防衛省は軽装甲機動車の後継車輌について「デモンストレーションを行うため今年度中にハーケイとイーグルを調達する予定で、この結果に基づいて採用車種を選定する」とジェーンズに明かした。
参考:Japan to procure Hawkei, Eagle light vehicles for trials
開発国と導入国の間で「得られる利益を分け合う」という考え方も存在する
防衛装備庁は2022年3月、軽装甲機動車(LAV/小松製作所)の後継車輌を調達するため三菱重工業や丸紅エアロスペースと契約、三菱重工業はタレス・オーストラリア製のハーケイを、丸紅エアロスペースはGDLS製(旧モワク製)のイーグルを提案していると噂されていたが、防衛省はジェーンズに対し「デモンストレーションを行うため今年度中にハーケイとイーグルを調達する予定で、この結果に基づいて採用車種を選定する」と明かした。
更新対象となる軽装甲機動車の数は約2,000輌で、防衛省は「まだ後継車輌の調達数は検討中で、選定作業や契約の締結時期は確定していない」と述べている。
この手の保護車輌は小口径火器の攻撃に加え、地雷やIEDなどに対する保護能力が要求されるようになったため大型化しており、豪陸軍の要求要件を満たすため開発されたハーケイも、スイス陸軍の要求要件を満たすため開発されたイーグルも車輌重量は7トン以上(総重量は10トン超え)で、ハーケイは防弾性能と耐爆能力が共にSTANAG 4569 Level1以上、イーグルは防弾性能がSTANAG 4569 Level2、耐爆能力がSTANAG 4569 Level2以上と言われているが、顧客のニーズに合わせてスペックは調整されるため大きな差はない。
設計自体はハーケイ(豪陸軍が1,100輌調達予定)の方が新しいものの、イーグルはスイス陸軍を含む計5ヶ国で採用されており、どちらもRCWS、グレネードランチャー、対戦車ミサイル、携帯式防空ミサイル、各種センサー、電子戦機器などを必要に応じて取り付けることができ、両者とも陸自の要求要件を大きく外していないなら「提示する条件勝負=取得コストや現地生産(日本が望んでいるのかは不明)」になるのだろう。
因みに、この手の装備調達で「よくある話=海外の事例」は採用国が導入の見返りを求める点だ。
例えばコンポーネントの一部に採用国のものを統合、今後の海外輸出でオプションとして顧客に提示したり、派生型の開発に導入国を招待したり、海外輸出や独自の派生型を開発できる権利を与えることは珍しくなく、開発国と導入国の間で「得られる利益を分け合う」という考え方も存在する。
勿論、導入規模によって条件も変わるが、仮に1,000輌以上の調達を行うなら日本製コンポーネント採用、オプションのラインナップに日本製電子戦装置の追加などを要求しても不思議ではない。
関連記事:トルコメディア、自衛隊の軽装甲機動車(LAV)後継候補にトルコ製装甲車両が選ばれる
※アイキャッチ画像の出典:Thales Australia
米からのFMS調達は仕方ないにしても、他の調達については上手く立ち回ってほしいですねー
印度へのユニコーン輸出も話が進展し始めたみたいだし、ガンガン貪欲に行ってほしい
そう言えば、陸自の20式小銃も弾倉がマグプル製のPMAGで、二脚付きフォアグリップはB&T、グレネードランチャーはベレッタ GLX160で、更にシュアファイア M300Cスカウトライトが採用される等、陸自もすっかり外国製品に対する抵抗感が無くなって来た印象が有りますね
LAVの後継車もまとまった数が調達されると思いますから、国内メーカーとのライセンス生産だけで無く何らかの協業体制が整えられてもおかしくなさそうです
個人的にはハーケイの方がかっこいいから好きだな
もちろん自衛隊が採用する時はかっこよさではなくて性能や契約時のオプションなどで選ぶんでしょうけど。
軽走行機動車より重量倍以上かぁ…チヌークで輸送できる範囲狭まりそうだな
まーPKOは固定翼つかうし、国内が主な戦場だから特に問題無いでしょ。
通常の運用を考えるなら右ハンドルのハーケイが有利なような気がしますが
軽装甲機動車の時もフロントガラスを中央で仕切るのは視界が良くなくて不評だったような。
イーグルにするならライセンス生産と右ハンドル仕様を認めて貰うようにして欲しいですね。
輸送防護車にブッシュマスターを選定した時は全幅が2.5m以下で公道走行時の許可申請が不要、かつ右ハンドルで日本での運用において改造が少なく済むという点が評価されました。
全幅の問題は両車ともにクリアしているのでフロントウィンドの視界問題を加味するとイーグルが有利そうです。またイーグルⅣはエンジンが日本でも産業用エンジンとして広く普及しているカミンズ製であり、カミンズは軽装甲機動車の製造元である小松製作所とも技術提携するなど関係が深い点も有利だと思います。
