豪州の原潜導入を受けて潜水艦戦力の推進方式が議論になっていたインドでは今月11日、我々は将来的に原潜と通常動力型潜水艦を組み合わせて運用する予定だとインド海軍が声明を発表して注目を集めている。
参考:Indian Navy to operate mix of nuclear and conventional diesel-electric submarines
アタック級潜水艦計画を破棄して原潜を導入する豪州の決断は理に叶っているが、インドには原潜と通常動力の潜水艦を併用する方が理に叶っている
インド海軍の潜水艦戦力(ミサイル原潜とロシアからのリースで獲得しているアクラ型原潜は除く)は旧ソ連/ロシアから導入したキロ級潜水艦×8隻、西ドイツから導入したシシュマール級潜水艦(209/1500型ベースのカスタムバージン)×4機の12隻で構成されているが、これを将来的にフランスから調達中のカルヴァリ級潜水艦(スコルペヌ型潜水艦)×6隻、プロジェクト75-Iに基づいて調達されるAIP機関搭載の潜水艦×6隻、建造計画が検討中の原子力潜水艦×6隻、まだ具体的な構想すら謎の潜水艦×6隻で構成された24隻体制に置き換える予定だ。
しかし豪州が通常動力式のアタック級潜水艦計画を中止して原潜導入を決断したため「インドでも通常動力を止めて原子力推進に一本化すべきだ」という主張が急速に勢いを増してきたが、このような状況を牽制するためインド海軍は今月11日に声明を発表した。
インド海軍は豪州の原潜導入について「オーストラリアの安全保障上における脅威は外洋とその周辺海域(南シナ海や中国沿岸部を指しているものと思われる)にあるので通常動力の潜水艦計画を破棄したのは理に叶っているが、インドは外洋と沿岸部の両方で脅威しなければならないので原子力推進と通常動力型潜水艦を併用した潜水艦戦力を構築する」と述べたため原潜への一本化を望む声に釘を指した格好だ。
モリスン豪首相は今後10年間で約2,700億豪ドル/約20兆円を国防分野に投資する新たな方針を今年3月に発表、この中で最も特徴的な変化はオーストラリアが長距離攻撃能力(長距離攻撃ミサイルや極超音速兵器の開発や調達)に最大100億豪ドル/約8,000億円を投資するという点で、これはオーストラリアの安全保障に関わる地域がこれまでよりも離れた場所に移動したと国内外に宣言しているのと同義と言える。
つまりオーストラリアが通常動力(AIP機関+ディーゼル)のアタック級潜水艦調達を中止して原潜導入に踏み切った最大の理由は「戦略上の要件の変化」であり、豪海軍の潜水艦基地がある西オーストラリア州バースから南シナ海や中国沿岸部まで直線距離で4,500km以上もあるため移動スピードに優れる原潜の方が変化したニーズによりフィットするという意味で、インド海軍もオーストラリアのニーズの変化と決断内容が一致するため「理に叶っている」と言っているのだ。
この辺りの話をすっ飛ばして「原子力推進に一本化すべきだ」と主張するのは豪州の原潜導入の表面的な部分しか見ていないからで、広大なインド洋のパトロールだけでなくパキスタンやマラッカ海峡方面の沿岸部もカバーしなければならないインド海軍にとって原潜と通常動力型潜水艦を併用する方が「理に叶っている=費用対効果が優れている」のだろう。
勿論、無限の予算があるのならば通常動力型潜水艦を止めて原潜に統一するのもありかもしれない。
余談だがインド海軍はオーストラリアの原潜導入よりも「弾道ミサイルを搭載した通常動力型潜水艦」に関心を示しているので、プロジェクト75-Iを含む未着工の潜水艦調達プログラムに何かしらの影響を及ぼす可能性がある。
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※アイキャッチ画像の出典:Indian Navy / GODL-India
韓国に続きインドも弾道ミサイル搭載の通常動力型潜水艦を建造するのね、海上自衛隊もこの波に乗るべきなのかな?
乗るとしたら全固体電池搭載になるんだろうな、VLSはアメリカが売ってくんねーかなー、憲法9条との兼ね合いでSLBMの搭載がダメだってんなら改オハイオ級のようなロマン溢れるSSGとして運用しといて改憲したらSSBに改修、人員はSSを減らしてクルー制の導入と待遇改善で捻り出して…う〜ん、いけるかな?
ここからはちょっとした興味で質問するんだけど、SS減らして改オハイオ級並のSSGを4〜5隻建造して対艦巡航ミサイルガン積みしたら対中戦に使えると思います?
