欧州関連

ウクライナがロソマクを100輌発注、陸自採用のパトリアAMVも対ロシア戦に参加

ポーランドのモラヴィエツキ首相は1日、自走砲「KRAB」に続き装甲兵員輸送車「ロソマク」にも「ウクライナから発注が入った」と明かして注目を集めており、陸自が採用を決めたパトリアAMVがロシア軍との戦いに投入されることになった。

参考:Polska z nowoczesną technologią wojskową. Sprzedamy 100 Rosomaków Ukrainie
参考:Ukraine orders 100 infantry fighting vehicles from Poland
参考:Polska Grupa Zbrojeniowa

ポーランド産業界は「ウクライナ侵攻による安全保障環境の悪化」を受けてターニングポイントを迎えつつある

ウクライナはキーウへのロシア軍侵攻を阻止した直後、ポーランド製の自走砲「KRAB」に54輌の発注を行い当時関心を集めたが、モラヴィエツキ首相は1日「ウクライナのシュミハリ首相から発注書を受け取った。ポーランドで生産されるロソマクに100輌の発注が入った」と明かした。

PGZ(ポーランド国営軍需企業)が製造する「ロソマク」は陸自が採用を決めたパトリアAMVのライセンス生産品で、ポーランド陸軍はロソマクを900輌以上(各種派生型を含む)も導入しており、オリジナルのパトリアAMVはフィンランド、スウェーデン、クロアチア、スロバキア、スロベニア、アラブ首長国連邦、南アフリカなどが採用しているが、これまでウクライナに提供されたことは無かった。

モラヴィエツキ首相は「ウクライナの注文は米国とEUの資金で賄われる」と明かしたが、新たに製造してウクライナに提供するのか、ポーランド軍が取得済みのロソマクをウクライナに引き渡すのか、いつまでにロソマクを納品するのかは明かしてない。

出典:CC BY-SA 3.0/Jorchr スウェーデン軍のPatria AMV

因みにモラヴィエツキ首相は「ロソマクにスロベニアやサウジアラビアから新たな発注が入る可能性(現在交渉中)があり、将来的にロソマクの年間生産量を100輌から200輌に引き上げるかもしれない」とも言及しており、ライセンス生産したロクソマの海外輸出に苦戦していたポーランド産業界は「ウクライナ侵攻による安全保障環境の悪化」を受けてターニングポイントを迎えつつある。

関連記事:ポーランド、NATO規格対応の自走砲KRAB×18輌をウクライナに提供
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※アイキャッチ画像の出典:Kancelaria Prezesa Rady Ministrów

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コメント

    • れんちゃ
    • 2023年 4月 02日

    ポーランド版のKTOロマソクかあ…搭載する30mmはドローン迎撃用に改良されるんだろうか?

    4
    • パセリ
    • 2023年 4月 02日

    パトリア使われるのは良いねー。治安維持とかならともかく、大規模な実戦で使われるのは多分初やろうし良い性能試験になる
    まぁボコスカ破壊されるようになら国産導入派が活性化するだろうけど

    5
      • 千葉の猫
      • 2023年 4月 02日

      故障しまくりとかならともかくボコスカ破壊って
      APCなんだし投入するときの戦術なりがおかしいか
      被害出るのわかってて突っ込ませるしかない状況だった じゃないのかな

      15
    • 無印
    • 2023年 4月 02日

    日本がAMVのライセンス生産を始めて、どこかの国が「緊急でAMVを買いたいです!フィンランドでもポーランドでも日本でも売ってください!」
    ってなったら日本は日本製AMVを売れるのでしょうか?

    3
      • 匿名
      • 2023年 4月 02日

      日本がどれぐらいAMV調達すると思ってる?96式の代替で3~400両ぐらいだよ。
      比較的調達も生産も軌道に乗ってる16式ですら年間生産数約30両なんだから。他国なら月産10両ぐらい生産するよ
      そんな国に緊急で数が欲しいんで生産して!なんて言ってこないよ。陸続きで陸軍兵器に重点を置く国とは国情が違うんだから。

      5
      • ネコ歩き
      • 2023年 4月 02日

      基本的にはその時点で
      ①殺傷兵器を海外移転可能とする法的枠組が整備済
      ②当該国との間に防衛装備品・技術移転協定を締約済
      ③当該国の状況が防衛装備移転三原則運用指針に定める移転許可の条件に合致する
      ④フィンランドとの契約上、輸入した又はライセンス生産するAMVを当該国に輸出可能
      を満足していれば売れますね。
      ウクライナの例から、③運用指針で当該国が特例対象国ならば②は必須ではない。

      本邦における防衛装備海外移転政策は安全保障上の外交的配慮も重視されているので、上記条件を満たしている他、国連決議やG7等国際協調枠組での合意が移転可否判断を左右します。

      5
    • あああ
    • 2023年 4月 02日

    ポ軍の新型ロソマクはXPかと思いきや従来型のロングホイールベースタイプに国産の中口径RWSを搭載らしいね。火力と浮航性の両立を浮力ありの外装装甲を使わずして予備浮力強化で実現したらしい。
    これを既存車更新でかなりの規模で導入すると言うならオットーメラーラの有人砲塔付きの既存車とAPC型はウクライナ送りで間違いない。
    数と速度が優先ならあえて新型XPに切り替える必要も無いという判断なのか、それともXPのライセンスを得られなかったのか。

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