クウェート空軍は7日、まだ開発国も導入していないAESAレーダー「Captor-E」を搭載したタイフーン2機を受け取ったと報じられている。
参考:Kuwait Has Received Its First Typhoon Fighter Jets
AESAレーダーを搭載したタイフーンとF/A-18E/Fを同時に受け取り大幅に戦力が強化されるクウェート空軍
クウェート空軍は運用中のF/A-18C/D×28機を更新するため2015年にタイフーンを調達することを決定、更に2016年にF/A-18E/Fもタイフーンと同じ数だけ調達することを決定して戦闘機戦力の規模拡張(28機→56機)に乗り出した。
クウェート空軍に今回引き渡されたタイフーンはトランシェ3ベース(P3Eb対応機)の機体にレオナルドが開発したAESAレーダー「Captor-E/MK.0」を搭載した最新バージョンで、同機の開発国(英国、ドイツ、イタリア、スペイン)が保有するどのタイフーンよりも優れた性能を備えた第4.5世代戦闘機なので注目を集めているが、クウェート空軍は同タイミングで米国からF/A-18E/F(BlockIIとBlockIIIの中間構成機)の引き渡しを受ける予定になっている。
このF/A-18E/Fに関する取り引きには追加調達のオプションが設定されているため権利を行使すれば16機の追加調達が可能で、クウェート空軍の戦闘機戦力は最大でタイフーン×28機+F/A-18E/F×44機=72機まで拡張される可能性があり、現行のF/A-18C/D×28機と比較するとクウェート空軍にとっては非常に野心的な挑戦だと言える。
因みにイタリアを除く3つの開発国はクウェート空軍とカタール空軍が採用する新型レーダー「Captor-E/MK.0」を採用しないことが確定しており、タイフーンの共通性や相互運用能力はどんどん崩壊していく一方なのが興味深い。
ドイツとスペインは既存機のレーダーを換装するためCaptor-E/MK.0を共同発注したが独企業が開発中のCaptor-E/MK.1バージョンに後日アップグレードを行う予定で、英国はCaptor-E/MK.0をベースに独自の改良を施したMK.2の開発(Bright Adder Project)を進めていて同レーダーを開発したレオナルドを擁するイタリアのみ具体的なタイフーンのアップグレード計画が存在しない。

出典:Kuwait Air Force
つまりオリジナルのCaptor-Mを使用し続けるイタリア空軍、オーストリア空軍、オマーン空軍、サウジアラビア空軍、Captor-E/MK.0を採用したクウェート空軍、カタール空軍、Captor-E/MK.1を採用するドイツ空軍、スペイン空軍、Captor-E/MK.2を採用する英空軍の4つに仕様にタイフーンは分断されるという意味で、アップグレード需要が見込めるオマーン空軍やサウジアラビア空軍は「どのCaptor-Eを採用するのか?」で一波乱ありそうだ。
まぁこれは国際共同開発の弊害というより各国が独自にレーダー技術の基盤を維持するための投資と見る事もできるので「必要悪」なのかもしれないが、同じ戦闘機に4つのレーダーが存在するという事実はプログラム全体からすると確実に効率の悪い投資と言えるだろう。
※アイキャッチ画像の出典:Airwolfhound / CC BY-SA 2.0
本当にタイフーンは面白い機体だ
早く全ての第4.5世代を過去にする最強のイギリス機が見たいものだな
ところで、クウェートは何処と戦う気なのだろう?
湾岸戦争のときの体たらく、祖国奪還は多国籍軍まかせで、クウェートの若者は逃げた隣国で遊んでいたという
石油戦略のための政略国家なんて本気で戦う奴いるのかな
クウェート侵攻された過去があるんだから、国防をおろそかにできるわけないでしょ
こんな状態なのにドイツはFCASとテンペストは効率性からみて統合されるべきとか言ってるんよな
今回クウェートが受領するタイフーンとF/A-18EFのいずれともエアチーミングに対応するバージョンだけれども、
それに統合する無人機はどこから買うことになるんだろうな
ちょっと気が早い話ではあるけれど、順当に考えるなら、オーストラリアのロイヤルウィングマンか?
英国のモスキートもタイフーンとパッケージングしてる可能性もあるか
天は自らを助くる者を助くという言葉もあるけど、過去にそうであったようにクウェートが自国防衛にどれだけ注力したところで周辺の大国が本気を出したら一吹きされてしまいそうな気もするなぁ…。
先進国での脱炭素の方針が固まる中で、程度の差はあれど基本的に石油利権に依存しきってる湾岸諸国の将来は結構気になるが、第二のナウルになってしまう前に秩序の転換や生き残りをかけた戦争があるだろうことは間違いないと思うし、中東地域の防衛関係者が積極的に兵器調達していたりサウジ・UAEなど旧来の友好国が対立し始めている様はなにかの前触れに見えてしまうな。
石油もいつかやがて枯れるし、これ以上価格を吊り上げると液化石炭のほうが安上がりになるという自滅のジレンマに陥る
サウジを筆頭に、産油国は脱石油立国を真剣に考えてる、そこには経済のみならず軍事的な動きも起こるだろう
石油を失ったときのロシアがどうなるのか想像もつかないけど
油田というのは掘らないでいると復活したりするので面白い
だからといって抵抗すら出来ない戦力じゃあ張り子の虎にもならから、なおさら反撃されたら痛そうなのを並べとくのは有効かと。アフガニスタン国軍のようになるかは蓋を開けてみないと分からんが。
中東は民族・歴史・宗教(ムスリムの派閥とマイナー宗教多すぎ)が絡み合ってて、関係がもう何が何だか分からん
脱炭素の方針が決まったところで、決め手を欠いている以上、努力目標で終わるかもね
良かったな米海軍。スーパーホーネットの押し付け先が出来たぞ
しかしタイフーンとラファールが今になって売れ始めるとは思わなんだ。米中対立や、5世代機の普及が進んでないというのもあるんだろうが、アメリカの機嫌を伺わなくてすむなら安いという事なんだろうか
米ソ冷戦(第3次世界大戦)に次ぐ、第4次世界大戦時代に突入したという事でしょうな
熱戦になるのかどうかは分からないけども、そうなるとすれば近い時期、それこそ来年にでもウクライナか北京五輪後にでも勃発する可能性が有る
どこの国も環境保護って良いながら兵器をガンガン売り歩くな。
日本が一番マジメに環境問題に取り組んでバカを見てる。
そのうち戦闘機も水素合成燃料にして手打ちになりそう