ロールス・ロイスが第6世代戦闘機「テンペスト」に採用される可能性のある「世界初のエンジン技術」について言及し、国産戦闘機「テジャス」が初めて空母への着艦に成功したというニュースが飛び込んできた。
第6世代戦闘機「テンペスト」に売り込む世界初のエンジン技術とは?
英国が主導する第6世代戦闘機「テンペスト」開発に参加しているロールス・ロイスは10日、同機に採用される可能性が高い「世界初のエンジン技術」について言及した。
参考:Rolls-Royce to develop electrical technology for Tempest programme
第6世代戦闘機「テンペスト」は現在、英国、スゥエーデン、イタリアの3ヶ国が共同で開発を進めており、企業レベルではプロジェクトを主導するBAEシステムズを中心に、航空電子機器を担当するイタリアのレオナルドS.p.A.、兵器システムを担当するMBDA、エンジンを担当するロールス・ロイスなどが「Team Tempest」を結成している。

引用:BAE Systems テンペスト
ロールス・ロイスは第6世代戦闘機に搭載されるエンジンは、これまで以上の電力を発生させ供給しつつ発電機自体のスペースを省略するため、エンジンのコアに組み込まれた「Electrical Starter Generator(電動スターター・ジェネレーター)」を開発した。
これまでのジェットエンジンは電力を発生させるため、エンジンとは別に発電機を設置する必要があり、ギアボックスでメインシャフトの動力を発電機に伝えて電力を発生させているが、この方式の欠点は可動部品が多く構造が複雑で、発電機を搭載するためのスペースがエンジンとは別に必要なため、機体を大きくさせる原因となっている。
しかし、ロールス・ロイスが設計した組み込み式の電動スターター・ジェネレーターなら、エンジンの外に発電機を搭載するためのスペースを節約することができ、第6世代戦闘機が要求する大量の電力を供給することが可能らしい。
確かにロールス・ロイスの主張には一理あるが、エンジンに組み込み式の電動スターター・ジェネレーターを組み込めば、エンジン自体の可動部品が多くなり、構造が複雑化すれば故障する可能性が高くなる。このデメリットと発電機搭載スペースを節約して得るメリットを比較した場合、この技術が第6世代戦闘機に必要なのか疑問を感じる。
インド、国産戦闘機「テジャス」が初めて空母への着艦に成功
インドは11日、国産戦闘機「テジャス」の艦載機仕様型が、空母「ヴィクラマーディティヤ(4万5,500トン)」の飛行甲板に着艦することに初めて成功し、この快挙でインドは、米国、英国、ロシア、フランス、中国に続き、空母で運用可能な固定翼機の開発に成功した6番目の国となった。
— DRDO (@DRDO_India) January 11, 2020
1980年代から開発が開始された国産戦闘機「テジャス」は、核実験に対する制裁や技術不足などの要因が重なり開発が大幅に遅れ、軍に量産型「MK1」の初号機が引渡されたのは2015年だが、性能が不足しているためエンジンを米国製F-414に変更し、AESAレーダーや電子機器をアップグレードした「MK2」の開発に取り掛かっている。
この「MK2」が量産に入るまでの繋ぎとして「MK1」を改良した「MK1A」を現在調達中だが、恐らく今回、空母に着艦したのは開発中の「MK2」や調達中の「MK1A」ではなく、初期型の「MK1」艦載機化した「MK1 Navy」だろう。
ただし空母への着艦に成功した国産戦闘機「テジャス」をインド海軍が採用するかについては未知数だ。
現在、インド海軍はF/A-18E/Fやラファールなどの海外製艦載機導入に向けて機種の選定作業を行っており、単発の国産戦闘機「テジャス」ではなく双発の艦載機を開発することも検討中だと言われている。
果たして、インド海軍の空母に搭載される艦載機は、海外製か?国産か?まだまだ先が読めない。
※アイキャッチ画像の出典:Swadim / CC BY-SA 4.0 第6世代戦闘機「テンペスト」のモックアップ
スターターを逆にエンジンで回せば発電できるって理屈だろうから、極論複雑化0で発電機取っ払えるんじゃないかな(複雑化しないとは言っていない)
別れてたのは発電効率の問題だろうから、まあ統合しても問題が出るような複雑なことにはなってなさそう
確かXF9-1は出力180Kw/基のターター・ジェネレーターを完成したって言ってたような。
XF9-1同軸では無いですね、エンジンの外部ですね
防衛装備庁、XF9-1の技術は世界レベルと発表
リンク
直径120cmのF110エンジンの70%の直径だとか・・・85cm?
