インド太平洋関連

オーストラリア、ロイヤル・ウィングマンをMQ-28A ゴーストバットと命名

オーストラリアは21日、共同で開発を進めている有人機とエアチーミングが可能なロイヤル・ウィングマンを「MQ-28A ゴーストバット」と命名した。

参考:Boeing’s Australian-Produced Uncrewed Aircraft to be Named ‘MQ-28A Ghost Bat’

ロイヤル・ウィングマンの正式名称はMQ-28A、正し世界向けの名称はエアパワー・チーミング・システムを維持

各国が競い合うように開発を進めている有人機とエアチーミングが可能なUCAVの中で最も実用化に近いのはロシアの「S-70オホートニク(2024年量産機引き渡し)」だが、西側諸国の中で最も開発が先行しているのはボーイング・オーストラリアと豪空軍が共同で開発を進めている「ロイヤル・ウィングマン(忠実なる僚機)」だ。

ダットン国防相は21日、テストが進むロイヤル・ウィングマンの正式名称について「MQ-28A ゴーストバット」と命名したと発表した。

ボーイングは「今後、オーストラリア空軍のロイヤル・ウィングマン開発プログラムの名称は段階的に廃止(MQ-28A ゴーストバットに置き換わる)されるが、世界の顧客に対するボーイングの製品名は引き続きエアパワー・チーミング・システムだ」と述べており、MQ-28Aを海外の顧客に提供可能という認識を再度強調しているのが興味深い。

因みに現時点で管理人が把握している有人機とエアチーミングが可能なUCAVの開発計画は19だ。

国名機種もしくはプログラム名実用化時期など
米空軍スカイボーグ不明
米空軍B-21の随伴機不明
米空軍研究所OBSSプログラム不明
米海軍F/A-XXの構成要素不明
米国防高等研究計画局
LongShot 不明
英空軍ランカ2030年までに実用化予定
英海軍ビクセン2030年までに実用化予定
欧州FCASの構成要素不明
日本F-Xの構成要素2035年頃に実用化
豪州MQ-28A ゴーストバット不明
ロシアS-70オホートニク2024年に量産機引き渡し
中国FH-97不明
インドWarrior2024年頃にプロトタイプが初飛行予定
インドGhatak不明
トルコバイラクタルKızılelma2023年にプロトタイプが初飛行予定
ブラジル名称不明不明
韓国K-UCAV2030年代の実用化
ウクライナACE ONE不明
シンガポールアロー2022年にプロトタイプが初飛行?

関連記事:順調な開発をアピールする豪空軍、ロイヤル・ウィングマンの2号機をテストに投入
関連記事:シンガポール、超音速飛行に対応した無人航空機「アロー」の初飛行を来年実施か
関連記事:トルコ、2023年初飛行予定の無人戦闘機「バイラクタルKızılelma」を公開

 

※アイキャッチ画像の出典:Boeing

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

ロシアの降伏勧告を拒否したマリウポリ、最後まで抵抗する覚悟前のページ

バーレーン、インドと主力戦車「Arjun MK.II」の調達について交渉中次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    国防予算が約1兆円のインドネシア、今後3年間で13.7兆円を軍の近代化に投資か

    インドネシアは今後3年間で1,250億ドル/13.7兆円を軍の近代化に…

  2. インド太平洋関連

    台湾製UCAV「騰雲II型」が順調にテストを消化、2023年に量産開始

    台湾では新たに開発したUCAV「騰雲II型」が要求要件を満たしたと報じ…

  3. インド太平洋関連

    F-35では対抗不可? 韓国メディア、日本の次期戦闘機「F-3」に制空権を奪われると警告

    韓国メディアは21日、日本はステルス戦闘機開発の野望をあらわにしており…

  4. インド太平洋関連

    高まる無人機需要、インド陸軍が2,200機以上のUAV緊急調達計画を発表

    インド陸軍は2,200機以上の無人機調達に関する緊急入札を発表、インド…

  5. インド太平洋関連

    タイがMQ-1CクラスのDP-20Aを発表、BZK-005のライセンス生産か

    タイ企業がバンコクで開幕した防衛装備の見本市で国産UCAV「DP-20…

  6. インド太平洋関連

    韓国はF-35の重整備を何処で受ける?米国、韓国に対し「日本」の整備拠点利用を要請

    韓国で再び、空軍が導入中の第5世代戦闘機「F-35A」の重整備を、一体…

コメント

    • 通りすがり
    • 2022年 3月 21日

    ロイヤルが無くなっちゃうのか、なんか残念
    響きが好きだったのに
    やっぱりロイヤルバットマンにしようよ

    15
      • 無無
      • 2022年 3月 21日

      ゴーストバッド、それも充分にカッコいい
      名は体を表すというが、まさに的確なのでは。

      自衛隊が国産無人機を入れたらどんなネーミングするだろうか、
      うーん思いつかん

      1
        • 通りすがり
        • 2022年 3月 21日

        ロイヤル・アイルー

        3
        • 774rr
        • 2022年 3月 21日

        XX式随伴機とか護衛機で良いんじゃ無いですか。。。?

        3
    • トクメイキボウ=サン
    • 2022年 3月 21日

    実用化時期が判明してる中では日本遅いな、実用化を早めようとして金と人を突っ込むにしても金は何とかなっても人がいないし

    9
      • 原点にして頂点
      • 2022年 3月 21日

      おそらく、既存の戦闘機とエアチーミングが可能なUCAVはクラウド・シューティングなどのゲームチェンジャーとなりうる技術が搭載されていません。

      一方、日本の次期戦闘機と連携する無人戦闘機は、クラウド・シューティングなどが可能となります。

      このように目指す性能が全然違うので、実用化時期を単純に比較はできないと思います。

      3
    • AH-X
    • 2022年 3月 21日

    日本の次期戦闘機はイギリスと研究レベルで共同開発らしいですが、こういう無人機もイギリスあたりと組んではどうかなと思います。
    イギリスと共同開発ならならF-35のソースコードにもアクセス可能なので次期戦闘機だけでなくF-35とのエア・チーミングもできるはずですし。

    あと、このMQ-28A ゴーストバット、日本にも暗に売り込んでるだろうな。

    16
      • 粉雪
      • 2022年 3月 21日

      日本にも運用方法や研究用に10機くらいあってもいいですよね。

      1-2機で十分でしょうが余剰機はアグレッサーとして無人機とのエアチーミングの交戦経験用にとか。

      2
    • 名無し
    • 2022年 3月 21日

    今後の流れとして複数の無人機+有人機なのはわかってるわけでF-35用だけでも早めに数揃えるってできないもんかな。
    自前の技術が大事ってのもわかるけどF-Xに合わせてじゃF-X自体の開発が遅れる可能性だってありえるんだし。

    13
      • 原点にして頂点
      • 2022年 3月 21日

      ただ、F-35はクラウド・シューティングが実現されていないので、エアチーミングが可能なUCAVとどう連携して戦うのか気になるところですね。

      一方、日本の次期戦闘機(F-X)では画期的なクラウド・シューティングが実現されるので、F-Xとエアチーミングが可能なUCAVではクラウド・シューティングが実現されます。

      2
    • 名無し
    • 2022年 3月 21日

    一番早く実用化するのは多分バイラクタルだろうな

    • FeelLikeFree
    • 2022年 3月 21日

    日本のは六世代戦闘機の同伴機として開発してるんですかね?
    F-35の同伴機は自国開発せずにこのロイヤルウィングマンみたいな海外製を採用する?

    3
      • 匿名希望
      • 2022年 3月 22日

      そもそもF-35用は海外から買うしか選択肢がない

    • ちゃわんビートル
    • 2022年 3月 21日

    調べたら、オーストラリアに生息するオーストラリアオオアラコウモリの愛称だそうな
    ぴったりでいいね

    9
    • daishi
    • 2022年 3月 21日

    無人航空機で「ゴースト」というとマクロスシリーズの印象がありますが、設定上は初代マクロスから登場してたんですよね。

    3
    • 原点にして頂点
    • 2022年 3月 21日

    他国の、有人機とエアチーミングが可能なUCAVって、データリンクはどうなってるのでしょうか?
    Link16などではクラウド・シューティングは実現不可能なので、クラウド・シューティングなどのゲームチェンジャーとなりえる技術は搭載しない方向性なのでしょうね。

    日本の次期戦闘機とエアチーミングが可能な無人戦闘機は、日本が開発した僚機間の高速秘匿データリンクがあるので、クラウド・シューティングが可能になります。

    1
      • 匿名希望
      • 2022年 3月 22日

      F-3向け無人機がある程度数が出るようになったら補機に移動じゃあ無いですかね?>F-35
      なんで無人機は採用しないかしても連携テスト用の少数ぐらいで

        • 原点にして頂点
        • 2022年 3月 22日

        技術動向等から当分は、随伴機ができる戦闘行動は人間の操縦より劣ると考えられるので、F-35が補機に移動することはないかと思います。

        F-3は戦域を支える制空機としての役割を担い、F-35は反撃戦力の要の戦闘爆撃機としての役割を担うことが期待されるので、役割分担しながらF-35も運用され続けると思いますよ。

        1
          • 匿名希望
          • 2022年 3月 23日

          F-3のって意味ですよ。>補(助)機

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  2. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  3. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  4. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP