アルメニアのパシニャン首相が発した不用意な一言はロシアを怒らせるのに十分だったようだ。
参考:Supplies of ‘Iskander’ missiles to Armenia must be stopped
アルメニアが民間人の居住区域を夜間に攻撃したことを記憶しておりパシニャンとサダム・フセインに大きな違いはない
アルメニアがロシアから調達した短距離弾道ミサイル「イスカンデル」は変則軌道で目標に接近するため通常の弾道ミサイルよりも迎撃が難しく、アゼルバイジャン軍に対して人員や装備面で劣勢なアルメニア軍にとって切り札的な存在だったのだが、これをナゴルノ・カラバフ紛争の初期段階から使用しなかったことをサルキシャン大統領に咎められたパシニャン首相は「イスカンデルは役に立たなかった」という趣旨の発言を行いロシアを怒らせてしまった。
すでに複数の露メディアがパシニャン首相の発言を報じて「国内の政治闘争にロシア製兵器を持ち出してイスカンデルを性能を貶めるな」と言っているが、旧ソ連空軍の元大佐でロシア国防省の公会議メンバーとしても活動を行い現在は軍事評論家として活躍しているイゴール・コロチェンコ氏は「アルメニアの政治対立に否定的な意味合いでロシア製兵器を持ち出されたことは非常に悲しい、ロシアがアルメニアに供給したイスカンデルミサイルを含むロシア製兵器は非常に効果的な21世紀戦争の道具だ」と述べている。
さらにコロチェンコ氏は「アゼルバイジャンとの戦いで負けた責任をロシアに負わせるのではなくプロフェッショナリズムの観点から見てアルメニア軍の準備は十分だったのか自問自答する必要があり、このような行動はロシアのパートナーとしてだけでなくCSTO(ロシア主導の集団安全保障条約機構)のメンバーとしても相応しくない。特にパシニャン首相のレトリックは誤りであるだけでなくロシアに対する敵対的言動だ」と強烈に批判した。
しかし彼の怒りは益々ヒートアップして「ロシアはアルメニアに近代的な武器システムを供給したのにアルメニアは適切に運用する方法を学ぶことを怠って全てをロシアのせいにした。私達はアルメニアが民間人の居住区域を夜間に攻撃したことを記憶しておりパシニャンとサダム・フセインに大きな違いはない、これはミサイル兵器の保管や運用についてアルメニアの無責任さを示した例だ。政治的にも道徳的にもアルメニアがこのような兵器を保有資格がないことは明らかで供給を止めると同時にアルメニア軍が保有してるミサイルもロシア軍基地に移さなければならない」と主張して、これでもかというほどアルメニアをこき下ろしている。
ただ現在のコロチェンコ氏に自身が述べたようなことを実行する権限はないので国防に関わるロシア人の個人的な見解として受け取る必要がある。しかしパシニャン首相が「ロシアのイスカンデルは発射した10%しか正常に作動して爆発しなかった」と発言したことはロシア人を怒らせるのに十分な侮辱だったようで、アルメニアに対するロシア世論を良くない方向に傾けたかもしれない。
パシニャン首相は自身を批判した副参謀長を解任したことでアルメニア軍参謀本部の怒りを買い「首相解任」を要求され、これを「軍によるクーデターだ」と主張して民衆に立ち向かうよう呼びかけている。
管理人が傑作だと思ったのは参謀本部が「軍は何発もイスカンデルを含むミサイルをアゼルバイジャンに打ち込んだが誰も正確な有効率を把握できていない。しかもイスカンデルを発射した日は曇りだったため着弾時の爆発を遠方から観察することが出来なかったのにパシニャン首相はイスカンデルの有効性が10%だとなぜ知っているのか?このデータはアゼルバイジャン側しか知り得ないもので軍が首相に提供できない類の情報だ」と首相を批判したことだ。
恐らく参謀本部はパシニャン首相の失言につけ込んで「首相はアゼルバイジャン軍と連絡をとっているのか?」言いたいのだろう。
関連記事:役に立たない? アルメニアとロシアの間で勃発した弾道ミサイル「イスカンデル」論争
