イスラエルのラピド前政権は「ロシア批判」に踏み込んだもののウクライナ支援は人道目的に限定、ネタニヤフ氏が政権に復帰すれば「変化が起きる」と期待されていたが、新政権のコーヘン外相は「ロシア批判を今後控える」と明かした。
参考:GOP senator pans new government’s plan to ‘stay quiet’ on Russia’s war in Ukraine
参考:Ukraine Exacts Revenge on Israel at UN
ロシアが解体される訳でもイランやシリアへの影響力を失う訳でもないので、ロシアを刺激するような行動は出来ない
ネタニヤフ氏が前政権時代にアサド政権を支援するロシアとの関係強化に動いたのは「イスラエル北部国境に近いシリア領へのイラン軍進駐阻止」と「ロシア軍が支配するシリア上空での自由確保」のためだと言われており、ラピド前政権が公の場でウクライナ侵攻を批判すると「イスラエルの安全保障に重要なロシア関係を軽視している(ウクライナ支援を人道目的に限定したことは評価)」と牽制していたが、昨年11月の総選挙が近づくにつれて「政権の座に戻ればウクライナへの武器支援も検討する」と態度を変化させていた。
そのためウクライナや国際社会は「ネタニヤフ氏が政権に復帰すればイスラエルの支援に変化が起きる=防空システムの提供に踏み切るのではないか?」と期待されていたが、新政権のコーヘン外相はウクライナへの人道支援を継続すると前置きした上で「我々は公の場でロシア批判を行うことを今後控える」と明かした。
政権に復帰したネタニヤフ首相もウクライナに「パレスチナ問題に関する国連決議」で反対票を投じるか棄権するよう要求、ゼレンスキー大統領は「イスラエルがロシア軍と戦う我々に軍事支援(スティンガーの提供を要求したらしい)を約束すれば立場を変更する可能性がある」と回答したもののネタニヤフ首相は支援を確約しなかったらしい。
そのためゼレンスキー大統領は国連大使に「投票自体への参加見送り=中立」を指示、この決定についてウクライナ側の関係者は「ネタニヤフ首相にウクライナとの関係を再考するチャンスを与えるためだ」と米メディアに明かしているが、イランとシリアに影響力をもつロシアとの関係はイスラエルの安全保障に大きな影響を及ぼすためネタニヤフ首相から「武器支援」や「ロシアに批判的な立場」を引き出すのは望み薄だ。
イランがロシアへの無人機・弾道ミサイル提供準備を進めているというニュースに当時のシャイ大臣(ディアスポラ問題(民族離散問題)担当)は「この血なまぐさい紛争でイスラエルが誰に立ち向かうべきかもう疑う余地はない。米国やNATOと同じようにウクライナがイスラエルの軍事援助を受け取る時が来た」と発言して注目を集めたが、ロシアのメドヴェージェフ元大統領は「もしウクライナに武器を提供すればロシアとの関係はお終いだ」と述べてイスラエルを牽制したことがある。
つまりウクライナへの武器支援に踏み切れば「イスラエルは自国の安全保障に重大なリスクを背負うことになる」という意味で、仮にウクライナが今回の戦いで軍事的な勝利=主権が及ぶ範囲からロシア軍を追い払うことに成功してもロシアが解体される訳でもイランやシリアへの影響力を失う訳でもないので「ロシアを刺激するような行動は出来ない」と言ったところだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Prime Minister of Israel
さて…米国はこのイスラエルの態度を見てどうするのか、楽しみだな
今まで様々な援助をして来たのに、こう言う時に米国では無くロシア寄りと取られかねない行動をしたイスラエルに対して、米国は何時まで甘い顔が出来るのかな?
今までと何ら変わりないと思うよ
明確にロシア側に肩入れするならキレるだろうけど。。。単にウクライナに武器支援をしないってだけだし
日本や韓国と同じ事をしてるだけ
それはどうかな?
韓国はウクライナヘ直接武器や砲弾を送らないと明言しているものの、米国へ砲弾を輸出する事で米軍在庫の砲弾をウクライナヘ送る余裕を作り、間接的にウクライナへの砲弾供給を支援する形になっているし、ポーランド等ロシアの周辺国への武器輸出で間接的にウクライナヘ肩入れしている形になっている
そして日本もウクライナへの武器供与を念頭に置いて、今度自衛隊法を改正して殺傷能力のある防衛装備品の無償提供を可能にする方針を固めている
それに対して、イスラエルはウクライナヘ何らかの武器や砲弾を送ったのか?
