欧州関連

ポーランド、ブリムストーンランチャーを搭載する駆逐戦車の開発を開始

ポーランドはブラスザック国防相は20日、ブリムストーンランチャーを搭載する駆逐戦車「OttokarBrzoza」の開発契約に署名、駆逐戦車を装備した対戦車部隊でポーランド軍を満たすと宣言した。

参考:Umowa na niszczyciele czołgów. Pierwszy już w przyszłym roku [FOTO]

ロシア陸軍と対等にやりあえる戦力を本気で整備しようとしているポーランドにとって駆逐戦車の導入は数ある計画の1つに過ぎない

対戦車ミサイルを装備したBRDM-2を更新するため2019年に開始されたのがオットカール・ブリゾーザ(OttokarBrzoza)プログラムで、ロシア軍の戦車相手にジャベリンやNLAWが効果的だっため計画が早まり、対戦車ミサイルを搭載した駆逐戦車「OttokarBrzoza」を2023年までに開発、各種テストを経て2025年までに量産車輌の引き渡しを開始、駆逐戦車×8輌、指揮車輌×3輌、弾薬車輌×2輌、偵察車輌×2輌、電子戦車輌×2輌で構成された対戦車連隊を編成(幾つ編成するのかは不明)する予定らしい。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

ただ駆逐戦車と言っても4×4戦術多用途車輌に対戦車ミサイルランチャーを載せただけなので比較的簡易な装備(対戦車装甲車両?)だが、統合される対戦車ミサイルは航空機搭載用のブリムストーンなので敵戦車を最大12km離れたところから攻撃することができ、OttokarBrzozaはブリムストーンを12発収納したランチャーを搭載しているため対峙する敵には厄介な存在だろう。

ブラスザック国防相は「対戦車部隊でポーランド軍を満たす」と述べているため、恐らく調達コストが安価なOttokarBrzozaを大量に導入する可能性が非常に高いが、ロシア陸軍と対等にやりあえる戦力を本気で整備しようとしているポーランドにとって駆逐戦車の導入は数ある計画の1つに過ぎない。

調達先 種類 数量 ステータス
米国 戦闘機 F-35A 32機 契約済
  輸送機 中古C-130H 5機 引渡し
  UCAV MQ-9 不明 交渉中
主力戦車 M1A2/SEPv3 250輌 契約済
NEW   中古M1A1 116輌 合意
装甲車輌 クーガー 300輌 契約済
防空システム パトリオット 8セット 契約済
MLRS HIMARS 20輌 契約済
500輌 交渉中
防空レーダー LTAMDS 不明 交渉中
英国 短距離防空システム CAMM 不明 契約済
  空対地ミサイル ブリムストーン(駆逐戦車向け) 不明 交渉中
フリゲート アローヘッド140 3隻 契約済
フランス ISR 偵察衛星 2基 交渉中
イタリア 多用途ヘリ AW149 36機 契約済
M-29の後継機 M-346(FA-50と競合) 不明 交渉中
韓国 主力戦車 K2 計500輌? 交渉中
K2PL 交渉中
歩兵戦闘車 K21もしくはレッドバック 不明 交渉中
自走砲 K9 不明 交渉中
防空システム 天弓2 不明 交渉中
M-29の後継機 FA-50(M-346と競合) 不明 交渉中
 
トルコ UCAV TB2 24機 契約済
 
国内調達 掃海艇 コルモラン型 3隻 契約済
  歩兵戦闘車 ZSSW-30統合タイプのRosomak 70輌 契約済
  駆逐戦車プログラム OttokarBrzoza 不明 開発中
  砲兵システム グラディウス   契約済

因みに与党PiSのカチンスキ党首は「最終的に国防予算をGDP比5.0%に引き上げる。軍隊は反対派が主張するようなおもちゃでもなければお金の無駄使いでもない」と発言しており、仮に5%に引き上げるとポーランドの国防予算は大凡370億ドル前後=約5兆円(円安なので日本円に換算すると若干多めに感じる)になる。

関連記事:ポーランド軍からの受注を伸ばす英国、今度はブリムストーンを輸出か
関連記事:軍隊は予算の無駄使いではない、ポーランドは国防予算をGDP比5.0%まで増額か

