オーストラリアはドイツ軍向けのボクサー装甲車を受注する可能性があり、ドイツ側と協議を行ったコンロイ国防産業相は「ドイツ軍向けの装甲車をブリスベンで製造し、これを国内の産業界が支援するという可能性に興奮している」と明かした。
参考:Australia and Germany negotiate Boxer export deal
オーストラリアにしてみれば「ドイツの資金」で製造拠点とサプライヤーの追加雇用が確保できる
オーストラリア陸軍はM113を更新するためドイツ製の多目的装甲車両「ボクサー」を採用、クイーンズランド州ブリスベンに開設された現地工場で211輌の生産が始まっているのだが、ドイツのヒッチラー国防次官と防衛装備品の輸出協議を行ったオーストラリアのコンロイ国防産業相は23日「ドイツ軍向けのボクサー装甲車をブリスベンで製造し、これを国内の産業界が支援するという可能性に興奮している」と明かして注目を集めている。
もう少しわかり易く言うと「豪ブリスベンの製造拠点は豪陸軍向けの需要のためだけに設立されたのだが、ドイツ軍が発注した偵察戦闘車=ボクサーCRVの製造が舞い込む可能性があり、協議がまとまれば最大128輌分の雇用が発生する」という意味だ。
欧州のボクサー製造拠点は1,000輌以上のバックオーダー(ドイツ陸軍×128輌、リトアニア陸軍×218輌、英陸軍×623輌+オプション行使なら最大900輌の追加調達)を抱えている上、ウクライナ侵攻の影響で顧客から早期引き渡しを要求されている可能性が高く、伝統的な地上戦装備に対する需要の高まりに応じてボクサーにも新たな関心が集まっているため、ドイツ陸軍の3次発注分=ボクサーCRVを豪州の製造拠点に発注して欧州の製造拠点に余裕を持たせたいのだろう。
オーストラリアにしてみれば「ドイツの資金」で製造拠点とサプライヤーの追加雇用が確保できるため、コンロイ国防産業相が「興奮している(一般的に防衛産業界の雇用は給与水準が高い=質の良い雇用の創出)」と話すもの十分理解できる。
因みにコンロイ国防産業相は「国防省は今後、ドイツ国防省やラインメタルと正式な交渉を行い法的及び商業的な取り決め話し合う」と付け加えているので、まだボクサー装甲車のドイツ輸出が決まった訳では無いが、状況から言えば両国の関係はwin-winなので纏まる可能性が高い。
関連記事:不具合続きの装甲戦闘車両「Ajax」に不満の英議会、ボクサー調達に切り替えも?
※アイキャッチ画像の出典:Graham Robson-Parker/CC BY-SA 4.0
日本で生産したカールツァイスをドイツに輸出するようになったくだり
これは結果的に成功したが、高飛車なドイツ側とのやり取りはたいへんであったと業界では知られていた
日本とドイツと言ったら他にも話が有ります
例えば、戦前のDB601エンジンのライセンス生産権購入交渉で独ダイムラーベンツ側が高飛車な要求を出した為に交渉が難航した話が最近になって発掘されて、日本軍機ファンの間で話題になりました
又、最近だとトヨタがスープラを復活させる際にBMWと交渉してBMW・Z4とエンジンやシャーシー等のプラットフォームを共用する事になった結果、本来2016年で生産が終わるはずだったZ4も復活したと言う話が有りますが、これも公言されていないものの裏では両社の間で相当な軋轢が有ったみたいです(そのせいか、自動車雑誌によると両車共2025年を持ってモデルチェンジをせずに生産終了予定と言われている)。
ブッシュマスターよりは重量級だしはるかに複雑でもまあ装輪装甲だし。元々アジア圏で採用されたら豪州生産するつもりだろうし日本製AMVも同じ話になるだろう。
じゃあ韓国だけど内製の装輪装甲で勝負するのか、どっかと組むのか、K808とかあんな化石は韓軍向けだからこそでレッドバックみたくベンチャーで売れるもん開発するか装輪大手と協業するべきだろうね。
ヒュンダイハンファは北米GDLSと組んでLAVシリーズで商売したら良いのにとは思う。北米生産は米加軍向け以外はその気もない感じだし当のGDLSにしろストライカー互換性の呪縛捨てたいのはあるだろ。
オーストリアの許可がないと現状の、ウクライナ向けに自国分を供与とはいかなくなる案件ですね。