印バーラト・フォージの防衛部門は22日、4x4HMVに155mm榴弾砲を搭載したMArG(Multi-terrain Artillery Gun)155-BRを発表して注目を集めている。
MArG/155-BRのコンセプトは米陸軍とAMゼネラルが協力して試作したブルータスに近いか
今回発表されたMArG/155-BRは38口径155mm榴弾砲を4x4HMVに搭載した世界初のシステムで、短時間の射撃後に陣地変更するシュート・アンド・スクート運用にも対応(停車後90秒~120秒で射撃開始が可能)して重量も18トンと比較的軽量なため山岳地帯での運用にも適しているが、発射速度は自動装填装置を備えたアーチャー(8~9発/分)と比較すると3発/30秒と控えめだ。

出典:Kalyani Strategic Systems Limited MArG/155-BR
つまりMArG/155-BRは装甲で保護されたキャビンから降車することなく射撃操作が可能だったり、自動装填装置によって爆発的な発射速度を備えているわけではないが、米陸軍と軍用車輌の製造を手掛けるAMゼネラルが協力して試作した簡易自走榴弾砲「ブルータス(中型戦術トラックに155mm榴弾砲を搭載しただけ)」と同じように構造がシンプルなので整備性や調達性が優れているのだろう。

出典:Photo by Maj. W. Chris Clyne, 41st Infantry Brigade Combat Team Public Affairs 簡易自走榴弾砲「ブルータス」
因みにMArG/155-BRの開発にはインド陸軍が協力しており、今回の発表式典にもインドのシン国防相が出席するなど国を挙げて開発をバックアップしている様子が垣間見えるが、バーラト・フォージも現地メディアの報道も「インド陸軍がMArG/155-BRを導入する」とは一言も触れていないので開発能力の育成が目的なのかもしれない。
関連記事:BAEシステムズ、米陸軍に装輪型の155mm自走榴弾砲「アーチャー」を提案
※アイキャッチ画像の出典:Kalyani Strategic Systems Limited
これは途上国にも売り込めるスペックですね、中国兵器のライバルになるだろう
インドが武器輸出大国になる日もそう遠くない
中国やフランス等にも類似の兵器はあるけど、軒並み6×6輪か8×8輪なのにインドは4×4輪ですか。
確かに軽くなるけどオフロード走行性能等に影響が出そうな気が。
アーチャー自走砲は33.5トンと重く、A-400Mでギリ輸送できるかどうかの水準
MArG/155-BRが18トンと軽量で有れば、C-130クラスの輸送機でも空輸可能
特にインドの場合は、カシミール地方などの高地の空港へ空輸できることが重要視されるだろうからね
追記
フランスのカエサル自走砲だと6×6で17.7トンだけれども、52口径の長い砲身がキャビン上に長く飛び出している関係上、全高が3.7mも有る様だ
C-130の貨物室高さは2.74m(9フィート)しかないので、やはり輸送にはA-400Mが必要な様な……
であるが以上、あえて射程上の不利を忍んででも38口径の短い砲を使用しているのではなかろうかと
取りあえず軽く調べて勘違いしている事は分かった。公式とかで散々カエサルの利点として広く流布されているのに、他人を勘違いさせる事は書かない方が良いよ。実際にC-130での輸送写真なんて幾らでもあるし、調べてみてそれを見たら自分の勘違いが分かると思うよ。
ちなみに写真見つからなくてもNexterの公式ページに写真では無いが資料あるからそれでも見れば良い。
『Projetable : par avion C-130/A400/IL76/C-17, bargede débarquement, train』
カエサル自走砲はキャビンに砲を通した「空輸モード」があるからC-130で運べるぞ。
清谷の「装輪155mmりゅう弾砲は必要か」の記事でC-130の中にいるカエサルの写真が載っている。
Nexter公式のページにすら書いてあるのにそれを否定するとか正直どういう調べかたしたのかな。
Projetable : par avion C-130/A400/IL76/C-17, barge de débarquement, train
元々、いろんな所で運べるって話はあったし写真ですら幾らでもあるのに何で無理だというのよ。C-130に積載した写真見ずに書いただろ。
搭載してる砲はこれかしら?
インド・メディア、Max. 38km
装薬の段数は不明、たぶん3段?
Dhanush: India’s 155-mm artillery gun in trial stages
08 Apr 2015
リンク
元の39口径から45口径にアップグレードされ、新しい榴弾砲の射程は元のボフォース砲の30kmと比較して38kmになりました。
これを欲しいって国はありそう。日本語が書かれたトラックに高射砲やロケットを載せたテクニカルよりかは使い物になりそうだし
そいつらはそもそも客になるんか?
比較対象じゃない気がする。
テクニカルは簡単な改造で民生用の車を武装車両に転換できるのが最大にして他車には真似出来ない長所。
性能は劣っても、維持費や部品の調達性は圧倒的に違うと思う。
知識がないけど、自走砲はクロウラー型のK-9より、この手のホイールベースの方が売れそうな気がするんだけどなぁ。
降車しなくても撃てるならなお良いよね。
装甲は殆ど(あるいは全く)無いので、生存性はK-9ような自走砲の方が高いですけどね。
トラックベースの自走砲の立ち位置は牽引砲の後継兵器ですな。
とはいえK-9にしろこっちにしろ敵から離れたところから撃つのが仕事の自走砲が直接攻撃にさらされる状況下での生存性、という意味ならそんなに大差ない気がする
自走砲が廃れ気味なのはそういうことなんでしょう
装軌車両は接地面積が広く重量に強いので、装甲できる。
装甲あると、危ない前線に比較的近づける。
前線に近づけると、敵の脆弱な後背を撃てる。
トラック自走砲は安くて好きだけど、K-9みたいな装軌自走砲は、高いだけあって攻撃性能高いのよ。
装甲とは言ってもあくまで自走砲の範疇で戦車相手はもちろん、ツングースカ相手でもハチの巣にされるぐらいだからそこまで前線には近づけないかと
載っている砲は、何だろう?
二軸四輪だと台車か車軸がボキッといきそうに見えてしまう。もちろん強化してあるんだろうけど、見た目がね。
後部の駐鋤に射撃の反動を全部吸い取らせて地面に流すタイプでしょ。
故に射界は正面方向に制限されるけど、この手の装輪自走砲だと「そういう物」という前提で運用するだろうからさしたる欠点にはならないだろうね。
自動化もされてないから運用に人数を必要とするけど人員不足で困ってない軍隊にとっては安くて大量配備出来る良い装備だと思う。
これ駐鋤の設計かなりよくない?
細かい部分まで見えないけど反動すべて駐鋤から地面ににながせるのでは?
いままでみたトラック自走砲の中で一番優れた設計だと思う