アラブ首長国連邦を訪問中の尹大統領は防衛産業協力を大幅に強化することで合意、さらに「韓国航空宇宙産業とUAEが多目的輸送機の共同開発に関するMOUにも署名した」と報じられており、MC-Xの開発にUAEが参加する可能性が出てきた。
参考:S. Korea, UAE agree to forge strategic defense industry cooperation
中東諸国の軍用輸送機需要に韓国がMC-Xで割り込む格好、非常に興味深い動きだ
尹大統領のアラブ首長国連邦訪問に合わせて韓国の防衛事業庁とUAEのタワズン評議会が「戦略的防衛産業協力」に関するMOUに署名、この協定は両国の武器調達機関の実質的な関係強化に繋がる内容で、韓国側は「防空システム、精密誘導兵器システム、航空兵器システムの輸出拡大に寄与することが期待される」と述べており、UAE側は韓国が開発中のミサイル防衛システム「L-SAM」に関心を示しているらしく、今回の訪問にはL-SAMの開発企業「LIG Nex1」のキム最高経営責任者も同行している。
さらにUAEは韓国から多連装ロケットシステム「K239 Chunmoo」を導入済みで、昨年末にChunmooで運用可能な地対地ミサイル「KTSSM-II(600mm弾道ミサイル/射程290km)」の試射にも参加しているため、UAEはKTSSM-IIの調達にも関心を寄せている可能性が高いと思われるが、両国は多目的輸送機の共同開発に関するMOUにも署名したと報じられているためMC-X開発にUAEが参加する可能性も浮上してきた。
韓国航空宇宙産業が開発を進めているMC-X(以前はKC-Xと呼ばれていた)は全長40.3m、全幅40.1m、全高13.5m、最大離陸重量92トン、最大積載量30トン、ターボファンエンジン(30,000ポンド)×2基搭載、最高速度M0.75、航続距離7,000km以上、空中給油対応、自動貨物搭載システムや自己防衛防衛システムを搭載した双発の軍用輸送機で、川崎のC-2とエンブラエルのC-390/KC-390の中間に相当する。
総開発費用は3兆ウォン=約3,000億円、国内需要100機(空軍向けの輸送機40機+空軍/海軍/海洋警察向けの特殊任務機や哨戒機60機)+海外需要100機以上(世界の輸送機シェア約15%を獲得した場合の数値)、1機あたりの調達コストは900億ウォン=約92億円以内に収める予定で「2033年頃に空軍向けMC-Xの量産を開始する」とKAIは説明していたが、UAEを開発に参加させることで海外需要の確保を狙っているのだろう。
中東諸国の軍用輸送機需要はロッキード・マーティンがC-130Jを、BAEと手を組んだエンブラエルがC-390を売り込み中で、ここにMC-Xで韓国が割り込んでくるとなると面白い競争に発展するかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:KAI MC-X
あーあC-2の潜在的な顧客だったのに・・・
官民挙げての無気力っぷりだからどうしようもない
良く解からんのやけど
売り込みに失敗した原因を官民双方で検証して次に活かしてくれれば良いですよ。。。
えっ?次の機会が無い?そっかぁ(´・ω・`)
C2の海外販売は量産終了して高コスト化しているエンジンの変更しなきゃ無理ですね。
というか今後の国内調達分もKC46で採用しているPW4062辺りに何故に切り替えないのか意味不明です。
売り込みしたくて不整地走行の試験やるぐらいならそっちやれよと。
まぁ国内需要100機とかいう皮算用してる韓国のこれも予定以上の高コスト化しそうなので、C130JやC390には賄賂による政治的都合でも発生しないと無理だと思いますが。
役人に商いは無理だろ、基本事務仕事ロボットでしょ
エンジン換装はかなりの金がかかります、誰がそれを負担するかって事です
それからCF6系エンジンは一部モデルが生産終了なだけでCF6-80C2エンジンは
まだ生産が続く筈です、それにCF6系エンジンは世界的なベストセラーエンジン
ですから、補用パーツの供給でも当面の不安はありません、そう販売隘路になるとは
思えませんが
ただ後継のGEnxなんかに換装して性能向上させてみたいって夢はみたりはします
>まだ生産が続くはず
ですからCF6-80C2は量産が終了して、C2出荷分についてはメーカーに特注している状態です。
C2の価格が165億円だったのが来年度は遂に248億円程となり、1機80億円も上昇していますが、これの理由の大半は特注エンジンのコスト上昇です、
調達価格は内訳こそ非公表ですが軽く1基50-60億円とかもありそうなので、下手したら世界一高額な航空機エンジンじゃないかと。
確かに嘗てのベストセラーで現在も多くが飛行していますが旧式で、こんなのをわざわざ新規取得しているのはC2以外でないでしょう。
