ドイツのラインメタルは14日、自走式対空戦闘車輌「スカイレンジャー35」の動画を公開した。
参考:Rheinmetall Air Defence:Oerlikon Skyranger 35-Mobile Air Defense System
全く売れないドイツの自走式対空戦闘車輌「スカイレンジャー35」
ラインメタルが2006年に発表した自走式の防空システム「スカイレンジャー」は固定拠点の近距離防空システムとして開発した「スカイシールド」を車載化したもので、このスカイシールドはエリコンコ製の35mm機関砲を備えた砲塔、スティンガー相当の地対空ミサイルを8発装填したランチャー、Xバンドを使用したレーダーユニットで構成され、ドイツ軍が派兵されたアフガニスタンの基地に採用(ドイツ軍ではMANTISと呼ばれている)された実績を持っている。
スカイシールドのレーダーは最大20km離れた目標を探知することが可能(ロケット弾や迫撃砲弾は10km)で、エリコン製の35mm機関砲(最大射程4km前後)と地対空ミサイル(最大射程5km前後)で迎撃することが可能だが、テロとの戦いで非正規戦を経験した教訓からスカイシールドは有人航空機や回転翼機の脅威よりもロケット弾や迫撃砲弾を迎撃するための兵器(C-RAM)としての性格が強く、スカイシールドの各ユニットを車載化したのが自走式の防空システム「スカイレンジャー」だ。
そのため自走式の防空システム「スカイレンジャー」はエリコン製の35mm機関砲を備えたスカイレンジャーガン(スカイレンジャー35とも呼ばれている)、スティンガー相当の地対空ミサイルランチャーを備えたスカイレンジャーミサイル、Xバンドを使用したレーダーユニットを搭載したスカイレンジャーSRCNで構成されており、防衛装備品の展示会などで度々披露されているのだが全く売れていない。
売れない=人気がない理由は恐らく2つあり、1つ目は車載化のために選択したベース車輌がボクサー装輪装甲車である点だ。ボクサー装輪装甲車の重量は重装甲化の流れで25トン以上(追加装甲を取り付けると30トンを越える)あり、価格も約500万ドル(5.4億円)と高価だ。そのためスカイレンジャーも価格が高価(価格非公開)なのだろう。
2つ目は自走式の近距離防空システムが3つのユニットに分かれている点だろう。類似した米国(IM-SHORAD)やロシア(パーンツィリ)等の近距離防空システムは1つの車輌にレーダーと武装(機関砲と地対空ミサイル)をまとめているのに対し、スカイレンジャーはそれぞれの機能が3つに分かれているため運用コストが高い。
補足:IM-SHORADやパーンツィリがロケット弾や迫撃砲弾に迎撃に対応しているのかは不明。もしかしたら可能かもしれないが表立っては迎撃できるとはアナウンスされていない。
そのためラインメタルは単独でも機能するスカイレンジャー35の販売に力を入れているのだが、エリコン製の35mm機関砲だけでは精密誘導兵器を駆使して攻撃を仕掛けてくる小型無人航空機には無力(射程外が一方的に攻撃されるため)なのでC-RAMを欲しがる顧客にしか響かないだろう。
現在、ポーランドは陸軍近代化の一貫として旧ソ連製の自走式高射機関砲「ZSU-23-4」更新用に、エリコン製の35mm機関砲と地対空ミサイルを備えた複合式の近距離防空システム開発プログラム「SONA」を進めており、このプログラムで開発される近距離防空システムはロケット弾や迫撃砲弾の迎撃にも対応すると言われているため完成すれば航空機、回転翼機、無人航空機、ロケット弾や迫撃砲弾の迎撃に全て対応できる存在、正にスカイレンジャーの機能が1つのユニットに統合された究極の近距離防空システムと言える。