ただ陸上自衛隊は移動時に高速道路を利用することが少なくないので高速走行を考慮すると最高速度が130㎞でトランスミッションもZF製の8速ATを搭載するハーケイが有利そうな感じもします。
フロントガラスの中間支柱の件は公道走行時の(乗用車等と比較しての)視界への不満かと。LAVが改修もされず調達され続けたので致命的問題ではない(優先順位が下位)と思われます。
いずれ調達は内装や搭載機器類が陸自仕様になるはずで、輸入でも発注単位で注文に応じるでしょう。
AMVの採用規模は96式よりかなり多いって話ですし、陸自の編成自体も大きく変わっているのでこの種の車両の役割も同様なんでしょうね。LAVといえば陸自普通科の顔みたいな車でしたが、装甲車両としては耐小銃弾相当の装甲が要所に入ってるだけの4×4ですからね。そういう意味では次期軽装甲機動車は車格ごと上げて重装甲化してAMVと併用し、戦闘以外の部分は引き続き73式小型や高機動車を入れていくという明確な使い分けが出来る感じなんでしょうね。装甲車に装甲がないので乗員にボディーアーマー重ね着させるなんて話はあらゆる意味で良くないですよね。
96式を全部AMVで更新したら、ポーランドの次にAMVを保有してる国が日本になるんですよね
AMVを採用してる国は多いけど、多く保有してる国は意外に少なかったりします
日本の本州、四国、九州の農村は水田という名の湿地帯なので、道の上しか走れないし、農村部の道はとにかく狭いところが多くて、幅が2.3mもあると運用が大変だと思う。
LAVぐらいの小さいサイズも必要じゃないかと。
同感。山間部や島嶼部も道が狭い。軽自動車並みのサイズで3人乗り(または2人タンデム乗り)くらいに絞った小型車種が日本には必要だと思う。もちろん4駆で小銃弾防護可能なもの。
ヘリで複数台を一気に輸送できると更にいいのにね。
ニッチすぎでは?
班・少人数分隊としての形を保てる5人乗り程度の車両の方が使い勝手が良いと思う。
少数配備するために専用に1から開発なんかしてたら単価高くなるし。
イーグルは幅2.16mだし、致命的に不便だとは思えない。
本当に狭い場所では下車すればいい話。
軽トラに鉄板貼っとこう
エンジン800ccにすりゃ何とかなりそう
個人的にはケッテンクラートの軽装甲板付きみたいなサイズのがあれば便利だと思う。あれは前輪バイクで後ろはキャタピラだけど。人力で対戦車ミサイルとか運ぶのしんど過ぎだと思う。山道とか特に。
日本の山道やあぜ道は細すぎる。海外規格だと無理っぽいと思う。
現実的にはebikeでしょうな
ウクライナでも活躍していると聞く
それは高機動車Ⅱ型でも良いような。直下ではなく小型だったとはいえ、イラクでIEDの爆発に耐えれる程度は防御力はありますし
汎用軽機動車の感覚で武器運搬車とか必要だとは思いますね、ベースは任せますけれど対ドローン、C-RAMも必須レベルですし、迅速に展開する必要もあるでしょうし。参考にドイツのウィーゼル/Wieselなんか良い様な。
リンク
リンク
ヴィーゼルいいですね。前から日本には最適だと思ってました。
離島や山岳部専用の部隊を編成して、こういうのやオスプレイに乗せる川崎のバキーを配備して欲しい。
山岳・離島旅団とか新設されないかなぁ。。
カタログデータで知り得るその辺は承知の上で候補に選定してるんで無問題と思いますよ。
狭いあぜ道や林道の通行は部隊運用上端から考慮していない。農道も計画設計基準では、計画交通量最小での車道幅員は5~2.5m(地形等の理由でやむを得ない場合は4.5~2m)なんで、車両通行困難という地域はよほどの過疎地か奥地に限られるかと。
皆さんのコメで軽トラの陸自仕様車は見てみたい気になってますが。「陸自サンバー」とか「キャリイ陸自スペシャル」とか。w
陸自使用のキャリイでもいいから、配備して欲しいですね。若干防弾使用で使うのが現実的な最適解でしょう。
日本には島嶼、山間部、僻地の道が狭い現状がある。これを防衛するには、
1、全ての道を広くする。
2、細い道でも通れる装備を用意する。
のどちらかだと思う。
自衛隊は専守防衛を謳うんだったら、離島や山間部の国土をきっちり守るような装備こそ必要だと思う。
逆に他国からは通れない道なので、防御しやすいメリットがあると思う。
日本企業が弱い分野では?エンジンと装甲。
小松製作所単体では弱いからカミンズと協業しているし、日野はディーゼルエンジン不正で働いて、トヨタの装甲車のエンジン開発能力は期待できないし。
民生用のオシャレな燃費の良い自動車なら得意だけど重機や超重機は弱い印象しかない。
キャタピラー社のように軍用と民生用が共存させる事を諦めたかのように感じます。
個人的な予測はイーグルですね。小松製作所装甲車のフロント視界悪いと評判悪いですし、車体形状もは箱型の方が汎用性が高い。
作れないから外国から買う、作っても売れないか外国から買う、円の価値が落ちる、日本人生活が貧しくなる、嫌な流れです。
戦車用のディーゼルを完全国産してる時点でそれはないかと、あと結晶微細化防弾板ってご存知?
