イスラエルは新規にF-15EXを導入するよりも、米空軍がF-15EXを導入することで不要となるF-15C/Dを狙っていると報じられている。
参考:Israel Could Be Waiting For Surplus U.S. Air Force F-15s Instead Of Buying New Advanced Eagles
今後は第5世代戦闘機しか購入しないという前提が崩れた結果、イスラエルは千載一遇の好機にありつける
米メディアTheDriveは「米空軍がF-15EXの調達を開始したことで“今後は第5世代戦闘機しか購入しない”という前提が崩れて多くの人が認めたくないほどの変化をもたらした」と語り、特に米空軍のF-15EX調達はイスラエル空軍に変化をもたらしたと指摘している。
イスラエルは米国から導入したF-15(A/B/C/D)について自国のニーズに合わせた改造を実施しており、米空軍がF-15Eを採用するよりも前にコンフォーマル・フューエル・タンク(CFT)を導入して空対空戦闘に特化したイーグルを長距離爆撃機として使用してきたが、1995年に実施されたBaz2000と呼ばれるアップグレードでF-15の「イスラエル化」が更に進み本家本元のF-15やF-15Eとは異なる進化を遂げている。
さらにイスラエルはオバマ政権時代に老朽化を理由に廃棄処分になった10機のF-15Dを無償で取得、自国で徹底的な分解と改造を行いBaz2000仕様機として再生することに成功しているため米空軍のF-15EX調達は千載一遇の好機だとTheDriveは説明しているのが興味深い。
要するにイスラエルはF-15EXの調達を検討していると言われていたが最近発表されたF-35I追加調達を含む装備品の調達リストにF-15EXは含まれておらず、イスラエルは米空軍のF-15EX調達が進むことで出てくる廃棄処分のF-15C/Dを格安もしくは無償で手に入れようとしてるのではないかとTheDriveは主張しているのだ。
米空軍は最大144機のF-15EXを調達するため相当数のF-15C/Dが廃棄処分される運命で、この機体には比較的新しいAESA方式のレーダー「AN/APG-63(V)3」が搭載(数百万ドルの価値があるらしい)されているので同機を引き取って改造を施せばF-15EXよりも格安でイスラエル空軍の航空戦力を強化することができるという意味なのだが、これは例外的に機体やソフトウェアの改造が許可されているイスラエルだから出来る芸当なので日本が同じことを行うことは不可能だろう。
補足:イスラエルのアップグレードプログラム「Baz2000」は随時新しい技術や武器の統合が繰り返されているためF-15EXに引けは取らないらしい。特にイスラエルにとっては独自の通信システムや電子妨害装置、多種多様な国産兵器が統合されているBaz2000仕様機の方が使い勝手の面で優れていると言われている。
勿論、老朽化した機体は信頼性や寿命の点で問題を抱えているのでノーリスクではないが、イスラエルは廃棄処分されたF-15Dを再生してBaz2000基準の能力を付与することに成功しているため1機1億ドルもするF-15EXを導入するよりも新たに廃棄処分される機体を引き取って再生するほうが遥かに魅力的だ。
つまり米空軍が「今後は第5世代戦闘機しか購入しない」という方針を覆してF-15EXの調達を開始したため「イスラエルは廃棄処分される大量のF-15C/Dを入手する機会に恵まれた」という話で、F-15Jのアップグレードに行き詰まっているの日本からすれば羨ましい話(飽くまで可能性の話なので注意)に聞こえてしまう。
関連記事:改修作業の初期費用は予定の3倍、日本が米国にF-15J改修コストの減額を要求
※アイキャッチ画像の出典:Tomás Del Coro / CC BY-SA 2.0
C-130Rみたいなことにならないのかな
まあ、タダとか格安で譲ってもらえるならパーツ取りに使えるかもしれないけど、現役機として運用するのはきつい気がする
実は、イスラエルは湾岸戦争の時に参戦しなかった御礼として米国からF-16A/Bの中古機を数十機タダで貰い、そのまま戦力化した事が有る等、中古機の運用経験は豊富なのよ
イスラエルが運用して来たF-15にしても初期のA/B型の中には開発用の原型機が含まれていた程
後、イスラエルはかつてラビ戦闘機の開発を米国に潰された経験もあって、以後は軍用機用の電子戦装備の開発に注力していた事がここに来て花を咲かせた形になっている
