中東アフリカ関連

米メディアも失笑、イランが公開したのは宇宙服?幻のステルス戦闘機用フライトスーツ?

イランの情報通信技術大臣は今月4日、イランが宇宙へ人間を送るための宇宙服をSNS上で公開したが、あまりにも出来が悪すぎて話題を呼んでいる。

参考:Iranian Minister Tried To Pass Off A $20 Halloween Costume As A Real Spacesuit

ホルムズ海峡の緊張緩和を狙ったイランなりのジョークか?

イランは過去に有人宇宙飛行プログラムを発表、遅くとも2019年までにはイラン人初の宇宙飛行士を宇宙へ送ると宣言し有人宇宙船(1人乗り)の実物大模型まで公開したが、2017年にプログラムの無期限延期が決定されたためイランは宇宙飛行士を宇宙へ送る予定を持っていない。

それにも関わらずイランの情報通信技術大臣は今月4日、自身のTwitterにイラン人宇宙飛行士が宇宙に行く際に使用する宇宙服を公開した。

しかし、すぐにAmazonなどの通販で売られている「NASA」のロゴが付けられた子供用コスチュームを改造したものだとバレてしまった。しかも価格は23.57ドル(約2,600円)で誰にでも入手できる。

米国メディアはイランが公開した宇宙服について「なぜこんな物を公開する気になったのかは謎だ」としながらも、イランが開発したステルス戦闘機「ガーヘル 313」のコックピットは非常に狭いため「小柄なパイロット用のフライトスーツに適している」と皮肉交じりの考察を付け加えた。

補足:ガーヘル 313とはイランが開発した国産のステルス戦闘機のこと。非常に小型機で飛行不可能なモックアップではないかと言われていたが、2017年に滑走路をタキシングしている動画をイランが公開した。ただし飛行している姿を確認したものは誰一人いない。

因みに、イランは昨年もやらかしている。

イランは革命40周年を祝うため「イランの進歩」を示す巨大な看板を制作したが、そこに描かれていたのはイランの進歩ではなく米国の「スペースシャトル」が描かれていたためSNS上で多くの批判を浴びたが、今回もその反省が全く生かされていない。

今回の偽宇宙服もお粗末な結果に終わったが、イランは何を狙ってこんなものを公開したのだろうか?

もしかしたら、イランなりにホルムズ海峡の緊張緩和を狙った「ジョーク」だったのかもしれない。

 

※アイキャッチ画像の出典:MJ Azari JahromiがTwitterに投稿した画像

中国軍の暴挙、航空ショー参加のため新型コロナが猛威を振るう湖北省の部隊を派遣前のページ

イスラエルの軍事技術に依存? 米メディア、韓国の第4.5世代戦闘機「KFX」は輸出困難次のページ

関連記事

  1. 中東アフリカ関連

    スーダンで激しい武力衝突、準軍事組織が大統領官邸や国際空港の占拠を主張

    スーダンの準軍事組織(RSF)は15日、首都ハルツームにある大統領官邸…

  2. 中東アフリカ関連

    ガザ地区のシファ病院が機能を停止、集中治療室の患者が死に始める

    ガザ地区最大のシファ病院は「イスラエル軍が病院に向けて発砲してくる。発…

  3. 中東アフリカ関連

    イスラエル国防軍、Iron Vision搭載のメルカバIV最新バージョンを発表

    イスラエル国防軍は20日「5年間の開発プロセスを経て新しい戦車“Bar…

  4. 中東アフリカ関連

    イスラエル、イランの極超音速ミサイルを迎撃可能なSkySonicを発表

    イスラエルのラファエルは14日、イランが発表した極超音速ミサイル「Fa…

  5. 中東アフリカ関連

    タイフーンを馬鹿げた金額で契約したクウェート、合意金額を上回る契約をエアバスに発行か

    タイフーン調達にまつわる汚職を調査していたクウェート政府は24日、契約…

  6. 中東アフリカ関連

    南アフリカ空軍のグリペンが資金不足の影響で飛行停止、パイロットも操縦資格を喪失

    資金不足の影響で南アフリカ空軍のグリペンは今年9月以降の飛行を停止して…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 2月 08日

    4月1日はまだ先なんだが。イランの暦ではエイプリルフールなのかな?
    どうせなら、月まで歩いていく方法を見つけた、ぐらいは言ってほしい。

    • 匿名
    • 2020年 2月 08日

    将軍様が太陽に「着陸」したらしい某国よりは……まあ……
    プロパガンダというのはお金がかかるもので、つまるところイランにはその辺に回せるお金がないのでしょうね

    • 匿名
    • 2020年 2月 08日

    ハッキリ言って、国民向けの「宣伝」なんだろうね。
    イラン政府としては、国民の愛国心を煽る為なら宣伝内容の真偽は“どうでも良い”のでしょう。

    • 匿名
    • 2020年 2月 08日

    ホントに何でこんなもん公開したんだ。理由が知りたい

    • 匿名
    • 2020年 2月 08日

    実はNASAが腰を抜かすような最新技術の結晶…だったらいいのに。

    • 匿名
    • 2020年 2月 09日

    お金を投じたモノならば何かの機会に使ってみたいと思うのは良くある話で、それと予算不足が合体事故を起こすとこういう謎めいた話ができあがるんでしょうね。

    • 匿名
    • 2020年 2月 09日

    イランは冗談でやってるんですよね?
    金○恩のお友達って何故こういうすくにバレることをやらかすのでしょう。

    1
    • 匿名
    • 2020年 2月 09日

    ど素人が考えても、あの服では外部環境が低圧(真空)になったら風船のように膨れ上がると予想するだろう。
    ガーヘルもあらゆる意味でチグハグなダンボール製の機体、イランって中東では進んだ技術力を持っているイメージだがそれでもあの程度なのか。
    もっともらしく見せる技術は韓国よりも下だな。

    1
    • 匿名
    • 2020年 2月 09日

    独裁政治体制はどこでもお笑いをやらかす
    それは、根本的にウソで始まってるから

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  2. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  3. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  4. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  5. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
PAGE TOP