イランで会談したプーチン大統領と会談したトルコのエルドアン大統領は25日「共同で無人航空機の製造を行いたい(TB2製造で有名なBAYKARのロシア工場誘致)とプーチンが提案してきた」と明かして注目を集めている。
参考:“Putin, ‘Baykar’la beraber çalışalım’ diyor”
参考:Путин просит Эрдогана привлечь Россию к производству Bayraktar – CNN Türk
不公平な扱いに怒ったエルドアン大統領が「ロシアに無人航空機を売るぞ」と米国に揺さぶりをかけているのだろう
トルコとウクライナは2020年に軍事協定(21の分野で2ヶ国間の協力を拡大させる法的枠組み)を締結、ウクライナは48機のTB2をBAYKARに発注したのだが、ロシアはナゴルノ・カラバフ紛争で効果を発揮したTB2がウクライナに販売されることが目障りでトルコに抗議したもののエルドアン大統領は「もしTB2が欲しければロシアにも売る用意がある」と述べて相手にしなかった。
その後、ロシア軍によるウクライナ侵攻が発生するとBAYKARは50機以上のTB2をウクライナに供給、米CNNの取材に「我々はウクライナの主権を支持するのでTB2をロシアには売らない」と発言していたが、イランでプーチン大統領と会談したエルドアン大統領は「共同で無人航空機の製造を行いたい(TB2製造で有名なBAYKARのロシア工場誘致)とプーチンが提案してきた」と明かして注目を集めている。
この提案が事実でエルドアン大統領がロシアにBAYKARの工場建設を容認するのか不明だが、西側の経済制裁を受けるロシアで無人航空機の製造を行うのは構成部品の調達で無理があり、恐らく「トルコへのF-16売却阻止を可能性にする国防権限法(NDAA)」を可決した米下院への政治的な牽制の可能性が高い。
バイデン政権が「F-35プログラムからの追放に対する補償」としてトルコに持ちかけているF-16V売却(新規にF-16Vを40機+既存機のV仕様アップグレード80機分)は議会がS-400導入を問題視してブロック、東地中海で軍事的に対立中のギリシャロビーも議員に「トルコへのF-16V売却を認めてはならない」と積極的に働きかけていたが、トルコがフィンランドとスウェーデンのNATO加盟を支持したことでバイデン大統領や国防総省が再度「トルコの戦闘機近代化を支持する、これはNATOの安全保障ひいては米国の安全保障に貢献する」と表明。
米下院外交委員会も「トルコがフィンランドやスウェーデンのNATO加盟をブロックすればF-16V売却を認めない」と発言していたため、トルコへのF-16V売却は「高い確率で実行に移される」と見られていたが、今月14日に可決したNDAAにはトルコへのF-16売却をブロックする条項が含まれており、同じ様にS-400導入して制裁発動が間近に迫っていたインドへは制裁回避に道を開く条項が含まれている。
つまり不公平な扱いに怒ったエルドアン大統領が「ロシアに無人航空機を売るぞ」と米国に揺さぶりをかけているのだろう。
ただプーチン大統領が本当にBAYKAR製の無人航空機を欲しがっているのなら、ロシア軍のUAV/UCAV不足は相当厳しいのかもしれない。
関連記事:米下院がトルコへのF-16売却阻止、インドへの制裁回避を含む法案を可決
※アイキャッチ画像の出典:BAYKAR
そんな事やったら制裁されたりデメリットが大きすぎるので、こういう話もあったとリークしてのしょうもない駆け引きだろう
ロシアへの無人機ならイスラエル、イランの方がよほど現実的な懸念
わざわざこの情報を表に出した(アメリカへの内密ではなく)のはまぁそういうことだよねぇ
プーチンを袖にするとかエルドアンもいい空気吸ってるね
アメリカからもロシアからも引き合いに出されてオスマン帝国時代のプライドが回復される気分なんだろうな。あまり帝国主義に回帰されると後が困るけど。
こっちが共同開発したいね。
また親露派ムーブやってるのか。将来トルコに何か悪いことが起こった際には2016年にクーデターを起こした軍部がやはり正解だったと言われてしまうだろう。独裁政権は基本的に失政の責任を全て押し付けられる構造があるので必ず失敗する。あいつが全て悪いのだ、と
というかエルドアンはもとからプーチンと同類の後先考えない短絡思考で、
しかも自分の脳内都合だけで、国内も他国も動かせると考えてるからなぁ
2021年まではプーチンが先にやらかすか、エルドアンが先にやらかすかのチキンレースみたいな感じだったし
アメリカのダブルスタンダードが限界になってきてるだけだよ
昔は唯一最強の超大国だったから許されてただけ
イスラエルは核を持ってもいいけど、イランはダメ
インドはs400を買ってもいいけど、トルコはダメ