そう言う経験があるからイスラエルは中古機を使いこなせるのであって、日本を含めた他国が容易に真似出来るものじゃない…この辺りはイスラエル軍が誇る魔改造戦車の数々と同じ
日本よりも乾燥してて状態の悪化は遅いし、
737や777の貨物機への改造をボーイングより先に始めたり、767の貨物機への改造の6割を行っていたり等々。
既存機の改造に関しては、日本はもちろんボーイングよりも経験豊富だから何とかなるのでは。知らんけど。
まず政治の有り様が軍事に反映されてるわけで、軍事を高めたら諸問題が解決するという安直な発想は成立しない本末転倒だという結論
それがイスラエルと日本の違い
軍事力が高いけど、イスラエルも中国も周辺国と問題ばかり起こしてるものなぁ。
中国と違ってイランやパレスチナはステルス機持ってないしな
なるほど確かに
F-15の自由な改造が許されていて
過去にアメリカで老朽化して廃棄処分されたF-15を下取りして
日本では役立たず扱いのPre-MSIP相当の機体すら
最新鋭機に再生して最前線で再利用してきた実績とノウハウを既に持っているイスラエルにしてみれば
大量のF-15が廃棄処分されるというのは大量入手のチャンスなんだろうな
日本のPre-MSIP機とかイスラエル的には宝の山に見えるんだろうか?
いっそ日本のF-15のアップデートもイスラエルに委託できればなあ・・・
それをイスラエルでなくアメリカが許さないもんな
F-15A/B相当のBAZ2000改修、一機9000万ドル100億円コースとも聞くので
F-35A買うのとどっちがましかというのはありそう
普通に高コストなはずなんですけどね。
イスラエルはどんなマジックを使うのやら。
確定の話ではないけども、
同じFー15運用国として
さすがイスラエル!!
アメリカや日本とはやる事と
考え方が違う!
やはりFー15こそ至高の非ステルス戦闘機なり!!
Fー15イーグル バンザイ!!
おっ戦争か?(ファントムⅡ厨)
ごめんなさい、シャレにならないですね
いえいえ!
そんな事ないですよ!
自分もFー4にはまだまだ飛んでいてほしかったです・・・(泣)
今日でラストでしたか。>F-4
貰った機体にクラックが入っていて状態がイマイチでもタダで貰った機体でニコイチやサンコイチで飛べる機体を再生して使えそうなパーツを取った後はスクラップにしてもイスラエルには損は無い
著作やライセンスを気にせず魔改造出来るっていいよね。
政治力だったり交渉が上手いんだろうな。
日本は技術があってもライセンスの壁があって手出し出来ないもんなぁ。
日本のライセンス契約って何処まで認められてるんだろ?そもそもF15導入時にECM機材の輸入が出来なくて結局同等品を国内開発してるしその後もAAM3,4なんかも統合したしロシア機みたいにレドーム直後にIRST装備してテストしたり、前の近代化時にF2用のJ/APG-1か2を移植しようとしたら米側が難色を示したちゅう話もあった様な。
どこかで最終的な国産率80%前後と見たような
改修が行われた現在・更なる改修が控える将来は更に下がると思われます
ソース探してみて見つけたらまた書き込みます
国産化率は
F-4EJ:90%
F-15J:75%
F-2:60%(40%は共同生産のLM担当部分)
F-35:0%(ノックダウン生産→完全輸入)
時代が進むごとに下がっているのが悲しい…
改造工事はF2、F15も米企業が元締めで三菱が下請けとして実施。改造許可は、米議会と米企業の両方必要。
イスラエルはユダヤ系で、アメリカ社会に強い影響力持ってるからねぇ
これまで米国の対中政策がぬる過ぎだったし、米国国民も関心無さそうだったからね。
今後は日本の政治家や経済界ももっと米国議会や政府と交流を密にしてロビー活動してもらわいと安全保障の維持も難しくなるばかりだからね。
F-15Jの日本独自改修の獲得もロビー活動無しでは得られないでしょうし。
前回の記事と合わせて読みたい一本ですね
前回の記事:改修作業の初期費用は予定の3倍、日本が米国にF-15J改修コストの減額を要求
リンク
建国以来、他国の兵器を独自改造して運用するのはイスラエルの十八番だけど改造出来る技術が有る国にしか出来ない芸当
イラン東部(原発も東部にある)への攻撃を考えたら、イスラエルにとっては長距離爆撃機は必須だし、自分で勝手にいじくれるのなら、F-15C/Dの中古は良い選択なのかも?
