スペインのロブレス国防相は「サラゴサ兵站基地に保管しているレオパルド2A4を春までに送る」と表明、駐仏ウクライナ大使も「西側諸国から計321輌の戦車が引き渡される」と明かしたのもの「8月や9月までは待てない」と主張している。
参考:Robles asegura que España enviará los tanques Leopard a Ucrania en primavera, pero no precisa cuántos
参考:L’ambassadeur d’Ukraine en France annonce que 321 chars lourds ont été promis par les pays alliés
参考:‘Better late than never’: Polish PM applauds West for sending tanks to Ukraine
状態が酷く再使用に耐えないと主張していたレオパルド2A4の提供が再び動き出す
スペイン陸軍はレオパルド2E(レオパルド2A6の改良モデル)を導入するまでの繋ぎとして中古レオパルド2A4をドイツから108輌調達、レオパルド2Eの導入が進み用済みとなったA4は「戦車回収車」に改造する予定だったのだが予算不足のため計画が頓挫、必要な資金が将来確保されるまでサラゴサ兵站基地に保管している。
このA4をオーバーホールしてウクライナに提供するアイデアが昨年6月に浮上したもののドイツ政府の同意が得られず、ロブレス国防相は「本当に状態が酷く再使用に耐えない」と説明してウクライナ提供を断念したが、ドイツがレオパルド2提供を決断するとロブレス国防相は「サラゴサ兵站基地に保管しているレオパルド2A4を春までに送る」と表明した。
依然のアイデアでは10輌~40輌の提供を検討していると報じられていたが、ロブレス国防相は何輌のレオパルド2A4をウクライナに提供するのかは明かしていない。
因みに駐仏ウクライナ大使は出演した仏メディアの番組の中で「西側諸国から計321輌の戦車が引き渡される」と明かしたものの「納期は提供国や種類によって異なり8月や9月までは待てない」と付け加えており、これはロシア軍の本格的な攻勢は「2月に始まる」と予想されている点と、米政府高官が兵器の供給と訓練が終わるまで「大規模な攻撃を控えろ」と助言していることに関連している可能性が高く、とにかく戦車を1日早く提供してほしいという意味だ。
追記:カナダメディアの取材に応じたポーランドのモラヴィエツキ首相は「半年前に250輌以上の戦車(T-72)をウクライナに提供したが、レオパルド2と別に60輌の近代化された戦車の提供準備が整っている。この半分はPT-91だ(残りはT-72M1かT-72M1Rの可能性が高い)」と明かしおり、恐らくK2の第2バッチは間もなく到着する予定なのでPT-91を新たに捻出できるようになったのだろう。
関連記事:独米、レオパルト2とエイブラムスのウクライナ提供を正式発表
関連記事:スロバキア、西側諸国の支援があればT-72やMiG-29をウクライナに提供
関連記事:スペイン国防相、レオパルド2A4のウクライナ提供を断念すると発表
※アイキャッチ画像の出典:böhringer friedrich/CC BY-SA 2.5
321両では足りないでしょうから、これが第一波の西側戦車支援となるでしょうね。
逐次投入は悪手ではあるが、提供国によって準備の時間が異なる以上仕方が無い。
できれば昨年秋には用意を始めるべきだったのだが。
出せるレオ2の数にも限りがあるので、結局最後は供与用エイブラムスを大量に用意することになるのではないかと思うのだが・・・そのためには工場の整備から必要だし、さすがに無理かな。
「半年前に250輌以上の戦車(T-72)をウクライナに提供したが」
他国の供与分も合わせると結構な数が送られているようですが、かなりの数を消耗しているのでしょうね。
ウクライナの消耗は仕方がないにしてもT-72やPT-91といった主力戦車を供与し続けているポーランドは陸軍大国と感じます。K2の配備が完了すれば名実ともに欧州随一の機甲軍団を抱えることになりNATOにおける立場も変わりそうな予感がします。
またポーランドの要望に応じてK2やK9の早期納入を行っている韓国も凄いですね。ウクライナも独立から外貨獲得の為に兵器産業の輸出に積極的でしたが汚職もあり製造会社の近代化が中々進まず納期遅延や製造不良で契約を打ち切られてしまったこともありました(タイ王国陸軍のM41戦車代替のためのT-84オプロート納入では納品中にドンバス紛争が発生し納期の遅延から納品が完全にストップ。怒ったタイは契約を打ち切り中国からVT-4戦車を購入することにした)
ポーランドは朝鮮戦争時の日本のように特需の恩恵を受けているのでしょうか。戦後、ポーランドの欧州における地位が激変するかもしれませんね。
日本もそうでしたが
ポーランドが引き受けてくれている数百万の非難民の数とその生活支援の規模を目の前にして
ポーランドのウクライナ支援を特需の恩恵呼ばわりするのがどういう侮辱にあたるのかよく言葉を考えた方が良いと思います
日本が朝鮮戦争で非公式に受け入れた数百万人の避難民を支える支援は特需の恩恵だったんでしょうか?
