イスラエル政府は22日、イスラエル軍の防衛装備品を独断でエジプトに輸出する許可を与えた疑惑に関連してネタニヤフ首相を調査すると発表した。
参考:Israeli Govt Committee to Probe Subs, Corvettes Ordered by Netanyahu
エジプトへの潜水艦輸出に関連して何らかの経済的利益を得たのではないかと疑われるネタニヤフ首相
イスラエルは2006年、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズの子会社ホヴァルツヴェルケ・ドイツ造船とドルフィン2級潜水艦(基本排水量2,050トン)を建造する契約を締結、この潜水艦は212A型をベースにイスラエルが独自の改造を施したAIP機関搭載(と噂されている)の潜水艦で標準的533mm魚雷発射管以外に650mm魚雷発射管を備えているのが最大の特徴だと言われているが、イスラエル国防軍は安全保障上の観点からドルフィン2級潜水艦の性能について何も明かしておらず、出回っている同艦の数値は全て推定値だ。
補足:飽くまで噂だがイスラエル国防軍はドルフィン2級潜水艦に核兵器を搭載した巡航ミサイルを搭載していると言われている
今回、ネタニヤフ首相に向けられた嫌疑はドルフィン2級潜水艦をエジプトに輸出する際に国防省や国防軍に相談なく「独断でドイツに対して輸出を許可した」というもので、このエジプトへの潜水艦輸出に関連してネタニヤフ首相に近い複数の人物が贈収賄や背任の容疑で起訴されており、この件でネタニヤフ首相が果たして役割を解明するため調査を開始するとベニー・ガンツ国防相が発表して注目が集まっている。
ドイツはイスラエル向けに建造した艦艇を他国に輸出する際、イスラエルの軍事的優位性を守るため習慣的にイスラエルから許可(ドイツに法的な義務はない)を取ることになっているのだが、2015年に当時のヤアロン国防相がドイツに「許可を出していないのにドルフィン2級潜水艦のエジプト輸出が進んでいるのか?」と尋ね、ドイツ側が「許可を得た」と説明したことで今回の事件が発覚した。
この許可を出したのはイスラエル国防省で政治安全保障局のトップを務めていたアモス・ギラド元少将(予備役)で、同氏はネタニヤフ首相に何の報告も無しにドイツへ許可(ドイツは見返りにドルフィン2級潜水艦の追加導入費用から1億4,200万ドルを値引きしている)を与えたと自供している。
しかしイスラエル検察はティッセンクルップから政府高官(複数の海軍関係者や科学技術宇宙大臣など)やネタニヤフ首相に近い人物(個人弁護士)に賄賂が流れていた証拠を確保、さらに首相の親族がティッセンクルップと取引のある企業の株主であること、首相自身も野党の党首を務めていた2007年に同社の株を購入していたにも関わらず「民間人だった時に株を取得した」と虚偽の報告をおこなったこと、首相に就任してから問題の企業がティッセンクルップに買収される前日に株を売り払っていることなどが問題視され、エジプトへの潜水艦輸出に関連して何らかの経済的利益を得たのではないかと疑われているのだ。
因みにはネタニヤフ首相は国際競争入札で調達予定だったサール6型コルベットを突然中止、ティッセンクルップへの発注に変更したことも疑われている。
恐らくネタニヤフ首相への調査は暫く時間がかかることが予想されるため直ぐに彼が辞任するような事態には陥らないが、もしネタニヤフ首相が今回の件で辞任するようなことになれば対中東及びイラン戦略で重要なキープレーヤーを全て失うことになるため、本当に中東情勢は先が見えなくなるだろう。
まぁイランにとってはトランプ大統領に続きネタニヤフ首相まで国際舞台から消えるチャンスだと小躍りしているかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:shlomiliss / CC BY 3.0
うーん、政敵に嵌められている?
