ウクライナ国家捜査局は16日、マリウポリで第501大隊がロシア軍に降伏した事件について「大隊で兵站を担当していた責任者が敵側に寝返り、ロシア軍と一緒に大隊指揮官を説得して降伏させた」と発表、兵士に対する「自発的降伏の罪」適用は見送られた。
参考:ДБР повідомило про підозру у держзраді одному з керівників 501 батальйону морпіхів, через якого 277 військових опинились в полоні
参考:Год плена: семьи защитников “Азовстали” призывают вернуть бойцов домой
この裏切り者の働きは「第36旅団全体」をバラバラにしてしまった原因と言える
ウクライナ侵攻序盤における激戦区はロシア軍に包囲され80日以上も抵抗を続けたマリウポリの戦いだが、この過程でアゾフマッシュ工場を守っていた第36独立海軍歩兵旅団の第501大隊(当時は第503大隊が降伏したと言われていた)は何の前触れもなくロシア軍に降伏してしまい、ウクライナ国家捜査局(SBI)は降伏した兵士277人が「自発的降伏の罪(刑法430条)」に該当すると判断し調査を開始、その過程で「兵站を担当する責任者」が敵側に寝返っていたことが判明した。
この人物は連絡を取り合っていたロシア軍と一緒に第501大隊の指揮官を説得、これに応じた指揮官は第501大隊の兵士に武器を置いて降伏するよう命じ、兵士277人が両手を上げてロシア軍に降伏したためアゾフマッシュ工場を敵に奪われてしまったというのが事の真相らしい。
上級部隊である第36旅団のバラニュク大佐は連絡が取れなくなった第501大隊を心配して兵士を確認に向かわせたが、第501大隊の戦闘指揮所には弾薬、ロケットランチャー、対戦車ミサイルが沢山転がっていたものの兵士は1人もおらず、この事件は第36旅団の防衛任務の放棄と独断でのマリウポリ脱出に繋がり、結論から言えば「第36旅団全体」をバラバラにしてしまった原因と言えるだろう。
降伏した兵士277人は「指揮官が命じた偽の降伏命令」の違法性を認識していかったため「刑法430条に抵触しない」と判断され、停止されていた配偶者や親類への給与や手当支払いが再開されたと報じられている。
因みに第501大隊を降伏させた人物は生まれ故郷のベルジャンシクに戻り、ロシア軍への投降をウクライナ軍兵士に勧める活動や、集めたウクライナ軍の情報を金でロシア軍に売る商売を始めたらしく、SBIは国家反逆罪の疑いで当該人物の調査を進めている。
追記:昨年9月、マリウポリでロシア軍相手に80日以上も戦った第12特務旅団アゾフ連隊のプロコペンコ司令官、第36独立海軍歩兵旅団のボーヴァ少佐など215人がトルコの仲介で解放されたが、未だにアゾフスタル製鉄所で捕虜になった1,900人以上の兵士(内700人以上がアゾフ連隊の兵士)が抑留されたままで、家族が兵士の早期解放を求めている。
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※アイキャッチ画像の出典:Kadyrov_95
1人に罪を着せれば277人をまた戦場に送れるってことだろうな
事はそんな安易な問題では無いですよ
裏切り者とされた当時の兵站担当は故郷に戻った後も裏切り行為を続けていて国家反逆罪の疑いで調査されているのですから、もしかすると捕虜交換で帰って来たのもロシア軍による策略の疑いが有ります
それを単純に信じる方が安易だわな
アゾフスタリで包囲された部隊が解囲と救出をキエフに約束されたから粘ってたのに騙されたって動画上げてたり当時から色々汚い話あっただろうに
包囲された後の状況だったので、致し方ない部分がほとんどでしょうけど、
ただ降伏後の商売がかなり悪魔的ですね
マリウポリ包囲戦が映画になったら多分この人登場するでしょうね
先刻は少し短絡過ぎましたね
ウクライナが仕組んだスケープゴートの可能性もありますし…
恐らくこの人の存在は両陣営に色々と使われてしまうでしょうね
残り1900人の無事を、祈る・・・。
ロシアに抑留されると志位和夫の親父みたいに任務を帯びて帰ってきたりするので…
