中東アフリカ関連

イランが報復攻撃を開始、100発以上の無人機や弾道ミサイルをイスラエルに発射

バイデン大統領は「イランの報復攻撃は遅かれ早かれ攻撃が行われる」と述べていたが、イランは13日夜にイスラエル領内への直接攻撃を開始し、Times of Israelは「イランが無人機や弾道ミサイルを100発以上発射した」「フーシ派も無人機を発射した」と報じている。

参考:Iran has launched over 100 drones at Israel; IDF working to intercept them en route

これまでの報道が事実ならイランの報復攻撃は非常に大規模なものになり、イスラエルとイランは戦争状態に突入するかもしれない

The Wall Street Journalは諜報機関の報告書に基づき「イランはダマスカスのイラン総領事館を破壊された報復を今後24時間~48時間の間に行う可能性がある」「報復の選択肢には中距離弾道ミサイルによる攻撃も含まれている」と、CBS Newsも米政府高官の話として「2週間前の空爆の報復としてイランによる大規模なイスラエル攻撃が予想されている」「この攻撃はイスラエル領内の軍事目標を狙って100機以上の無人機、数十発のミサイルが発射される可能性がある」と報じた。

出典:President Biden

ホワイトハウスで会見を行ったバイデン大統領も「イランの攻撃はどれだけ差し迫ったものなのか?」という質問に「安全保障に関わる問題なので触れたくないが、私の予想では遅かれ早かれ攻撃が行われる」と、さらに「イランに対して何かメッセージはないか?」という質問に「攻撃を止めるべきだ」と述べ、CNNは「イランの攻撃はエスカレーションを警戒して直接ではなく民兵組織によって行われる可能性が高い」と予想していたが、イランはイスラエル領内への直接攻撃を開始した報じられている。

イスラエル国防軍のハガリ報道官は13日午後11時頃「イランから発射された数十機の無人機がイスラエルに向かっている」「この無人機がイスラエル領内へ到達するまで数時間はかかるだろう」と、イラン国営メディアも「イランがイスラエルに向けて無人機の第二陣を発射した」と発表し、SNS上にはイラク上空を飛行するShahed-136の映像が出回っており、イラクやヨルダンは領空の閉鎖(民間航空の飛行禁止)を決定。

Times of Israelは「イランからイスラエルに向けて飛行する無人機の数は100機以上だ」「国防軍の戦闘機は必要に応じて無人機を迎撃する準備ができている」と報じ、イランの攻撃に合わせてレバノンからイスラエル北部にロケット弾攻撃が撃ち込まれている。

さらにTimes of Israelは「イランがイスラエルに対して弾道ミサイルの第一陣を発射した」とも報じているため、イランの攻撃は飛行コースの異なる複合攻撃=無人機と弾道ミサイルの組み合わせで、これまでの報道が事実ならイランの報復攻撃は非常に大規模なものになり、イスラエルとイランは戦争状態に突入するかもしれない。

追記:フーシ派がイスラエルに向けて無人機を発射したと報じられている。

関連記事:バイデン大統領、イランはイスラエルへの報復攻撃を遅かれ早かれ行う
関連記事:イランの報復攻撃、48時間以内に無人機やミサイルでイスラエルを攻撃か

 

※アイキャッチ画像の出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136

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コメント

    • マダコ
    • 2024年 4月 14日

    ここまでの報復をするとは思っていませんでしたが、イランの中東での立場上こうするしかなかったのか?とも思えますね。それでも、なんとか、戦争回避はしてほしいですが、難しいかもしれませんね。。どうなってしまうのでしょう?

