イスラエル国防軍は今年5月にガザ地区に投入した兵器に関する機密を解除、AI制御で群れ(スウォーム)を形成したドローンを実戦で使用したと明かして注目を集めている。
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参考:In apparent world first, IDF deployed drone swarms in Gaza fighting
AI制御で群れを形成したドローンを実戦に投入したイスラエル、ドローンによるスウォーム攻撃の実戦投入も遠い将来の話ではない
イスラエルはパレスチナのガザ地区から撃ち込まれるロケット弾や迫撃砲の攻撃を阻止するため、巧妙に隠され攻撃の度に移動を繰り返すイスラム原理主義組織ハマスやイスラム聖戦機構のランチャー(発射機)を特定して破壊する作戦にAI制御で群れ(スウォーム)を形成したドローンを投入したと明かした。
イスラエル国防軍が投入したドローンは小型のクアッドコプターで同機は複数のドローン同士で群れを形成してガザ地区上空に展開、イスラム原理主義組織ハマスやイスラム聖戦機構の戦闘員がランチャーを引っ張り出して砲弾を発射するとドローンに搭載されたセンサーが位置を特定、この情報に基づき上空で待機していた無人航空機や地上部隊の砲兵戦力が敵のランチャーを破壊することに成功したらしい。
要するに今回の発表内容はスウォーム運用されたドローンが直接攻撃に参加したというものではなく、AIに制御されスウォーム形成した複数のドローンは光学センサーで指定された地域の地表を監視するメッシュ状のセンサー網を提供したという意味で、イスラエル国防軍は「今回実証された技術を一般の部隊にも普及させる計画だ」と述べている。
商業的にに見れば数百機のドローンによる大掛かりな空中ショーは世界中で行われているため、複数のドローンの同時に制御する技術自体は特に珍しいものではない。
しかし特定の任務を複数のドローンで実行するためには常にドローン同士が通信を行い「変化する状況に応じて形成されるスウォームを調整する必要がある」とイスラエルメディアは説明しており、単純に複数のドローンによる同時攻撃(あるいは他の任務)はスウォームではなく協調に過ぎないと主張している。
このスウォームと協調に大きなギャップが生じるという話には根拠があり、同じ目標を破壊するミッションに「独立して行動する1,000機のドローン」と「スウォームを形成した800機のドローン」のどちらが優れているのか検証するため米軍が実施したシミュレーションでは後者の方が「2時間以上」も早くミッションを達成したため、この研究に関わった関係者は「能力が同一でもスウォームアルゴリズムを導入した方が目標達成までの効率が飛躍的に向上する」と主張しているのだ。
つまりAIに制御されスウォーム形成したドローン群の方が独立で作動する複数のドローンよりも「効率的に情報収集が行える」とイスラエルメディアは言いたいのだろう。
※本記事と関係ないが最近のドローンはこういうことも出来るらしい
因みにイスラエルメディアは「大規模なスウォームを利用するには高度なAIや機械学習技術が必要なので技術力に優れる大国の領域だが、これもコンピューター技術の発展によって変化しつつある」と指摘、AI制御によるスウォーム技術は永遠に大国のものではないと警告しているのが非常に興味深い。
登場した当時は限られた国しか利用できなかった無人航空機技術が20年程度で世界中に拡散したことを考えると、AI制御によるスウォーム技術もあっという間に拡散して多くの国で軍事利用され始めるのだろう。
関連記事:無人機による攻撃を受けて目が覚めたインド、アンチドローンシステム導入に動き出す
※アイキャッチ画像の出典:Capricorn4049 / CC BY-SA 4.0 クアッドコプターと呼ばれるタイプのドローン
まぁ、ミサイル追撃にAIを使っているからこういうシステムも既に実戦使用されているだろうと思っていたよ。
それに記事には出ていないらしいけどイスラエルだけじゃ無くアメリカ、ロシア、中国も既に同様のシステムを導入、実戦配備していると考えた方が良いだろうね。
取り敢えず、スウォームにも色々種類があるんですよ
まあ、いろいろ種類があろうがあるまいが
脅威として認識されるべきは
>特定の任務を複数のドローンで実行するためには常にドローン同士が通信を行い「変化する状況に応じて形成されるスウォームを調整する必要がある」
の話で、単に集団行動するだけなら特別目新しい話じゃない
シリアでのkarguの件もそうだけど、向こうしばらくは技術を持つ大国が技術のない小国や民兵・テロリストを狩るのに使われそう
酷いことを言えば、そういう国にとっては自爆ドローン使うより兵隊100人の方が安いまであるけど、大国にとっては逆だし
そもそもドローン優位性はもう揺らいでるよねって
?
