ロシアの脅威を目の当たりしたスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークは空軍の統一運用で合意、デンマーク空軍のヤン・ダム少将は「北欧4ヶ国の統合された空軍戦力の規模は欧州の大国に匹敵する」と述べている。
参考:Pohjoismaiden ilmavoimat syventävät yhteistyötään
参考:Nordic countries plan joint air defence to counter Russian threat
参考:Nordic nations agree to jointly operate fighter jet fleet of 250
統一された指揮下での作戦運用が「直ぐ実現する」という意味ではなく、これを実現するには相当時間がかかる
スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークはウクライナ侵攻をきっかけに「ロシアの脅威」を再認識、4ヶ国の空軍関係者は昨年11月「より緊密な領空保護に関する協力関係」を話し合い、今月16日に在独米軍基地があるラムシュタインで「北欧の統合された防空体制構築」に関する意向表明書(LOI)に署名したらしい。
Pohjoismaiden ilmavoimien komentajat allekirjoittivat viime viikolla Ramsteinissa Nordic Air Commanders’ Intent -aiejulistuksen, jonka tavoitteena on syventää maiden välistä yhteistyötä entisestään. 🇫🇮🇸🇪🇳🇴🇩🇰
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— Ilmavoimat (@FinnishAirForce) March 23, 2023
統合された防空体制の詳細は明かされていないが、LOIに署名したデンマーク空軍のヤン・ダム少将は「北欧4ヶ国の統合された空軍戦力の規模は欧州の大国に匹敵する」と主張しており、今回の合意について海外メディアは「統一された指揮下で約250機の戦闘機を運用することが目的だ」と報じている。
フィンランド空軍はLOI署名に関するプレスリリースの中で「4ヶ国はシームレスな協力とあらゆる状況下での共同作戦能力を構築する。この土台となる北欧に適した航空作戦のコンセプトを4つの指針に基づき共同策定する」と述べており、4つの指針とは「航空作戦に関わる指揮・計画・実行の統合」「柔軟で持続可能なサポート体制」「共有された空域の状況認識」「空軍の合同訓練・演習」で、この辺りの話が「北欧4ヶ国の空軍戦力を統一運用」という表現の元になっているのだろう。
因みに北欧4ヶ国はNATOに加盟しているノルウェーとデンマーク、加盟していないフィンランド(加盟濃厚)とスウェーデン(加盟できるか未知数)に分かれるが、後者の2ヶ国はNATOの作戦運用に大きく貢献する国=Enhanced Opportunities Partners(EOP)の地位を与えられているため「相互運用性を強化する取り組み」が実施されており、今回の合意は「EOPと内容が重複している」という指摘もあるものの、ヤン・ダム少将曰く「領空監視をもっと統合して、互いのレーダーシステムが取得したデータを4ヶ国で共有できるかどうか確認したい。現在の我々は(こんなことすら)行っていないのだ」と述べている。
つまり今回の合意は「NATOの相互運用性よりも高度で緊密なものになる可能性を秘めている」と解釈できるが、統一された指揮下での作戦運用が「直ぐ実現する」という意味ではなく、これを実現するには相当時間がかかるはずだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
欧州はロシアの脅威に対して軍事的な協力体制を構築できて羨ましい
アジアではこのような高度に統合した運用は実現はできないでしょう
NATOのような軍事同盟の構築も難しい
日韓はこの前の会談で多少は改善を図ったものの、お互いの国民感情が悪化しすぎていて軍事同盟のような関係構築は無理でしょう
日本の自民党政権と台湾の民進党政権だけは友好関係を築けているけど、最近の支持率では国民党が伸びてるみたいですから、それ次第で一気に関係悪化の可能性もある
東南アジアの各国は全体的に事なかれ主義で、中国に不満を持ちつつも関係悪化して真っ先にターゲットにされることを避けようという意思を感じる
アジアの国家間では相互防衛の軍事同盟を構築できそうにない
日本が活路を見出してるのはアングロサクソンに混ぜてもらう形ですが、アジアの各国も中国の脅威に対してもう少しどうにかならないものですかね
この問題は普通に対応出来る話では無く、日本としては自衛隊装備品の規定をアメリカ並みに変更して新規装備を拡充して、製造後12年~15年ごとに装備の調達(新しく良いのがない場合は既存のアップグレード版)を行い、古い装備を友好国に無償提供する事で、資金的に困っている国を資金的に助けてながら、日本は旧式装備を近代化もしないで50年も使う(一般的に20年以上経過すると年8%位ずつ維持費が余計に掛かる)という、志願制軍隊(損失したら補充が極めて困難)にあるまじき状態から抜け出せて、新たな防衛関係を構築する為の基礎になってくれると思いますよ、海保関係は既にやっていると思いますけれど。戦争を起こさせないようにすることが即ち勝利という訳です、相手の予想で勝てると思われたら戦争仕掛けられて、沖縄取られる(琉球共和国設立?中国のポチ)とかされないようにしながら、防衛産業も守っていかないとならないのです。後は政治の世界で中国と一線を画す国々から秘密裡でもいいので、協力をもらえればOKかと思いますよ。普通の考え方では無理でしょうね、中国は経済的にも豊かなので金で尻尾振る国も多いでしょうし。
基本的には賛成ですが、「無償提供」の部分だけは「サポート込み有償(安価)」か「レンタルローテ」の方がいいかなぁ。
提供先で腐って捨てられて変にどこぞの武装組織やらに流れちゃうより少しでも自己負担した上で大事に使って欲しい。
あ、サポートに掛かる費用はOED扱い(防衛費枠外)でよろしく。
デンマークのF-35、機体の塗料に赤色と白色使えるなら
日本も機体にロービジでない日の丸塗装してほしいな。
しかし北欧4か国で空軍戦力統一となると、スェーデンの戦闘機開発はどうするつもりなんだろう?
