ドイツ議会の国防委員会に提出された報告書は「Pumaが戦闘で優位性をもたらすは間違いないものの、運用維持には手厚い支援体制が必要になるため複雑で厄介なシステムだ」と言及しており、部隊運用への完全復帰は当分先の話になるようだ。
参考:“Fast alle Schäden waren Bagatellen”
参考:Pannen-Panzer Puma aktuell unzuverlässig
Pumaがドイツ陸軍からの信頼を取り戻すには相当時間がかかるのかもしれない
Rheinmetallは演習参加のPumaが全て故障した件について「ケーブル火災を起こした車輌を除く17輌の故障は些細なものばかりで修理は完了済み」と明かし、遠回しに「些細な問題をメディアが大げさに報道しているだけ」と示唆していたが、国防委員会に提出された報告書では「Pumaが戦闘で優位性をもたらすは間違いないものの、これが戦争に適したシステムかどうかは運用時の堅牢性と信頼性に関連しており、この複雑なシステムは部隊、陸軍整備部門、プログラム管理者、産業界で構成される密接な技術・物流コンセプトの中でのみ運用が可能だ」と指摘されているらしい。
この報告書を入手した現地メディアは「つまり現状のPumaは各関係部門のバランスが成立した状態でのみ運用が保証される非常に複雑な厄介なシステムだ」と表現しており、デリケートで繊細なシステムが発揮する戦闘能力は素晴らしいものの「戦時やNATO即応部隊として国外派遣時にその能力が維持できるかは怪しい」という意味だ。
因みに報告書もケーブル火災を起こした車輌以外の技術的欠陥については「改善済み」だと述べているが、さらなる技術的な調査が必要なため「部隊運用への完全復帰は出来ていない」と付け加えており、Pumaがドイツ陸軍からの信頼を取り戻すには相当時間がかかるのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Dirk Vorderstraße/CC BY 2.0
どんな環境でも使用できる堅牢性と信頼性は武器として必要不可欠なものでは?
堅牢性と信頼性はないが、
運用時の燃料はバイオディーゼル油のみを使用し環境負荷は低く
敵に破壊されても有機・無機化合物や重金属による環境汚染は発生せず、
内部の搭乗員含めすべては自然分解する素材のみ使用の環境配慮兵器じゃないですよね?
以前ドイツの外相が
「戦車を再び戦争で使用するとは想像していなかったため、軍の在庫にある装備の多くが50年前のもので本来の在庫の姿からかけ離れている。つまり我々が保有する戦車は平和な欧州で運用することだけを想定していため想像を絶するほど最悪な状況だ」
と発言したとの記事がありましたが、兵器の数だけでなくスペックや運用指針にもそれがあてはまっていたということでしょうね
武人の蛮用に耐えない装備は戦争に向いてないんですよね
ドイツ語記事ですが、プーマの故障はドイツ軍の運用に問題があった、という主張です。
複数の中隊が同じ車両を共有していた(原文では「穴兄弟」みたいな事を言ってる?)ようで、メンテナンスを怠ったまま使用した結果大きな故障に繋がった、と話しています。メーカー曰く、「普通に運用していたらこうはならないはずだ」とのことです。
サイトの信憑性は分かりませんが、こういう話もあるよ、ということで。
メーカー指定の運用とドイツ軍での運用にどんな差があるのか。。。私、気になります!
メーカーの指示をマルっと無視してるようなら壊れて当然だし
指示内容が実運用とかけ離れたモノなら開発時にそれでヨシ!って言った軍の責任だよね
何れにせよ要件定義から失敗してそうで悲しい過ぎる
ここまで来ると海外派遣でちょっとした戦闘に巻き込まれるって状況のみ想定していて正規戦のシビアコンディションに耐えられる条件を設定して試験しているのかって話になりそう。G36の不具合みたいに運用側がそれを要求してないならメーカー側は対応する訳が無いって話と同じ。
使う側への要求がきつすぎるっぴ
堅牢性と信頼性って武器で一番必要な要素じゃん…
切れ味すごいけど太刀筋違えたら一発で刃こぼれする名刀より
どんだけ叩きつけても折れない棍棒の方が有り難がられるだろ
武人の蛮勇に耐えるものが優秀な武器なんだぞ
ティーガーとどっちがマシかな?
聞いた話で申し訳ないのですが。
ティーガー戦車の場合、戦車を女性に例えて、
整備要領をその作業の必要性及び理由から事細かに
マンガ形式でユーモラスに説明した取説があったそうな。
読んだことは無いのですが、”ティーガーフィーベル”
という文書だそうです。そして、その文書の最後には、
”正しい使い方をすれば、ティーガー戦車は決定的な働きをする。”
と書いてあったそうです。監修者はグデーリアン将軍だったそうです。
要は使い方では。
ティーガー戦車も無骨な外観に似ず繊細なものだったようですし。
でも、緑の党などの主義主張に凝り固まった頭ではそうした取説は
作ることはできないかもですね。
適切な整備が欠けて走行装置が問題起こすのはわかりますが砲塔と戦闘システムが整備不足でそれを起こすのはよく分かりません。ソフト的な問題のような感じがします。
プーマは無人砲塔のデメリットをセンサー・フュージョンで解決した最初の事例です。無人なのに砲塔機材に高度な冗長性も付加してたはずです。性能向上の度にどんどん新たなセンサーが追加されてます。それらの協調制御で手間取ってるのでしょうか。
何れにせよ革新的な反面の厄介さは不可避です。コストも当初より異常でした。野戦よりもPSO特化で高負荷環境で長期間の稼働を前提にもしてないように思えます。ロシア相手ではまさに張り子の虎というか、本国で治安戦やるに最適な代物と言った感じです。
完璧な支援体制の保障された戦場を用意してから評価しろという話ならば無理でしょ
不足の事態に不備のない状況があれば誰も苦労なんてしない
みんな純朴に語ってるけど、これウクライナに歩兵戦闘車渡したくないドイツの工作じゃないの?
東側のベラルーシ弁当、西側のドイツ弁当ですわ。
みんな純朴に語ってるけど、これウクライナに歩兵戦闘車渡したくないドイツの工作じゃないの?
東側のベラルーシ弁当、西側のドイツ弁当ですわ。