    12
    • 名無し
    • 2024年 4月 14日

    何人かタマ取らないと国民が納得しないが、何百人もとると戦争になる
    微妙かさじ加減が要求されますな。

    21
    • ラジコ
    • 2024年 4月 14日

    前日のようなヒズボラの攻撃と連動させて同時にはできないの?距離が違いすぎて難しいのかな

    8
      • 名無し
      • 2024年 4月 14日

      そんなに連動ちゃんとしちゃったら、イランの予定より被害が大きくなり過ぎちゃうでしょ。
      ヒズボラ側の攻撃の被害を、イランのせいにしてきそうだし。

      14
    • プー
    • 2024年 4月 14日

    ゴラン高原を狙ったそうなので予定調和。
    拳(報復攻撃)を上げたはいいが、落とす場所を選んだ、エスカレーションは望まないというメッセージでしょうね

    47
    • たむごん
    • 2024年 4月 14日

    イスラエルは、ガザ紛争の長期化により消耗していますが、無人機の飽和攻撃に対応できるのか注目ですね。
    アメリカは、ウクライナ戦争により弾薬備蓄の余力がなくなっている中で、さらなる対応を強いられる可能性があります。

    イスラエルへの軍事援助、中東の駐留米軍への防空強化が必要になりますから、ウクライナ支援どころか他地域の余力も削られる事に繋がります。

    日本にとっては、原油価格値上がりによるインフレ、シーレーンへの不安定化、極東の軍事バランスへの影響など、本当に迷惑な話ですね。

    15
    • Easy
    • 2024年 4月 14日

    いやはや、第三次世界大戦の開戦を目の当たりにするとは・・・
    長生きは良いことばかりでもないな

    7
      • のー
      • 2024年 4月 14日

      何れ訪れる未来なら、自ら見届けるのも悪くは無いですよ。
      きっと。
      ただ、この程度なら第三次世界大戦という程ではないと思います。
      冷戦時に起こってた過去の戦争よりはるかに小規模ですよ。

      22
    • トーリスガーリン
    • 2024年 4月 14日

    イランの国連ニューヨーク代表部の公式アカウントが報復は完了、これで終わりとコメント出してるので、イスラエルが再攻撃したりしなければこれで手打ちになるかも
    テヘランで爆発とかいうニュース(真偽不明)も流れてるからはたしてどうなるか…

    17
      • 無名
      • 2024年 4月 14日

      いすがミサイル、ドローンを全部撃墜したとしても、イスラエルは報復をしないような国とは思えません。

      21
    • 無明
    • 2024年 4月 14日

    あとはアメリカが報復に対しての報復を認めるかどうかになりそうですね

    4
    • ido
    • 2024年 4月 14日

    今回の攻撃、イスラエル軍報道官は殆どを領空外で撃墜したと言ってますね。ヨルダンの空域が開放され、米英軍と共に戦闘機でUAVを撃墜したらしい。被害は空軍基地に軽微な損傷だけで合計200発以上を迎撃したらしいので全体的に防空戦闘は大成功と言うところでしょうか。他にもヨルダン上空でサウジアラビア軍の戦闘機が戦闘に関与したらしいので続報を待ちたいです。

    5
      • たむごん
      • 2024年 4月 14日

      問題は、ウクライナ戦争と同じように、どの程度の迎撃コストが生じるのかでしょうか。

      シャヘドは、非常に安価で量産しやすいため、10回・30回・100回このレベルの攻撃が続いたと仮定してどこまで対応できるのか個人的に興味があります。

      ウクライナ戦争は、イランからロシアへの兵器輸出・軍事援助でしたが、今後は逆向きも考える必要があるため物量は侮れないと考えています。

      9
      • A
      • 2024年 4月 15日

      イランの無人機はヨルダン内に墜ちたのでしょうね。
      ヨルダン的にはいい迷惑ですね。
      イスラエルとイランが本格的に事を構えたらこんな事言ってられませんが。

      1
    • YJ93
    • 2024年 4月 14日

    イスラエルは無人機や巡航ミサイルに対して戦闘機を領空外まで飛ばして対処しているようですね。

    4
    • 58式素人
    • 2024年 4月 14日

    記事の攻撃の結果は既に出ているでしょうね。
    他人ごとなのですが、今後の参考のために、
    誰が、どこで、何を、どのようにして撃墜したか、
    知りたいものです。

    5
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