英メディアのThe Daily Telegraph紙は11日、まだドンバス地域を覆う黒土は凍結していないがロシア待望の「厳しい冬の寒さ」は今月後半に到来する確立が高いと報じている。
参考:Why mud could play a big part in Vladimir Putin’s decision to invade Ukraine
北京五輪の閉幕時に泥濘んだ土地が凍結していればプーチン大統領はウクライナ侵攻作戦をいつでも発動出来るという意味
欧米は当初、厳しい冬の寒さが泥濘んだ土地を凍結させる1月にウクライナ侵攻が可能になると予想していたが、現地の気候は例年よりも異常に温かいため両国の国境地域は今だに泥濘んだままで大規模な戦闘行為を発動できる状況ではなく、ニューヨーク・タイムズ紙は「バイデン大統領は気象学者を新たに雇い入れウクライナ地域の天候予測=ロシア軍がいつウクライナ侵攻を開始できるようになるかを予想するように命じた」と報じていた。
この現地の気候について英メディアのThe Daily Telegraph紙は11日、現在のロシア軍は濘んだ土地での行軍に慣れているかもしれないが「ウクライナ南部の大地には注意したほうが良い」と報じている。
現地で取材するTelegraph紙の記者は「ドンバス地域を覆う黒土は水分を含むと直ぐに粘土質に変化してセメントのようにまとわり付き、硬い岩盤や小石が殆どないため黒土が一度泥濘めば戦車や装甲車輌はもちろん徒歩で移動することすら困難になる」と報告しており、泥の海に遭遇した取材車(四輪駆動車)は慎重に突破を試みたが結局抜け出せなくなって丸太を使用する羽目になったらしい。
30分ほど泥の海と格闘した記者は何とか舗装道路に戻ることが出来たものの「如何に泥濘んだ土地について自分が懐疑的であったかを痛感した」と述べ、取材に同行したウクライナ軍の兵士は「これが真実だ、この辺りでも1942年に戦いがあったがそれは冬の話で(現在の状態でロシアがウクライナを侵攻するのは)現実離れしている。プーチンはみんなを怖がらせようとしているだけだ」と語ったと付け加えている。
因みにロシア軍によるウクライナ侵攻は北京五輪の閉幕(20日)後に開始される可能性が非常に高く、すでに国境沿いには10万人以上のロシア軍が集結済み、演習目的でベラルーシ国内にも約3万人のロシア軍が展開、バルチック艦隊所属の揚陸艦(6隻)が黒海艦隊に合流、13日~19日までウクライナを海上封鎖する形で演習を行うなど侵攻準備は最終段階に入っており、泥濘んだ土地を凍結させるロシア待望の「厳しい冬の寒さ」は今月後半に到来する確立が高いとTelegraph紙は予測している。
補足:ロシアはアゾフ海南部での演習中止を11日にウクライナへ通告したが黒海とアゾフ海をつなぐケルチ海峡をロシア軍が支配しており、黒海方面の演習は行われるためオデッサ、ケルソン、ミコライフへの民間船舶は依然として遮断されたままらしい。
つまり北京五輪の閉幕時に泥濘んだ土地が凍結していればプーチン大統領はウクライナ侵攻作戦をいつでも発動出来るという意味で、バイデン大統領は「ウクライナ侵攻リスクが高まっており、ウクライナに滞在する全ての自国民は国外に直ぐ脱出してほしい(米軍とロシア軍が衝突すると世界大戦に発展する恐れがあるため侵攻開始後に自国民が取り残されても米軍による救出機を派遣する考えはない)」と11日に声明を発表しており、外交交渉による危機回避が成らなければ暖冬が居座り続けることを祈るしか無い。
関連記事:ウクライナに暖冬が到来、気まぐれな自然がプーチンの計算を狂わせる
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※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru/CC BY 4.0
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冬将軍「労働環境はホワイトじゃなきゃ困るよね」
アメリカ→48時間以内に退避しろ