海自の場合、潜水艦もASWに特化しているから現状ではSSGを装備する余地は無い
なので、SSG/SSGNを建造するのなら新規の枠で建造する必要が有るので、実現は非常に困難だろう
むしろ、インドは既にアリハント級SSBNを持っているのに、今になってSSBに興味が有ると言うのが訳分からん…予算不足でアリハント級では数が揃わないからなのか?
あんまり関係ないけど、米国で開発中のハープーン後継が大型化して魚雷発射管に収まらないのでこのまま行くと海自SSもASM運用能力を失う=ハープーン水中射出を諦めるか魚雷管に収まるミサイルを探してくるか大直径の垂直発射管を装備するかって問題提起はされてたよな
ミサイル用のVLSを装備するのがひとつの流れになってるから、そうするんじゃないの。
ロシアみたいな大型にしとけば、用途にあわせてミサイルも積み換えられるから戦術的価値も高まる
でもその予算で、長射程にした陸上発射型の対艦ミサイルを5000~10000発買えると思われ
原潜は、コストがなあ。
原子力艦は、廃艦後の捨場に困る。
原発みたいに敷地内に埋めるわけにもいかないし。
とはいえ韓国のSLBMは弾頭重量数tの通常弾頭で、インドのSLBMは核弾頭搭載だから実質別物では
一隻分の改良型オハイオ級本体と搭載する154発のトマホーク巡航ミサイル+魚雷の予算確保するだけでもそのしわ寄せがどれほどのものになるのかと考えると、4〜5隻も作れば予算の都合上、対中戦力整えるどころか自衛隊はもちろん下手すれば日本そのものが大きく衰退するだけのような……
オハイオ並の通常動力艦?その時点で微妙だな。結局の所 スピードは微妙だしミサイル打つ為に浅い深度で運用する必要あるし、最高深度は低くなるしでそれらのデメリットが水上艦より攻撃を受けにくい潜水艦での同時多発の攻撃と言うメリットうわまるか、
原潜の話になるとみんな予算に飛びつくけど、それを超える利点やプレゼンスがあるから各国は導入しようとしてるんじゃないの?
予算だけ見るなら、米軍との棲み分けで、数機しかF35Bを載せられないいずも型を空母にしようになんて無駄なことする必要ないでしょ。
いずもは本格的カタパルト空母へのステップアップと知ってるでしょうが、すべては将来への投資
それに米空母の運用費用はいずもと比較にならないくらい高いよ
カタパルト搭載空母?
どこから出てきた話ですか?
前の記事にあった
リンク
↑これを鵜呑みにしてるのでは?
計画どころかただの営業提案のやつか
しかもジェラルド・R・フォード級空母の欠陥を直すための費用稼ぎとしてダメ元で提案してきたとしか思えない代物
君たちは子供か(笑)この国が水面下で目指してきたのは大日本帝国の復興
本格的空母を目指すのは自衛隊でなく国家の言わざる目標ですよ
もちろん中国韓国からそれを見抜かれてるから奴等は反応して騒ぐのさ
勿論、原潜に限らず如何なる兵器もそれなりの利点やプレセンスがあるから各国は導入するよ
後は、それによって得られる利点と欠点・そして予算と時期を巡る都合が付くかどうかが問題となる訳
因みに、海上自衛隊のいずも型の空母化改装は「空母運用の経験の蓄積」が最大の目的であり、その次に控えているであろう「ハイブリッド・キャリア―(多目的母艦・強襲揚陸艦とSTOVL空母を融合した母艦)」建造へ向けてのステップと見るべき
弾道ミサイルを搭載した通常動力潜水艦は韓国が開発を進めているので、もしかしたら韓国に技術技術協力を要請するかも?
韓国よりはロシアでしょう。
韓国のは短距離弾道ミサイル搭載だが、インドは中距離弾道ミサイル搭載だから、過去に通常動力型のゴルフ級弾道ミサイル潜水艦を建造して運用したロシアに協力を求めるでしょうね。
インドは核弾頭搭載SLBM12基搭載しているアリハント級原子力潜水艦を運用しているし、通常動力型潜水艦も現役で持っているからわざわざ韓国に技術技術協力する必要性がないと思うけど
ディーゼル潜水艦と原子力潜水艦を比べたら、性能、居住性とか総合的にみて
原子力潜水艦一択やと思うんやが、そうじゃないって事は原子力潜水艦は
造艦費用とか維持費がディーゼル潜水艦に比べてべらぼうに高いって事なんやろか?
