来月15日に開催される「ソウルADEX 2019」に実物大モックアップを展示するなど、韓国型戦闘機「KFX」に関するニュースが多いが、今日も新しい動きが伝わってきた。
参考:방사청 “한국형전투기 설계검토 완료..시제기 제작 개시”
韓国空軍が抱える戦力の空白と、海外輸出が絶望的なKFX機体価格の問題
韓国国防部傘下の防衛装備庁は26日、韓国型戦闘機「KFX」の詳細設計検討会議で、KFXの設計が軍の要求事項をきちんと反映しているかを確認し、試作機の製造段階に進むことが可能と判断したと発表した。
これ事実上、KFXの試作機製造に正式な「GOサイン」を出したという意味だ。
ただし、KFXの試作機に使用される胴体前部構造体(バルクヘッド)の部品加工が、今年2月に韓国航空宇宙産業(KAI)の泗川工場で始まっているため、今回の発表は形式的なものに過ぎないという見方もあるが、それでも試作機製造段階へ進むと正式に発表したのは韓国にとって「マイルストーン」なるのは間違いない。
韓国国防部は今月19日、ソウルで開催される「ソウルADEX 2019」に、開発中の韓国型戦闘機「KFX」実物大モックアップを展示すると明らかにしたばかりだ。
これまで公開されてきたのは、コンピュターグラフィックス上のモデルと、ソウルADEX 2017で展示された模型のみで、今回発表された実物大モックアップの展示は、KFX開発への国民の理解と支持を高める目的と見られている。
韓国は現在、KFXに搭載される韓国型フェーズド・アレイ・レーダーの開発を行っており、今年5月にレーダーの詳細設計が決定、レーダーの試作品製造へ進むと開発を主管する防衛装備庁が発表したが、韓国防衛産業界は試作レーダー製造が事実上、フェーズド・アレイ・レーダーの国産化成功宣言を意味するとして、9月26日に軍と韓国防衛産業界は、国産化に成功した韓国型フェーズド・アレイ・レーダーを韓国型戦闘機「KFX」だけでなく、もっと多くの国産兵器に活用することを共同で検討することに着手した。
この理屈なら、試作機製造が決定したKFXは「開発成功」と宣言しても良さそうだが、どうやらレーダー開発で発動した法則は、機体に適用されないらしい。
というのは皮肉だが、実際問題、韓国のKFX開発はスケジュール通りに進んでいるように見えて、実際にはそれ以上のスピードで進行しており、もっと正確に言えば「急ぎすぎ」という印象を受ける。
なぜ韓国は「KFXの開発」や「技術の水平展開」を、これほどまでに急ぐのか?
恐らくこれは、韓国空軍が直面するであろう戦力の空白と、KFXの海外輸出を見据えた開発費の圧縮=機体価格の引き下げが関係していると思われる。
韓国空軍は運用中のF-4(20機)や、F-5(100機)の退役が目前で、KF-16も2020年代には毎年一定の数が、アップグレードのため一時的に部隊から姿を消すため、韓国空軍は大きな戦力の空白に直面することになる。この空白期間を少しでも短くするには、2030年に実戦配備されるKFXの開発期間を圧縮する必要があり、だからこそ正式な試作機製造が決定される以前から、試作機の部品製造に手をつけたのだろう。
韓国型フェーズド・アレイ・レーダーを他の国産兵器へ転用を急ぐには、現時点で約6,000万ドル(約65億円)というKFXの機体価格をどうにかしなければ、海外輸出が絶望的だからだ。
機体価格が7,000万ドル(約75億円)を超えることはないと開発関係者が言っているが、開発費8兆7,000億ウォンに含まれたKFX 120機の1機あたりの価格は約6,000万ドル(約65億円)で、これは第4世代機市場の中で安いとは言えず、当然、導入に必要な様々な費用を加えれば、1機あたりの導入費用は8,000万ドル下回ることは恐らく無い。
この価格を引き下げるには、量産数を増やすか、KFXで開発された技術を他の兵器に転用して、開発費回収を分散する必要がある。
KFXの量産数を増やすため、韓国はインドネシアとの共同開発という形式をとってはいるが、インドネシアは当初約束していた50機の購入を16機まで縮小すると発表しており、これ以上インドネシアにKFXの購入を期待するのは、あまりにも現実味がない。
軍と韓国防衛産業界は今後、韓国型パトリオットと呼ばれる国産の中距離迎撃ミサイル「M-SAM」や韓国型サードと呼ばれる弾道弾迎撃ミサイル「L-SAM」(開発予定)などに、韓国型フェーズド・アレイ・レーダーを積極的に活用していくと言っており、現在、ノースロップ・グラマンが開発したAESA式レーダー「AN/APG-83」への換装を含む性能改良が行われている韓国空軍のKF-16(F-16C/D相当)についても、国産の韓国型フェーズド・アレイ・レーダーに変更できないか検討すると言い出した。
果たして、韓国の目論見通りKFXを予定よりも早く実戦配備し、価格を下げることが出来るのか、そもそも試作レーダーによるテストも行われていない韓国型フェーズド・アレイ・レーダーがきちんと作動するのか、非常に怪しい。
※アイキャッチ画像の出典: Alvis Cyrille Jiyong Jang (Alvis Jean) / CC BY-SA 4.0 ソウルADEX 2017で展示されたKFXの模型
予想に反して順調なようで。
兵装のライセンスの問題は解決したのでしょうか?
いずれにせよ、裏に何があるんだろうね。
まぁ、技術移転してくれた関係国の了承さえ得られるなら反米国家やうっすら赤い国あたりが買ってくれるかもしれないね。
多分、その時は技術移転要求とか、かなり足元を見られるとは思うけど。
あれ、なんだろう。輸出なんて無理なような気がしてきたぞ。なんでかな。
これは滅多にないエンターテイメントに育つ予感…!
どうせまたポッケナイナイで開発費だけ無駄に浪費した失敗作が出来上がるんでしょうね
戦闘機から足が生えてるように見えるんですけど、まさかそういうヤツなのか?