インドネシアはオーストリアから戦闘機ユーロファイター・タイフーンを購入する計画を進めていると報じられている。
参考:Prabowo Mau Beli 15 Pesawat Eurofighter Bekas dari Austria
降って湧いたようなインドネシアの提案にオーストリアは首を縦にふるのか?
現地インドネシアメディアによれば、プラボウォ・スビアント国防大臣はオーストリアのクラウディア・タンナー国防大臣に宛に送った7月10日付けの書簡の中で、オーストリア空軍が運用中の戦闘機ユーロファイター・タイフーン15機を購入したいと申し出でたらしい。
この書簡の存在はオーストリア国防省も認めているが、インドネシアの提案についてはコメントを拒否している。

出典:Bundesheer Fotos / CC BY-SA 2.0
2003年当時のオーストリア右派政権はサーブ製戦闘機「ドラケン」の後継機として提案された3機種(グリペン、F-16、タイフーン)の中から最も高価なタイフーン(1機あたりの導入費用約1億4,000万ドル)を選択、エアバスと18機のタイフーン トランシェ2導入契約(約25億ドル)を結んだのだが、この馬鹿げた戦闘機導入計画の怒った国民は2006年の選挙でタイフーン導入キャンセルを掲げる野党(左派)を勝利させてしまい、新たに誕生した左派政権が公約通り契約をキャンセルしようとしたのだが25億ドルの契約をキャンセルするには10億ドル以上のキャンセル料が必要だと分かり八方塞がりに陥ってしまった。
困った左派政権はエアバスとの交渉の末、発注済みのトランシェ2をより安価なトランシェ1 Block5に変更して導入数も18機から15機に削減、同時に調達するはずだった各種搭載兵器は数発の短距離空対空ミサイル「IRIS-T」だけを残して全てキャンセルすることで合意、契約総額を約17.5億ドルまで圧縮することに成功した。
しかし年間国防予算が約33億ドルしかないオーストリアにとって戦闘機タイフーンを15機も運用することは財政上非常に難しく、同機の運用には厳しい制限が設けられている。
まずオーストリア空軍は過去の戦闘機出撃回数から計算してタイフーンのパイロットは12人で十分であると判断、15機調達したタイフーンに対して本当に12人のパイロットしか雇用してない。
これは15人のパイロットを雇用する予算がオーストリア空軍に無いのではなく、タイフーンを実際に飛ばすための運用予算が年間1,070時間分しか捻出できないためパイロットを15人も雇用すると1人あたりの飛行時間が減って技量を維持するために設定された基準「年間最低飛行時間」をクリアすることが出来なくなるためだ。
補足:タイフーンの1時間あたりの飛行コストはグリペンの約3倍に相当する約1万5,000ドル(約160万円)が必要と言われている
現在、オーストリア空軍のパイロットは年間平均90時間しかタイフーンを実際に飛ばすことが出来ないため、不足する部分については地上シミュレーターで補っているらしい。
以上のことから、オーストリア空軍のタイフーンは100年後も十分な機体寿命を残していると揶揄されている。

出典:Tuomo Salonen / CC BY-SA 4.0 サーブ グリペン
そのため左派政権はタイフーンを早期退役させて運用コストの安いグリペンに切り替えることを検討していたのだが、2018年の選挙でタイフーン導入を決定した右派が勝利したため、新たに誕生した右派新政権はタイフーンの早期退役を撤回して運用を続けることになった。
要するにインドネシアは、オーストリアの手に余っている戦闘機タイフーンを全て引き取ると申し出でたのだ。
恐らく今回の提案はオーストリアにとっても非常に有り難いものであるのは誰の目にも明らかだが、わざわざ左派政権のグリペン切り替え案を撤回してまでタイフーン維持に拘った現政権にとっては、中々難しい決断になるかもしれない。仮にインドネシアの提案にのってタイフーンを手放せば前政権のグリペン切り替え案を撤回した意味がなくなるため政治信条的には拒否したいところだろう。
ただ前政権のグリペン切り替え案と異なるのはタイフーンの処分が「自発的な早期退役」ではなく、インドネシア側からの「購入打診による売却」なので仮に手放したとしても政治的には格好が付くかたちだ。
この辺りの状況を踏まえて、オーストリアはインドネシアの提案に何と答えるのか注目される。
因みに管理人の推測では、オーストリア空軍が保有するタイフーンはトランシェ1仕様なので、インドネシア側が相当値切ってくるだろうと思っている。
関連記事:導入したこと自体が間違いか?戦闘機タイフーンを導入したオーストリア空軍の後悔
※アイキャッチ画像の出典:Marek Olszewski / CC BY-SA 3.0 オーストリア空軍のタイフーン
インドネシアがタイフーンを買う理由が分からない。
ドイツやオーストリアと違って、タイフーン大好き党があるとも思えないが。
アメリカやロシアから買いたくないのかな?