C-2搭載CF6-80C2K1Fの調達単価は、2011年度;8.2億円余、2019年度;18億円余、と約2.2倍になってます。機体1機当たりに占めるエンジン調達費は8年で約20億円増加した計算になり、機体調達費増はエンジン単価の占める割合が大です。
おっしゃる通りで補用部品入手に当面問題ないはずですが、C-2が搭載するCF6-80C2はナセルやスラストリバーサーを含むユニット調達で、現在C-2専用といって良い状況なのが価格上昇の主な要因ではないかと。
財務省はC-2の優位性を認めつつこの点を問題視し、エンジン換装どころかコスパに優れた代替機導入検討をうながす意見具申まで行っていました。
自衛隊装備残余分(向こう10年では9機;防衛力整備計画)で何らかの調達コスト低減策(事前の一括調達とか)は必要かもです。海外からの受注努力を続けるに当たりコストが問題になるなら、搭載エンジンの見直しは必然になると思います。
UAEはC-2の話が出たときC-17を6機持っててC-130も運用してるのに高価なC-2必要なのか?って思ってたけど、韓国のこの話にも食いついてるところを見ると中型クラスも欲しいんだな。
いつも通りの”丁寧な無視” で良いのでは。
飛行機には詳しくないのですが。
エンブラルは、C-390の開発にあたりボーイングの手を借りています。
今度の機体も誰かの協力が必要でしょう。
L/Mは無理でしょうから、エアバス社に押しつけましょう。
一番好ましくないのは、川崎重工に協力を求めることと思います。
川崎重工は、飛行機以外にも色々と持っていますから、心配です。
ある意味、薩摩守を狙っているような気もします。
でも、今度はお金のありそうな相手で良かったですね。
インドネシアのような目に遭わないと良いですね。
日本は、もしUAEの仲介があっても、手を突っ込まない方が良いと思います。
部品の供給も他所に任せましょう。何せ、競争相手なのですから。
丁寧な無視とは。
既にUAEにはC-2の売り込みかけてます。
売り込んでおきながら無視すべきっていうのは滅茶苦茶ダサいっす…
何かあったら助けてっ言ってくるだろうから今回も「丁寧に無視」」って言ってるんじゃないかと。
今の韓国にはその心配はないのかもね?
防衛装備に関して日本が国際共同の研究・開発を行うには、対象国政府と二国間防衛装備・技術移転協定を締約することが現在の必須条件になってますし、今のところ方針変更の議論はありません。韓国政府と締約に向けて協議しているという話は聞きませんね。
企業が勝手に防衛装備国際共同開発に参加したり応札したりも出来ませんので、当面MC-XにMHIやKHIが参加する心配は無用です。
大型機開発の経験が無い韓国にとってMC-Xのハードルは決して低くありません。スケジュール通りに完成させたいなら実績ある海外企業の協力を求めることになるだろうとは思います。
韓国は海外市場へ売り込みを目指してるでしょうから、法整備が進まず武器輸出のハードルが高い日本の企業に助力は求めないと思われます
共同開発企業の輸出許可に阻まれ契約に躓く経験は重々身に沁みてるでしょうし…
韓国型輸送機計画の話まだ続いてたんですね。日本が取り逃したUAEとの協力がまとまれば輸出における一助にはなるかもしれませんが、前も触れましたけどKAI側の需要見通しは誇大計上もいいところなので、予定生産数を額面どおりに受け取らない方がいいような…。
現状の韓国軍の(ビジネスジェットみたいなのも含めた)全部の輸送機併せても100には半分も達しないし、海洋警察の捜索機まで戦術輸送機で置き換えさせる前提ってどうみても無理があります。そもそもKAIはこれと別に韓国型対潜哨戒機の計画も持っていて、そっちでは海軍や海洋警察に哨戒機の需要があると見込んでいるので部局内ですらバッティングしています。KAIの事業の進め方は僕は凄いと思うけど、さすがにこの計画はケンチャナヨすぎますし、開発費の回収すら相当時間がかかるのでは。
じゃあこの計画自体が見栄だけで出来ているかというとそうでもなくて、韓国もかつての日本と同じ問題に直面した結果なんだろうと思います。米国の輸送機を買おうとするとC-130より上がいきなりC-17になってしまうんですよね。C-17は高性能だけど高規格な滑走路と相応の運用コストがかかります。日本はC-17の導入を検討する過程で対応滑走路が少ないことと大きすぎて軽荷で飛ばした場合のコスパが悪い事を踏まえて国産化を選択しました。エアバスA400Mも同じクラス帯を狙って投入されています。そういう訳でこのクラス帯には既に競合が居ますが、韓国軍のC-130置換え需要だけでも30程度は需要が見込め、かつエアバスにも川崎にもKAIが市場優位性を持つと判断した上での参入という判断なのは理解できます。日本がやってるみたいに電子戦やなんかのサブタイプの開発母体としても大きい飛行機を一つラインナップに持っておく利点はありますからね。ただ、国内外で総生産数200とかいう数字を宣伝以外の行政レビューなんかでも使っていたのであれば、後年きついお叱りが発生するだろうなと。
