インド太平洋関連

新たに戦闘機調達予算を1,000億円以上計上した台湾、F-16V追加調達の可能性が浮上

台湾は来年度の国防予算として4,717億台湾ドル/約1.86兆円を投じる計画を議会に提出、この予算には新しい戦闘機を調達するための401億台湾ドルが含まれており注目を集めている。

参考:Taiwan eyes jet fighter buy amid modest hike in 2022 defence spending

台湾は200機以上の保有が確定しているF-16Vを追加調達?中国軍機の防空識別圏侵入増に対応するため?

台湾の内閣が提出した国防予算額は前年度比5.2%の伸び率を確保しているものの昨年の10%には及ばず、国防支出を最終的にGDP比3%台に引き上げるという目標も2.1%(2022年の予測値)に留まるため中国を含む複数の海外メディアは台湾の国防予算増加スピードは鈍化したと見ている。

但し、興味深いのは2022年の国防予算の中に新しい戦闘機を調達するため予算(401億台湾ドル/約1,580億円)を含まれている点だ。

台湾は新しい戦闘機の調達予算について詳細を明かしていないが調達中のF-16Vを追加調達するための資金ではないかと見られており、すでに200機以上のF-16Vを調達することが確定している台湾がどこまで同機を調達するのかに注目を集まっている。

出典:玄史生 / CC BY-SA 3.0 台湾空軍のF-16A/B

台湾は保有する145機のF-16A/BをF-16Vにアップグレード中で新造機66機の発注も終えているため最終的に211機のF-16Vを保有することが確定しており、仮に401億台湾ドルの予算でF-16Vの追加導入を行えば11機~12機程度の追加発注が可能(66機発注時の1機あたりの調達コストが約1.2億ドル)だ。

もしかすると中国軍機の防空識別圏侵入増(2020年のスクランブルは2,972回に対して8億8,649万ドル/約920億円もの費用がかかった)に対応するためF-16Vの運用に余裕をもたせる意味合いがあるのかもしれない。

因みにF-16Vをスクランブルに使用すると1時間あたり15万台湾ドル(約58万円)、国産戦闘機F-CK-1は22万台湾ドル(約85万円)の費用がかかると当時の国防部長官だった厳徳発氏が明かしている。

関連記事:中国軍機へのスクランブルに忙しい台湾空軍、F-16Vの運用コストは1時間あたり約58万円

 

※アイキャッチ画像の出典:Airwolfhound / CC BY-SA 2.0

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 8月 27日

    スクランブル2972回って日本の3倍以上か。運用コストが安いF16は最適だと思う。ただ実際の台湾有事で役立つのは多分、戦闘機ではなく対艦ミサイルだろうな。

    8
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      台湾軍は雄風IIという対艦ミサイルを保有しているが、中国軍はそれを叩いて上陸作戦を
      容易にするために短距離弾道弾(DF15改)を開発したと。

      4
        • 匿名
        • 2021年 8月 27日

        短距離弾道弾のみでは叩ききれないでしょう。
        残った雄風IIでパラパラとでも反撃してくれば中共としては厄介な存在となりますね。

        13
    • 匿名
    • 2021年 8月 27日

    流石に、アメリカは、台湾にF15EXやF35は売らないみたいだな

    13
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      あと10年は許可出んでしょ

      3
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      政治的な忖度と最前線に最新鋭機を置くリスクがあるから

      6
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      F-35はともかく台湾に金の掛かる大型の第四世代機をもう一機種増やすつもり無いでしょ。EXがVの3機以上の働き出来るなら考えるかもしれないけど。

      台湾がステルス欲しいならコスパ良さげなチェックメイト辺り買った方が良いんじゃないかと。

      5
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      それをするより台湾に米軍基地置いて自分たちで運用する可能性のほうがまだ高そうだな

      2
    • すえすえ
    • 2021年 8月 27日

    F-16は運用コストも安いし値段自体もある程度お手軽で実用品としてはいい機体だと思います。
    マルチロール機なのでスクランブル以外にも使えますし

    19
    • 匿名
    • 2021年 8月 27日

    高価なF-15やF-35よりは少しでも安いF-16を大量に所有している方が中国としてはいやでしょう。
    闘いは数がものを言いますからね。

    22
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      一昔前ならステルスセンサーノードとしてF-35の飛行隊もあるといいなって思ったけど、10年もすれば無人機で代替出来そうだしな
      F-35と同じく売ってくれるのかって問題はあるけど

      4
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      スクランブルさせての嫌がらせだけならそうかもしれんが、
      より示威的意味や、実戦的なことになってくると、F-16じゃ力不足よ
      どちらが良いというわけじゃない

      3
    • 匿名
    • 2021年 8月 27日

    F-CK-1よりF-16のほうが運用コスト低いんだなぁ。
    スクランブル対応で有限の資産である機体寿命が減っていく、逆に言えば敵対国家の識別圏に頻繁に侵入すれば平時から相手の空軍力を少しずつ削げるって視点最近になって重視されはじめたけど、台湾の場合はなおさら大変だろうな。幸い台湾経済は堅調だし、政治的に武器購入要件のゆるくなってる今買えるだけの資機材を買いだめしておいてほしい。

    13
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      チンクォ双発だからかな?
      チンクォの尾翼を2枚にして、斜めに倒せば偽スパホ出来そうだから、チンクォの後継も作って欲しいんだけど。

        • 匿名
        • 2021年 8月 27日

        台湾の国産戦闘機開発の話自体はあったけど、デザインとかはどこまで引き継ぐのかね。
        まずは毎度噂されるエンジンの国産化がどうなるかだなぁ。

        リンク

    • 匿名
    • 2021年 8月 27日

    台湾には悪いがw
    軍備を増強して出張ってくれれば自衛隊の負担が減る
    その間に自衛隊が防備をさらに強化すればいい
    台湾は日本のおかげで発展した部分もあるし
    親日とはいえ、中身は中国人だからあんまり信用してないシナw

    7
    • 匿名
    • 2021年 8月 27日

    台湾には日本の防波堤として頑張って貰いたいが、
    万一(というか高い確立で)台湾が中国の手に落ちた場合には
    それらの装備は日本に向けられる可能性があるから複雑。

    2
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      台湾は日本の防波堤ではなく、太平洋の防波堤なんですよ
      台湾が侵攻されるときは、ほとんど同時に(牽制の意味も込めて)
      沖縄その他も侵攻対象になります。下手をすると、韓国領まで。

      24
      • 匿名
      • 2021年 8月 27日

      台湾は日本と同じく第一列島線を構成する重要国の一つ
      土地面積こそ日本より狭いとは言え、対中防波堤という意味では日本と同等

      19
      • 匿名
      • 2021年 8月 28日

      台湾取られたら中国海軍が自由に太平洋に行ける
      潜水艦基地が近くにできてほしくないな
      そもそも台湾を取っても問題ないと判断する状況になったら、すでにダメなんだが

      4
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