サウジアラビアは今月20日、国内の防衛産業に今後10年間で200億ドル(約2兆円)以上を投資すると明らかにして大きな注目を集めている。
参考:Saudi Arabia to invest more than $20 billion in its military industry over next decade
参考:Russia, Saudi Arabia Sign Agreement to set up of Kalashnikov Rifles Factory
ロシアと共同でカラシニコフのAK-103を共同生産する契約に署名したサウジアラビア
米国のバイデン政権は従来の方針を転換してイエメン内戦に対するサウジアラビアへの軍事支援打ち切りを発表、内戦に使用される可能性が高い武器(イエメン空爆で消耗した精密誘導兵器の補充やサウジ軍に対する訓練及び技術支援パッケージなど)の輸出を全面的に凍結、イタリアも同時期にサウジへの精密誘導兵器輸出を停止した。
ただサウジアラビアは武器輸入を複数の国に分散させているためバイデン政権の方針を転換に追従しないと発表した英国、イエメン内戦を問題視していないフランスやカナダ等の国からイエメン空爆で使用する武器を入手することが可能で武器の現地生産にも積極的に取り組んでいる。
例えばサウジはロッキード・マーティンと共同で多用途ヘリ「S-70(UH-60の派生型)」を製造中で、トルコとは無人航空機やUAVに搭載する専用の精密誘導兵器をサウジ国内で製造する準備(今年中に開始予定)を進めており、中国とは国内に無人航空機「CH-4(米国からMQ-9を入手できないギャップを埋めるための措置)」を製造する工場設立を許可するなど現地生産を通じた技術移転に積極的で、つい最近ではロシアと共同でカラシニコフのAK-103をサウジ国内で共同生産する契約に署名したばかりだ。
さらにサウジアラビアの軍需産業に関連する当局者は今月20日、アラブ首長国連邦の首都アブダビで開催された防衛関連の会議に出席後「湾岸諸国は2030年までに国防支出の50%を国内に投資することを目指していると明かし「サウジアラビアは国内の防衛産業を育成するため政府は今後10年間で100億ドル(約1兆円)を超える投資を行い軍事技術の研究開発にも同額=つまり100億ドル以上を投資(国防予算に占めるR&D支出を0.2%から4%に引き上げるという意味)すると計画を立案中だ」と語って注目を集めている。
この発言に海外メディアが注目する理由は2つあり、サウジアラビアが海外依存を減らして自立した装備品のエコシステム確立に動く=つまり他国の政策に振り回されにくい独自の安全保障体制を確立するという点と今回の発言が「海外の防衛産業企業が引き続き同地域で利益を確保したいなら協力せよ」という意味を含んでいるので欧米の防衛産業企業にとっては今後の販売アプローチに大きな影響を及ぼす可能性が予想されるからだ。
サウジアラビアの新しい方針は依然から進めてきた現地生産政策を発展・強化したものなのでバイデン政権の方針転換に対応するため慌てて用意したものではないと管理人は思っているが、やはりタイミングが一致するため意味深に映ってしまう。
関連記事:米防衛産業は真っ青、バイデン政権がサウジへの軍事支援中止を今日にも発表
※アイキャッチ画像の出典:Saudi88hawk / CC BY-SA 4.0
C2はどないなるんや
UAEもイエメン内戦に参加中だから「交戦国に日本の防衛装備品は売れない」と言う理由で、C2の対UAE輸出は中止となる
いつまでも海外から高額兵器を買ってばかりじゃいられなくなってきてるのかな
仮想敵がイランのドローンだと
高額の米国兵器はあまり役に立たなさそう
確かに、世界各国でそういう認識が
広がりそう
米国が脱石油路線に突っ走った結果中東への干渉やめるのを警戒してんじゃね? もしそうなったら米国製兵器売って貰えないしそもそも買おうとしても脱炭素脱石油ブームで外貨獲得出来ずに外国から武器購入できなくなるしで防衛装備品をいつまでたっても更新できなくなる
ならいっそ国富のストックある今のうちに自国の防衛産業育てて外貨獲得手段と防衛装備品調達ルートと、ついでに中東でアラブの盟主たるに必要な政治的プレゼンス獲りに行こうっつう野心的アプローチに思える
軍事ネタとちょい離れるけど、最近はUAEから中東の金融センターの地位奪おうと色々動いてるし案外アラビア半島統一でも目指してるのかも試練、誰がとはあえて言わないが
今更にAK74系の技術移転かあ
ヨルダンでさえ国内企業自前で結構先進的なM4系作ってるのに
AK74系列は今も改良され続けてる割と先進的な銃だぞ
AK74Mの時点で89式より新しいし、そのM型ベースで現役のラインナップなんですが……アクセサリーも豊富だし西側の特殊部隊みたいに20ミリレイルまみれにするオプションもある
KFX最新の状況
リンク
こっち見た方が良いかと思います。
リンク
お笑い動画ですよ。
そのくせぇ動画のコメント欄に帰れや
中高度偵察、攻撃ドローンを用意できれば攻撃ヘリや戦闘車両の数を大幅に減らせるからねー、高高度の航空優勢と爆撃はF15SAとタイフーンで問題ないだろうしAWACSやら電子偵察機もあるから例え四面楚歌になっても何とかなる空軍力
イエメンのゴタゴタ終わったら日本とのビジョン2030もあるから今後日本の強力なビジネスパートナーになるよ
サウジの王族が正規軍にドローンの配備許すんやろうか?