購入先を広げないと。
アメリカとの仲も微妙だし中露にも足元を見られたく無い等の判断からのリスク分散でしょう。
おそらくですが、オーストラリアのスパホに匹敵する4.5世代戦闘機が欲しかったのではないかと?
F-16やSu-30は第4世代ですし、グリペンではスパホ相手では少々分が悪いからかと思います。
まあ、どうせオーストラリアはF-35導入するのでもう時代遅れな気はしますが。
ドイツあたりが横槍いれてきそう。
安物買いの銭失いとはまさにこのこと
予算に見合わないものを買おうとする当時の政権も大概だけど、使えない仕様にしてしまえば金をドブに捨てるだけってことを全く理解できない左翼は阿呆そのもの。
しかし、ステルス塗料も使わないのによくこんなにランニングコスト掛かるように仕上げたよね。
コントかよ
自衛隊はF-35にして、心底良かったと思う。
タイフーンが、ここ迄酷いとは思わなかった。
9年前の別冊宝×が家の本棚にあったので見てみたら、日の丸付けたタイフーンの仮想イメージ画像がでかでかと載ってた…
しかも順調に価格も下がって、向こう数十年のサポート付きときたもんだ
よくもまぁ、ここまでコスパの良い機体買えたもんだなと
はあ?
F35の1時間辺りの飛行コストは約190万だぞ〜なのに良かった?何が良かったのさ?
タイフーンの160万と20%も違わないだろ。
現状ステルス機でその程度割高になるのは仕方がないからな。
ステルス機が必要ない国ならともかく中露という長距離対空ミサイル配備した厄介な敵国を抱える日本にとってはその程度は必要経費だ。
インドネシアは結局どこの国の戦闘機買うねん
トランシェ1だろうがKFXよりよっぽど有用なんじゃないですかね
インドネシアは『色々と』話題を振りまいているけど、一体どこに向かうつもりなのか?w
そんなものを買う金があるなら、KFXの(略)
インドネシアらしい、ほのぼのとした話ですねえ。
完成しないペーパープランの4.5世代機よりも実戦を経験した4.5世代機の方が有用でしょうよ?
オーストラリアとインドネシアはそれなりの敵対関係だと思っていたんだが。
日本も潜水艦を本気で売るつもりならインドネシアをダシに使えば成功したんじゃないのか、おたくが買わないならインドネシアに回しますよとか言って。
もしかして:オーストリア
オーストリアですけど?
記事をきちんと読みましょう。
オースト『ラリア』ではなくオースト『リア』ですね…
オーストラリアではなく、オーストリアですよ。首都がウイーンで、ドイツの隣。
オーストラリアとオーストリアを見間違う気持ちはわかるけど、疑問をもったならちゃんと読み返すか調べなおしましょうねー?
もうその辺にしときなよ
ツッコミだけで縦に伸びすぎでしょ!
オーストリアとラリアを間違えた!!!!
日本のFX選定の時にタイフーンを激推ししてた人けっこういたけど、今どうしてますかねぇ
一言コメントが欲しいところです
ユーロファイターは日本が独自仕様に「魔改造」出来るから、日本が手を付ける箇所が無いF-35より日本の航空産業の発展にも寄与出来るとか主張していましたな。
実際ユーロファイターに決定したとしても日本が行えた独自仕様って大して無いと思う。
少なくとも自国製のミサイルとレーダーは積めたから、F3のテストヘッドとして兵器テストを続けられたかもよ?
