フィリピン国防省のホセ・ファウスティーノ長官は昨年「2028年までに取得すべき調達リストに潜水艦を含めた。既にフランス、韓国、日本などからオファーを受けとっている」と明かしていたが、スペインのナバンティアもS-80Plusを提案した。
参考:Spanish firm cites edge in submarine proposal to PH
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アジア諸国への潜水艦売り込みに積極的なスペインのナバンティア、フィリピンにもS-80Plusを提案
フィリピン国防省のホセ・ファウスティーノ長官(現在は退任)は昨年10月「マルコス大統領が任期中に取得すべき装備リストに潜水艦2隻を含めた。リストは大統領の承認が必要なものの(承認は)最優先事項だ」と言及、このリストは国軍近代化プログラムの第3フェーズに関するリストで、ファウスティーノ長官は「既に国防省はフランス、韓国、日本などからオファーを受け取っている」と明かしていたが、スペインのナバンティアも「潜水艦部隊創設に必要な訓練を含むS-80Plus導入をフィリピン当局に提案した」と発表した。
さらにナバンティアは「フィリピンの地形や気象条件を検討した結果、レイテ島西海岸のオルモックが潜水艦基地の建設に最も相応しく、フィリピン人は自ら潜水艦をメンテナンス(ナバンティアが保守に関する技術移転を行うという意味)を出来るようになり、これはオルモックにとって何千もの雇用を創出する機会になるだろう」と付け加えたが、この提案には「導入契約を100%カバーするスペイン政府の融資保証」が含まれているため、売り込みで先行するフランスや韓国を脅かす競合が登場した格好だ。
フランスのナバル・グループも提案しているスコルペヌ型潜水艦の価値を高めるため「スービック湾の再開発地区に潜水艦のメンテナンスや訓練センターを拠点を建設し、フィリピン海軍の自主的な潜水艦運用体制を確立する。さらにフィリピン企業が潜水艦のサプライチェーンに参加できるよう尽力する」と発表しており、ナバンティアもナバル・グループもフィリピンと地理的に近く、サポート面で有利な韓国を出し抜くため現地でのメンテナンス拠点を打ち出してきたのは非常に興味深い。
韓国のハンファ・オーシャンは209/1400の派生型=DSME 1400PNを提案中で、このパッケージにも政府融資、潜水艦基地の建設、メンテナンス体制の確立、訓練支援などが含まれているが、詳しい内容は不明なのでナバンティアやナバル・グループの提案内容と比べてどちらが優れているのかは不明だ。
因みにナバンティアはインドのラーセン&トゥブロと共同で「印海軍の潜水艦入札に参加する」と発表しており、こちらにもS-80Plusを売り込んでいる。
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※アイキャッチ画像の出典:NAVANTIA S-80Plus
数年前なら現在ウクライナで猛アピールしてるロシアがキロ級やアムール級あたりを売り込んでいたかもしれない
日本からの提案ってそうりゅう?
将来的に本気で売り込むなら経験しといてもいいだろうね。オフセット要求しないから相手国に要求されても知識がないし、アメリカみたいに売ってやってもいいよって態度なら未来永劫無理だろうけど。
日本「フィリピンさん、潜水艦導入するって聞いたよ。どんなの欲しいの?」
フィリピン「日本からオファーがあった!」
これくらい文面裏読み解こう
本気で言ってる?
値段がとても高いそうりゅう級をフィリピンが導入するよりかは現実味があるな
まぁ、フィリピンのレーダーの件もイスラエルとアメリカと競合して手に入れた案件だからね
くろしお型くらいは売れればいいな〜
おやしお型ですね。失礼しました
フィリピン的には退役するおやしお型潜水艦を安価で導入がベストかな?