中東の国々の元首は自分の親衛隊以外の軍は信用してないんでしょ?
既に中華ドローンを大量配備してる
武装勢力であるフーシに大量に落とされてる
バイデン政権が利益よりもイデオロギーを重きに置いた外交することで、アメリカが多くの国にそっぽを向かれることになるだろうということは、当選前から割と危惧されていたことですよね。
イエメン内戦はサウジの未来の生存を大きく左右するほどの問題です。
サウジからするとイデオロギー如きでコロコロ態度を変えられるのはたまったものではないでしょう。
ロシア・中国からすると弾き出された勢力を取り込むことができるので大歓迎でしょうね。
かつてのカーターさんか色々負債を残したように、
バイデンさんも理念優先でやらかすのですかね。
まぁ「俺いい人でしょう?」がみえみえで流石に呆れる
そりゃ、舐められるだろうなと俺でも分かるよ・・・
西側の気分次第で国防に影響及ぼすのには警戒してそう。ドイツ武器輸出規制とかバイデン政権の対応とか流石に一国としては許容出来ない。西側大国中心の兵器構成だけど国産/ウクライナ/ロシア/中国/トルコとかに変わっていきそうやなぁ。
7.62×39mm使用するAK-103という事はなんだかんだで5.56mm弾の威力に問題感じているって事なのかね。
5.56mmNATO弾と7.62mmNATO弾のいいとこ取りみたいな弾だし中東地域なら入手性も良いし主力としてはピッタリ
鉄のカーテンがあった頃の方が色々分かりやすかったんだろうな。
今やロシアも中国も自由に世界経済にアクセスして資金を調達したり投資したりしてる。
米露・米中対立より地域対立や経済の方が重要視されて不安定化につながっている。
バイデンで云々という深刻な話ではありません、元々サウジアラビアは中国から弾道ミサイルを導入するような微妙な姿勢だし、原油生産でしばしばロシアと揉める関係ですぞ。
脱石油という多角化のひとつに過ぎない、この金額もお金持ちサウジアラビアからしたら騒ぐほどの投資でないから
サウジって本当に金持ちなの?
一人当たりGDPだと2万数千ドルとそこまで高いわけじゃないし
国防費もGDPの10%近くと一杯一杯な感があるけど
国の構造がいびつだから、予算のうちに支配層による可処分所得部分が大きいって話です
貧困層に回すべき予算を軍備につぎ込んでも文句を言わせない、いわばイスラム北朝鮮な国ですから
なんでも朝鮮や韓国を出さないとまともにコメントもできないのか?
誰も韓国とか出してないよ(笑)
北朝鮮と同じく世襲制度の独裁政治国家だから。何か問題ありますか?
出稼ぎ労働者で分母が広がってるだろ。そうじゃなきゃフェラーリとか持てるわけないじゃん
金持ちだけど自分で働かないから国内に産業作ろうとしても労働意欲が問題になってるって話だし。
アメリカがいつもの敵対者に対する制裁措置法発動させる案件かこれ?
アメリカの上お得意様を失う流れか・・・