インド太平洋関連

印政府が「S-400」早期引き渡しをロシアに要請、兵士の火器使用も許可

インドのラジナート・シン国防大臣は22日、新型コロナウイルスの混乱で引き渡しが遅れている防空システム「S-400」の早期引き渡しを要請するためロシアに向かい、インド政府は軍の指揮官に対して兵士の火器使用を許可した。

参考:Rajnath Singh Heads To Moscow; May Discuss India-China Clash & S-400 Deal With Putin Admin

中国との軍事的対立のためインドはロシアにS-400早期引き渡しを要請

インドは2020年末までにロシアから防空システム「S-400」を受け取る予定だったのだが新型コロナウイルスの影響で生産に遅れが生じ、ロシアはインドにS-400の引き渡しを2021年末に延期することを提案してきたが、インドは中国との軍事的対立に晒されているため2021年末までS-400の引き渡しを延期するというロシアの提案は到底容認できない。

そこでインドは6月24日に予定されている対ドイツ戦勝利75周年記念軍事パレード出席のためロシアを訪問するラジナート・シン国防大臣が、S-400早期引き渡しをロシア側に要請すると印メディアが報じている。

出典:Минобороны МО / CC BY 4.0 S-400

果たしてインドの要請にロシアが応じるのか今のところ情報がないが、ロシアはインドが発注したT-90MS引き渡しを急ぐため工場の操業時間を延長するという異例の対応を行ってインド側に配慮しているため、もしかしたら同じような対応をとるのかもしれない。

さらに付け加えるなら、インドのシン国防大臣は今回のロシア訪問でSu-30MKIとMiG-29UPGを計33機発注することロシア側に伝えると見られており、S-400追加導入に関する話し合いも行われる予定なのでインド側の要請を簡単に断ることが出来ない状況とも言える。

関連記事:中国との対立が続くインド、ロシア製戦闘機Su-30とMiG-29を緊急調達
関連記事:中国は困惑、ロシアがインドに「T-14」を供給して軍事バランスを調整

遂にインド政府が軍の指揮官に対して兵士の火器使用を許可

インドではインド軍と中国軍の兵士が国境地域で激しく衝突している動画が登場して注目を集めている。

この動画は今月15日に死傷者を出した衝突の様子ではなく、この衝突を解決するため話し合いが行われている最中に発生したものだと説明されているが、詳しい場所や日時に関して明らかにされていない。

インド政府は兵士20人が死亡した15日の衝突を重く受け止め、中国との対立が続く国境地帯に展開しているインド軍の指揮官に対して「想定外の事態」に陥った場合に限り火器の使用を許可した。この変更は中国側にも伝達されているため、恐らく中国軍も同じ条件で火器の使用を行ってくると予想される。

そのため今月15日のような大規模衝突が再び発生すれば、今度は両軍の兵士が火器を使用してくるため多くの死傷者が出るだろうと指摘されている。

 

※アイキャッチ画像の出典:Antônio Milena / CC BY 3.0 インド陸軍の兵士

フィリピンの攻撃ヘリ選定にシコルスキー参戦、廉価版S-70i ブラックホークを提案?前のページ

米諜報機関、印中両軍衝突は中国が仕掛けたもので完全に大失敗次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    韓国、有人戦闘機とチーミング可能な無人戦闘機を2025年に初飛行させる

    韓国の国防科学研究所(ADD)は「有人戦闘機とチーミング可能な無人戦闘…

  2. インド太平洋関連

    今度こそ実現か? 韓国、4度も延期された無人偵察機「グローバルホーク」引渡を12月に予定

    韓国政府は、これまで何度も引き渡しが延期されてきた無人偵察機「RQ-4…

  3. インド太平洋関連

    オーストラリアの原潜導入手続きがスタート、米英豪が原子炉技術の情報交換協定に署名

    オーストラリアはAUKUSの枠組み内で「海軍向け原子力推進に関する情報…

  4. インド太平洋関連

    主権の侵害を主張するベトナム、南沙諸島で台湾が潜水艦訓練を実施したことに抗議

    ベトナム政府の報道官は18日、台湾海軍が南沙諸島付近の海域で潜水艦訓練…

  5. インド太平洋関連

    視界外戦闘や精密攻撃に対応、韓国が攻撃機FA-50の能力向上に着手

    韓国の国防科学研究所(ADD)は空軍の要請を受けて国産の軽攻撃機「FA…

  6. インド太平洋関連

    欧州で相次ぐ兵役義務の議論、再導入、拡大、豪メディアも自国の奉仕義務に言及

    兵役義務の議論、再導入、拡大が相次いでいる欧州では徴兵制を採用する国が…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 6月 23日

    引き渡す機材の在庫があるのかな。

    • 匿名
    • 2020年 6月 23日

    動画見ると中国側も手にカメラらしきものを持った人がいるのがチラっと見えるな
    映像は説得力が強いから両陣営ともに撮影してるんだろうけど
    インドはもうちょっと離れて撮影した方が全体的にわかりやすくなると思う
    まぁ近い方が迫力が出るんだろうけど
    米軍とか指揮官クラスはボディカムつけて作戦に従事してるし、こういう装備が標準になっていくんだろうね

    • 匿名
    • 2020年 6月 23日

    トルコちゃん「うちのS-400リースしたらみんな幸せじゃない?」

    • 匿名
    • 2020年 6月 23日

    書類上の手続きだけならともかく、工場の生産上限もあるし、コロナで工場が動いていないなら無理だろう。

    • 匿名
    • 2020年 6月 23日

    ロシアとしては当然両国のバランスを考えて引き渡しのペースを調整するでしょう。
    これがバランス外交というもので、どこぞの半島の勘違いコウモリ外交とは全く違いますね。

      • 匿名
      • 2020年 6月 23日

      「チナ閣下とアメ公のどちらを選ぶか選択できる立場になったニダ! ほるほる」って駐米大使が言っちゃうくらいだから。
      マジで世界一無能かつ有害な民族&国家だわ。関係ないところから見てたら国を挙げてコントしてるようで面白いだろうなあ。

      1
    • 匿名
    • 2020年 6月 25日

    ロシアも契約上2020年に引き渡すとなってるのを2021年の延長とか無理だろうな
    そんな事すると米国に持ってかれるよ
    インドの米国不信と中国の脅威を天秤にかけたら答は決まってるし
    ロシア産って安い速い美味しいって牛丼屋みたいなのが売りなんだし、遅くなったら需要は激減する

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  2. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  3. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  4. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  5. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
PAGE TOP