新造艦を買うのかな。それとも中古艦かな。
今、フィリピンには潜水艦を運用する環境は無いだろうし、
そこも新たに作らないと、ですね。
それともスビックあたりに昔の米海軍の施設が残っているのかな。
日本の潜水艦が小型原子炉を補機で搭載する事にでもなれば、そうりゅう型のスターリング型AIPなどは過去の遺物になるので、特別価格で潜水艦の世界にご招待出来ると思うのですが、どうでしょう。それでも建造に時間が掛かるので、建造からフィリピンで行うのと、日本で余ったのとを、併用する方が良さそうですが。
インドI-75潜水艦のAIP機関出力が270kWとの話なので、三菱重工が提案する2030年代商用化の超小型原子炉なら出力が500kWとの事で、25年間燃料交換不要という、日本潜水艦にピッタリなような‥価格も抑えられるような‥その為には輸出して単価を下げないと‥
出て来る映像はフランスのAIP機関のです
リンク
補機としての原子炉はソ連で実例があります。
ジュリエット級巡航ミサイル潜水艦(通常潜)のうち一隻を改造し、
沸騰水型の小型原子炉を使ったターボエレクトリック機関を補機としました。
結局、扱いにくかったみたいです。一隻だけでした。他には例はありません。
原子炉を使うなら、それ一本が最適解という結論が出たのだと思います。
仮に水中3,500tくらいの原潜でしたら、出力15,000SHPくらいの原子炉で、
KWになおせば約11,200kwになります。AIPとは桁が二つ違いますね。
潜水艦として行動するには、そのくらい必要ということでしょう。
日本の場合、もし原子炉を採用するならば、普通に原潜になるでしょう。
あと、フィリピンの場合ですが、現在は、全く潜水艦の経験がないので、
潜水艦の仕様をあれこれ言う前に、教育でしょう。
必要なものは、多分、水中1,000tくらいのものではないでしょうか。
ただ、フィリピンはフィリピン諸島外周の海の水深が深いので、
それなりの潜航能力が必要でしょう。600mくらいは必要では。
日本の、現在手持ちの潜水艦には、以上の条件に適合するものは、
残念ながらないと思います。するなら、専用設計でしょう。
三菱で提案しているのは今までのとは違うマイクロ炉ですよ。
全固体原子炉でメンテナンスフリーです。
リンク
素人の考えも入りますが。
日本で、そうりゅう型がスターリング機関を
止めたのは、艦内容積の配分/操作の煩雑さ/
の費用効果の検討結果と思います。
スターリング機関自体は、ほぼ自動化されていた
と思います。
例証として、ほぼ同じ能力のおやしお型と比べ、
乗組員の数はむしろ減っています。
前記のソ連のジュリエット級と同じく、艦内容積に
比べ、煩雑さが嫌われたものと想像します。
艦内容積の有効利用には、動力の一本化が必要でしょう。
これは、マイクロ炉でも同じと想像します。
現在のAIPのうち、一番負担のないのは燃料電池でしょう。
海自も、そちらを目指していましたし、今もそうです。
マイクロ炉の技術は面白いですが。
度々ですが。
言われているマイクロ炉ですが、
三菱重工の資料で
「想定する熱出力は1MW、電気出力は500kWほど」
とのことでした。
であれば、先に書いた動力の一本化と合わせて、
沿岸用潜水艦は可能性があるのでは、と思いました。
WW2の頃にXXIII型 Uボートがありましたが、これは、
水中排水量258t、推進電動機が572HP(427kw?)です。
これの機関を代替できるのでは、などと思います。
技術移転コミの潜水艦購入計画なら日本は無理だなぁ
出せても順次退役していくおやしお型の中古販売じゃない?
というか、技術移転ってもしかして操艦込みの運用方法?
あと整備じゃないですか。
米国の圧倒的影響力化の時代ですら、まともな軍隊組織が作れなかったのがフィリピン。
殆ど皆無な状態の海軍の潜水艦部隊の創設に関わるなんて殆ど無理ゲー。
お付き合いは、中古艦船の無償供与等に止め深く関わらないのが吉!
フィリピン海軍、特に潜水艦部隊なんて想定敵が中国なのが明白だけど、フランスのナバル・グループは中台関係に不関与を打ち出している政府からの干渉を気にしていないんだろうか?