ロシアとウクライナの泥濘んだ国境地帯は暖冬の影響で今だに凍結しておらず、バイデン大統領は気象学者にプーチン大統領が軍事的な対応を発動できる時期を予測するよう命じたと報じられている。
参考:Warm weather ‘delays’ Russia invasion of Ukraine
バイデン大統領にとって今年の暖冬はラッキー、プーチン大統領とっては厳しい冬の寒さの到来を願うしかない
ロシアの要求に応じて米国とNATOは新しい安全保障協定に関する交渉をジュネーブでスタートさせたが、ロシア側は具体的な協議に関するタイムスケジュール=交渉期限を示さず「ロシアが要求する要件(NATOの東方拡大停止+ロシアと国境を接する東欧諸国からのNATO戦力引き上げ+ウクライナへのミサイル配備禁止など)が満たされなければ軍事的な対応に出る」と圧力を加えており、バイデン大統領は気象学者にプーチン大統領が軍事的な対応を発動できる時期を予測するよう命じたと報じられている。

出典:Ministry of Defense of Ukraine / CC BY 4.0 ウクライナ軍の演習風景
ロシアは10万人規模の兵力展開を終えており、当初「厳しい冬の寒さが泥濘んだ土地を凍結させる1月にウクライナ侵攻が可能になる」と予測されていたが、今年の現地の気候は異常に温かいため両国の国境地域は今だに泥濘んだままで大規模な戦闘行為を発動できる状況ではないらしい。
つまり遅れてやって来る厳しい冬の寒さが「泥濘んだ土地をいつ凍結させるのか?」がロシアとの交渉期限を左右することになるため、ホワイトハウスの関係者は「バイデン大統領は気象学者を新たに雇い入れウクライナ地域の天候予測を命じた」とニューヨーク・タイムズ紙に語ったと報じられており、仮に異常気象の影響で厳しい冬の寒さが訪れない=泥濘んだ土地が凍結しないとプーチン大統領の脅しは効果を失い米国はジュネーブでの交渉は長引かせることができるようになる。

出典:Wendy R. Sherman ジュネーブで会談した米国とロシアの代表
今のところ米国やNATOはプーチン大統領の計画に嵌められ後手後手の対応に甘んじているが、ロシアとの交渉が長引けば長引くほどウクライナへの軍事支援(主に米国からの武器援助)が進み防衛力が強化され、局面の打開に繋がるイレギュラーなチャンスが舞い込んでくる可能性もあるためバイデン大統領にとって今年の暖冬はラッキーと言える。
一方でウクライナ侵攻の可能性をチラつかせ早く協議を進展させたいプーチン大統領とっては厳しい冬の寒さの到来を願うしかなく、いつの時代も自然は本当に気まぐれだ。
関連記事:ウクライナ問題でロシアとの協議に望む米国、ミサイル配備と軍事演習で交渉に応じる
※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru/CC BY 4.0
冬将軍のいないロシアって
いや、地球温暖化の影響で随分前からその可能性はあったからね……
この時期はWRC(世界ラリー選手権)の初戦・モンテカルロ(開催地はモナコ)とラリー・スウェーデン(シーズン唯一のフル・スノーラリー)があってどっちも雪道をラリーマシンが走るのが見物なんだけど、ここ最近は雪不足で走行距離が短縮されたり、極端な場合中止になった年もある。
冬将軍「いっけなーい!遅刻遅刻〜!」
黒パンくわえて走るピッチピチセーラー服のプーチン
え、今でも冬将軍あるの?軍事輸送はアメリカ以外は馬車で、道路もあまり整備がされていなかった2次大戦で泥濘が不味いのは分かるけど、現代で泥濘何が駄目なんだ・・・?
重たい戦車や砲兵やミサイルを戦場で展開するのに道路上だけというわけにはいかない
国土が黒土で深く覆われたウクライナではそうなんだろうよ
もっとも、プーチンにとってはハッタリを引っ込める口実になって救われてるかもな
泥濘と凍結土では進撃速度も展開速度も段違いなのでは?
