ドイツと米国がレオパルト2とエイブラムスの提供を正式に発表、ここにレオパルト2保有国からの提供予定分を加えてウクライナに戦車大隊を3つ(レオパルト2装備2個+エイブラムス装備1個)編成するつもりだ。
参考:Deutschland liefert 14 “Leopard”-Panzer
参考:In reversal, US to send 31 Abrams tanks to Ukraine
諸兵科連合部隊をウクライナ軍に与えて、終わりのない消耗を強いられる塹壕戦から機動戦への転換を図るつもりなのだろう
ドイツのショルツ首相は25日「ウクライナにレオパルト2A6を14輌提供する」と正式に発表、さらにピストリウス国防相は「ファーストステップとして連邦軍の在庫から比較的新しいレオパルトを提供し、パートナーと共に最初の戦車大隊をウクライナに提供する予定だ。さらにセカンドステップとして旧型のレオパルトで2つ目の戦車大隊を編成する必要があるが、これには少し時間(恐らく保管状態のものを再整備するという意味)がかかる」と明かしたが、訓練・保守体制の構築・スペアパーツの供給を含むレオパルト2A6の提供は「3ヶ月以内」が目標らしい。

出典:U.S. Army photo by Markus Rauchenberger
ピストリウス国防相が言及した「パートナー」とはポーランド(レオパルト2×14輌提供を表明済み)、オランダ(レオパルト2A6×18輌提供を検討中)、フィンランド(Stridsvagn122提供を検討中)、ノルウェー(レオパルト2A4NO×8輌提供を検討中)のことで、新たにスペインのロブレス国防相が「レオパルト2(保管中のA4である可能性が高い)を提供できる用意がある」と発表した。
ドイツのSpiegel紙も「欧州の同盟国はレオパルト2をウクライナに提供して40輌で構成された戦車大隊を2つ編成する予定だ」と述べているので、レオパルト2の提供規模は最低でも80輌以上になると思われる。

出典:U.S. Army photo by Spc. Christian Carrillo
米国のバイデン大統領もショルツ首相の発表後「ウクライナにエイブラムスを31輌提供する」と発表、約4億ドルのパッケージには約70トンのエイブラムスを牽引できる8輌の戦術車輌、120mm砲弾などの必要な弾薬、訓練、メンテナンス、これを維持するための資金が含まれているが、これを提供するには「時間がかかる(提供資金の出処がPDAなのかUSAIなのか明かしていない)」と述べているので、レオパルト2提供よりも時間がかかるかもしれない。
どちらにしても欧米は西側製装備で構成された諸兵科連合部隊をウクライナ軍に与えるつもりで、終わりのない消耗を強いられる塹壕戦から機動戦への転換を図るつもりだ。

出典:Головне управління розвідки Міністерства оборони України
因みにウクライナ国防省情報総局は25日「Baykarから新たに2機のTB2を無償で受け取った。最も困難な時期に妥協のないサポートを提供してくれるBaykarに我々は永遠に感謝する」と発表。
レズニコフ国防相は侵攻後に受け取ったTB2について50機(昨年6月時点)だと言及し「7月中に追加のTB2が幾つか届く」「数十機の追加購入」とも明かしているので、Baykarの無償提供分と合わせると相当数のTB2(BaykarによるTB2の年間生産数は約200機)がウクライナに引き渡されている可能性が高い。

出典:Department of Defense
追記:米国のエイブラムスがウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)を通じて提供されることを確認、つまり大統領権限(PDA)で米軍備蓄からの提供するのではなく「USAIの資金でメーカーから新たに購入して提供する」という意味で、保管状態にあるエイブラムスをオーバーホールした後に提供するため「時間がかかる」という認識なのだろう。
関連記事:ドイツがレオパルト提供を決定、米国は約30輌のエイブラムスを提供か
関連記事:米エイブラムスと独レオパルト2のウクライナ提供、早ければ今週中に発表か
関連記事:ウクライナ侵攻以降に引渡されたTB2は50機、7月にも新たに到着予定
※アイキャッチ画像の出典:Photo: SGM Marco Dorow, German Army
ショルツ首相の渾身の抵抗もこれまでですか…
平時の首領であれば華々しくはないなりに功績を残し穏便に引退できたでしょうに、メルケルの尻拭いから始まって何とも悪いタイミングにめぐり合わせてしまった人、という印象ですわ
でただ報道の中にはドイツが今回のA6型を各国で統一して供与する調整をしたというのもあり(ふだんはショルツ政権に手厳しいWelt紙のGeiger氏など)、それが本当であれば内部調整をしていたところにポーランドなどがパフォーマンスの一種として煽る声明を出していたことになり見方が違ってきますが、その証拠も無いので何とも言えません。
ただA6を統一して供与するような調整ができる国はドイツでしょうし、外相などの発言から考えると政権内で別々の動きがあったのかもしれません。
まあ、だとしたらショルツ首相のマネジメント能力不足という別の意味の批判となるのですが。
ゼ大統領の誕生日に発表なんて粋なことするじゃないですか米独。独は寡黙に着々と最大限の支援をしている印象ですけどね。
現状ロシアの最悪シナリオの反応は出てないかつ宇状況もアンダーコントロール印象なのでNATOとして上手くリスクマネジメント出来てるんじゃないでしょうかね。
トランプメルケルコンビでこの立ち回りが出来たかは甚だ疑問です。意味ない議論ですけど。
そもそもウクライナの民間人とインフラのみをターゲットにした
無制限攻撃が行われた時点で一つのデットラインとして今回の供与が行われるべきであったのではないか?