日本→ウクライナ全土に退避勧告
韓国→旅行禁止(日本で言う退避勧告)
日韓ともアメリカから強めの情報共有があったのはほぼ間違いなさそうだし、アメリカに至っては来週頭には始まってもおかしくないっていう認識っぽいね
もし、オリンピック開催中に侵攻した場合、双方の選手らにどんな影響があるのでしょうね?(特にROC)
罵り合いや殴り合い、ブーイング止まりじゃないですかね。判定に影響があったら、オリンピック的にはそっちの方が問題かと。バイアスかかった審判がやらかすかもしれませんが。
少なくとも五輪開催中は中国政府が威信にかけて保護するので問題無いでしょう
お家にいつ帰れるのかは状況次第だろね
ウクライナの地勢だの地質だの、ロシア軍はとっくに知り抜いてるさ、30年前までは同じ領土だし
ウクライナとNATOは暖冬を望まざるを得ない
他国を暴力で思いのままにしようって今のご時世逆効果だと分からないもんかね
中国のやり方の方がよほど賢い
プーチンに誰か北風と太陽の童話送ってあげて
ウクライナ侵攻しても春になったら地面がとけて文字通りドロ沼になるんすね。。。
戦況もドロ沼になりそう
東部限定の戦争になるならウクライナは停戦飲まずにダラダラと戦いが続きそう
ミンスク合意のような停戦があっても同じようにお互い守らないだろうな
かなり長期的に続きそう
短期にケリをつけたいならキエフ攻略して傀儡政権樹立までいかねばならないだろうが、それはそれでどう転ぶか不透明すぎる
仏露会談での停戦条件、ロシア解釈によるミンスク合意の遵守は、ウクライナは絶対に呑めないだろうから開戦待った無しなんかね
はぁ
プーチンさんポックリ逝ってくれませんかね
その実、ロシアも望んでいないのかも。
そろそろ経済的にキツくなってきそうだし。
今年は本当に暖かいよな
北海道住みだがこの時期にアスファルト見えるとか異常事態だよ
へぇ〜現地の方の体感はやっぱ貴重だな〜
って思って北海道の気温みたら-9°ですか。
キエフだって0°なのに。
道民は修羅の地に住んでらっしゃいますね…
本気ならぬかるんでようが何しようがやるから関係ないでしょ
それぐらいで断念するようなら最初からブラフだったということ
昔の記録では、1942年は3月初めにウクライナの雪解けが始まり、2週間でモスクワに到達したとのこと。
昔の通りであれば、ウクライナは、そこまで頑張ればひとまずは良いのかな。
その後は、ドネツクやクリミアで内戦を続ける(?)のかな。その次があれば、6月頃なのかな。
バルバロッサ作戦とバグラチオン作戦は、いずれも、6月22日に始まっている。
ナポレオンは6月24日に侵攻を開始している。
歴史を勉強してると、ロシアの泥濘期=戦略機動の鈍化のイメージになりますが、露軍もその辺のノウハウは積み上げてきたので世間一般のイメージより泥に強いはず、というのは米のミリタリ系でチラホラ見かけますね。
それでもTikTokなんかで、泥にハマった車両の動画も逐一出てくるんで、やっぱり泥地獄は戦車の大敵ですねー。
欧米はこの48時間が最大の危機ってことで、俄に慌ただしくなってますけど、何か決定的な状況の変化があったんですかねぇ…。我が国も退避勧告出しましたし。
戦略兵器でウクライナを凹ますのはロシアからしたら簡単ことだけど、戦車戦をしたいのは反乱の目を積むため。(戦車や装甲車などをつぶしておきたい。)そうすれば、占領後の迫撃砲や対戦車ミサイルでの反撃は「テロ」の一言で片づけられるから。
ウクライナにとって、北風(ロシア)より太陽(温暖化)が味方するんだね。
>プーチンはみんなを怖がらせようとしているだけだ
単なる恫喝であの規模の大部隊を展開するものかね。「出して、引っ込めるだけ」という風にはいかんでしょ。チンピラのナイフじゃあるまいし。
ロシアが(口先では)軍事侵攻を否定するのは分かるが、ウクライナの側がこうした認識なのはどういう事なのだろうか。
ただの現実逃避?
>現実離れしている。プーチンはみんなを怖がらせようとしているだけだ
何かこの言葉で冷めるな。こんな舐め腐った認識している国はロシアの必要な分だけ侵攻してぶんどっても良いよ。