私は佐官と左官を経験しましたって商社のオジサンもいましたね。
今回もカポみたいになってる捕虜も居そう。
こういうのって戦時中だと裏切者だけど戦後だと兵士の命を救った英雄として名誉回復されるのが何度も繰り返されてきた歴史。
これは指揮官が状況に鑑みて降伏を決断したって話ではなく、通敵通謀分子の策動なので、そういう再評価は無いでしょうね。
って戦時下の当局が言ってるだけだろ
裏切り者がきっかけになったにせよあの状況下では降伏は避けられんだろうしなあ
毎回思うけどこの捕虜交換がどう考えてもおかしいんだよなあ。
以前にロシア側が「私達は捕虜交換を望むものの条件は1:1でなければならない」と言ってて今も大体1:1で交換されてる。
昨年の今日がそのアゾフスタル製鉄所が降伏した日なのだがロシアが未だにこの捕虜を保持してるという事がオカシイんだよね。
単純に捕虜になるロシア兵が少ないってことだろう。
だからウクライナは逮捕した親露の政治家や正教会の司祭なんかを無理やりねじ込んできてる。
そういう大物は1対1のレートじゃないし。
逃げ帰った後もロシアに協力してるし絵に描いた裏切り者すぎて……
事実なら裏切り者のクソ野郎以外の感想がありませんね。
そうですね、命を救いたくてやったのでは無い事がその後の行動で証明されていますし。
情報を売れば誰がどんな目に遭うか考えれば、確信的な悪意があるか、
利己の為には他者を一切省みないかで無ければやってられないでしょうし。
この件に限らずキーウの攻防で内通してた企業の偉いさんとかも、
その裏切りで身近な誰かがどうなるか考えた上でそうしてるんだから地獄行きは確実。
まさか考える頭が無い訳も無いので。
まして内通や寝返る程の繋がりがあるなら、
捕虜なり占領なりでロシアがどんな振る舞いをするかは知った上での行動でしょうからね…。
ウクライナのロシア人で編成された部隊の様に逆にロシアに感化された可能性もありますけど、自国に侵略されてた上で寝返るってどういう気持ちなんでしょうね。
単純に「金」や「権力」が寝返った動機だとは思うんですけど、他人の命を犠牲にしても構わないのがほんと良心の欠片もないというか…
すべての謎が解明される事は無いんだろうなとも思ってますが、せめて相応の報いを受けてほしいもんです。
事実ならね…
こんなおとぎ話みたいな裏切り者の存在を何の根拠もなしに真に受ける人が思ったより多くてびっくりするけど
少なくともどこに所属してた人物で古郷まで特定されてるんで完全に嘘とは思えませんが……同じ部隊に所属してた人には嘘ってすぐバレるでしょうし、事細かい経緯も説得力あります。
逆にフェイクである証拠とか根拠ってどこかで見られるんでしょうか、気になります。
素朴な疑問ですけど「裏切り者が居た」事についてウクライナ側が嘘をついて得する事ってあるんですかね?
捕虜の大半は「行方不明」でしょうし拉致問題とか徴用工問題みたいにロシアとウクライナの友好関係を1億年阻害しますね。
前に管理人さんが記事にした時は、闇に紛れてウクライナ領域への逃走に成功した人達の話でしたね(第36旅団)。
しかしながら内通者が居たのは事実としても、大勢を覆すような話にもまた感じず、全容が判明するのも一連の行動に対する評価が決まるのも戦後数年が経過してからではないかと。
救援が絶対に来ない包囲下で少しでも多くの敵戦力を拘束するために最後まで戦えみたいな命令を受けてる状況で
「俺たちを捨て石にしたやつらのために命を懸けて戦うなんてばからしいじゃん。降伏しよう、命は助かるよ。」
みたいにささやかれたりしたら降伏したくなる気持ちもわからんではない。
まあロシア側から寝返ってウクライナ側に協力してるやつも多数いるわけで
西側としてはそういった人たちを好意的に報じてるけど、祖国への裏切りという点では全く同じよね
戦争に対する見方(どちらが正義か、とか)が確定していると認識しているからこそこういった批判が生じるのだろう
インパール作戦の佐藤師団長も戦時中はこういう扱いだったろうし何とも言えない
マリウポリ死守命令の戦略的妥当性も検証すべきでは?
政府からしたら裏切り者でも兵士からしたら命を救ってくれた英雄だよ
死んだら終わりなんだから
それは残りの全員が無事に生きて帰ってきてからですね