6月のスペインのレオ2話は まだ検討前の段階で記事をすっぱ抜かれてしまったが故に妙に周りが期待してしまい、その反動でガッカリした人もいたな
53両程送るという話はよく見るがこれが事実なら戦車の提供では西側でもダントツの数ですね(A4だけど)
お隣のポルトガルも4両提供するとか
そういえばM1エイブラムスで持ち上がる燃費バカ食い話ですが
ウクライナに供与されるのは改良型で燃費はチャレンジャー2よりやや悪く、T-80と同程度らしいですね【0.5 lb/hp/hrくらい(ポンド好ホンマ嫌い)】
もちろん複数で運用するわけですから燃料の負担が大きいことには変わらないでしょうが
ウクライナ軍の損耗度合いが分からないのが
判断に悩むところですね
これまで提供された機甲戦力を温存してるのか
逐次投入して損耗してるのか
視覚的情報が確認できているモノだけで戦車約450輛を喪失しているので相当の消耗をしています
喪失数は実際にはこれより多いでしょうし、戦闘による破損、故障、共食い整備で稼働しなくなったものもあるでしょうし
所詮は装甲に難ありのT-72がメインですからね。
いかにうまく運用しようとも、量に勝るロシアの砲撃の下では被害も大きくなるでしょう。
だからこそ、機動力・防御力に優れた西欧戦車の投入は、戦車兵の生存率を高め、戦況を改善するのに大きく貢献できると思います。
戦車の喪失原因は何が多いのでしょうか?
・野砲、自走砲またはロケット
・戦車
・航空攻撃
・ドローン(徘徊弾薬)
・歩兵(携行対戦車兵器)
・ドローン(攻撃機タイプ)
あたりの順番でしょうか。
「西側諸国から計321輌の戦車が引き渡される」
提供される戦車の原産国とグレード、提供時期、提供数について知りたいものです。
ディフェンスエキスプレスに内訳がありました。
戦車の動物園状態だそうです。
大変そうですね。
誰かが交通整理しないとですね。
ラムシュタイン会議の下に、どなたか調整係の
方がいるとばかり思っていましたが。
それとも、乾いた雑巾を絞っている状態なのでしょうか。
>「サラゴサ兵站基地に保管しているレオパルド2A4を春までに送る」
が実行可能なら、昨年6月の
>「本当に状態が酷く再使用に耐えない」
は仮に事実だったとしても保管車輌の一部の話だったということなんでしょうね。
当時の欧米諸国間コンセンサスに反するとドイツに指摘されたことに対し体裁を取り繕ったのかもしれません。
というか、ショルツ政権は悪目立ちするような対応が多く本当に外交下手な印象です。
本邦が関わる防衛装備品移転や共同開発でも、将来に起こり得る第三国移転承認では同様の立場に立つことになります。その際にはうまく立ち回って欲しいものです。
第2次世界大戦以降もうガチの戦車戦なんてないと思っていたけど・・・
東欧の地で東西主力戦車が激突!なんてのは戦記ものか演習の中だけで終わって良かったんですけどね
こんな想像の具現化はいらんのじゃ( ;Д;)
主にレオパルド2で300両超えてるのはウクライナ側の戦車がそれだけ喪失してたって事では?こうい言っちゃあれだがこれにずっと待ったをかけてた独政府のおかげでドンバスは危機敵状況に陥り、それをマンパワーと陣地戦で対応してウクライナ側の犠牲者も増えたという言い方が成立しそうだ。
今後は一時的な戦車空白からの西側戦車に機種転換になる。つなぎはチェコT72やPT91になる。つなぎが消耗進む分でまたレオ2が増えるんだろう。レオ2の消耗進む頃にはM1がポーランド工場から供給となってるだろう。
じゃあチャレンジャーとルクレールの2中隊だけど、多分お飾りで役目も終えるだろう。それぞれキーウとリビウで治安任務するのが良いかも。
> 8月や9月までは待てない
切羽詰まってるね。。。各地でロシアの巻き返しが起きてるから
日本くん 取り急ぎもう使わない74式を100輌と10式か90式を30輌位ウクライナに渡そうね
国会とかで議論してる時間が惜しいですよ
74式はいらないでしょう。それにスペアパーツとかを確保しないと使い捨てですし。日本が提供するならFH70とかMLRSです。
74式 歩兵に随伴しての火力支援にでも使えないかな?
別に末長く使う訳でも無し 使い捨て結構のスタンスでもダメ?
そりゃ第3世代じゃないから現代的な機動戦はそりゃ出来ないけど
砲と機銃と装甲を持ってるから居るだけで歩兵に脅威を与えられるよねって。。。
AMX-10RCみたいに使えばいけそうですけどね、74式
74式は相当改修しないと現代の戦場では戦えないんじゃないかな
ノーマルでは歩兵携行対戦車兵器に対抗できないんじゃないかと
ついでに言えば現存してる車輛、相当ガタきてそうですし
T-62とかいる戦場なので贅沢いわなけりゃ結構使えるのでは
足回りボロボロで防御を稜線射撃に頼った運用の74式を平野だらけのウクライナに渡しても使い道がないですよ。
それなら特殊弾を使えば120mm砲レベルの貫徹力がある16式機動戦闘車を渡してやればいいよ。
74式は使い捨てでもいいとして(一応は)訓練された戦車兵4名を使い捨てにする余裕は無いと思いますが…
時々話題に出てくる74式や90式の供与ですが、部品・弾薬・訓練その他もろもろの問題を解決できたとして、どうやってウクライナまで運ぶんでしょうか?
やっぱり船便ですかね?
台湾沖を南下し、マラッカ海峡を通り、インド洋を横断し、紅海を経てスエズ運河を通り抜け、ようやく地中海へ。ボスポラス海峡を通り抜けできればウクライナに直行ですが、それが無理なら地中海沿岸で陸揚げして陸送すると。遠い!遠いぞ!
こりゃ他の手を考えた方がいいですね…。
いっそ米軍に頼み込んで米軍インフラで運んでもらう方が早いかも…?
何にせよもし殺傷兵器輸出が解禁されたら迅速に行動を開始しないと永遠にウクライナへの供与なんて出来ませんからね
少数で急ぎなら米軍の協力を得てC17で運ぶのが現実的かな。。。?
数あるなら遠くても船便しかない。。。
或いはロシアにお願い(!)してシベリア鉄道ってのもアリかも!
アントノフ航空は今どうしてるでしょうか。
An-225ムーリヤは壊されてしまったけれど、
その次のAn-124ルスラーンは健在と思います。
ルスラーンなら、120tは積めるのでは。
実績では311の時にドイツから60tの
コンクリートポンプ車を運んでいます。
ただ、74式はサーマルサイトがないので、
悪くすると、ただの的になってしまいますが。
本来はいすゞSKW6x6 トラックとかじゃなかろうかと思いますけど、アジアでは普通のトラックとして売られているみたいですし、用意するのも意外と早く出来そう。
リンク
後は地雷除去関連の重機(ショベルカー改造)とか決まってましたよね、武器は時間掛かりそう。
国会で自衛隊法が改正されないと、そもそも他国への武器・弾薬の提供は法律違反ですよ。
自衛隊法第116条の3第1項により、用途廃止又は不要の決定をしたものでも、武器・弾薬に類別される防衛装備品を他国に譲与あるいは有償譲渡することはできません。本件での超法規的政治判断は政権与党からも反発が予想され実行は無理でしょう。
これを可能にする自衛隊法改正議案は今国会に提出される予定です。
それを踏まえて、防衛装備移転三原則運用指針改定が閣議決定され、ウクライナへの武器・弾薬提供が合法になる運びです。遅くともG7サミット前には手続きが完了してるでしょう。
合法化されても、提供は相手国から要請が原則です。恐らくですが、ウクライナは日本に戦車の提供は要請しないと思いますよ。
Leopard2 A4でもT-72M, M1よりは間違いなく走攻守ともに強力で生存性も高いと思われますけど、結局現代的なタンデム弾頭のATGMやRPGで撃たれたら大差なさそうですし、なにより維持メンテできるのかに不安が残りますね。