7月24日、ロッキード・マーティンは米空軍、F-35プログラムオフィスと共同で、F-35AにAuto GCAS(自動地表面衝突回避システム)のインストールを開始した。
参考:Life Saving Anti-Collision Software Integrated Into First F-35s Seven Years Ahead Of Schedule
地表への墜落を未然に防ぐ自動地表面衝突回避システムのF-35A搭載が始まる
Auto GCAS(自動地表面衝突回避システム)は、潜在的な地表との衝突を検出しパイロットに警告を行い、それでもパイロットが行動しない場合、一時的に機体の制御をAuto GCASが管理し、地表衝突の危険から機体を守るようNASAと空軍研究所が共同で、F-16のために開発した技術だ。
現在ではAuto GCAS(自動地表面衝突回避システム)はF-16とF-22に搭載され、2014年から現在までに8機のF-16を地上との衝突から救ったと言われている。
2018年11月、米空軍の第461飛行試験飛行隊で、Auto GCAS(自動地表面衝突回避システム)をインストールしたF-35Aのテストが開始され、Auto GCASのプログラムが、F-35に搭載された他のプログラムと干渉しないかを検証を繰り返していた。
しかし、F-35へのAuto GCAS統合は当初、2026年前後の完成を目指し開発中のブロック4(F-35のソフトウェア)で行われることになっていたが、日本でのF-35A墜落事故の影響があったのかは不明だが、7年前倒しする形で、現行の「ブロック3F」にインストールが始まったことになる。
F-35プログラムの担当者は、この技術を全世界のF-35に導入することで、より多くのF-35が帰投できるようになり、Auto GCASはF-35の耐久年数中に起こり得る、26回以上の地表へ衝突を未然に防ぐことが出来ると話した。
当面は空軍向けのF-35AのみAuto GCASのインストールが行われる予定だが、準備が整い次第、海兵隊向けのF-35B、海軍向けのF-35CにもAuto GCASのインストールが行われる予定らしい。
今年4月、日本のF-35Aが、パイロットの空間識失調(機体が地表に対し上なのか下なのか、上昇しているのか下降しているのか分からなくなる)が原因で墜落してしまうという事故が発生したが、もし当時、Auto GCAS(自動地表面衝突回避システム)があれば、この墜落を回避できていた可能性が非常に高い。
今後生産されるF-35Aは勿論、既に引き渡され運用されているF-35Aにも、順次、Auto GCAS(自動地表面衝突回避システム)がインストールされるだろうが、完全に行き渡るまでには、もうしばらく時間がかかるだろう。
※アイキャッチ画像の出典:US Air Force / Airman 1st Class Caleb Worpe
なんで最初から装備してないんだよ
後付になる理由がわからん