軽装甲車に結晶微細化防弾板を使います?セラミックと合成繊維と鋼板の積層装甲より価格が高い素材を軽装甲車に使うんですか?
戦車じゃあるまいし。
戦車用ディーゼルエンジンを作れるからといって、量産数と適用車体モデルが限定的すぎて兵站視点で見るとギリギリ持ち堪えてる状態で国際競争力は無い。
カミンズ製やキャタピラー製エンジンの生産総量から考えたら、日本製は端数だし実戦経験が無く日本とアメリカの演習場以外での使用実積がないから、特異条件での動作保証はしていない。
極寒のアラスカからアラビアの砂漠まで耐久試験結果があるアメリカ製と無い日本製を比較するのは難しい。
特定技術が優れているからといって、完成品全体が優れるわけではない。一分野の中にも得意不得意、熟達未熟がある。得意な排気量もあれば十分な研究試験データの無い排気量もある。全部得意な企業なんて無く得意なのは最も儲かり数が売れる偏ったモデル。
例えれば、エンジンが得意というホンダがMANトラックのエンジンや旅客機用のGE9Xを量産する能力があるかって話。
一つ二つ出来ても能力不足。優れた完成品を作れなければ競争で生き残れない。
残念だけど、三菱も小松製作所にも能力と知見が足りないし価格さえ高かったから外国製導入。下請け協力会社とは悲しい話です。
コマツとカミンズのエンジンは合弁会社IPAによる開発&設計では?
で、そのエンジンを載せたコマツの建機はキャタピラーに次ぐシェアと売上が2位なんですが、それで生産数が低いんですかね。
まあ何にせよ自衛隊以外の他国の軍隊に販路を増やしてほしいところではありますが。
何で軽装甲に分類される車のエンジン開発の話しているのにジェット機のエンジンの話を出す必要有るのかが良く分からない。世界実績有る装甲車のエンジン作っている企業全てがジェットエンジン作っているの?別にホンダがエンジンで有名だからって全てを網羅して素晴らしい成績を残すべきだって思っているならお門違いとしか。
世界どこでも使われ最終的に5万両以上のオーダーが発生しそうなアメリカのJLTVエンジンメーカーはキャタピラーやカミンズではない。GMといすゞ合弁会社のピックアップエンジンがベースの筈でそれを別のハイパフォーマンスのディーゼルを作る能力がある企業が関わり作っている訳で確かな下地があればその道のトップメーカーで無くとも軽装甲車のエンジンは作れる。
ホンダが作らなくても日本に製造する能力がある会社があるのに、そこを無視してそんな話になる意味が分からないエンジン屋なら何でも網羅するのが当たり前と思うなら極めて偏った考え方としか。
協力体制にあろうがディーゼルだけ軽く考えても、いすゞ・ヤンマー・クボタ・三菱ふそう・コマツとかあるんだけど、そこに燃費等の偽装はあっても全てのラインナップが駄目になっていないラリーでも実績有る日野もあるし、それらの会社が過酷でも無い温い環境だけで商売やっているとは思わないしこれでも弱いの?少なくとも10t近辺で今回の装甲車が積むエンジンを何とかしろと言うなら開発に関われる会社は決して少なくない。
日野に関して言うなら燃費偽装は痛いけど喫緊の国防考えた時に環境性能とか二の次になると思うしどうして開発が期待出来ないって結論づけるのかが理解に苦しむ。
装甲に関しては製鉄会社が幾つもあるんだし、防弾版は三菱長崎機工と言う専業に近いメーカーすら有るので軍用が金になるなら手を出していない企業も開発に力を入れても良いとも運だよね技術が無いわけでは無いんだし。
後継候補を海外製2車種に絞り、来年度中に実用評価・選定の流れなんでしょうね。
軽装甲機動車をどちらかで全数更新するかはまだ不明。AMVもですが、必ずしもライセンス生産がベストの選択とは限らない。
オフセットとして生産サプライチェーン参加を獲得したほうが総合的にベターかもしれない。
日本は防衛産業の人的リソースが豊富とは言いがたいんで、事業の性質に応じて「国内開発」「国際共同開発」「ライセンス生産」「輸入」と戦略的に割り切るのは必要かと。
重迫牽引車の後継もこれらになるんかなぁ
重くてチヌークで空輸不可になりそうだな。
重迫はパトリアのネモ採用して欲しいな~
陣地転換楽だし。
そういえば某YouTubeチャンネルでは試験車両がハウケイが1両に対して、イーグルが2両だから採用されるのは
イーグルじゃないかって言ってましたけど実際どうなんですかねぇ….