何故かそことの関連性が明確にされていないのは、いまいち納得が出来ない。
今後の世界情勢の上でも、そこは明確にして広報すべきだと思います。
中国への牽制という意味でもです。
ドイツに対する経済制裁をロシアが更に強化したので、報復の意味あいもあるでしょうね。
最初の大隊は現役運用の2A6で統一された大隊でしょうね。独、フィンランド、オランダので1個大隊です。これは乗員訓練は別として戦力化はかなり早いでしょう。
次に2A4の大隊を独、ポーランド、ノルウェー、スペインの保有分で編成ですか。これは古いものをそのままか新しくするかで大きく変わりますが大隊での共通化が優先っぽいので納期優先なら2A6相当の近代化は無理でしょうか。
そしてM1が1個大隊とチャレンジャー2とルクレールがそれぞれ1個中隊ですか。これに噂のチャレンジャー1が入ると総勢で4個大隊ですね。
こっから西側3Gがどんだけ増えてくかですが、M1は急いでも急げないという判断が垣間見えます。一方で欧州域で2000両はあるレオ2は即戦力で考えられている。もしかしたらレオ2の消耗後を今は急げないM1で後々にカバーする体系を想定しているのかもしれません。
欧州製装備で旅団ごとで異なる装備体系を持つ現状戦力が消耗され、それの再編の際には在庫のある米製装備で統一化してくのではないか。なので現状は雑多でも即応性のある欧州製装備をどんどん供与し後々は米製で合理化を図る。ポーランドにしろM1は戦力化途上で欧州でのM1運用バックボーンは脆弱です。
レオパルド以外の供与戦車は近くに整備拠点が乏しいので使いどころが難しいですね。
できれば比較的負担が軽いキーウ周辺か西部に集中配置してベラルーシ方面への牽制に使うのが良いのでしょうが、北東~南部前線の状況がそれを許すかですね。
供与国はこれを使い捨てられないよう管理監督をしてく必要があります。APCや装輪装甲は脆弱性から損傷の復旧が容易でなく、使い捨ても多々だが西側3Gは容易に喪失はしない。装輪装甲なんぞ駆動系が軟弱でも現場修理不能にすぐ陥るがMBTは本来人員の入れ替えで継戦する装備です。
泥濘スタックで放棄からの鹵獲とかアホな事されちゃたまったもんじゃない。故に信用のできる部隊でのみ配備としたい。ハイテク時代のMBTですからソフト操作と管理に重きもある。また練度で相応に至らない限りは喪失のリスクが急速に高まります。
と考えると供与後はすぐさま前線投入された西側榴弾砲とは異なり実力発揮までが長い。これは前線の戦車空白を意味します。しかも最速配備が比較的新しい2A6です。ウクライナ側としても既存の機甲戦力の消耗を抑える必然が出る。これが最近の反撃は控えろの報道につながるんだろうと思います。T72とは違うのです。
なので言うに及ばず当面は後方で新編部隊での錬成あるのみでいきなり機甲反撃に投入はないはずですし、するべきでもない。もしそれで2A6が出てくるならウ側はバカです。支援国の意向を無視は流石に許されません。
何だかちょっと変な話だな、と思いました。提供する側と運用する側の意図が一致していないのでは?