F-35Aの改修も認められてるけどアビオニクスは「追加」だけだから(コンフォーマルタンクの追加とアビオニクスの追加は過去記事で読んだ記憶が)・・・
米国では、F-15EXの米空軍への引き渡しが始まりました。以外に早かった?
リンク
仮に搭載機器を新型に入れ替えても機体自体が数年で寿命を迎えるため意味がない、という記事を産経かなんかで見た気がするけど
イスラエルはそれすら延長できるっていう意味なんですかね
イスラエルが新規購入よりも安くそれができると言うなら、米国はいい面の皮というか、納税者に対する背信にも思えるけど
単に運用上の規定がイスラエルのほうが緩いというだけなのかな?
よく分からん
金属部品はオーバーホールして補修・補強をすれば
寿命は伸ばせます。旧車のレストアと同じですね。
古い機体でも状態のいいパーツはあるでしょうし、
余剰のパーツが増えれば必要性の高いパーツを
時間を掛けてレストアしてストックしておけます。
ただもはや「改造」に近い作業になりますので、
F-15については日本が勝手にやる訳にはいかんでしょう。
おそらくF-4EJ改についてはこうした処置も
少なからずしてただろうと思いますよ。
スクラップをバラして部品取り、の場合
コストの大半が人件費、ってのはあるでしょうね。
日米だと人件費が高くつき過ぎて足が出るのかも。
新造のF-15EXを購入して代金が全額アメリカに流れるよりも、廃棄される機体をただ同然で引き取って事実上新造するレベルの手間と予算を掛けてもイスラエル国内に金と仕事が流れる方がマシって事では?
イスラエルはF-35で独自のプログラム走らせることすら許されてる国だし別格だな
それだけ第5世代は運用費が莫大なんだよな
正直空自の可動率は今より大きく下がると思うぞ
F-35を今のF-15とかF-2の感覚でスクランブルに上げてたらそれだけで予算枯渇しそうだな
通常はどうせリフレクター付けてステルス能力を秘匿してスクランブルに使うだろうから第4.5世代機でも何ら問題は無いよね
思い出した
中古F-15J/DJpreMSIP売却の話(続報知らない)はこれに絡んでるんだろうな多分
pre機なら寿命たんまり残ってるから
設計図引き直してヤードポンドからメートル法にしている関係で割と使いづらい機体だって言う話しは効いた。
昨日の深夜に前記事にイスラエルの事書こうとしたけど出てきちゃったな。BAZはバラしと自国使用への魔改造を半年ぐらいかけてするから90億以上かかっても不思議じゃ無い。ただ自国の技術向上、アメリカに切られた時の対策やほぼ自国内への資金投下でしかないのでイスラエルとしては問題ないんだろうな。
後機体寿命はあくまでも余裕を持った目安でしか無い、低空を高速で飛ぶ機体、ドッグファイトをたくさんした機体と高空を巡航速度で飛んでいるだけの機体とでは当然疲労の具合に差が出る。それにBAZはバラしついでに構造強化もするから寿命としては新造に近いモノはあると思う。
少なくとも対中を考えれば米国の利益ばかり優先された結果のJSI価格なんで、流石に当初予定から少し増えるぐらい出ないとやる意味が無いと思う。むしろイスラエルとくませてくれとか話をしても良いんじゃないかな。BAZかする方が費用は掛かるけど機体寿命が延びるからトータルでは安くなると思う。伸ばした分またアップグレードは必要になるから、そこは悩ましい所。
費用に関しては工場建設必要なら日本に作らせろじゃないと割に合わんよな。後から製品一個作るごとにいくら還元しますとかじゃないと。半導体工場普通に作れば2000億とか何で人件費も混みで1600億とかは不思議じゃない気もする。
正直使えるの流用で日本で新規エアフレーム作った方が早くって安いになりそう