ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、米国が発表した17番目の支援パッケージに感謝の意を示し「我が国でHIMARSという言葉は『正義』という言葉と同義になっている」と述べた。
参考:Зеленский: У РФ по-прежнему преимущество в живой силе и артиллерии, но мы делаем все возможное
ウクライナ軍兵士はピスキーのことを「挽き肉地獄だ」と表現して「大砲の支援を訴えている」という話が報告されている
米国が1日に発表した17番目のウクライナ支援パッケージは「装備提供」ではなく「弾薬提供=HIMARS向け弾薬と155mm砲弾×75,000発など」に重きを置いた支援である可能性が高く、レズニコフ国防相は支援発表を受けて「我々の砲兵は夜を昼に変える準備が出来ている」と明かしたが、ゼレンスキー大統領も感謝の意を示し「我が国でHIMARSという言葉は『正義』という言葉と同義になっており、この効果的なシステムを使用して敵に手痛い損失を毎週与えるよう最大限の努力を行なっている」と述べた。

出典:Генеральний штаб ЗСУ
ただゼレンスキー大統領は「ロシア軍の兵力や砲兵の優位性を完全に崩すに至っておらず、特にドンバスのアウディーイウカやピスキーを巡る戦いで戦力不足を痛感しており、当該地域の戦いはまさに地獄の様相だ。この状況を改善するためウクライナの外交官は可能なことも不可能なことも全てやっている」と明かしている。
つまり不均衡だった両軍の火力投射比がHIMARSやM270MLRSの投入で劇的に改善したものの「均衡した状況を崩すには戦力不足=まだ重装備の量が足りない」という意味で、別のウクライナ軍関係者は「膠着した状態のまま冬が来れば一時的に占領された地域を奪還するのが困難になる。8月~9月にかけて本格的な反攻に出られるかが今後の行方を左右するだろう」と述べており、ロシア軍の前進を阻止する段階から「押し返す段階」へ移行できるかがポイントになるのだろう。
因みにゼレンスキー大統領が言及したピスキーの戦いについては興味深い言及がある。
ロシア軍は航空戦力や砲兵部隊の圧倒的な火力でピスキーを破壊し続けているが、ここ防衛するウクライナ軍部隊には82mmと120mmの迫撃砲が1門づつしかなく、ロシア軍は郊外の防衛ラインを突破して街に侵入して始めており、ウクライナ軍兵士はピスキーのことを「挽き肉地獄だ」と表現して「大砲の支援を訴えている」という話が報告されている。
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※アイキャッチ画像の出典:President Of Ukraine
まさに大正義HIMARSか
「挽き肉地獄」か。
「ポークチョップ·ヒル」や「ハンバーガー·ヒル」とかと同様に直接的な表現だけど、戦況改善が無理なら戦線整理は検討できないのだろうか。
最後の一兵まで死守するよりも、戦力温存した方が総反攻に利すると思うけど、引くに引けない場所なのか?
アウディーイフカが要塞化されているらしいので守り抜きたいのでしょう。
そこでロシア軍はピスキーを落として囲んで叩こうとしてるのでしょう。
撤退したらロシアの東部攻勢を止めれないと思ってるのでしょう。
ジャスティス・ハイマースって言うとなんだかアメコミヒーロー感出てくるな
占領された都市の奪還には、機甲戦力が必要不可欠。
ポーランド等からのT-72系列の戦車の追加の目処が立ちつつあるので、これの提供状況が大きく影響しそう
T-72M1に加えてPT-91まで供与だもんなぁ。
それは 韓国の支援がどれだけ迅速に行われるかが大きく影響しますね
EuとNATOの体たらくときたら
ウクライナが戦えるかどうかは完全に米頼みですね。
台湾で中国が軍事侵攻すれば、二面作戦になってかなりきついから、中国はそれを狙ったりしないのか
NATOと言ってしまうとポーランドやチェコといった国々も含まれるので一括りに呼ばない方がいいかと。
アメリカもそれを警戒して対中戦で出番の少なそうな装備提供をしていると思います。
ただ中国は今、不動産バブル崩壊やゼロコロナ政策でてんやわんやの真っ最中なので、中国統一という物語によって国内問題から国民の目をそらすのはもう少し後の段階になると個人的には思っています。
どうもゼレンスキー大統領やウ国軍の上級幹部は兵士たちを心底信じていないのではないか?初めから全ての領土に死守命令を出して無駄な死傷者を出していることを考えると、ロシアや中国の兵隊は畑になるので只で殺して構わないと同様の考え方をしているのではなかろうか?朝鮮戦争でもマッカサー元帥は米軍に敵が追尾できないほどの速度で撤退させ、無理な防御戦闘はせず自軍の死傷者を最低限に抑え、後の攻勢に繋げている。このような戦闘ができるのも自軍の兵士に絶対的な信頼があってこそ大幅な撤退作戦を将軍が指揮できる。
今正にウクライナでの戦争は第二次大戦での南部戦線における、伍長殿ヒトラーとマンシュタイン元帥の作戦指導の差と考えて頂ければ、どちらが優れた作戦か分かるだろう。
今のところ無茶な死守命令ってそんなにポンポンでてたっけ?
戦争は相手あってのことだし全体と個々の部隊としては最適な行動が異なる事は多々ある話なので
小規模な部隊を犠牲にする事でより大規模な部隊を生かすといったことは普通にあるのでは
それに東部の戦闘では撤退がなされた実績あるんだし南部方面でも包囲されて撤退は無理でも降伏をあらかじめ許されてたアゾフスターリ製鉄所の例もあるんだ
ちょっと無茶な言いがかりに近いものを感じますな