米ABC NEWSに取材に応じたウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ准将は「米国製のブラッドレー歩兵戦闘車が提供されることに期待しており、3月頃に大規模な反撃が始まりロシアの最終的な敗北を決定づけるだろう」と述べている。
参考:Expect more strikes ‘deeper and deeper’ into Russia, Ukraine’s spy chief says
参考:Danish military intelligence suggests drug-induced megalomania may have influenced Putin to invade Ukraine
ウクライナの勝利は全世界に利益をもたらし、そうなれば世界にとってロシアの軍事力は脅威ではなくなりプーチンの恫喝はほら話になる
ブダノフ准将が米ABC NEWSとのインタビューで言及した内容は「ロシア領内での攻撃」「バフムートの現状」「春に計画されている攻勢」「ウクライナ支援への感謝」「ロシアの将来」「プーチンの死」に分かれており、ロシア領内での攻撃については「エンゲルス空軍基地での爆発は非常に喜ばしいが、今後もっと奥深くのロシア領内で同じことが起こる」と予言し、この攻撃がウクライナ軍によるものかどうかについては「戦争終結後にしか明かせない」と口をつぐんだ。
現地に赴き視察してきたバフムートについては「何百もの死体が野原で朽ち果てており、場所によってはロシア軍兵士の遺体が積み重なってバリケードのようになっている。ロシア軍は戦死した兵士の遺体を盾にして戦っているが、とても上手く機能しているとは言えない」と指摘。
バイデン政権がブラッドレー歩兵戦闘車の提供を検討していることについてブダノフ准将は「我々はブラッドレーの到着を待ち望んでいて非常に期待している。これは我々の戦闘能力を大幅に強化してくれるだろう。3月頃に大規模な反撃が始まりロシアの最終的な敗北を決定づけるはずだ。この反撃はクリミアからドンバスまでウクライナ全土で行われる」と明かしたが、これは飽くまで准将個人の予測なので本当に企画されている計画とは異なる可能性がある。
さらにブダノフ准将は米国の納税者に「我々が受け取った支援が何に使用され何処に行ったのか1セント単位で明らかにする」と約束して「継続したウクライナ支援への理解」を訴えており、ロシアの将来についても「幾つのかシナリオがあるもののウクライナの勝利は全世界に利益をもたらし、そうなれば世界にとってロシアの軍事力は脅威ではなくなり、プーチンの恫喝はほら話になるだろう。唯一残される問題はロシアがもつ核兵器の存在で全世界がロシアの非核化を進めるか国際的な監視下に置く必要がある」と述べたが、非核化の具体的な方法については言及していない。
個人的に興味深いは「プーチンの死」に関する言及で、ブダノフ准将は「長期間に渡りプーチンは癌に侵されていて余命は長くない。プーチンはウクライナがロシアに勝利した後に死亡して政権交代が実現するはずだ。これは全世界に利益をもたらす内容なので恐れる必要はない」と述べているが、デンマークの諜報機関はプーチンの健康状態について「癌ではなく幾つかの転倒事故による後遺症に苦しんでいて、ホルモン治療の副作用が誇大妄想の症状を引き起こし侵攻決定の判断に大きな影響を及ぼした」と主張。
クレムリンの中には「ロシアが間違った道に進んでいる」と認識しているエリートが存在して「プーチンよりも優れた指導者が必要だという結論に至るかもしれない」と予想、この病気でプーチンが死ぬことはないと主張している。
プーチン大統領の健康状態に関する言及は諸説あるため何が本当なのかは謎だが、ウクライナ軍が春の攻勢で軍事的な勝利を収めればプーチン大統領の政治的生命に影響を与えるのは確実で、その辺りで戦争終結への道筋が見えてくれば2023年中に凄惨な戦いは終わりを迎えるかもしれない。
追記:フランスのマクロン大統領はAMX-10RCをウクライナに提供すると発表(数量や提供次期は不明)、NATO規格の105mm砲を装備する装甲車輌の提供はこれが初めてのケースとなる。
関連記事:ウクライナ侵攻314日目の戦況、ロシア軍がバフムート攻勢に全力を傾ける
※アイキャッチ画像の出典:US Army photo by Capt. Cody Gallo
先日の米国の支援パッケージの中に、
125mm戦車砲弾×10万発とあったのだけれども、
これは、製造が間に合わないのかな。
AMX-10RCは、105mm砲と言ってもL7砲とは、
砲身長も装弾の規格も違う。
先日供与されたM-55S1とは違う砲です。
どう使うつもりで渡すのだろう。
AMX-10RCは、廃品利用でしょうね。
韓国のT-80とBMP-3を送った方が、役に立つのだが
AMX-10RCは付加装備無しで水上航行できますから、奇襲的渡河作戦の先鋒に使えそうですね。
両軍の情報戦の中、「両軍とも明らかに大本営発表で、どちらもあまり信用は出来ない」という解釈が一般的ですね。
とはいえ、いわゆる大本営発表は「不利な側がより過大に戦果を強調する」という面があり、問題視されている本邦旧軍であっても、勝利が続いていた大戦前期は比較的、抑制が効いて事実に基づいた発表がなされていました。