直接送っていなくても間接的に送ったのか?
その動きはあるのか?
無いよね
このままだと、人道的支援だけのイスラエルはウクライナへの支援貢献度では日本や韓国以下と言う事になってしまい、世界からは「間接的にせよ、イスラエルはロシア寄りの立場に立っている」と見做されかねない
日本がウクライナに供与する武器のストックも余裕も無いだろうに、政治家は平和ボケかよ…
FH-70とかM230なら送れるだろう。
16式機動戦闘車や19式装輪155自走榴弾砲もくれてやれ。
>>世界からは「間接的にせよ、イスラエルはロシア寄りの立場に立っている」と見做されかねない
イスラエルがパレスチナ人を追い出して作られたアパルトヘイト国家なのは周知の事実なのでイスラエルに対する世界の評価が変わったりすることはないのではないかと
少なくない国が、反ロシアに振り切れない理由が
ロシアを完全に敵にまわして、ロシアが敵の味方になると困るってのがある
中国からすれば日米と戦う場合に味方でいてほしい
インドからすれば中国と戦う場合に味方でいてほしい
イスラエルもシリアやイランと関係強化されれば困るし
韓国も北朝鮮と関係強化されれば困る
その他アジアやアフリカの途上国をあげていけばきりがない
日本の親露派も中国と戦うときに敵として同時に攻め込まず、ロシアには中立でいてほしいってタイプもいる
この方向で重症化するとロシアと仲良くしてれば一緒に中国と戦ってくれると思い込んでるのまでいる
欧米が過去の敵で信用できず、現在の敵は中国って国だと
欧米も中国も敵だからロシアから離れられん(ベトナムとかね)
少数民族問題を抱えて弾圧することで多数派の平穏を得てるような国だと弾圧やめろという欧米に近づくわけにもいかん(トルコあたりはクルド問題でNATO加盟国なのにロシアに擦り寄るくらい)
独裁国も独裁政権を許さない欧米に近づくわけにいかん
更に資源問題なんかも加えるとロシアを完全に敵にまわす覚悟できる国は極めて少なくなってしまう
日本は資源問題と、中国ロシアの二正面避けたいって問題があるから結構厳しいわりに頑張ってるとはいえる
ロシアと中国、北朝鮮の3正面は避けたいね。
日本と一緒に戦う国なんて無いだろうから。
まー、ロシア批判しても、しなくても、日本に良いことはあんまり無いかもね。
>>この方向で重症化するとロシアと仲良くしてれば
>>一緒に中国と戦ってくれると思い込んでるのまでいる
宇露戦争前は保守層に一定数いたんだよな。この手が。
あとは屋○要視聴者の地政学かぶれとか色々。
まあ、いくらロシアに媚び売っても、日ソ中立条約の破棄の例もありますから、難しいところではありますね・・・。
イスラエルの場合、イスラエルにとっての損得勘定や小アジア情勢との兼ね合いも当然あるんでしょうけど、それ以前の問題として(スラエル自身がしょっちゅう国際法に反する武力行使をしているので)ロシアの事をあんまり非難すると自分に返ってくるという視点もありそうな気がします。
イスラエルはアメリカへのロビイングで今の地位に居るだけで決して西側国際社会の一員ではないし、過去の行動や軍事ドクトリンだけで見ればイランと変わらないならず者国家ですからね…。ネタニヤフも政教一致国家の極右政党指導者という意味ではアーヤトッラーやライースィーと大差ないですし。
イスラエルにロシア系の人間が多くいるのが影響してるんでは、とか勘繰ってしまう。
ウクライナ出身者も多い。
彼等はロシアとウクライナに見切りをつけて、ユダヤ人土地に移民した連中です
過去の関係は続いてるだろうが、そこはユダヤ人、現実的に打算のみで動くのは想像に難くない
ロシアをあまり刺激しないように、そしてイランを弱らせるネタにできないかと画策してますよ
イスラエルは表立っての反ロシアをしないだけで、裏ではどう動くことやら
まーM230なら…
FHは全部退役するまでは、部品ストックとして取っときたいし、MCVや19式は自衛隊で配備終わってないから無理だろ。
けど、MCVはそんなに沢山必要とは思えないから損切りで…
ネタニヤフは以前からプーチンとの関係が良好でした
大体右派の方がプーチンとの関係が良い傾向がありますね
現政権だとハンガリー、イタリア(政権に就いてからはやや修正?)
それから政権には参加してませんが、フランス国民連合(旧国民戦線)、ドイツのAfD
例外はヨーロッパだとポーランド位かな