ベトナムが実施した軍民共用の光学画像衛星の入札でイスラエル航空宇宙産業(IAI)が競合を下して勝利したと報じられている。
参考:IAI beats Airbus and Thales to Vietnamese spy satellite deal
参考:Syarikat Israel Akan Bina Satelit Pengintip Untuk Vietnam
報じられないだけで水面下で色々と動いている日本企業、ベトナムが実施した軍民共用の光学画像衛星入札に参加か
ベトナム政府が入札を実施した「高解像度画像衛星(光学画像衛星のこと)」は軍の情報収集・監視・偵察(ISR)能力を強化する目的で「偵察衛星」として運用されるが商業的な民間利用も想定されており、ロッキード・マーティン、タレス、エアバス、イスラエル航空宇宙産業など衛星製造で実績のある国際的な企業が入札(衛星2基の製造と打ち上げまでの一括契約で予算は10億ドル/約1,100億円以上)に応じた結果、イスラエルが受注に成功したと報じられている。
しかも興味深いのは今回の入札にはロシアや日本などの企業も参加していたと報じられている点だ。
日本の住友商事株式会社は2020年にベトナム向け地球観測衛星「LOTUSat-1」の製造(NECが受注)や打ち上げを一括で受注(ODAを利用した案件で契約規模約200億円)しているので、今回の光学画像衛星入札に日本が参加していても不思議ではないが、今のところ情報が限られているため参加企業がどこなのかは良く分かっていない。
参考:NEC、ベトナム地球観測衛星「LOTUSat-1」を受注
しかし本当に入札に参加していたのなら、一般には報じられないだけで日本企業も宇宙産業分野の海外受注に水面下で色々と動いているのだろう。
因みにベトナム政府が保有する衛星は5基(1基目と2基目はロッキード・マーティン製の通信衛星、3基目はエアバス製に地球観測衛星、4基目はベルギー企業QinetiQ Space製の光学画像衛星/30m級解像度、5基目は偵察衛星としても使用可能な光学画像衛星/1m級解像度)なので、今回調達される光学画像衛星の解像度は1m以下(日本の情報収集衛星/第3世代以降に相当)になるのかもしれない。
また続報があれば記事にしようと思う。
※アイキャッチ画像の出典:pixabay 衛星のイメージ
まあ衛星本体の受注は逃したけどもしこの後打ち上げロケットの入札があればH-3を積極的に推していけばいいさ
種子島は近いから有利にならないかな。(超期待感)
大きさや重量によるがイプシロンSなら格安で打ち上げできるよ。
低軌道に1.4トン上げられるから余程大きな衛星で無ければ安く迅速に打ち上げ可能。
過去のベトナムの衛星を軽く調べた感じだと、日本とか仏領ギアナから打ち上げてるな。
打ち上げはロシヤあたりに頼むのかな
いつまでもベトナムを遅れているとか古い認識してても、やがて人口一億越してこちらを追い越す日も来かねない
衛星の製造(と小型衛星の打ち上げ)は宇宙事業の中でも相対的に難易度も低くて競合国が多いから日本がこの分野で今後シェアを拡大してくという気はあんまりしないな。イスラエルみたいに相手を問わず世界中に売りまくってる国や、国威をかけてある意味採算度外視でやってる韓国のような国に、そしてもちろん中国も居るし。
というより自国生産でもない外部受注の衛星性能は軍事上、あまり高性能なのを売れないからそこそこの性能のものをコスパよく売ることが重要だからね
トランプ元大統領がうっかりツイッターに未加工であげたと思われる衛星写真は1ピクセル10センチだったから、それを撮った偵察衛星「USA-224」の性能は最低でもそれ以上という凄まじい性能だけど、その性能の衛星を国外に売ることはまずありえないだろうし
訂正
自国生産でもない→自国用でもない
まあこの手の光学衛星は、ソニーやキャノンらの老舗光学メーカーから、大学の研究室、様々なベンチャーまで
日本国内だけでも溢れてて早晩レッドオーシャン化しそう。
衛星需要に沿って指数函数的に増えるデブリ除去事業を先にモノにした方が良いのでは、に1票。
まぁその通りなんだけど誰から金を取ってくるかだよね。
自分の国の道路すらゴミであふれている国が金出すかね?国連はそもそもどこが金出してるんだって話だし。
参加することに意義があるって誰が言ったんだっけ?
とにかく、こうして経験を積むのは良い事だ、政府も企業のケツ持ちを頑張って欲しいね
今回の衛星受注もだけど、ベトナムとイスラエルだとベトナム軍の正式小銃がAKからガリルaceの7.62×39モデルに変更されてライセンス生産されたり、特殊部隊ではタボールが採用されてるんですよね。
ベトナムが衛星持ってるってのが初耳で驚いた。
仮に水面下で動いてるとしたら、その理由がイマイチ分からないな
入札で有利な企業が足下すくわれないように秘匿するなら分かるけど
少なくとも今はまだ日本勢はろくに受注取れてないわけだし
受注につながらなくても積極的に参加している事が報道されれば
少なくとも知名度アップにはなるだろうに
政治的に欧米イスラエルに頼みにくい地域とかもあるわけだし
まずは知られないと始まらんだろう
アスナロも打ち上げた割に広報や売り込みしてる話ほぼ聞かないし
日本製の兵器の場合、フィリピンに輸出が決まった固定式レーダーサイトのように兵器への攻撃が領土への攻撃を意味するような物なら大丈夫かもしれませんが、無人でありしかも何があったのかよくわからない宇宙空間で利用する光学衛星の様な物は売れないと思います。
過去に日本の情報収集衛星が中国から二度の攻撃を受けても何もできなかったことからもわかる通り、反撃しない日本は中国にとってはいつでも攻撃できる格下の存在でしかなく、表面上反中ではあるものの中立を維持したいベトナムにとって一切の軍事行動を取れない日本から、中国の対日感情次第で即座に攻撃を受ける日本製の兵器の購入はリスクでしかないと思います。
中国と関係改善が見込めない以上オーストラリアやイギリスの様に対中姿勢をはっきりした国に売れればとは思うのですが、日本の兵器開発は韓国みたいに小回りが利かないので残念ですが駄目ですね。
日本の武器輸出は、まだこれからというところですね。
装備品移転など防衛協力の強化確認 岸防衛相とべトナム国防相
リンク
岸防衛大臣は、就任後初めての外国訪問として訪れたベトナムでザン国防相と会談しました。
海洋進出を強める中国を念頭に、法の支配に基づく国際秩序が重要だという認識で一致し、
防衛装備品の移転に向けた協議を進めるなどして、防衛協力の強化を図っていくことを確認しました。
両国は防衛装備品の移転や技術協力の促進に向けた協定に署名し、艦艇などを移転するため協議を進めるなどして、
防衛協力の強化を図っていくことを確認しました。
NECが開発して打ち上げて自社保有し運用中の観測衛星が2基ある。
・小型光学衛星「ASNARO-1」重量500kg 周回高度500km 1ドット解像度50cm、光学レンズ開口62センチ
・小型レーダ衛星「ASNARO-2」 周回高度500km 1ドット解像度90cm、 Xバンドレーダー三次元合成開口
レーダーによる画像・立体形状に出来る。
NECがベトナムから受注した地球観測衛星LOTUSat-1は、Xバンドレーダー三次元合成開口レーダー衛星で
「ASNARO-2」と同じ1ドット解像度90cmのもの。
実験飛行した小型衛星「つばめ」の光学センサの解像度は二種類で1ドット解像度は30cmと1m。