R7Rのは同軸ですね
(Tokyo Expressさんとかにも写真があります)
R&Rの資料 左から2つ目の赤丸部分
リンク
なお、ジェット・エンジンの起動には「圧縮空気」も必要、空中(特に低空での)での再・起動には不要なの? APUのガスタービン発電機なら供給できるけど、R&Rはどうするんだろう?
リスクヘッジとしては欲しいと思うけど? R&Rのエンジンは2軸だから「圧縮空気」も供給できる?
(空港での起動は、運用形態で違う、地上の専用車両からの供給でも起動が一般的)
XF9の直径はF110に対し『推力比で30%減』なので同じ推力だったとしたら30%小型化したのと同等のサイズって事らしい。
現物の直径は約1mって話なのでそれでもかなり小さいですな。
て~ことは空気流量もより少ない値であの推力を出せてるって事だろうからダクトも小径化出来て内部容積にかなりの余裕が生まれるはず。
夢が広がりますな~♪
なるほど、安心しました。
昔の日本軍の兵器の様に? 小型化を優先して? 拡張性を捨てた? って危惧してました。
ラファールのスネマグが67cmぐらい、ユーロファイターのが86cmぐらい、アメリカのは110㎝ぐらい、F-35のは130㎝ぐらい
APUは外から圧縮空気供給しなくてもモーターだけで始動できるんだから、
メインエンジンだって同じ様にデカいモーターで
ファンやコンプレッサーぶん回せば始動できますよね?
昔の戦闘機じゃそんなもん非効率だから積まなかったけど、
現代機・次世代機では大電力使うから、大型の発電機が必要。
ならそれ使ってエンジン始動できるじゃん、ってのが
「【スターター】ジェネレーター」だと思ってたんですが、
違うんでしょうか。
たしかに記事にもなってますね。
リンク
>国産戦闘機「テジャス」の艦載機仕様型が、空母「ヴィクラマーディティヤ(4万5,500トン)」の飛行甲板に着艦することに初めて成功し、この快挙でインドは、米国、英国、ロシア、フランス、中国に続き、空母で運用可能な固定翼機の開発に成功した6番目の国となった。
プロペラ機どまりの日本はノーカン?
ジェットのって枕詞つけてくれないと日本人としては納得いかんよねぇ
RRのテンペスト用エンジンのスタータージェネレーターは
ファンと圧縮機の間に内蔵してシャフトに直結なので、
外付けのXF9より全体の構造は相当すっきりするでしょうけど、
そんなとこに組み込んで大丈夫なん?って話ですよね。
ただシャフト直結ならコンプレッサーストール起こしかけた時に
とっさにスターターでアシストして事前に予防、みたいな事も
出来そうで夢は広がります。
外付け式で同じ事しようとすると、伝達系の負荷がキツそう…
RRのテンペスト用エンジンはファンと圧縮機の間に
スタータージェネレーター組み込むので、
XF9みたいな外付けよりかなりすっきりするだろうし、
伝達系が無いからストールし掛けた事にスターターで
無理矢理回してリカバリ、みたいな無茶も出来そうで
それなりに利点はありそうには思うけど、
そんなとこに組み込んで大丈夫なん?って話ですよね。
この記事が図も付いていて分かりやすいと思います。
リンク