日本のF-35とF-3の二本立てみたいな感じを目指すのでしょうか。
スウェーデンだけF-35導入してないので出せる機体がグリペンとなるので運用が難しいと思いますね。
2系統もつには空軍の規模が小さいし
潜在的な運用国が増えたからその可能性は俄然高くなったね
F-35はF-35でむっちゃ優秀だから、その上を目指すのか下を目指すのか分からないけど
「スウェーデン版テンペスト」ならぬ「北欧版テンペスト」になる可能性はあるんじゃないかなぁ。
SAAB中心に北欧4国の航空・軍事技術・予算・装備枠を結集して、足りない部分やコストが嵩みそうな部分はテンペストの成果を利用したりチームテンペストの協力を求めたりして、
例えばテンペスト用エンジンとSGの高圧系に北欧で小さめの低圧系かぶせて単発でグリペン並みに小型STOLのステルス機を作るなり、
あるいは北欧及び英国の協力体勢で航空戦力の生存性を確保してシェルターや高速道路に頼るのは諦めて英テンペストをベースに北欧カスタムするなり、
F-35と棲み分けつつ、スウェーデン(と北欧)の戦闘機開発基盤を維持する道は(少なくともスウェーデン単独よりは)開けると思う。
人口を考えれば別におかしくないんだけど、4カ国も合わせて250機しか持ってないんか。日本だけで300機くらい持ってた気がするけど。NATOやEUに入りたがる理由これか。
そりゃあ先進国とは言え、ノルウエーで1千万人。他は全て500万人超くらいの人口ですからね。
(全部足してようやく台湾よりちょっと多い人口になるくらい)
むしろ近年の軍縮ムードの中、その規模の航空戦力をよく維持していたなと思いました。
北欧で一番人口多いのはスウェーデン
失礼しました。
上のコメントでスウェーデンとノルウエーを間違えてますね。
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
現状でも戦闘機だけで合計300機程度はあるはずだし、
あくまで「北欧空軍」として統一運用できる機体を250確保する、って意味で
各国空軍とは別勘定じゃないかなぁ。
もちろん250機丸々純増する余裕はないだろうから新鋭機は軒並み北欧空軍に回して各国空軍は残ったF-16A/Bやレガホや古いグリペンで主に自国のスクランブル対応、みたいな感じになるのかもしらんけど。
スエーデンお前必死だな という昔の文体を思い起こします。
冗談はさておき欧州中央から離れた小国同士で運用と情報共有を密にしましょうというのは、現状としては最善策ですね。
NATO諸国から分遣隊のローテーション配備が行われているバルト三国も大変でしょうが。
汎スカンジナビア主義って浪漫があるよね。
スウェーデン フィンランドをNATO加盟に走らせ…
北欧4ヶ国の空軍一体運用 なんていうのまで引きだし
旧東欧圏の兵器体系で ソ連製の物をウクライナに供与
代わりに西側の戦車や戦闘機で更新 という流れが一気に加速…
ウクライナをつついて
とんだヤブヘビを呼び出したロシア…
というところか
プーチンは政治的天才だね。 これだけ短期間のうちに西側主要国が一致団結したことは第二次対戦後なかった。
中国人もプーチンの才能にはびっくりしている。
きっと 世界史に名を残すよ