原潜1隻の建造費けでたいげい型3~4隻の建造費に匹敵する
乗員も特別に訓練する必要がある。
原子力の専門家レベルの知識がいるし、通常動力より遙かに長期の任務になるから、居住性が上がってもストレスが半端なく掛かる。
サウナやプールが有るレベルの快適さなら別だけど。
まぁイギリスも冷戦崩壊後も本来はその方針だったけど、何しろ予算の問題で通常動力型を廃止し係留して、最終的にはカナダに売ったはいいけど、使わなかった期間も長いから単なるポンコツに成り下がってしまったもんな。
もっと使い続けていればああもトラブルは起きなかったと思うけどな。
原子力潜水艦、弾道ミサイル搭載など記事賑やかになるが、潜水艦は一発射てば必ず自分の居場所がバレる事を前提に考えないといけない。20ノット〜40ノットなんて
40キロ〜80キロぐらいなもの、洋上、海中から魚雷でロックオンされたら、基本詰んでいる。自衛隊なら尖閣諸島周辺なら、下に逃げようとしても海が浅い。本当に予算があるなら海自もインドの様に原子力と通常型を併用するのが理想だが、日米同盟の棲み分けで現状維持でも良いと思う。海峡などチョークポイントで静かに情報をとるのが基本、気配を消して見つからず、何処かにいると相手に圧力かけ、情報は洋上艦、ヘリ、Pー1などの航空機で対処する方が費用対効果はある。私的に思うのは
いずも型のF35の運用が話題になるが、いずも型、ひゅうが型を本来のddhとしての役割、潜水艦ハンターの専業の母艦にベストで現在海自の運用能力獲得の通過点で仕方がないが、時代が時代なら、おおすみ型輸送艦、3隻の前倒しの後継艦(強襲揚陸艦)を作り日本版の海兵隊を一気に統合運用出来ればよい。いずも型はF35の運用能力を維持しつつもddh艦に戻れる。海自の原子力潜水艦の構想はこの辺を手堅く押さえてからでも良い。予算が限られるなかでは優先順位を考慮する事も大切。
余談で韓国が潜水艦の話題になっているが、洋上、海中の戦力が担保されていなければ、有事の時に早々に駆逐されると思う。日本を仮想敵国にするなら確実に。
弾道ミサイル搭載型は広い海洋から射程外の対地攻撃する役割だから聖域から出てこない
衛星で発見したとしても原子力潜水艦みたいな潜水艦保有していない自衛隊には狩れんと思うよ
あともう少し文章を縮めて書いた方が他の人が読みやすい
>潜水艦は一発射てば必ず自分の居場所がバレる
北朝鮮のミサイル発射ですら度々見逃すのに、潜水艦は一発射てば必ず自分の居場所がバレるなんて空想の産物だよ。
仮に1,000km先で海中から弾道ミサイルが発射されたのが探知できたところで、その海域まで哨戒機や艦艇を派遣しないと弾道ミサイルを発射した潜水艦の正確な位置も分からないし撃沈するなどの対処もできないけど、その海域の制空権や制海権が確保されてなかったらどうするつもりなの?
貴方が言ってることは現実味がないんだよね。
これね
自衛隊に原潜が潜んでいる海域に戦力投射する能力はない
アメリカが保有する能力と自衛隊の持っている能力を一緒にするから話がややこしくなるんだよな
ホンマににわかやね!
インドがそういうならばインドはそれでいいんだよ
ロシアも中国も併用を続けるようだし、国情に沿えばいいこと
他人のものを欲しがる、他人の真似したがる軽い発想と軍事戦略は噛み合わないって
一度技術が無くなると取り戻すの大変だから予算的に可能なら両方持っとくのが吉
それに輸出の事もあるだろう
通常動力潜水艦は数少ないアメリカが手を出していない市場だもの
それなのにうちの国と来たら商売下手で悲しい
大型兵器は実物がまだ無いペーパープランでも受注できることあんだから
一度金積んででも東南アジアあたりで小型で安い潜水艦を受注させて貰って実績積めば食い込んでいける可能性高いだろうに
支払いすら信じられないし、そうでなくても競争入札で不確実性が高い。携行兵器や車両ならともかく、輸出用に船台や技術者だけでなく搭載装置製造サプライチェーン側も含めて製造能力を巨額で維持し続けなければ、不安定雇用で技術自体を失いかねず需要にも即応できない。合間に自国用建造したら予算が振り回され防衛能力維持まで破綻しかねず、契約獲得のために技術移転や現地建造に応えていけば、大した収益も期待できず競合相手を増やし将来顧客や兵器自体の優位性を失っていく。
ペーパープラン500億ドル予定で、実際の売上総額20億ドル。費用比6割の豪作業や豪製品使用必須、交渉や契約獲得、今後等の準備コストは突然無駄になり技術流出済み、訴訟費用追加、国際関係や兵器評判に悪影響とか魅力を感じない
上で長文コメしてる人と同じかな?
他の人も指摘してるけど、不必要な情報盛り込み過ぎて読みにくいですよん
日本の原潜万能論者にも読ませたい