補足:SONAプログラムに参加を希望しているポーランドの防衛産業企業によるコンソーシアムは韓国が開発した自走砲K-9の車体を利用した近距離防空システムを提案中。しかしポーランドのSONAプログラムにはエルビットシステムズ、IAI、ラファエル、レオナルド、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、レイセオン、MBDA、ネクスター、タレス、エンリコ、サーブが参加を希望しているためポーランド企業の提案が採用されるのかは未知数である。
以上のような理由から、ラインメタルが幾らスカイレンジャー35をアピールしても手を挙げる国が現れることはないだろう。
※アイキャッチ画像の:ラインメタルが公開したYouTube動画のスクリーンショット
まあ全く売れないのは日本製兵器も同じだし
それよりポーランドの次期近距離防空システムがK9の車体ベースなのか
韓国は世界の兵器市場で大きな役割を果たしていて本当にすごい
酷使様はブチ切れるだろうが、日本の防衛産業は韓国の爪の垢でも煎じて飲むべきだな
もーだから荒らすなって
ほら、夏休みだから
じゃあ実績作りのために朝鮮半島で実戦テストしましょうかね
早速ブチ切れてるじゃないか(呆れ)
日本製兵器が売れないのは、単に実績不足と言うだけで無く、今まで積極的に売っていなかったと言うのもある(特に紛争当事国やその疑いのある国には売れないしな……)
あとポーランドは既にK9自走砲を導入する事を決めているから、次期近距離防空システムの車体もK9ベースにして共通化しようと言う目論見でしょ?
まあ、確かに韓国は兵器輸出に対するマーケティングはしっかりやって来たからこそ結果を出している思うので、其処は日本も研究すべきだろうとは思うよ
実際、このブログで先日「日本政府がベトナム、マレーシア、インドネシア、インドを対象に防衛産業企業や総合商社と連携して国産防衛装備品の輸出拡大を図る案を検討中」と報じられたけど、これは明らかに韓国のやり方を研究した結果では無いかと思う
韓国と同化したところで、君に何の利益があるの?
毎日、脊髄反射でコメントしてさ。
横から失礼します。
日本国内で日本人どうしなら貴方のおっしゃるとうりです。
H/Pと呼称された昔から、この種の問題に携わってますが、残念ながら解決法は一つしかありませんでした。
→網戸を閉めて、侵入して来た害虫は駆除する!
網戸を閉め切らない管理人さんと、害虫に刺されても我慢! スルーだ! も自由ですが、大概は害虫に荒らされ放題になってますね。
法則に興味を持って傍観させて頂きます(笑)
突然「ニホンモー」
でもって
「ソノテンカンコクハー」
馬鹿っぽいwww
病身ケセッキ、シバル!
>それよりポーランドの次期近距離防空システムがK9の車体ベースなのか
頼むからコメントするにしても記事をちゃんと読んでからにしてくれ。
「提案中」であって、決定ではない。
「…自走砲K-9の車体を利用した近距離防空システムを提案中。しかしポーランドのSONAプログラムにはエルビットシステムズ、IAI、ラファエル、レオナルド、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、レイセオン、MBDA、ネクスター、タレス、エンリコ、サーブが参加を希望しているためポーランド企業の提案が採用されるのかは未知数である。」
「提案中」の現状でもう「大きな役割を果たしていて」とさも大きく膨らませる君の思考回路は何というか、…特有のものだね。ある意味すごいと思う。
韓国の話をしてないのに韓国の話を持ち出すって、韓国の人は何故日本に絡んでくるの?
お互い相いれないのはわかっているのだから、ストーカーの様に日本に関わろうとするのはやめたら?
まさか日本にかまってほしいボッチ君なの?