宇・露、両軍の過去の発表を追いかけていると、宇軍の方は時間軸に遅れはあっても概ね発言を実行してきており、露軍は発言のすり替えや修正が多く二点三点せざるを得ない印象です。
宇軍側の事実上のスポークスマンである元将校・ジダノフ氏の6月時点での発言を読み返すと、この時点で既にセベロドネツクの失陥やハイマースの有用性、ベラルーシ参戦の可能性など、かなり高精度で戦場の趨勢を予測していた事がわかります。(でも、あまり虚栄的、威勢の良い発言はしていない)
リンク
米英国のバックアップもあるでしょうが、情報に基づいた未来予測という部分では露軍よりも宇軍にかなりの部があるように思います。
今回の宇軍の発言も、ブラフを含むとしても、何らかの根拠や自信に基づく発言なのでは…、と心情的には思いたくなります。
ハリコフ攻勢の時も、もはや宇軍には攻撃能力は残っていないと世間で騒がれていた頃に実行されました。
国も、組織も、個人も、自分に自信がある人ほど虚栄を張らずに事実をありのままに述べる傾向がありますしね。
戦争というものは最後までどう転ぶかわからない。ウクライナのプロパガンダ臭もするし、話半分で受け止めておいた方がいいと思う。
AMX-10を提供とは、なかなか頼もしい。元々威力偵察用の戦闘装甲車ではあるが、16式のような使い方をすれば攻勢作戦でも活躍できるだろう。憶測だが、装輪装甲車でも軽めなので泥地でも戦車より扱いやすいかも。しかもAMX-10はEBRCによる代替が決定しているので、在庫が有り余っているはず。相当まとまった数がウクライナに譲渡されることを期待する。
M2ブラッドレーの次は念願の西側戦車(型落ちのレオパルド2かな。エイブラムスはアメリカが嫌がる+ガスタービンは無理)の供与ですかね。
まあレオ2だってそんなには余剰品は無いし、整備の問題は付いて回ると思いますが。
ただロシアも防御を固めていますから支援が逐次投入みたいになると、その効果が期待ほどでは無くなる可能性がある。
結局、アメリカとしてはどうしたいのかということに行き着きますね。
AMX-10やブラッドレーでロシアの様子を伺ってレオパルド2A4の供与に繋げたい思惑がNATO諸国やアメリカにはありそうです。おそらくロシアはアメリカがパトリオット供与を表明した時の様に騒ぎ立てすれど戦術核の使用など踏み込んだ手段は取れないと思います。そうなればドイツはラインメタルが20台ほど保管している退役したレオパルド1A5を供与するかも知れません。
こうやってロシアの核攻撃のハードルを下げている間に「保管状態不良により供与できない」と表明したスペインが保管するレオパルド2A4の整備・オーバーホールも粛々と進めておけば供与への下地が整った時にウクライナへ迅速な供与が出来るでしょう。
普通に考えると3月より早く局所的な反抗作戦があるって事だろうと思うけど、さてどうなるか。
>ロシア軍は戦死した兵士の遺体を盾にして戦っている
島津かな?
M2は装甲は薄いとは言え野砲の弾幕にもある程度堪えられる貴重な装甲戦闘車両&今のロシアでは手に入らない高級な暗視装置が搭載されているから、夜間戦闘に投入されたらロシアの徴収兵は一方的に鴨撃ちされちゃうんだろうな・・・
嬉しいニュースほど慎重に見たいですよね
嬉しいニュースほど慎重に見たいですよね
正直、終戦の唯一の方法はウクライナが失地回復をした上でモスクワのクレムリンを奇襲・制圧し可能ならプーチンを拘束する事しかないと思ってる
無論、現実的ではないのだけど、そのくらいやらないとロシアは人口のある限り戦争を続けるのが見えてる
3月とみせかけて2月あたりに急にやりそうな予感がします
ブダノフ氏は何をするかについては正確だけど、いつとどこではウソを混ぜてくる印象があります。まぁ当たり前ですね全部正直に話したら敗けちゃうし。
M2ブラッドレーの供与については、ミリレポさんの動画が分かりやすいです。
整備 改修 訓練 を、どの程度にするかで供与までの期間が変わる感じです。
あとは供与台数が幾らに成るか。
リンク
要は最新型とMBTはダメって事ですかね。M2は旧型在庫の旧仕様で供与になるはずです。付属の反応装甲は最新型かも知れませんが、他は四隅のレーザー検知器も増えたりはしないはずです。
しかしこれでもBMPと対峙したなら砲でアウトレンジできます。旧式でもFLIRがあるなら夜間戦闘では相当有利でしょう。この供与確約があれば既存IFVの消耗が可能になります。今の戦力でなく今後の補充装備での期待が大きい。
もし供与数が相当数ならば戦車寄こせの大合唱もこれで静まるかもしれません。ウクライナでは戦車が戦車ではないとの意味がもはや無い状態が続いてます。ただの自走砲架にMBTは過剰装備でもある。IFVなら歩兵を内包できる。西側IFVを手にしたなら車上乗車がバカみたいに思えるはずです。
こんな大々的に反攻作戦を宣伝して大丈夫なんですかね?
ハルキウ攻勢は陽動がうまく行ったけど、二匹目のドジョウがいるとは限らないし、ロシア軍もベラルーシに軍を集めている都合上、反攻作戦中に第二次キーウ攻勢起こされたら対応に四苦八苦するだろうに