インド太平洋関連

対中国戦略を刷新、オーストラリアが過去最大規模となる国防戦略の見直し

オーストラリアのアルバニージー首相は過去最大規模となる「国防戦略の見直しを指示した」と3日に発表、ハンター級フリゲートや次期歩兵戦闘車の調達にも影響を与える可能性がある。

参考:Government launches major ADF review
参考:Australia announces first review of military in a decade

オーストラリア軍の部隊構造や投資プロセスにもメスが入る国防戦略の見直し

2012年に見直されたオーストラリアの国防戦略は「急速な中国軍の台頭」や「台湾海峡の軍事的対立」をカバーしておらず、アルバニージー首相は2023年3月までに国防戦略(2023年~2033年)の大幅な見直しを指示、今回の見直しは史上最大規模になると豪メディアは報じている。

出典:Australian Army / CPL Sagi Biderman

具体的に何をどうするのかなどは今のところ不明だが、豪メディアは「オーストラリア軍の部隊構造や投資プロセスにもメスが入る」と報じており、高額なコスト(ウクライナ侵攻によるインフレ加速)が問題視されているハンター級フリゲート調達プログラムや次期歩兵戦闘車調達プログラムに影響を与える恐れもあるため、オーストラリア軍は装備調達が数年遅れる=計画の再考を求められるかもしれない。

ただ見直し期限に設定された「2023年3月」はAUKUSの枠組み内で進められている原潜取得の結果発表(米国と英国のどちらから原子力潜水艦の導入するのか、いつ頃に取得できるのかなど)と一致するため、原潜取得を白紙化することだけはないと見られているが、コリンズ級潜水艦→原潜というスケジュールで行くのか、コリンズ級潜水艦→暫定的な通常動力型潜水艦→原潜という緩やかなスケジュールで行くのかという問題もあるので国防戦略の見直し結果には注目が集まるだろう。

関連記事:豪州が詳細な原潜調達計画を2023年に発表、暫定的な潜水艦導入の是非も
関連記事:資金不足? 豪陸軍が次期歩兵戦闘車の調達数削減を300輌に削減か
関連記事:豪海軍のハンター級フリゲートは海に浮かんだとたん時代遅れになる

 

※アイキャッチ画像の出典:Royal Australian Navy

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コメント

    • hogehoge
    • 2022年 8月 03日

    純粋に繋なら、おやしお型を日本に打診すべきだよなぁ。時間的にもコスト的にも。
    原潜にしたって全部ではなく、必要な数に留めて通常動力型とミックス運用すべきだろうし、
    その場合、そうりゅう型やたいげい型ならおやしお型から転換もし易いだろうし。

    16
    • samo
    • 2022年 8月 03日

    仮に通常動力潜水艦を導入するとなったら、日本は全力で行ったほうがいい。
    もう10年前とは、状況が何もかも違う

    16
      • ポン
      • 2022年 8月 03日

      現地生産が大きすぎるネックレスになりそう…

      19
        • A
        • 2022年 8月 03日

        中継ぎの物にあまりお金をかけないのではないだろうか。
        つまり買ってきて使うんじゃないかなと。
        とはいえその点で揉めに揉めたからわからんけどね。

        10
        • さめ
        • 2022年 8月 03日

        現地生産や技術移転を渋るんなら防衛装備品が売れると期待しないほうがいい
        とはいえ、オーストラリアの潜在的な需要(本命の原潜導入までのギャップ埋め)と日本が提供しうるソリューション(現行潜水艦の譲渡ないしはリース)を考えると、オーストラリアが現地生産に拘るとは思わないな
        原潜導入するのに一時的に利活用するかもしれない通常動力潜水艦の技術を大金かけて移転してもらおう、とはならんだろう
        知らんけど

        13
          • 千葉の猫
          • 2022年 8月 04日

          >オーストラリアが現地生産に拘るとは思えないって
          AUKUSからはじまった原潜論議ですらアタック級の現地生産比率を厳守って騒いでいたのが現地の現状なので
          絶対に政治的な話になるだろうよ
          日本産通常潜水艦の導入案もそれだけではないにせよ現地生産するしないが元で競争入札案になったわけなのでな

          4
        • だいだーら
        • 2022年 8月 03日

        もう豪州には自国建造を諦めてもらう他ない、あまりにも時間が足りない
        一番の近道は米国の中古原潜貸与くらいか・・・

        18
      • けい2020
      • 2022年 8月 03日

      日本の退役したのを小アップデートで完全輸入ならありかな

      日本で新規製造を輸入:日本もそんな余裕はまったくない
      オーストラリアで建造:基礎基盤からになって最短15年コース

      じゃあ日本以外ならって事でも同じよ
      輸入ってなっても、数隻を10年以内に建造出来る建造余裕のある国も無いし、
      現地生産なら基本的な造船基盤からはやはり変わらない

      他を全部考えないでドックだけで考えれば、製造余裕が無くなりそうなロシアぐらいかな

      13
        • samo
        • 2022年 8月 03日

        いえ、個人的には日本の潜水艦更新を一部遅らせてでも提供することも視野に入れるべきかと。
        幸い、日本の潜水艦定数の増勢が完了しましたので可能なはず。

        ウクライナ戦争、台湾有事の可能性の急激な上昇、
        オーストラリアに最新の戦力を与えて訓練をしてもらわなければ、戦力として期待が持てなくなってくる。
        型遅れの兵器で良いとする段階はとうに過ぎ去っていると考えますね

        1
          • けい2020
          • 2022年 8月 04日

          潜水艦の増勢って、造船ペースが上がったわけでなく、たしか退役を伸ばしただけでは?