揺らいでいるならなんでドローンを中国とかアメリカとかロシアとかヨーロッパとかイスラエルとか日本とかが必死に作ってるの?
優位性もなにも、まだ戦場に出て来て限定的に実戦を経験したばかりで本当の評価はこれから
これに対して対抗手段が出て来て、シーソーゲームを繰り返して、それでも生き残れたら一人前
というより、既にあったそこそこの脅威を
プロパガンダに使いたい国
性能アピールしたいメーカー
記事にして飯を食いたい記者
そうあれかしと囃し立てる一般人
とかの思惑が一致した結果過剰に盛り上げられたと考えるべきかと
なので、優位性なんてものは最初から無いし、脅威としてはそれなりにあるけど
それについては今に始まった事ではなかったっていう
まどろっこしい事するより、ガンシップとIFVで片づけた方が早いだろう
偵察ドローンなら分隊に一機とか持てるし、それで敵を検出してそこに火力をぶっこむってのは結構理に適ってると思う
特に市街戦だと装甲車もヘリも安易には投入出来ないけど、偵察ドローンはロストしても多く見て数百万の損害で人も死なず
テロリストには効果的な対空砲火もECMも無いから尚更ホイホイと投入出来るし
鹵獲されたところで技術的に特別新しいわけじゃないから何も痛くないし
芋虫のスウォーム移動でググるとめっちゃキモくて合理的な移動が見られる
ドローンも進化すると一見奇妙だが理にかなった行動をし始めるんだろうな
戦闘? ホロコーストの間違いでしょ。
>要するに今回の発表内容はスウォーム運用されたドローンが直接攻撃に参加したというものではなく、AIに制御されスウォーム形成した複数のドローンは光学センサーで指定された地域の地表を監視するメッシュ状のセンサー網を提供した
小型のドローンに武器を積んでも大した攻撃力にならないと思われるので、やはりセンサー役に徹するのが理にかなっているのだろうなと。
どう考えても砲兵で攻撃した方が火力もコスパもよいだろうし。
砲兵を戦場で維持するコスト
機動力
兵站軽視がこう言う発想を生む
どう考えてもドローンの方が兵站にとっては負担なんだよなぁ・・・
3㎏の弾頭を使えるKagruが総重量10㎏前後で本体サイズ60㎝四方なわけで、兵站云々を考えないといけない戦場になるほど攻撃役としては使えなくなっていく
同じ火力をデリバリーするなら迫撃砲の方が安く早く広範囲にできるわけで
飛んでいくのが砲弾だけの砲兵と、プラットフォーム自体も飛ばさないといけない航空機では、どう考えても質量あたりの効率では勝てないし、維持整備も遥かに複雑になりそうですしね。
現代では誘導砲弾やロケットアシスト砲弾がありますし。
砲兵の射程外であったり迅速さが求められる場合も、高度なセンサーとトン単位の積載量を持つ大型の航空機に攻撃を任せた方が効率がよいだろうし。
日本はスウォーム戦術を行えるドローン兵器を開発しているのでしょうか?
また次期戦闘機には、スウォーム戦術を遂行できるドローンが搭載されますか?
あと、日本は徘徊型兵器の開発をしているのでしょうか?
詳しい人、教えてください。