ウクライナ戦況

ウクライナ軍が無人機で露プスコフ基地を攻撃、複数のIl-76が損傷し炎上

ロシア西部のプスコフ州で大規模な爆発が発生、ミハイル・ベデルニコフ州知事は「プスコフ空港が無人機で攻撃されている」と報告、露国営メディアのタス通信も「この攻撃で4機のIl-76が被害を受け2機が炎に包まれた」と報じている。

参考:Беспилотники разрушили четыре российских Ил-76 в Пскове

ウクライナ国防省情報総局のブダノフ少将は「ロシアのどこでも攻撃することができる」と述べていた

エストニア国境から約30kmしか離れていないロシア西部のプスコフ州で大規模な爆発が発生、ミハイル・ベデルニコフ州知事は「プスコフ空港が無人機で攻撃されている」と報告、露国営メディアのタス通信も「この攻撃で4機のIl-76が被害を受け2機が炎に包まれた」と報じている。

攻撃を受けたプスコフ空港は軍民共用の空港でロシア軍の第334航空輸送連隊が駐屯しているが、ウクライナから見てプスコフ空港はベラルーシを大断した先にあり、直線距離で見ても700km以上も離れているため、ノヴゴロド州のソリツイ2空軍基地を攻撃したのと同じ方法=潜入した工作員がロシア国内から無人機で攻撃した可能性が高い。

ロシア側情報源(Рыбарь)はソリツイ2空軍基地に駐機してあったTu-22M3が商用ドローンの改造機で破壊されたと主張し「航空機を守る掩体壕の必要性が浮き彫りになった。中東でコンクリート製の掩体壕が破壊された例を挙げて無意味だという主張もあるが、我々の航空機が晒されている脅威はトマホークではなく手榴弾を搭載した商用ドローンで、この攻撃は簡単なメタルネットでも防ぐことができる」と訴えていたことがある。

因みにウクライナ国防省情報総局のブダノフ少将は「ロシアのどこでも攻撃することができる」と述べていたが、ロシア国防省はプスコフ州だけでなく「ブリャンスク州、オリョール州、カルーガ州、リャザン州でもウクライナ軍の無人機攻撃があった」と30日に発表しており、ウクライナ軍による空からの攻撃規模はどんどん増えている格好だ。

追記:プスコフ空港でTu-22も破壊されたという噂がある。

追記:プスコフ空港で2機のIl-76が確実に破壊され、もう2機が破壊された可能性が高く、さらに2機が損傷した可能性がある。

関連記事:ウクライナが初めて露Tu-22M3の破壊に成功、掩体壕の必要性が浮き彫り
関連記事:クリミア攻撃、オペレーション・トップガンの主役はF-14ではなく無人機
関連記事:ウクライナ軍、クリミアに駐屯する第126沿岸防衛旅団を攻撃したと発表
関連記事:ウクライナ軍がクリミアへの上陸作戦を実施、タルカンクート岬付近で交戦
関連記事:ウクライナ軍、クリミア西部に配備されたロシア軍のS-400破壊に成功

 

※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由

フィリピンの潜水艦導入、スペインのナバンティアもS-80Plusを提案前のページ

ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍とロシア軍の戦闘状況は一進一退次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ロシア軍捕虜、ウクライナの民間施設や民間人への発砲は許可されていた

    ウクライナ保安庁(SBU)は9日、ロシア軍捕虜の証言を公開して「モスク…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナメディア、犠牲ばかりで得られるものがなく兵士も士気が低下

    KYIV POST紙は22日「夏攻勢で達成した成果と支払った代償が釣り…

  3. ウクライナ戦況

    ロシア軍がノボミハイリフカ集落内に侵入、ヘオリフカ方向でも1.5km前進

    ドネツク西郊外方面についてウクライナ人が運営するDEEP STATE、…

  4. ウクライナ戦況

    ロシア軍がリシチャンシク市内の中心部に到達、ウクライナ軍は撤退か?

    ロシア軍によるルハーンシク州制圧を阻止する最後の拠点「リシチャンシク」…

  5. ウクライナ戦況

    旧ソ連諸国、西側諸国の多くはロシア人のメンタリティーを理解していない

    プーチン大統領が始めたウクライナ侵攻は一部のロシア人しか積極的に支持し…

  6. ウクライナ戦況

    NATO事務総長、除外リストはなく西側製戦車のウクライナ提供を支持

    マドリードで行われていたNATO首脳会議ではウクライナ支援に関する重要…

コメント

    • 名無し
    • 2023年 8月 30日

    今度の冬はウクライナ以上にロシアのインフラ網がズタズタになりそうですね。

    53
      • 名無し
      • 2023年 8月 30日

      現状では全く有り得ないね

      13
      • bbcorn
      • 2023年 8月 30日

      軍事施設でさえ このざる防御体制だからな。
      インフラの防御体制なんてロシアにはなんもないだろうね。
      ロシアがまたインフラ攻撃するならウクライナも遠慮なくやるだろうしやるべきだろ。
      ウクライナはその手段を手に入れちゃったから躊躇なく使うだろうね。