※アイキャッチ画像の出典:Jonj7490 / CC BY-SA 4.0 アルメニア軍が保有している短距離弾道ミサイル「イスカンデル」
道徳的にミサイルを扱うって(笑)
やはり旧ソ連からは目が離せない
その辺は翻訳の問題なので、原文をニュアンスまで理解できる人以外はいじっても意味はないかと。
例えばここでの「道徳」は「規律」とかに近いニュアンスかもしれない。
どっちにしろ、ロシアの語る言葉じゃないね
今回のアルメニア・アゼル紛争は、ドローンの独壇場だった。
戦術上のパラダイムシフトが起こったわけで、強力なミサイルは抑止力にならず、
ロシアにしてもアゼルに出し抜かれたようなものだった。
ただ、諜報に優れるロシアが、事前に何も知らなかったとは考え難いのも確かだが。
失言から唯一の味方となり得る存在で有ったロシアすら敵に回すとは、もうどうしようもないな、アルメニアは……
まさに負けるべくして負けた訳だ
戦争中にロシアから有効な支援を受けられなかったんでその恨みもあるのかもね。
つうても、ナゴルノカラバフ問題は当のロシアですらアルメニア側の不法占拠であって、ナゴルノカラバフに戦場がとどまる場合は関与できないという公式の立場を崩させなかったほどに外交的孤立の状態だったしね
味方を増やせなかったのは、アルメニア側のミスとしか言いようがないでしょう
道徳なんてプーチンロシアから最も程遠い言葉だろうに
世界中から総ツッコミされるよな、
他がひどすぎるせいもあるけど、ロシアの指導者の中ではプーチンさんまともな方だよ。
>>ロシアの指導者の中では
全然腑に落ちないけど、滅茶苦茶説得力があるw
ロシア歴代ってハードルマイナスじゃんw
ドローンばっかりが注目されるナゴルノ・カラバフ戦争だけど実際は火砲とか火力優位が勝敗の決め手であり、ドローンは砲兵の目を延伸したに過ぎないんだよね
だから狙うべき重要目標を捉えているのなら、ドローン劣勢であってもそこまでクリティカルじゃない
…はずなのにその攻撃に使用された肝心の火力投射手段であるイスカンデルがあんまり機能してないって言うのが問題じゃないかな
有効打10パーは政治的矛先を逸らすために吹かせ過ぎだったとしても、起死回生の一撃になるはずの戦術弾道弾が実戦ではほとんど機能しなかったってのはロシア兵器のマーケティングにとって大打撃になってしまった思う
まxs、実戦では評判が下がるいつものロシア兵器といえばそうなんだけど
アゼルバイジャンも戦術弾道ミサイル(イスラエル製のLORA)を運用しています。
射程はアルメニアのイスカンデルEと同様に、300km未満に抑えられていると思いますが、アゼルバイジャンは国内の大半の場所から、アルメニアの首都(エレバン)を直接攻撃できます。
しかし、アルメニアは国土からアゼルバイジャンの首都(バクー)を、イスカンデルEで直接攻撃できません(300km以上離れているため)。
そのため、戦術弾道ミサイルの撃ち合いになったら不利なのはアルメニアなので、イスカンデルEが起死回生の一撃になることは最初からありえません。
アルメニアは購入する兵器の種類が色々と間違っているんですよね…アルメニア敗北の1番の理由かも。
でもさ強い言葉で反応すればするほど、やっぱり図星なんかな?て思われるだろうな
ロシアのハイテク兵器品質悪そうだもんな
大国の威信を利用して民衆をだまし国家ごっこをしていたが、今回の敗戦で指導層の無能ぶりが露見したから非難の矛先を逸らそうとした。おまけに軍部から発射したミサイルの多くが予想より非効力だったと釘を刺され発狂。左翼と同じく内ゲバは避けれないな、
ロシアから兵器をとったら何が残るのかなので怒るのは仕方ない。
もし本当ならロシアにはもう何もない。
大丈夫です、ロシアにはこれが有りますよ、兵士は畑で採れる・・(狩られる・・)そして、最強の女登場・・
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まあ、軍事以外には資源と農作物位しか無いですもの・・ロシア