中東アフリカ関連

南アフリカ空軍のグリペンが資金不足の影響で飛行停止、パイロットも操縦資格を喪失

資金不足の影響で南アフリカ空軍のグリペンは今年9月以降の飛行を停止しており、所定の飛行時間を確保できなかったパイロット達はグリペンの操縦資格を失っているらしい。

参考:SAAF Gripens grounded
参考:South African Air Force Gripen fighter jets are grounded since September and they won’t fly again until late January 2022 at the earliest. Here’s why.

資金不足の影響で飛ぶこともままならず搭載する兵器もない南アフリカ空軍のグリペン

南アフリカ空軍は2013年頃までにグリペン×26機(C×17機/D×9機)を取得したが運用資金の確保に目処がつかないため26機中12機のステータスを運用状態から保管状態に変更、機体の保守・サポートをサーブから現地企業に変更したものの資金不足という根本的な原因が解決されなかったため同契約の更新に失敗、契約が切れた今年9月以降に南アフリカ空軍のグリペンは飛行を停止したらしい。

この問題について南アフリカ国防省は「保守・サポート契約の更新交渉が難航してグリペンの運用に悪影響を及ぼしたのは残念だが、我々はこの問題を解決することが出来ると確信している」と述べているが、この問題はArmscor(サーブから保守・サポートを引き継いだ現地企業)を通じて締結したサーブの契約が切れたために発生したため資金的な問題が解消されない限り長引くことが予想(African Defense Reviewは早くても来年1月下旬以降と言っている)されており、スペアパーツ不足による共食い整備でグリペンの状態も良くないと言われている。

出典:South African Air Force / CC BY 2.0

さらに南アフリカ空軍の資金不足は他の航空機に影響を与えているため、練度を維持するため使用されていたホークやPC-7も大半が飛行不能な状態で所定の飛行時間を確保できなかったパイロット達はグリペンの操縦資格を失っているらしい。

因みに南アフリカ空軍は78億レアル/約1,600億円を2021年度に要求したが59億6,900万レアル/約1,200億円しか供給されなかったため「不足した18.3億レアルが航空機の運用・維持に大きな影響を与えている」という意味だが、長期に渡る資金不足の影響で「南アフリカ空軍のグリペンは仮に飛行できても搭載するミサイルや弾薬が殆どない」と言われているため有事に使用できる状態に戻すには相当な資金が必要になのだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:NJR ZA / CC BY-SA 3.0

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コメント

    • 無無
    • 2021年 12月 28日

    南ア周辺国の軍事力なら、こんな緊張感のない防空でも問題ないのか
    そのうちグリペンの売却先を探し始めそう
    アフリカでは大国のはずなんだがな

    13
    • 2021年 12月 28日

    南アフリカって仮想敵国いるのか?どちらかというと国内の治安維持の方がまだ出動する機会がありそう
    だとしたらそれなりの戦力で必要十分なんだろうな

    6
    • ブルーピーコック
    • 2021年 12月 28日

    かつては核兵器を持っていた国とは思えない有様だな

    11
    • クローム
    • 2021年 12月 28日

    リンク
    5月の時点では稼働してたみたい。
    そしてC-47が現役というのが驚き

    1
    • 黒丸
    • 2021年 12月 28日

    パイロットと整備要員付きでバルト3国か台湾あたりにチャーターできればいいのに
    資格維持に必要な燃料は客先支給で、武器は使用回数と実績に応じて支払いで

    • ミリオタの猫
    • 2021年 12月 28日

    南アフリカって、昔は金等の鉱物資源の採掘で経済が潤っていたんだが、主力である金の採掘に経済を頼っていた事が仇になって、今では貧困国に転落したらしい。
    理由としては長年の採掘で資源を取り尽くしたり、アパルトヘイトの撤廃で電力需要が急増(アパルトヘイトの時代には電力供給でも白人と黒人との間で差別があったらしい)した影響で鉱山の冷却装置に回す電力が不足(鉱山を深く掘り進めると地熱の影響で坑道内部の気温が55度前後まで上昇する為、採掘作業には冷却装置が必須)してコストと生産効率性が悪化した結果、2005年~15年の間に金の生産量が半減したと言われている(因みに、現在世界一の金生産国は中国)。
    多分、ダイヤモンドや他のレアメタルも事情は同じだろう。
    そんな状況だから、その内南アフリカはグリペンどころか軍の装備の大半を売りに出すかも知れないね…清谷信一がローイファルク攻撃ヘリやルーイカット装輪装甲車等の南アフリカの国産兵器を持ち上げていた頃が懐かしい(笑)。

    14
    • A
    • 2021年 12月 28日

    意外だな。
    南アフリカって兵器市場で存在感出しているのでこういうところはしっかりしていると思っていたから。
    兵器市場と軍隊の整備状況では話が違うのかもしれないけれど。

    2
      • ブルーピーコック
      • 2021年 12月 28日

      アンゴラ内戦への介入による経験や、アパルトヘイトによる制裁によって生まれた独創的な兵器群が魅力的だったな。
      対戦車地雷への対策が施された装甲車マンバとか、装輪自走砲のパイオニア、G6ライノとか。あとオリファント(魔改造センチュリオン)

      真似されて似たような兵器が溢れた結果、存在感が無くなったように思うが、実際なんで衰退したんだろうな。

      4
    • 匿名
    • 2021年 12月 28日

    グリペンは町田奪還のために我が神奈川県が引き取るから安心して売却してほしい(ネタ)

    6
      • 匿名
      • 2021年 12月 28日

      群青の空かな?

      5
      • 匿名希望
      • 2021年 12月 28日

      設定で考えるとミラージュかラファールいれろって言う話になるアレ?

    • ザコ
    • 2021年 12月 28日

    正面装備だけ数揃えても維持できなきゃ意味ないなぁ、と言うと刺さる国は結構あるはず

    3
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