戦車大隊と称するものを数十台で構成して、実際にどう投入するつもりなのでしょうか。
あるいは何の計画性も無いのかもしれませんが。
供給された兵器が、地に足の付かない段取りになってるように見えます
アメリカはすでにバフムトの放棄をウクライナ軍に要請しており、ゼレンスキ―大統領はその要求に従うかは微妙、という話であり、ゼレンスキ―大統領は2023年のうちに勝利すると言ってるのに、アメリカのミリー参謀総長は、今年中の失地奪回は無理と言っています。
すでにアメリカ軍の意図、狙いは、ウクライナ軍の計画とはすっかり離れており、アメリカ軍としてはドネツク州の方面から退却、放棄して、ドニエプル川に沿ったザポロジェ州の方面の守りを固めるという狙いかもしれません。
砲弾の増産が始まるのは早くても2年後という話であり、戦車大隊だけ編成しても、それを援護する砲兵の砲弾が圧倒的に足りなくなるという状況です。備蓄されていた古い砲弾を沖縄、韓国、イスラエルからかき集めている状況です。
この話はポーランド中心で進められた話もあり、これらの戦車大隊はポーランド人義勇兵を中心に編成されるのかもしれません。訓練もポーランド国内で行われます。指揮官も一部はポーランド人義勇兵の将校かもしれません。
ドイツの心が折れたことで、ロシアの対EU/NATOの戦略的失敗が決定的になった、と思う。
昨年の後半以降、ロシアはウクライナ戦争はロシア vs. NATOであり、米欧はロシアを解体しようとしていると、米欧を散々に非難してきた。が、結局のところ、ロシアはウクライナ侵略に失敗し、ジェノサイドを行い、原発施設を攻撃したり、民間施設を繰り返し爆撃し、戦争を長期化させたことで、米欧によるウクライナへの強固な持続的支援を実現させてしまった ― 西側諸国に対してのオウンゴールというべき戦略的失敗だろう。
ロシアはドイツというエージェントを失ったことで、ウクライナ戦争は第2ステージ、事実上のロシア vs. NATOに移行した、とみてよいと思う。
他にも中立寄りだった北欧2カ国をNATOに走らせた点も戦略的失敗に含めるべきですよね。スウェーデンなんてトルコのクルド人問題すら妥協してですから。
バルト三国なんて本気になればいくらでも遮断できたのに、バルト海の対岸がNATOになったから、補給ルートが増えてしまってる。
そもそもウクライナ侵攻の理由が中立地帯の確保だったのに、その中立地帯が無くなっているという。
それにしても、この時代に西側MBTそろい踏みでロシア軍戦車とガチ戦闘か・・。
色々な感情が渦巻く。
冷戦時に設定した仕様の正しさ含めて明らかになりそうなので一軍事オタクとして楽しみではあります。
そうなるとA-10も出してほしいですね。S300•S400の範囲内での活躍はかなり厳しいでしょうけど、冷戦時の対ソ連機甲部隊の兵器として作られたわけですから、設計思想を含めて答え合わせが見てみたい物です。
開戦時のプーチン大統領演説を読んでる限りとてもじゃないけど世界観からして相入れないとなります。。。
NATO側はあくまで武器・情報支援しかしてないので本当にvs NATOになったら負けが早くなってただろうなと。
数年後にはオスプレイ社とかから、
「ウクライナ戦争のロシア戦車VS西側戦車」
みたいな本が出版されたり、そういうのを題材にしたロシア戦争映画が日本の映画館で公開されるかもしれませんが、何しろ侵攻直後は、T-72戦車はカセトカ式回転弾倉の
「ビックリ箱」
といったり、ジャベリンの威力が宣伝されて
「戦車不要論」
なども強かったのです。
今はジャベリンという言葉を聞くことも少なく、今では燃費の悪いエイブラムス戦車より、燃費のいいT-72の方が実戦的だと言われ、ポーランドやスロバキアもさらにT-72戦車を供与します。
はたしてレオパルト2やチャレンジャー2はロシア戦車を撃破できるでしょうか?
何を言ってらっしゃるんですか?
現実逃避なら5ch辺りでやって下さいな。
仰りたい主旨がよくわかりませんが、T-72のびっくり箱は戦前からよく言われていましたし、逆にそれに対する反論も戦前から行われていました。
ジャベリンについては当初電撃的に進撃してきた、随伴歩兵の少ない車両部隊への待ち伏せなど一部の状況には有効に機能していましたし、それをウクライナが支援が役立っていると強調するために殊更宣伝し、話が大きくなっただけ。今の戦況では活躍の場が少なくなるのは当然です。
またエイブラムスよりT-72の方が実戦的だとするソースは見たことがありませんが、ロシアのシンクタンクではロシアMBTより性能差の大きいM1の投入にかなりショックを受けているようですよ↓
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第一次大戦を見るに、塹壕戦から機動戦への回帰に重要なのは戦車ではなく航空機なのでは?