その場合、それらの技術もブラックボックス化は出来ないので、
開発参加国にはもちろんドイツやイタリア経由で中国にもダダ漏れ、
輸出機にも採用されるので世界中に現物が流出し、どこかしらから中露の手にも渡ったでしょうね。
アドーアの悲劇やF-2のトラウマどころじゃないタイフーンの惨劇の爆誕です。
タイフーン推し勢は何故かこのリスクに全く触れないんだよなぁ。
元々それが目当てじゃないのかと思えてくるくらい。
F-2で十分やん
実際レーダーの試験もF-2でやってたし
そのテストした最新のデータ全部タダで開示しなけりゃならんけどね
つうか後出して出してきた情報開示の毒素条項知らんとか言わんよな?
はあ?
F35を選んだ結果、日本の戦闘機関連メーカーは事業を縮小および撤退、最近では射出シートのダイセルも事業清算して海外製を買うしか無くなったけど…それこそ製造基盤を失ってるけど、どうする訳?
三菱重工だけで戦闘機を造れると思ってるのかい?
日本の航空産業構造をちゃんと調べた方が良いよ。
少なくとも言われてたタイフーンの構造欠陥は、設計問題では無く、イタリアとスペインの製造ミスによるもので、その後は製造が見直された製造分は基本性能を回復してるし、リビアやイラクでは実戦経験を積んでるけどね。
で、タイフーン選んでいれば日本の航空宇宙産業はどうなっていたんですか。
軍需と民需の比率が100:1ぐらいになって現在の10倍の規模に発展とかしてたんですかね。
誰もそんなこと言っていないとか場合によりけりとか行間が読めないやつは云々とかそれぐらい調べればわかるだろとか何とか、そんな感じですか。
望んだ機種が違った時点で、お互い噛み合わないし…F35派を論破出来るとも思ってないし、論破されるとつもりもないさ。
ただ、少なくとも当時未完成だったF35を機種選定に加えた事も問題だったし、単一エンジンだから問題発生時には全機飛行停止になるから、防空網穴が開くけどね。
まあ、それぞれ意見があるのが民主主義の良いところかな。
「少なくとも」で出てきた話が全然タイフーンに有利な要素じゃないと思うんだけど。
「日本が独自仕様に改造出来るから」という理由で選ぶならタイフーンも未完成みたいなもんだし、
単一エンジンなのも同じでは?
タイフーンってEJ200系以外に選択肢ありましたっけ?
当時虎3Aですら未完成だぞ
そしてインドのF-X価格で220億をたたき出した次点で相当コスパ悪いぞ
こういう論理的思考も出来ず感情論だけ振り回してる輩って困るよなぁ。
11年にF35を選ぶ前、F2やP1を開発生産中の00年~10年頃でも既に減少中だった軍用航空機産業が、11年にF35ではなくタイフーンを選んんだ途端に増加するとかすごいですねタイフーン。
タイフーンに一体どんな魔法があるのか木に成ります。
でもF-35とユーロファイターを純粋に比較したらやっぱりユーロファイターは無いわと思う。
ステルス性能、レーダー他の電子装備の性能と今後20年以上第一線で運用するならやはりF-35だよ。
機体欠陥で寿命が半減した時に、とっくに不明を恥じています。
反省もなくのうのうと生きているわけではないので、勘弁して下さい。
トランシェ1だとオーストラリアのF/A-18ホーネットに対して性能のアドバンテージは無さそう。
そうなると、とにかく早く戦闘機の数を揃えたい、のかな?
むしろ普通に近代化改修しても確か劣るんでなかったかな?
それはスパホと比べて?
もし、ミーティアを後日導入したら…スパホでも無事では済まないと思うが?
ミーティアの射程を活かせるレーダーが無きゃ無意味に近いな
トランシェ1では、レーダー換装も困難なのではなかろうかと
お手軽に能力向上出来るなら、そもそも共同開発国が放置しないでしょと
兵器の選定には少なからず国内政治の思惑に左右されるけどろくな結果を生まないね
とても分かりやすい安物買いの銭失いですねえ・・
左翼政権も使えない仕様にしたらそれは金ドブだって分からないのかね?