      49
      • かくさん
      • 2023年 8月 30日

      ズタズタというよりガチガチ(警戒態勢)に巻き込まれて経済が更にダメージ受けそう。
      自業自得やし誰もロシアに同情せんやろけど。

      19
    • たむごん
    • 2023年 8月 30日

    ウクライナ軍の破壊工作・潜入工作、大きな効果を発揮していますね。

    ウクライナとロシアは、旧ソ連圏であり、見た目や言語も非常に似ています。
    ロシアが、ウクライナ内部に大きく浸透していた・浸透しやすかったのは、文化的な背景もあります。

    逆を言えば、ウクライナが本格的に工作活動を行えば、ロシア国内も完全な無傷ではすまなくなってきてますね。
    簡易ドローンの効果の大きさ、ドローン対策の重要性が浮き彫りになったのが、ウクライナ戦争の戦訓でしょうか。

    52
    • 航空太郎
    • 2023年 8月 30日

    ロシア空軍の輸送機×4に被害を与えるとは、ドローンを用いた非対称戦の面目躍如といったところですね。
    実際のところ、ロシア軍が真面目に防空網を敷いていたとしても、夜の闇にまみれて低空飛行してくるドローンを発見、迎撃するというのはかなり難しいでしょう。
    メタルネットで機体を覆っても至近距離爆発されたら傷がつきそうなので、やはり安普請でも機体全体をきっちり覆う整備棟のような覆いを用意しないと、チープ・キルを防ぐのは無理じゃないかと思います。
    ウクライナ侵攻におけるロシア空軍の被害と言う意味では喜ばしい事態なんですけど、今後を考えると各国軍部は大慌てでしょう。

    58
    • 拓也さん
    • 2023年 8月 30日

    そういえばこの前クルスク州の飛行場が攻撃されてましたがあれはフェイクだったんですかね? 今回の攻撃はロシアメディアも発表しているのでこの損害は真実だと思いますが。 どちらにせよ明らかにロシア軍基地への無人機攻撃は増加して効果をあげていますね。

    7
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2023年 8月 30日

      該当記事に管理者さんが追記していますが、衛星写真で確認できる範囲では爆発痕などは見られないので、防空で撃墜されたかフェイクだったのでしょう
      今回のプスコフ基地もそうですが、大規模な火災が発生すれば現地住民が動画なり写真なりをSNSに投稿するので、そういった視覚的証拠が無いものは信じないほうがよいです

      24
        • 拓也さん
        • 2023年 8月 30日

        教えて下さりありがとうございます。両軍に言えることですがやはり明確な視覚的証拠が出るまでは安易に信じない方が得策ですね。

        6
    • 58式素人
    • 2023年 8月 30日

    エストニアが言いがかりをつけられないか、心配ですね。
    30kmなら、PPDSの射程内でしょう。
    もし、ロシアがエストニアに手を出せば、それは、
    意図的にNATOを引き込むためでしょうから、対応は要注意ですね。
    少なくも、言いがかりを基に、大手を振って総動員令を出すのでは。
    非常事態を宣言してしまえば、プーチン氏は、大統領選挙の結果を
    気にかける必要はなくなるのでしょうし。

    6
      • 58式素人
      • 2023年 9月 01日

      やっぱりと言うべきか。
      ロシアが因縁をつけて来そうな気配ですね。
      ここは、ロシア国内の反体制派に、
      犯行声明を出してもらうべきでは。
      ブダノフ少将は悪手を指したような気がします。

    •  
    • 2023年 8月 30日

    「航空機を守る掩体壕の必要性が浮き彫りになった。中東でコンクリート製の掩体壕が破壊された例を挙げて無意味だという主張もあるが、我々の航空機が晒されている脅威はトマホークではなく手榴弾を搭載した商用ドローンで、この攻撃は簡単なメタルネットでも防ぐことができる」

    半年以内にネットの取り付け、取り外しで機体が損傷するニュースが流れるだろう。

    16
    • class
    • 2023年 8月 30日

    (ドローンの魔の手からは絶対に逃れられない!)

    3
    • すっとこどっこい
    • 2023年 8月 30日

    >追記:プスコフ空港でTu-22も破壊されたという噂がある。
    Tu-22だと旧ソ連の空港のどこにでもあるようなガラクタ置き場にある
    ポンコツ展示機になりますが、この前破壊されたのは現役バリバリの
    Tu-22M3です。

    6
    • MTHMaker
    • 2023年 8月 30日

    見慣れない名前が出てきたので調べたらIl-76は輸送機なんですね。
    クリミアへの陸路封鎖が成った場合、頼みの綱は海路、空路となりますから、
    ロシアとしては直ちに戦況に影響は出ないからといって軽視は出来ない事態でしょうね。

    3
    • 例のアレ
    • 2023年 8月 30日

    334航空輸送連隊…
    不吉な名前だな…

    20
      • 田所
      • 2023年 8月 30日

      なんでや阪神関係ないやろ!

      8
      • くらうん
      • 2023年 8月 30日

      な阪関無

      4
    • ななし
    • 2023年 9月 01日

    プスコフ基地の衛星写真が公開されて、完全破壊された2機のIL-76と胴体にダメージを受けた2機の確認が取れました。
    Tu-22の方は破壊損傷共に確認が取れていません。誤報か衛星写真に写らない程度の損傷かのどちらかではないかと思われます。

    ともあれ高価な大型輸送機が何機も破壊されたのは、被害額でも輸送機のローテーション的にも地味に痛手でしょう。
    なおウクライナ軍は昨晩もプスコフ基地に再度の攻撃を仕掛けたようです。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  2. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  3. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
PAGE TOP