そりゃそんな高価なものが安物のUAVに狩られたんじゃ目もあてられないよねっていう
UAV自体はそんな積載量もなく強力な地対空ミサイルを積めるわけでもないし、もういっそガチガチに上部装甲を強化した対空戦車みたいなのが有効なんじゃないだろうか
艦船と同じで突入されたら高価なレーダーや観測機材が被害受けるだろうに。攻撃を未然に防止しなきゃ意味ないんだよ。(搭乗員を守るための装甲なら分かるが)
なんか丸っこくて可愛い
かわいいですね。
しかも名前は「スカイレンジャー」。
なんか特撮戦隊物っぽいところが好きです。
どことなく、タチコマっぽい佇まいが良い
ドイツの防空システムは世界一ィィィィーーーーッ!!
>エンリコ製の35mm機関砲
って何かおかしいと思いつつも、ああエリコンかと気づくまでにちょっとかかった
初めて聞いたけどエンリコでもあってるのかね?
エリコンに慣れてるから違和感が
英語表記で「Oerlikon 」だからンは最後に来ます。
エリコンですよ。
オトマティックみたいだ
やっぱ見た目がブサイクな兵器は売れんのではないか
近未来チックでカッコいい
>スカイシールドは有人航空機や回転翼機の脅威よりもロケット弾や迫撃砲弾を迎撃するための兵器(C-RAM)としての正確が強く、
☓正確
○性格
最近webで誤字よく見かけるなー
しかも訂正しないという、、
そういう事は、「間違えてますよ」で済む事です。
「訂正しないという」は、やや傲慢な発言に聞こえますね。
失礼ですよ。
誤字ってそんなに気になりますかね? ちゃんとライターと校閲分けて商業的にやってるものでもないし、紙と違って残るものでもないし。発射後忘却方式とか放射砲(こっちは最近慣れた感がありますけど)とか言いだしたら「ねぇちょっと…」って思いますけど、誰がみても明らかな誤字くらい許容されてもいいと思うんですよね。指摘しなくてもわかるんだから。
管理人が趣味でやってるブログなので、別に良いのでは?
ここに来る人って、勝手に読んで上から目線で物を言う人が多いね…引くわ。笑
指摘ありがとう
留意する
写真で見ると気にならんけど、動画で動いてるところを見ると確かにカッコよくはないなw
せめてもうちょっと安価な車両に載せられないものなのかな?
wikipediaによるとスカイシールド自体はインドネシアも採用してるみたい
自衛隊って、この種の装備ってあります?研究とかしているのですか?
(現時点では)不要では?
海って防護壁がある
陸で国境が接してて、UAVによる攻撃が現実の脅威(サウジの鵜殿など)では無いから
>研究とかしているのですか?
「将来装輪戦闘車両」ファミリーの中の「対空機関砲搭載車」が該当するかと。
差分は40mmCTA機関砲搭載な点位でしょうか。
リンク
一応北海道主体に87式自走高射砲だったかな?が配備されてる
kytnが好きそうな装甲車ですな
時代に追い越された兵器ですかね。
安価なUAVが戦場を変える攻撃兵器になるなんて、予想できなったし。
前線向けの対空砲は、それはそれで必要。
標的が砲弾やロケット弾なのであれば、(やはり前線志向なので)装甲は必要。
他国に売れなくたって別に良いじゃないか。
ソビエトのカチューシャとガチで殴り合った国だからこその、骨髄に染みた戦訓である。
日本が潜水艦や機雷狩りの大切さに執念を燃やすのと同じさ
装甲車輌に対空砲を装備するというのは、意外とニッチな市場なんだな
しかも、電子装備や火器管制ソフトにコストがかかる上に生産台数が少ないので、下手すると戦車よりも高くという
>電子装備や火器管制ソフトにコストがかかる上に生産台数が少ないので、下手すると戦車よりも高くという
陸自87式高射(ガンタンク)とかな…
戦隊モノかな?w
UAVに射程がかなわなくてもそこから撃たれるミサイルを迎撃できれば十分だよね。
ミサイルの何分の1かの大きさの迫撃砲弾ですら迎撃できるなら、しかも長射程のミサイルとなればそれだけ大型化するし