左右問わず主義主張の方が公共の利益より大事って考え方はどうにも肌に合わない
使えない仕様と言うよりも、使えるようにするだけの予算が無いと言うか、予算を使う気が無いと言うべきか……
兎に角、国力からしてマトモなジェット戦闘機部隊を編成するのが困難なのではと
神聖ローマ帝国や、東方帝国に大ドイツ主義、二重帝国の威光は彼方に去れりと
インドネシアがオーストラリアのF/A-18EやF/A-18Cに対抗する為にオーストリアからタイフーンを買うかも知れないというちょっと混乱する感じ。
おまおれ
ほんそれ
数を揃えたいならユーロファイターに目を付けたのは中々お目が高い
トランシェ1は4.5世代にゃ敵わんがその分安く手に入るだろう
オーストリアのは機体寿命も存分に残ってるしな
2倍の数のF-15Eを撃退しF-22すら退けた戦績は伊達ではない
F-15の1/15のRCSを誇るF-2の更に半分以下のRCSによるステルス性も健在だ
それにデジタルステルス性能に至ってはF-35以上だとここの読者なら知っていよう、まぁトランシェ1は違うがw
ジョークなのだろうけど、知らない人が見たらユーロファイターの事を勘違いしそうだな
少なくとも嘘は無いからセーフ…
Su-30MKK「マジで!?じゃあ演習でタイフーン倒した俺って実質F-22より強いじゃん!」
色々意見はあるでしょうが、財政だけで判断するとインドネシアのこの提案は渡りに船ってことになりますねえ・・・。
ドイツがもっと国防に本気出して買ってアップグレードすればいいと思うんですよ。
まあ、そんな気概は二度と出ないだろうなあ・・。
とはいえ、初期型タイフーンだとしても…ミーティアを後日導入すればスパホも無傷では帰れないかもしれませんよ?
もはや、高額な戦闘機や貴重な人命を晒すドッグファイする空戦よりも、近代空戦では相手よりも先に見付けてミサイルを発射して離脱する戦術がメインです。
機銃はインターセプトの際に威嚇する位しか出番が無いです。
実際、今の機銃はレーダーと連動してる為、相手がジャミング(自動)させると機銃も撃てなくなります…手動に切り替えられるが、相手が戦闘機なら当てるのはほぼ無理なので、相手を止めるには短距離ミサイル撃つしかない…そんな事をギリシャトルコは日々やっております。
>近代空戦では相手よりも先に見付けてミサイルを発射して離脱する戦術がメインです。
初期型タイフーンはそこが一番問題な訳ですが。
てかスパホ登場当時ならいざ知らず2020年にもなって「スパホも無傷では帰れない」って褒め言葉なんですか?
全然関係ないけど中小国とはいえ一国に12人しか居ないパイロットってかっけぇなぁ
まさにエリートって感じでさ
もちろん技量なんかは他の予算あって規模も飛行時間も取れる軍隊に所属してるパイロットのが上なんだろうけど
国内政治だけでもめんどくさいのにトランプが「su-35買うのは許さん!」とか怒鳴り込んできたりしっちゃかめっちゃかよ
ホントインドネシアの軍事行政はカオス
インドに比べれば(棒)…
裏金目当てに担当者があちこちに愛想ふりまいてるように見えるけど。インドネシアには戦略も思想も感じない、行き当たりばったり
インドネシアと組むのは危ういってわかるわ、他にパートナーを見つけられないお隣は悲惨だね
まぁ新幹線とかでさんざん振り回され、代わりに受注した在来線特急も黄色信号になってる国もありますけどね。
東南アジアの微笑みは悪魔の微笑みだわー
インドネシアは多諸島、多民族国家なので、その部署や時期によって権勢を持ってる全然が違う。
なので一貫した政策が全く取れないという致命的な欠陥を持っている。
これは国内政策でも外交政策でも安全保障政策でも例外はない。
それ、F-2とかでよくね?
インドネシアは、軍事関係以外でも迷走っぷりがひどいですね。
高速鉄道も日本に改めてちょっかいかけてくるし。
なるべく関わり合いたくないところですが、
最近の中国の海洋進出の手前、あんまり蔑ろには出来ないんですよね。
色んな所で全方位に迷惑かけてるところが、どこかの国に似てきたな。
インドネシアは多諸島、多民族国家なので、その部署や時期によって権勢を持ってる全然が違う。
なので一貫した政策が全く取れないという致命的な欠陥を持っている。
これは国内政策でも外交政策でも安全保障政策でも例外はない。
日本の隣の国は、そういう事情もないのに全方位を敵に回す外交をしているが、あれはもうどうしようもないな。
インドネシアは、子供労働をなんとかしたら?
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