清廉潔白な人ではなさそうですけど、タイミングがトランプさん敗北確定後すぐというのはとても気になるなあ…。
まあくだらない陰謀論みたいな発想で申し訳ないのだけれども。
アメリカの選挙も怪しさ満載だし、タイミング考えるとね。
サウジアラビアとF35の話が出てきた途端にコレ。
むしろ、陰謀を即座に否定する方が変だよ。
イスラエルも宗教国家だから、ラビン首相の二の舞ならなきゃいいが。
陰謀論にしては、スキャンダルの内容が深刻過ぎる印象がするけどね
ちなみにネタニヤフ首相は、2018年に汚職容疑(贈収賄と詐欺等)でイスラエル警察に起訴されそうになった過去がある(BBC-NEWSの公式HPに記載有り)が、今回の件は恐らくイスラエルの政治家としては史上最悪の金銭スキャンダルの可能性が有る
これに匹敵するスキャンダルと言えば、多分1982年のレバノン侵攻の際、パレスチナ難民キャンプで起きた虐殺事件への関与容疑で当時の国防相と参謀総長が辞任、更に当時の政権も崩壊して暫くの間イスラエルの政局が不安定化した事件位しか無いと思う
その意味では、陰謀にしては副作用が強過ぎて、肝心のイスラエルに混乱をもたらしかねないと思うのだけど……
この件はイランがどうこうでなく、トランプもネタニヤフもしょせんキワモノとして消える運命だったということ
それぞれキリスト保守派、ユダヤ原理主義を支持母体にしてる政治家が現代の科学社会にそうはずもなく
ネタニヤフは、結構粘ったよ。
コロナ禍を見てると、以外と科学以外を優先する人は多いんだって思わない?
それが怖いよ
実態のないものを拠り所にする人間がいかに危険かわかったろ?
ノンアル・スモーキングでハンバーガー大好き程度では、流石にガチのキワモノ、バイデン氏にはかなわないかと
イスラエルが入手可能な核巡航ミサイルってトマホークくらいしか考えられないけど
アメリカがそこまで気前が良いとは思えない
イスラエル製のポップアイ・ターボ・ミサイル(米採用名AGM-142ハヴ・ナップ)がそれ。
ドルフィン級に搭載されているのはポップアイの核弾頭搭載の射程延長型?
それ存在するのかね
そもそもなぜドイツが(イスラエルの技術や装備を利用しているわけでもない)兵器を他国に輸出するのにイスラエルの許可を必要としているのか理解に苦しむ。日本もそうだが、ドイツも未だに敗戦国扱いされているのだろうか。
ドイツ企業がイラクのミサイルや化学兵器開発に協力してしまう
→湾岸戦争時にイラクがイスラエルにスカッドミサイルを撃ち込む
→戦後真相を知ったイスラエルぶち切れ
という流れでドイツはイスラエルの潜水艦開発に全面協力することになった
ww2は関係ないよ
そりゃあかんわ…
それで核投射能力向上の手助けはやっぱわからん。いい加減につっぱねりゃ良いものを。
そりゃあアメリカと一緒で、ドイツのユダヤ人が…。
過去の清算という意味ですよ、そういう名目でドイツ企業にも国費で仕事をまわせる
日本の対中ODAを思い出せば納得?
ドルフィン3級潜水艦・・・
3隻の契約がイスラエルとドイツで契約されたと報じられてますね。
でもって、50%の費用をドイツが負担するってさ
これが、50%を負担する理由かもね? (ドイツが嘘つき)
あるいは、ドイツがもっと重大なインシデント=湾岸戦争でのイランの生物化学兵器の開発にドイツ企業が関与したってのと同じぐらいのレベル・・・
湾岸戦争がらみで1級は100%、70%、50%がドイツの負担
2級はドイツの負担は 0% だったはず
素人の疑問です。
>潜水艦で標準的533mm魚雷発射管以外に650mm魚雷発射管・・・。
魚雷やトマホークならば533mm魚雷発射管で射出できるので650mm魚雷発射管って何を発射するんでしょうか。
そんなにでかいものって?
将来の拡張性のためだの、工作員潜水艇発進用だの言われてたが、
魚雷の大型化は世界的にストップしてるし、これからは発射管用水中ドローンも533ミリ規格にしないと売れないだろから、今ではムダに大きいように見える
イスラエル独自の核弾頭を備えた巡航ミサイルだよ分かってるだろ言わせんな
世界中がイスラエルの動向を監視してるのに、そんな核兵器を新たに保有しててバレないはずない
バレないはずないから噂が流れてるんじゃ?
ドルフィン 1 級潜水艦の時から搭載は噂されてる
国産、核・戦略兵器
本国が各攻撃された場合の相手国への報復、殲滅用
過去、イランの黒鉛原発を破壊してるし、現在もF-35Iの足を長くして、イラン南東部の原発への攻撃能力の確保をしてる(バンカーバスター爆弾のステルス性の確保はどうするんだろうって疑問はある)
典型的な「いつか必ずバレる嘘」だけどそんな迂闊なことするかね?
ネタニヤフは善人ではないだろうけど阿呆でもないでしょ
カルロス・ゴーン程のアホってそういないと思うんですよね。