいが荷台からはみ出してるように見える
    危なくね?

    1
      • 58式素人
      • 2023年 7月 23日

      結構大丈夫ではないでしょうか。
      昔読んだ本(児島襄:朝鮮戦争)の中で。
      米国第一海兵師団が、一度38°線を超えて北進し、
      中共軍の介入により、冬季に中共軍の半包囲下を撤退した時のことで。
      山中の谷川で、全車両(最大は戦車、最小はジープ)を渡した時に、
      渡河機材の不足(壊したと書いてありました)から、
      最大幅の戦車は、履帯の内側で左右各々4インチ(約10cm)、
      最小幅のジープは車輪の外側0.5インチ(約13mm)掛かった状態で
      渡ったと書いてありました。事故はなかったそうです。
      履帯とは結構な丈夫なのだな、と感心しながら読んだ憶えがあります。
      履帯の半分が掛かっていれば、余裕なのでは。

      14
    • Easy
    • 2023年 7月 23日

    これはポーランド側の方が巧妙で。
    さっさとレオパルド2を自国の工場に運んで仕舞えば、あとはそれを「人質」として交渉できるんですよ。
    前線で何らかの故障をしてるとは言え、新品で買えば10億円は払わねばならない軍事技術の塊を、ただ同然で鹵獲したようなものですから。
    そりゃもう難癖つけて時間を引き延ばして、その間に隅から隅まで調べ尽くすことでしょう。この場合、「ドイツとポーランド間ではまだ何の契約もされていない」わけですから。リバースエンジニアリングも、第三者への情報共有もやり放題ですよ。特に韓国とトルコの技術部隊が億円単位の謝礼を用意して「修理支援」の申し出をしてる頃でしょうね。

    1
      • 名無し
      • 2023年 7月 23日

      その手の穿った見方というか、陰謀的なお話大好きみたいですが、自国の保有してた戦車をリバースエンジニアリングして意味あるんですか?

      29
      • 匿名希望係
      • 2023年 7月 24日

      だいぶ前から自国でもっているぞ。

      14
        • 戦略眼
        • 2023年 7月 24日

        ついでに、改良もしているぞ。

        4
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
PAGE TOP