欧州関連

契約成立が間近? フランス、インドネシアとのラファール購入交渉は順調

フランスのパルリ国防相は3日、ラファール購入に関するインドネシアとの交渉が順調に進んでいると明かして注目を集めている。

参考:L’Indonésie souhaite monter à bord du Rafale
参考:La vente de Rafale à l’Indonésie “très bien avancée”, dit Parly

インドネシアへのラファール売却提案は本物、早ければ年内にも契約に署名か?

インドネシアのプラボウォ・スビアント国防大臣が今年1月にパリを訪問した際「ラファール購入」に言及、今年10月にパリを再訪問した際にパルリ国防相からラファール購入に関する具体的な提案を受けたと報じられていたが、肝心の仏メディアが何も報じていなかったため真偽が不確かだった。

関連記事:真偽不明、フランスがインドネシアにラファール購入+技術移転を提案?

しかしフランスのパルリ国防相は3日、ラファール購入に関するインドネシアとの交渉が順調に進んでいると明かしたと複数の仏メディア報じており、インドネシアは48機のラファールを調達することを希望、フランスとインドネシアは2ヶ国間の防衛協力に関する協定締結も交渉中でインドネシア側はラファール購入契約と防衛協定への署名を年内に行うことを望んでいるらしい。

どちらにしても近日中にラファール購入契約が締結されればオーストリアから中古タイフーンを導入する話は勿論、韓国と共同開発中のKFX量産機導入も怪しくなってくる。

出典:Bundesheer Fotos / CC BY-SA 2.0

インドネシアはオーストリア空軍が運用中のタイフーン(トランシェ1 Block5)15機を購入してトランシェ3Aにアップグレードする構想を実現するためオーストリア当局とタイフーン交渉に入っており、さらに韓国と共同開発中のKFXを50機購入することを約束、インドネシア空軍の参謀総長は米国からF-16Vを2個飛行隊分(恐らく32機)購入すると言及しているが、これを全て導入する予算的余裕はないだろう。

そもそもインドネシアはKFXの開発費用すら「経済状況の悪化」を理由に支払いを停止しているので、ラファール購入契約が成立すれば本当にKFXの共同開発・調達から離脱する可能性も否定できない。

因みに既存のラファール輸出契約から割り出した1機あたりの導入費用(機体調達費用+関連費用)の平均は2.2億ユーロ(約270億円)なので、ラファールを48機導入するためには105億ユーロ(約1.3兆円)前後の支払いが必要になる。

果たして1,500億円程度のKFX開発費用の支払いすら渋るインドネシアに1.3兆円ものラファール導入費用を賄える予算的裏付けがあるのか非常に怪しいが、仮に1.3兆円も支払いに同意すればKFX開発費用の支払いを渋っていたのは「経済状況の悪化」が理由ではないと証明するようなものなので韓国側が激怒するかもしれない。

 

アイキャッチ画像の出典:mashleymorgan / CC BY-SA 2.0

中国への配慮? フィリピンが超音速対艦ミサイル「ブラモス」調達を中止前のページ

世界初となる衛星打ち上げ用の無人航空機「Ravn X」を米企業が発表次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    英国、主力戦車のアップグレード「チャレンジャー3」を1,210億円で発注

    英国防省は7日、BAEシステムズとラインメタルが共同で設立した装甲車輌…

  2. 欧州関連

    アゼルバイジャン、武器を捨てて降伏するようアルツァフ共和国に要求

    アゼルバイジャン国防省は19日に対テロ作戦を開始し「アルメニア軍事組織…

  3. 欧州関連

    レーダー開発が進む第6世代戦闘機「テンペスト」、2020年代テストベッド機試験開始

    イタリア防衛産業企業のレオナルド S.p.Aは、英国防省と「テンペスト…

  4. 欧州関連

    ドイツ国防相、ラムシュタイン会議でレオパルト2提供は合意できなかった

    ラムシュタイン会議に参加したドイツのピストリウス国防相は20日「参加国…

  5. 欧州関連

    1度も使用されなかったウクライナ・レンドリース法、ウクライナ側は延長を要求

    ウクライナのマルカロワ駐米大使は「(もしウクライナ支援の資金確保に遅延…

  6. 欧州関連

    ノースロップ・グラマン、英国初の無人戦闘機開発にパートナーとして参加

    ノースロップ・グラマンは今月27日、英国初の無人戦闘機開発プログラムに…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    仮に契約締結してモノが引き渡されても代金の一部を踏み倒しそう。

    4
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    絵に描いた餅よりも、すでに存在する戦闘機を優先する現実主義はわかる
    問題は、フランス人がパーム油やバナナでの支払いを受けとるかどうかだw

    17
      • 匿名
      • 2020年 12月 05日

      一手間ですけど。商社経由で国内外で金にかえるは出来ますからね。>需用がある物

      2
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    中古ラファール?
    中古タイフーンでは?

