中東アフリカ関連

バーレーン、インドと主力戦車「Arjun MK.II」の調達について交渉中

MENA地域における防衛市場の分析を行うTactical Reportは16日、バーレーンがインドとArjun MK.IIの調達について交渉を行なっていると報じている。

参考:Bahrain, India, and Arjun Mk II tanks
参考:Bahrain has launched talks with India to procure Arjun Mk II main battle tanks

バーレーン陸軍はM60A3/TTSのアップグレードではなく完全な刷新を希望している?

バーレーン陸軍は米国から取得した中古のM60A3/TTSを計180輌を保有しており、イタリアのレオナルドは2017年にM60A3のアップグレード(120mm滑腔砲や射撃管制システムへの換装、STANAGレベル6基準を満たす装甲も装着、新型エンジンAVDS-1790-5T/908馬力の採用など)を提案していたが、バーレーンがインドとArjun Mk.IIの調達について交渉を行なっているとTactical Reportが報じている。

出典:Public Domain Leonardo M60A3 prototype

インドが開発したたArjun MK.IIはMK.Iよりも約10トンの重量増で最高速度が70km/h→58km/hに低下しているが、新設計の小型砲塔、爆発反応装甲(ERA)や非爆発反応装甲(NERA)を採用することで防御力が向上、射撃管制システムやナビゲーションシステムも新型に刷新、APUも発電能力を2倍に強化されたものに変更、レーザー警告装置やパノラマサイトなどの追加も行われており、インド陸軍はMK.IIを計236輌調達する予定だ。

このArjun MK.II(現在MK.IIはMK.IAに再指定されている)についてバーレーンとインドが交渉を行なっているとTactical Reportが報じており、これが事実ならバーレーン陸軍はM60A3/TTSのアップグレードではなく完全な刷新を希望しているという意味で非常に興味深い。

出典:Anirvan Shukla / CC BY-SA 3.0 Arjun MK.IA

因みにTactical Reportは直近1ヶ月でイラクがラインメタルと歩兵戦闘車「リンクス」の調達について協議中、イラクが韓国航空宇宙産業とT-50の追加調達に関して協議中、サウジアラビアが中国と電子戦システムとレーザー兵器システムの分野で協力関係を深化させようとしている、エジプトが中国からレーダーシステムの調達について協議中、アラブ首長国連邦がトルコから小型潜水艦の調達について協議中、カタールがトルコとバイラクタルAkinciの調達について協議中だと報じている。

関連記事:中東で防空システムの需要急増、イラクとサウジは中国とエジプトは韓国と交渉中

 

※アイキャッチ画像の出典:Defence Research and Development Organisation

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

オーストラリア、ロイヤル・ウィングマンをMQ-28A ゴーストバットと命名前のページ

習近平は主席再選のため台湾侵攻を検討、プーチンでのせいで実施困難に次のページ

関連記事

  1. 中東アフリカ関連

    グテーレス国連事務総長、ガザは子供たちの墓場になりつつあると訴える

    ガザ地区の保健省は6日「パレスチナ人の死亡者数は1万22人で内4,10…

  2. 中東アフリカ関連

    従来とは異なる戦い、イスラエルがイラン上空の制空権を手に入れる可能性

    イランは15日夜も弾道ミサイルによる攻撃を仕掛けているものの、イスラエ…

  3. 中東アフリカ関連

    機密と影響力のジレンマ、モロッコがF-35A導入のためイスラエルに米国説得を要請

    隣国アルジェリアとの対立関係が悪化しているモロッコは戦争抑止のためF-…

  4. 中東アフリカ関連

    イスラエルがテヘラン攻撃を予告、米大統領は核兵器保有を諦めろと呼びかけ

    イスラエル国防軍は17日「イラン軍の最高幹部が使用する極秘の司令センタ…

  5. 中東アフリカ関連

    イスラエル、アゼルバイジャンに対する武器供給停止を拒否

    イスラエルメディアは12日、アゼルバイジャンに対する武器の禁輸措置を求…

コメント

    • 名無し
    • 2022年 3月 21日

    これも中東の軍のアメリカ離れかと一瞬思ったけど戦車なら関係ないな。ていうかエイブラムスの後継って作る気ないんかいな?

    3
      • 四凶
      • 2022年 3月 21日

      去年辺りエイブラムスをアップグレードするための研究予算ついていたはず。

      オートローダー追加、統合アクティブ保護システムの候補を評価。ハイブリッド電気駆動推進および発電システムへの変換等々だっけか。エイブラムスもA-10とかみたいに雇用問題とか絡んでの話があるからリマ陸軍戦車工場でいつも通りホワイトボディにして、今まで配線通す穴を開けるとかの小改造レベルだったのが魔改造レベルの戦車作るんじゃないの?

      2
    • hoge
    • 2022年 3月 21日

    レオ2A4のような幅広の防盾、GPSの位置と付与装甲がその位置だけない、まさかのブローオフパネルなしなど、見ていて不安になる要素がてんこ盛りなのに採用しようとする国があるのですね…

    7
    • もり
    • 2022年 3月 21日

    Arjunの歪なゴテ感癖になるな
    10式は正統派なカッコ良さ過ぎて見てると飽きるんだよね

    10式はガンダム
    Arjunはファフナー的なね

    9
    • tarota
    • 2022年 3月 21日

    ウクライナの戦況見てると今後の戦車はUAVによる認識拡張と榴弾によるアウトレンジ攻撃を組み合わせた戦法になるのかな
    直接照準できるような接近戦に持ち込まれると対戦車ミサイルにやられるし
    となるとライフル砲が優位になったりして

    3
      • 四凶
      • 2022年 3月 22日

      直接照準の考え方は?よっぽど低いシルエットじゃない限り水平線まで4キロ以上見えるのが普通だと思うが。湾岸戦争でチャレンジャー1が5キロ超えでT-55撃破してた筈だし。

      近距離だろうが将来的にはUAVオーバーライドみたいな機能が出来て、UAVがロックした対象を物陰からダッシュして射点確保した瞬間攻撃とかするんじゃないかね。

      2
    • 戦略眼
    • 2022年 3月 21日

    冷静に考えれば、M60の近代化改修一択何だが。
    政治的なリスクを避けたいのかな。

    3
    • 匿名
    • 2022年 3月 21日

    IMIに外注で魔改造させるの一番確実でトロフィーAPSもついてくるし良さげ
    アージェンどったら正気を疑うがもはや政治案件で性能対費用の話でもなさそ

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  2. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  3. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
PAGE TOP