実機がこうはならんだろうけど、ペイントかわいいよな。
ちょこんとだけついてるウイングレットも、寝ぐせみたいでかわいいなと思う。
シャチ可愛いね
…獰猛な肉食獣だけど
韓国の航空機は軽戦闘機とはいえ売れてんのに日本はダメダメ。なんなのマジで
我々は落ちぶれ、弱者と見なされたのかもね。
また頑張ろうよ。
孫の世代が花開くように。
そもそも日本の航空機は輸出前提で作ってないのでそれ言われましても…C2ならまだしもF2のような対艦攻撃能力全振りみたいな機体を買う国はおらんんでしょう。次開発するやつは輸出してほしいですけどね。
死の商人になるのがそんなに羨ましい?利益偏重の武器輸出にはリスクが伴うよ。
武器輸出を死の商人呼ばわりはもう時代遅れですよ。
いやいや“時代”とかじゃないから(笑)。武器輸出には「戦略思想」が必要であって「国内産業のため」とか「韓国に勝ちたい」とか薄っぺらい理由で進めちゃいけないのです。武器輸出は相手国の武器体系に触れることであり、その地域の情勢に関わることでもあります。例えば東南アジアにおいて中国製武器が萬栄している所に日本製の武器を売ることは戦略的に意味があります。一方、中東において日本は中立的な立ち位置ですから、安易に特定国に肩入れするとその敵対国からとばっちりを受けるかもしれません。技術流出の恐れもありますしね。
「死の商人」の正確な意味は敵対し合う勢力の双方に武器を無節操に売る人のことです。まずそれを指摘できないうちは武器輸出を語るべきじゃありません。
敵対国からのとばっちりだとか技術流出だとか他国との外交やイメージとかそういう乗り越えるべきハードルから逃げてきた結果、東南アジアにおける中国製武器の拡大に対抗する手段を持たず、国内防衛産業の維持すら難しい現状を招いたんでしょう。
優先順位を判断出来ず、小さな問題を課題評価し大きな問題を過小評価する人間が戦略を語るべきではありません。
それに
追記
それに死の商人の本来の意味などみんな分かってるんですよ。
で、韓国は今紛争当事国双方に武器をばら撒いて紛争を激化させるようなことをしてますか?違いますよね。
そういった武器輸出は全て死の商人呼ばわりするかのようなあなたの言い方を時代遅れだと言っているんです。
日本は、C2なんか作らずに、C130とC27輸入+ライセンスで行い、自主開発航空機はF3に心血注いぐ位の方が良いと思ったわ。
C2は空挺部隊からはでかすぎで使いにくいと評判だし、有事にMCVや、19HSPを運ぶ程数も余裕も無い、作ってみよう!的な感じの装備品開発は結局現場が痛い目みる。
F-3の開発する技術者を維持するためにP-1やC-2を創ったんだぞ。
順序が逆だ
いや、いっそのことF3開発も中止して無人戦闘機に力を注ぐべきでは?ウクライナを見ればわかるように今や戦争のの中心は無人機になりつつある。F-2後継機にはベース機の発展形であるF-16Vにすればいい。CSISのレポートにもあったでしょ「高価なステルス戦闘機と安価な非ステルス戦闘機のバランスを取るべし」って。
無人戦闘機が有人戦闘機に取って代わっている戦場はまだありません。
F-16Vも費用対効果を考えると今や決して安い戦闘機ではなく、無駄にしかならないでしょうね。
それにもはや日本の軍事的な都合だけで取りやめられる状況ではないです。
C-2に不整地離着陸試験をさせといて、そりゃないでUAEはんッとしか言えんわ。
ソース不明やけどUAEが開発に32億ドル突っ込むっちゅう話もあるんやて。
相変わらず夜郎自大な事を書いたはるお人もいはんねんけど、航空機技術でKAIが頼るとしたら付き合いの長いロッキードになるんやと思うんですわ。 現時点で米空軍はC-17とC-130の間を埋める輸送機は計画してないんですけど、突然に必要になったらロッキードはC-2・A-400やのうてMC-Xをパートナーに選ぶ可能性もありまんな。(まあ、自社開発するでしょうけど)
まあ販売予想は、全く売れる予定が無いんやけど作りたいんですわっみたいに正直に言うてまうと誰も開発費を出してくれないんで、そこはふかさんと始まらんのですわ。
そりゃ、まるまま購入するより自国産業も関われる方を選ぶでしょう。
近いクラスの他機と比べてやたらデカく上を向いた風防、何故か下方に突き出した主脚バルジ(動画の00:20過ぎ参照)、後からどうとでもなるウィングレットなんかをこんな段階で誇らしげに付けてる割にフラップトラックフェアリングの様な外見ですぐ分かる低速用の揚力補助装置向けの機構は見当たらない。
最初の「初期型はターボプロップ、後からターボファンの後期型を開発する」トンデモ案やその次のクッソ小さいターボファン双発案よりはナンボかマシになったとはいえ、どうにもあちこち歪なんだよなぁ。