確かにハウケイは問題ばかりだけども、イーグルは販売元がスイスだから有事の時は他国からの供与はできないし….
ハーケイはライセンス生産の話があるらしいけど、イーグルはライセンス生産とかの話が出てこないな。
パトリアを優先するのでイーグルⅣを選定して輸入します、という形になるのかもしれないが。
先日問題になった、スイス製武器の使用問題についてはどうなのでしょうか。
中共相手に使うなとか言われたりして。
調達担当さんは、LAVは武器では無いつもりかな。
少し心配です。
先日には、エリコン砲のみならず、ピラーニャAPCも引っ掛かっていたはずです。
いちいち、スイス議会の承認を必要とするなら、やめておいた方が良いのでは。
ウクライナ見てるとトヨタのランクル70が一番使い勝手がいいんじゃないの?って思ってしまう
このご時世に防弾性皆無で?
他所の記事を読むと。
ウクライナ軍は、M777榴弾砲の牽引に
フォード製のモンスターSUVを使っているとのこと。
F350だそうです。V8とかV10のエンジンらしいです。
下手な牽引車より馬力がでかいですね。
逃げ足が速いのが良いらしいです。
M777は、結構撃破されていますから。
使い方によるのでは。
>ハーケイはライセンス生産の話があるらしいけど、イーグルはライセンス生産とかの話が出てこないな
ハーケイは三菱重工の提案なのでライセンス生産が前提だと思いますが、イーグルは提案者が丸紅エアロスペースなので完全輸入が前提です
その為、別の掲示板ではイーグルの生産国・スイスがウクライナに武器を売らない事を指摘して安全保障上問題有りと論じている人が居ます
只、ハーケイの単価が約1億円でイーグルも約9000万円(LAVは約3000万円。但し車体の大きさはハーケイとイーグルの方が大きい)ので、もしかしたら陸自は調達数がそんなに多く無いので完全輸入でも差し支えないと思っているのかも
>ウクライナ見てるとトヨタのランクル70が一番使い勝手がいいんじゃないの?って思ってしまう
ランクル70は昨年末にパジェロ後継として陸自採用になるのではとの報道が自動車専門サイトに出ていました
どっちも7トン超えの車だから中型免許でいいの?
twitterにAMVとMAVのテストドライバーの人の話が出てますね。
出てくる三菱のエンジニアの態度を見るとハーケイに不利に働きそう。
カミカゼドローンが跋扈する戦場になるのだからRWSもAPSも無窓化も必須では。今手を出すより次を待つか共同開発すべきだろう。
採用実績からすればイーグルだろうけど流石に1000両を超えるキャパを完全輸入はあり得ないと思う。モワグとは言いつつも作っているのはゼネラルダイナミクスランドシステムズだし、LAV-IIIベースのストライカーをウクライナに供与されている以上は抜け道はある筈なんだよね。
共通コンポーネントで6輪以上の選択肢とかあった方がいいだろうし拡張性とかを考えるとイーグルは良い線行っている感じはする。
価格もそうだし、悪路走破性・防御力・取り回し・国内製造・乗り心地(何をするにしても疲労は大敵)、日本仕様への改造等ベターな選択をして欲しい。
陸自にいるけど、戦場でデーター積んでしっかりと成熟してる製品を入れて欲しい。
キャリバーやミニミの不正だったり、乗り心地の悪すぎるラブ車とか。悲しいわ
何ていうのか。
とにかく安心して戦えるものを納入してくれ。
最近ゴタゴタ続きの陸自だからこそ、マジで陸幕頼むわ。
採用する担当者ももっと真面目に考えろ。
このままじゃまともに戦えず犠牲が出る。
まぁ、、期待はしてないけどさ、、…
ハーケイの組立工程PVで分かりましたが、シャーシ上に架装する一般的車両構造ではなく、キャビン構造をコアとして駆動系やサスのユニットを前後に結合する構造なんですね。面白い。
地雷等で大きな損傷を受けても、当該ユニットさえあれば野戦修理工場でも短期間で復旧できるかも。
窓の視界が良好な方を選ぶと思う
実戦で性能を発揮しないであろう純国産兵器を使うより、どんどんバトルプルーフのある兵器を輸入してほしい。
ライセンス生産がすごく不安だけど、まあしょうがないのかも。
やっぱり国際共同開発して、輸出する以外に兵器の性能を担保する手段はないと思う。