    • にわかミリオタ
    • 2020年 12月 05日

    おいおいまじかよ。
    こっちが本命?てっきり、F16Vを買うのかと思ってた。

    8
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    ラファールほんとすき

    4
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    最後の最後まで予断を許しません
    したたかフランスとシラ切りネシアのやり取りですから、KFXの大逆転も条件次第で無いわけではないす
    このやりとりは商談でなく外交と考えるべき
    外交とは、いかに相手を騙すか

    4
      • 匿名
      • 2020年 12月 05日

      韓国云々抜きにして契約破棄〜とかやってると今後の買い物に響いたりしないんだろうか
      保証金相場より高くされそう

      4
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    インドネシアからすると1,500億円と韓国の価値を天秤にかけたに過ぎませんね。

    2
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    結局何も買わなかったりして。

    6
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    韓国自身がF414を(試作機分+)量産「120機」分発注してるからなぁ。
    試作初号機も完成してない内に量産全機分を発注してるのに、
    インドネシアの分は試作機1機分しか発注してないんだから、
    韓国内でも「そーゆー見通し」って事だよね。

    8
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    この仏国防相の発言、実は「契約交渉を進めているが、未だ本格的な条件面迄は詰めていない」のを隠して「順調に進んでいる」と半ばホラを吹く事で、インドネシアの得意技である「都合が悪くなったら直ぐ契約不履行」と言う行為を封じるのが目的なのに1ルピア
    仏側としては、こうやって既成事実を積み重ねる事で契約迄持って行こうと言う腹の様な気がするなあ

    5
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    まぁこれでラファール購入が決まって韓国が激怒しないなら、韓国側の裏での不誠実が証明されますね。

    3
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    潜水艦事業とセットて動いてそうな話、韓国さん涙目。

    1
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    こういう韓国ドラマ(ネシア製作)なら、日本でもかなりヒットするかも。
    さて、主要各国が第6世代機に着手している現在、国防予算と技術の妥協点として、
    完成された4.5世代機であるラ・ファールは、ネシアクラスなら合格といえるだろう。
    いつ初飛行するかもわからないKF-Xは、不合格と言うしかない。これは現実。

    6
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    ラファールもタイフーンも最新モデルは高いな!?
    買えるようなら無難に16Vにしとけば?ってのは首までどっぷり米陣営の日本人的思考だろうか

    2
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    フランスって西側から懸念されてる独裁国家に兵器売ったりしてるんだろうか?例えば冷戦下の時のように。

    エジプトなんかはアラブの春でアメリカに盛大に梯子外された経験から、リスク低減のために性能や運用は二の次にしてロシア製を増やし始めたよね。

    フランスもアラブの春の時にもっと中立的に立ち回れば武器輸出を増やせたのでは?
    (まぁ今でも第三位の武器輸出国だが…)

    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    ラファ―ル・・・なのか?
    本当に本当?

      • 匿名
      • 2020年 12月 05日

      自分は、機体性能だけでなく、価格、データリンク、武装、拡張性、アフターなど
      諸々を込みこみでなら、インドネシアにとっては、F-16Vが最適解ではないかと、
      いまでも思っているんですが。インドネシアも、米国製の「囲い込み」は嫌なの
      でしょうか。

      2
    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    インドネシアの議会や空軍はどんな反応なの?タイフーン購入交渉に対してはかなりの拒否反応があったらしいけど。

    • 匿名
    • 2020年 12月 05日

    インドネシアは米に対しF-16VよりもF-35Aの提供を求めてるてなことでしたね。
    ラファールを48機導入するなら、記事に示された調達価格からいって他候補機は基本的にキャンセルせざるを得ないのではと考えます。つまりラファールもF-35A導入の当て馬という穿った見方もありかと。
    二国間交渉が進捗してるからといって契約が確約されたわけでないのは幾多の例がありますし。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  2. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  3. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  4. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP