西側諸国の中で最も開発が先行している有人機とエアチーミングが可能なロイヤル・ウィングマンについて豪空軍はテスト風景を収めた新しい動画を公開した。
参考:Loyal Wingman project achieves milestones
この手の装備品開発でトップを走る利点は「自分たちが努力した作品が空に舞い上がるのを見て感動を味わえること」と語る豪空軍
各国が競い合うように開発を進めている有人機とエアチーミングが可能な無人戦闘機(UCAV)の中で最も実用化に近いのはロシアの「S-70オホートニク(2024年量産機引き渡し)」だが、西側諸国の中で最も開発が先行しているのはボーイング・オーストラリアと豪空軍が共同で開発を進めている「ロイヤル・ウィングマン(忠実なる僚機)」だ。
ロイヤル・ウィングマンは初飛行を今年2月に成功、現在も南オーストラリア州にある世界最大の広さを誇るウーメラ試験場で繰り返しテストが行われている最中で5機目となるロイヤル・ウィングマンも製造(発注は6機)が始まっており、ボーイングと豪空軍は無人機のエアチーミングに欠かせない高度なAIが統合された自律飛行システムなどの開発・検証作業を行っているらしい。
このテストに2機目のロイヤル・ウィングマンが投入され検証作業の範囲が拡張されたとボーイング・オーストラリアと豪空軍が明かしており、特に豪空軍側の開発責任者は「検証作業でロイヤル・ウィングマンは優れた結果を提供し続けており特に2機のロイヤル・ウィングマンが同時に飛行している姿を眺めるのは非常にエキサイティングで、この手の装備品開発でトップを走る利点は自分たちが努力した作品が空に舞い上がるのを見て感動を味わえることだ」と述べているのが興味深い。
このような発言はエアチーミングが可能な無人戦闘機(UCAV)の開発でオーストラリアが「最も先行(西側限定)している」という自負から来ているものと思われるが、ロイヤル・ウィングマンの実用化に向けた具体的なスケジュールは未定(ロイヤル・ウィングマンの結果に基づいて新たなUCAVを開発する可能性も否定していない)なので本当にこのまま実用化されるのかは謎だ。

出典:Boeing Australia
ただプロトタイプとは言え「正式なプログラム」としてフルサイズの実機を用いたテストに辿りついているのはオーストラリアだけ(西側限定)なので、エアチーミング対応のUCAV開発で各国よりもリードした立場にいるのは間違いない。
※補足:ロイヤル・ウィングマンの開発はボーイング・オーストラリア(=に雇用されたオーストラリア人技術者)が主導しており、機体の開発や製造に関わるサプライヤーにも35社を超える豪企業が参加している。
因みに有人戦闘機とのエア・チーミングに対応した無人戦闘機(UCAV)を正式もしくは非公式に開発を進めている国は12ヶ国ある。
国名 | 機種もしくはプログラム名 | 実用化時期など |
米国 | スカイボーグ | 不明 |
英国 | ランカ | 2030年までに実用化予定 |
欧州 | FCASの構成要素 | 不明 |
日本 | F-Xの構成要素 | 2035年頃に実用化 |
豪州 | ロイヤル・ウィングマン | 不明 |
ロシア | S-70オホートニク | 2024年に量産機引き渡し |
中国 | FH-97 | 不明 |
インド | Warrior | 2024年頃にプロトタイプが初飛行予定 |
トルコ | MIUS | 2023年にプロトタイプが初飛行予定 |
ブラジル | 名称不明 | 不明 |
韓国 | K-UCAV | 2030年代の実用化 |
ウクライナ | ACE ONE | 不明 |
英国はランカの技術検証機モスキートを2023年に初飛行させる予定で、韓国はK-UCAV以外にもFA-50の無人機バージョンを開発する構想がある。
関連記事:オーストラリア空軍、開発中の無人機「ロイヤル・ウィングマン」が初飛行に成功
※アイキャッチ画像の出典:Boeing Australia
ビットモビルスーツの実現は近い
ガンダムのビットと言うよりも、マクロスのゴーストの方がより近い
これってF35とかにも連携可能なんでしょうか?
可能ならば日本も是非購入するべきでしょう!
オーストラリアが売ればの話ですが。
F-35側に所要の機能を追加できれば可能でしょ。
いずれ実用化は先の話だし今後数年内に各国の開発動向も見えてくるんで、導入を考えるなら今から決め打ちすることもないかと思いますが。
前のPVで輸出を見据えた換装の話があったので普通に考えたら欲しいって言えば売ってくれると思うよ
まあ金を積んだら売ってくれるんじゃないでしょうか。
バイタクルシリーズみたいな価格的なアドバンテージはないでしょうから高いでしょうけど、F35と連携できるのは強みでしょうから。
機体の色からアモルファス系のステルス塗料か?
オーストラリアって潜水艦はゴタゴタしてるのにこういう難易度の高い無人航空機の開発はスムーズなんですね。
・・・実に不思議だ。
足引っ張る勢力がいないからじゃないの?
そりゃ時間をかけて技術を磨いていたからでしょうね。
潜水艦の方は、蓄積が足りてないのに、あせって無理したから、自爆したんじゃないでしょうか。
しかしロシアだけ先に進みすぎやろ
24年量産引き渡しって…
チーミング用のUAVって試験や訓練の空域もハードル高そう(異常時の対応力が有人機より低いのではという想像
ウーメラでばんばん飛ばせるのは正直うらやましい
無人機の黎明期に、アメリカでコントロール不能になった改造無人機の迎撃で多大な不随被害を出した挙句、結局無人機の燃料切れまで撃墜出来なかった事件が有ったよね
詳しく解説している記事などがあればご紹介いただけませんか? 黄になります。
これがうまくいけばボーイング復活の活力となりえるかな?