まあ戦車があるに越したことはないし、航空機は追々ということなのかな。
数が少ない上に時期も遅い、ゼレンスキー大統領は不満でしょうが
新聞が書き立てる様なゲームチェンジャーにはならないでしょうね、純軍事的には
政治的な意味合い(ロシアへの圧力)の方が大きいですか
いやドイツには同情の余地あるよ
逆襲され盛大に負かされた相手よ
やはりロシア恐怖症あるんじゃないかな
異世界で日米同盟なく
悪の帝国化したアメリカの敵対国に
日本は戦車提供できるかというと
怖すぎやろー
素人は、密かにチャレンジャー1/2に期待をしています。
戦車の数は必要でしょうが、独/仏が渋れば、後は英/米しかない。
M1の特に主機の整備拠点は英国ならば容易に設置できると思います。
技術的な基盤があるので。
英軍のチャレンジャーを部分的にM1に代替すると、その分を出せるのでは。
後はヨルダン軍のアル・フセイン(チャレンジャー1)が代替期間中なので、
これを買い取れば、更に数を揃えられそうな気がします。
おおよそ現役ですし。
不使用状態のエイブラムスはパーツ単位で分解されて保存されている。
必要に応じてパーツが再構成される形で“製造”される。
アップデートが容易とされるのもそのため。
・・・今回ウクライナに送る物は『新たに購入して提供』と言っている。つまり部隊で使用している車体では無く、再構成された物。
何が言いたいかというと、アップデートが容易ならダウングレードも(それ用のパーツがあれば)できると言うこと。
多分ウクライナに送られるエイブラムスは、絶対にロシアに見せたくないパーツがダウングレードされた、ある種のモンキーモデルだと思う。
勝手な想像ではあるが、供与する以上は当然のことであろう。
>絶対にロシアに見せたくないパーツがダウングレードされた、ある種のモンキーモデル
オーストラリア、イラク、サウジアラビアなど輸出向けのM1には劣化ウラン装甲の代わりに複合セラミックス装甲(チョバム・アーマーまたは改良型のBRL-2)を装着しています。ただ防御面以外は導入国の要望に合わせて米軍のエイブラムス同様にカスタマイズ可能なのでモンキーモデルという訳でも無い様です(例として台湾の導入するM1A2TはM1A2 SEPv3相当)。ちなみにT-72は装甲の他に視察装置やFCSなどべトロ二クスが輸出型では大幅に省略されていたことが知られています
なおエイブラムスの初期型に使用された複合セラミックス装甲はアメリカによる機密指定が解除され公開されている様です。
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>保管状態にあるエイブラムスをオーバーホールした後に提供するため「時間がかかる」という認識
アメリカには初期型で105mm砲搭載のM1IPだけでも2000両の予備役保管があるので、おそらくここからレオパルト2と砲弾を共有できる様に120mm砲の換装やFCSの近代化などをしたものをウクライナへ提供するのだと思います(オーストラリアが2007年に導入したM1A1 AIM SAは1985年から1992年にかけて生産されたM1A1の初期型をベースにしている)
>なみにT-72は装甲の他に視察装置やFCSなどべトロ二クスが輸出型では大幅に省略されていたことが知られています
省略されていないです。
あえて言うならば、T-72そのものが装甲、エンジン、FCSなどが簡略化された廉価版です。
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ところで戦車兵はどうするんでしょうね。緒戦で車両を失ったウクライナ正規軍の戦車乗員を機種転換で充てるとしても80両ぶんも乗員が余っているのか。結局ある程度は新規に育成せざるを得ないのでは。
思い返せばポーランドは8月にT-72M1とPT-91併せて430両一気に送っていますが、既存の運用ラインがあったT-72はともかくPT-91は全く出てきていません。戦車兵を新規に育成して機械化部隊との連携訓練なんかを後方でやっているのであれば半年や1年は当然かかるでしょう。西側で訓練を施すとしても、T-64なりT-72なりで戦車戦闘の基礎を身につけた乗員に機種転換訓練を施すのと、ブートキャンプを出てきた新兵に戦車運用の全てを叩き込むのでは期間や教育内容は変わってきますし、後者は各国でバラバラに教わってくるのは好ましくないでしょう。
そう考えると今回の戦車支援も引き渡せるのは夏まででも、戦場に出てくるのはもう少し先になるかも分かりませんね。
今回供与される戦車は、やっぱり戦争が終わったら返却することなくウクライナ軍の一部になるんですよね?
素人も考えたことはありますが。
戦車についてのみ、ウクライナ勝利の前提で。
旧東側装備を欲しがる国はもはやないのでは。
レオ2A6(?)ルクレルク(?)などは買い戻されるのでは。
それぞれ、元の国の軍備の整備のために。特にドイツ。
ウクライナは多額の借金をしているでしょうし。
旧東側の主砲はもはや使われないでしょうから、砲塔ごと廃棄では。
残った車体には、西側規格の主砲を使う砲塔を新規に載せるのでは。
一部の車体は西側規格の榴弾砲を使う自走砲にされるのでは。
残してもらえる西側戦車はそのまま改装しつつ使うのでは。