 

※アイキャッチ画像の出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

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コメント

    • 折口
    • 2022年 7月 21日

    中多的なものなんですかね。12kmって直接照準する距離ではないし。

    4
      • hiroさん
      • 2022年 7月 21日

      駆逐戦車と言うとJagdpanzerのイメージだけど、ポーランドのこれは対戦車ミサイルキャリアと呼んだ方が良い気がする。

      1
        • ナナシ
        • 2022年 7月 21日

        俺も気になってGoogle翻訳してみたけど、niszczyciele czołgówを英語にするとDestroyer Tankでいわゆるタンクデストロイヤーの意味、言語には○○戦車という意味合いはないっぽい
        (他に例を挙げると例えばNiszczyciel rakietowy = Destroyer Rocket でポーランド語ではミサイル駆逐艦という意味になる)

        日本語では慣例上Tank Destroyerを駆逐戦車と訳す場合が多く、その都合で「戦車」がついちゃってるだけということみたい
        「戦車駆逐車」と訳すのが最も忠実だと思う

        6
          • ナナシ
          • 2022年 7月 21日

          ごめん日本語の都合じゃなくてGoogle翻訳がDestroyer→Tankの順番で訳してるだけだ

          3
          • 折口
          • 2022年 7月 22日

          日本語の戦車駆逐車もGMCを指す場合は基本的には戦車っぽいものになるという、これもう軍事訳語のめんどくささの極みみたいな事例ですね。英語とは比較的に相対がとれている日本語軍事用語も欧州、特にソ連圏の用語とは全然噛み合わないですから「戦車を駆逐できる自走可能な兵器」くらいの解像度で捉えるしかないのかな…

          2
    • Rex
    • 2022年 7月 21日

    「自分の身は自分で守ること」
    ドイツやNATOが当てにならないと感じているポーランドは基本に返っている気がします。

    19
    •     
    • 2022年 7月 21日

    ミリ波誘導の自動ホーミングだから開けたところではつるべ撃ちにできるな
    12kmじゃあ戦車砲では対抗できないだろう

    何かINSなり中間誘導があるなら、前線観測員の指示でホイホイぶち込めるな

    11
    • hogehoge
    • 2022年 7月 21日

    うーん、これ装甲車両を使う意味がよくわからないですね。
    ATMで走行性能より装甲性能を選んじゃった理由が謎。コスト的にもデメリットでしょうし。

    1
      • 装甲
      • 2022年 7月 21日

      大抵の重対戦車ミサイルは戦車の主砲をアウトレンジできるので、その意味で装甲は不要ですが、逆に榴弾砲やロケット砲にはアウトレンジされます。

      敵方それを考え対戦車部隊が待ち伏せる地点を砲撃するはずです。セベロドネツク付近の戦闘がそうでした。

      そうした砲撃に耐えて敵戦車を待ち構えるために装甲が必要なんだと思います。

      14
    • 鳥刺
    • 2022年 7月 21日

    駆逐戦車というか、軽装甲の戦車駆逐車ですか。

    こんなのがドローン観測と連携して10km先から撃ってくるのでは、挺身浸透的な機動戦はますます困難になってきますね。

    18
    • L
    • 2022年 7月 22日

    EUやNATOが共同体として纏まってなかったらこれほど急激な軍拡が起きると周辺国も緊張するだろうに、羨ましい限りだ
    やっぱりロシアはヨーロッパにはなれないんだね

    2
    • あばばばば
    • 2022年 7月 22日

    遥か昔のLOSATミサイルとその発射機のようなものか(多分違う)

    改めて調べてみたら、開発中止直前に少数納入されたみたいだけど、その後どうなっただろうか……
    ワンチャンス、ウクライナで日の目見てくれないだろうか

    • 58式素人
    • 2022年 7月 22日

    10kmを見通せる平原を移動する戦車は、昔からヤーボの目標だったと思う。
    今なら、対戦車ヘリかUAVでしょうか。
    こういうミサイルは、どちらかと言えば、航空機側の装備かなと思います。
    地上で使用するならば、身を隠せる陣地それも目標よりもやや高地が必要に思えます。
    航空優勢に自信のない側の戦車はそれなりに用心するのでは。

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