速度の低下は防衛側より攻撃側に大きな影響を与えるだろうし。
ヨーロッパのぬかるみってのが日本人が想像するような生易しいものじゃないんだよ
今でもしょっちゅうロシアの戦車が半分近くぬかるみにハマって数台がかりで救出作戦とか定期的にやる羽目になってるし
平時ならともかく戦地でそれをやるのは地獄
「丸太は持ったな!行くぞ!」が日常茶飯事ですからな。ゲームでロシアの車両が丸太を積んでたら、ぬかるみからの脱出用だと思って間違いない
はえ〜
丸太ってそのために持ってたんか
知らなかったありがとう
西ヨーロッパから北アジアの西南部
にかけて広がっている粘土系の土壌
は水を含んでしまったらまるで
沼みたくなるからな
流石にこれは無知すぎだろ
他の方が言うように移動制限は勿論、衛生面の問題なんかもあります。撃たれた後で傷口に泥が入ったら、泥中の菌で何が起こるか分かりません
「Tank stuck in mud」とかで検索すると出てくる。
現代の戦車も以外と泥にハマって、身動きが取れなくなる。
地面がどうなろうと北京オリンピック前に軍事行動やって中国のメンツ潰すことはまず間違いなくないのでは
そうこうしてると、春の雪解けはまたぬかるみに覆われるから結局軍事行動は起こせないかも知れない、というか、真の交渉相手はウクライナに非ずNATOだろうから、これで双方安心して会議ができる。
真冬にかりそめの前線から戻れない兵士たちが気の毒である
北京オリンピック(2008年)の開催中にロシアに喧嘩吹っ掛けたジョージアという反面教師よ・・・
孫子も天地人を見よと言っているからね。
天の時は大事。さすが双方戦闘国家である
米国の気象兵器の仕業、という陰謀論を提示してみる。
歴史上で冬将軍がロシアを助けたとされるいくつかの事例ではウクライナも同様に助けていますから、冬将軍が実際はどちらを助けようとしていたかは明らかではないですよね。今回は明暗が分かれそうですが。
冗談抜きに、真冬の進撃が安定してできなくなるということは、ウクライナを越えた欧州にも地上部隊を派遣しづらくなるということですよね。ロシアがいくら欧州正面といってウクライナやポーランド方面に軍備を設置しても、かつてナポレオンもヒトラーも陥った泥濘を越えなければ欧州に侵攻できないとあれば、温暖化が逆に同国のテリトリーの縮小を固定するのでは(まぁバルト諸国を抜けていく道は依然としてありますが、縦深戦術にとっては狭小路みたいなものなので欧州への通常戦圧力はぐっと減るでしょう)。
バルト海沿岸部はさらに泥濘んでる
まあこの湿地帯こそがロシアの諸勢力が
欧州に侵攻することを妨害してきたんだろうな
バルト沿岸はさらに泥濘んでいる。
比較的乾燥している地帯が
ウクライナの黒海北岸地域。
そこですら泥濘んでいるんだから
他の地域はさらに泥濘みが酷そう。
古来からロシアからヨーロッパに
侵攻する勢力は大体最も温暖で
乾燥したウクライナを通過していた。
いくら貧乏なロシアとはいえ、この原油高で多少景気は良さそうなイメージなんだが、実際のところどうなんだろ?
景気良ければ長期戦も可能だよな。
経済制裁に対応して、産業を内需主導に振り向けつつあり、かつ巨大なる中国市場とは安定した関係、しかも資金源の原油も波はあっても高どまり
基本的には自給自足で完結できる大国の強みを、今回ははっきりと見せつけてくれた
当初は100個大隊約17万人が集結予定と言われていたけど、現時点では60個大隊10万人しかいない。
ただ直近では東部軍管区、極東の部隊もウクライナ方面に移動を開始して、これらを合わせると当初の予定数に達するらしい。
東部軍管区の即応体制が西部に比べて低く、動員に想定以上の時間が掛かっているというのもあるのかも。
一部がカザフスタンの鎮圧に宛がわれたからでしょ
カザフスタンの暴動がロシアに飛び火したらウクライナどころじゃなくなるもん
カザフスタンに向かったのは空挺軍などごく一部で、それ以外の部隊はカザフスタンには向かってないです
「少数の武装したテロリスト」の鎮圧、ソレだけならば少数精鋭の空挺部隊だけでも務まるでしょう
が、これが泥沼の治安戦にまで発展してしまえば、以前のアフガン侵攻の二の舞になってしまいますよ
離反したというカザフスタン治安部隊の規模や、カザフスタン政府による軍・警察の掌握度合いに左右されるのでしょう
東部管区から機動してる部隊が揃うのが月末頃になりそうでしたっけ。
気象がどうであれ、12月や1月中はなさそうな話でしたね。
極寒の環境が有利に働くなんて…
さすがロシア
第二次のドイツは寒さにやられたのになあ
独ソ戦関係読めば分かりますけど、ドイツ軍も夏は泥濘に苦労して、冬に地面が凍結するまで大変苦労しておりますよ。
厳しい冬が将軍なら暖かい冬はなんて言うんだろ?
大奥?
「鍋奉行」とか
神風みたいな話でこのまま有耶無耶で良いとは思う。
コロナで兵隊がやられる心配は無いのかな?