          というか、潜水艦造船ドックって2社で2個だけで、交互造船してるけど空きが出てなかったような記憶が
          1隻ぐらいなら可能性あるけど、何隻もとか日本の潜水艦戦力大幅低下と引き換えになるのでは?

          そこまでオーストラリアの潜水艦戦力に優先度も重要度も皆無ですよ

          2
            • samo
            • 2022年 8月 04日

            いやいやいや
            オーストラリアにはバシー海峡以南の警戒をやってもらわなければなりません。
            海自潜水艦が即応的に展開できるのはせいぜいバシー海峡までなので、そこ以南を中国海軍の迂回され、太平洋に出られると挟撃を受けるリスクが大変高いです。
            東南アジア諸国の海軍がアテにならない以上、唯一アテにできるのはオーストラリアだけですが、
            長駆展開の負担を強いる以上、おやしお型の航続距離(特に潜水時)では不足することは明白です

    • ナニガシ
    • 2022年 8月 03日

    コリンズ級を魔改造。
    たぶん、潜水艦なし、の期間を容認すると思う。
    アメリカの潜水艦に寄港してもらうとか。

    3
    • みくす
    • 2022年 8月 03日

    AUKUSか・・・黄色の日本ハブりアングロサクソンによる世界戦争と制覇の意図丸出しだからな。
    元オーストラリア首相はここ数年「避けられる戦争(意訳:欧米ルールという名の命令に従えば避けられる)」の著書を各国シンクタンクで布教して米中戦争の心理ハードル下げる事に勤しんでるし。
    オーストラリアはヤる気だな。

    2
    • あばばばば
    • 2022年 8月 03日

    オーストラリアが北東アジアの事件に関わろうとするならば、グアムや佐世保に駐留する必要があるのでは?
    そうなると陸上部隊の装備更新が二の次に、空軍、海軍の装備更新が優先されそうだけど

    2
    • 無無
    • 2022年 8月 03日

    単純に保守派は軍拡で民主派は軍縮だの、日本的な感覚で他国を眺めているとぜんぜん勘違いする
    アメリカもオーストラリアも、党派に関わりなく軍縮という選択はあり得ない状況です、みな現実的ですから。
    この国は経済的沈降が問題になってるけど、それ以前から先に政治が死んでるのではないかと思える
    、だからカルトとか入り込むんだよ

    18
    • パラベラム
    • 2022年 8月 03日

    今更ですがオーストラリアは台湾有事の際にどの程度且つどうやって戦うんですかね。

    1
    • トブルク
    • 2022年 8月 03日

    アスチュート級原子力潜水艦を例にすると、1番艦の建造期間は10年7ヶ月、1番艦就役から8番艦就役までは14年の予定。
    オーストラリア原潜を同じステジュールで建造するとしたら、2030年起工で1番艦就役は2040年で、8番艦就役は2054年。
    つなぎの通常型潜水艦をオーストラリア国内で2030年までに建造するのは不可能で、つなぎの艦と原潜を並行して建造するのも建造能力的に論外だろう。
    普通に考えて、コリンズ級6隻から原潜8隻体制につなぐ通常型潜水艦は、海外から調達するしかないよね。
    つなぎの潜水艦は2040年から2050年前まで現役と考えると、新規建造だと艦齢20年未満で原潜に更新になるのでもったいない。
    中古だと、コリンズ級6番艦は2050年で艦齢47年、おやしお型最終艦は42年で、大差はないです。
    信頼性や運用実績ならおやしお型の方が上でしょうが、オーストラリアが重視する対地攻撃能力などは大差ないわけで、コリンズ級が運用不能なほどのトラブルを抱えていない限り、おやしお型導入はないんじゃないですかね。
    この問題、本当に難しいですね。

    3
    • 58式素人
    • 2022年 8月 03日

    コリンズ級1番艦は、今年で艦歴26年です。
    艦歴31年で退役とすれば、1〜3番艦は余命10年未満で、
    改修する価値はおそらくありません。
    残りの3隻はおそらく改修を行い、10数年現役を続けると思います。
    そうすると、現行の6隻体制を守るならば、10数年使える通常潜を
    3隻くらい中古購入はあり得るかなと思います。
    そして10数年のうちに原潜を3隻くらい調達すれば勘定は合うのかな。
    1〜3番艦はVLSとか特殊部隊運用エリアとかの挿入実験などで
    こき使うかなと思います。
    よその国の事情に口を挟めば、コリンズ級は、ASCで全て面倒を
    見させるのが良いのかなと思います。改修も。解体まで。
    中古の通常潜と原潜は新たな建造所(海軍工廠?)で扱えば良いのかな。

    2
      • 戦略眼
      • 2022年 8月 03日

      そういう時こそお任せな国が!

      1
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