カナダ空軍の戦闘機CF-18A/B(F/A-18A/B)を更新するための機種選定レースからラファールに続き、タイフーンも撤退することを表明した。
参考:Airbus pulls out of Canada’s fighter jet competition
十中八九、カナダの次期戦闘機はF-35Aで決まり
7月30日、エアバス・ディフェンス・アンド・スペース(エアバスの防衛・宇宙部門)は、カナダ空軍の老朽化したCF-18A/Bの後継機入札に「応札しない」ことを決定したと表明し、これは機種選定レースからのタイフーン撤退を意味する。
エアバスの撤退理由については、フランスのダッソーが撤退した理由と同じで、米軍との情報共有に掛かるコストが原因の不公平さだ。
カナダは米国と共同でNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)を運営しており、カナダ空軍の主任務はNORADの一員として北米空域のパトロールを行うことにあり、当然、米軍と情報共有が行われている。
そのためカナダ空軍が次期戦闘機に「米軍との情報共有が安全に行えること」を要求しているが、欧州機にとってこの要求を満たすのは不可能ではない、しかし簡単な話でもなく、新しい通信機器の追加で発生するコストと、新しい通信機器と既存の機器を統合するリスクが発生し、殆ど手を加える必要のないF-35AやF/A-18E/Fなど米国機候補に比べて不利=不公平だという意味だ。
2018年11月に撤退を表明したフランスのダッソーも、カナダと米軍の情報共有に関する問題に直面したと話した。
フランスは米国、オーストラリア、イギリス、カナダ、ニュージーランドで構成されるファイブアイズの一員ではないため、相互運用に必要な情報の暗号化について要求される要件があまりにも多く、問題を引き起こしたためラファールの提案取り下げに繋がったらしい。
エアバスの撤退によって、カナダ空軍の次期戦闘機選定レースに残っているのは、ロッキード・マーティンのF-35A、ボーイングのF/A-18E/F、サーブのグリペンE、この3機種だけになってしまった。
エアバスやダッソーが語った不公平さが本当なら、サーブのグリペンEも同じ問題を抱えていることになり、仮に提案しても価格面で不利なのは明らかで選定レースからの撤退もあり得る。
こうなれば、もはやF-35AとF/A-18E/Fの一騎打ちの様相になるかと思ったが、ボーイングに言わせれば、もう一つ問題があると言う。
ボーイングやエアバスは7月に、この入札のやり方は不公平で、一部条件は完全にロッキード・マーティンを有利にさせていると抗議しており、もっと過激な言い方をすれば、カナダ政府は老朽化したCF-18A/Bの後継機を幾つかの中から公平に選定すると言いながら、実際にはF-35Aに勝たせる=選ぶことが決まっている出来レースの可能性が高いという意味だ。
F-35Aだけを有利にさせる条件とは何なのか詳細は明らかになっていないが、幾つかの漏れ聞こえる情報を組わせてみると、F-35Aを有利にさせる条件が見えてくる。
恐らくカナダ政府は、応札があった次期戦闘機候補を評価するポイントの中で「カナダ産業に対する利益」の評価を、より重要視するよう変更を加えた可能性が高く、カナダ国内の企業もF-35部品製造に関わっているので、F-35Aのみを有利にさせるには十分な条件だろう。
もし条件の不公平さを理由にボーイングまで撤退するようなことになれば、米軍との情報共有の面でも、カナダ産業に対する利益の面でも、グリペンEに勝ち目はない。
十中八九、カナダの次期戦闘機はF-35Aで決まりだ。
※アイキャッチ画像の出典:Jason Wells / stock.adobe.com
何だかカナダはボーイングと以前揉めたみたいですね。F/A-18E/Fは無さそうです。
厳密には、2017年に米ボーイング社がカナダのボンバルディア社に「米デルタ航空に売ったお前の旅客機、不当廉売だろ」と因縁を付けたのが切っ掛け。
その結果、米国とカナダの両政府が揉めた影響で、一度決まっていたF/A-18E/Fの対カナダ輸出が消えて、代わりにカナダはオーストラリア空軍のF-18A/Bの中古機を買った訳。
F-35Aのカナダ輸出も一度消えた話なのだけど、昨今のNATOは対ロシア軍備が重要視されているので、カナダも性能的に優位なF-35Aを導入せざるを得ないのでは、と言う話になっているみたいだね。
必要なんかね?。ロシアの戦闘機がカナダまでやってくんのかな。カナダの仮想敵が想像出来ないんですが。
北極側から地球儀を見てごらん。
日本のFXと同じで完全な出来レースでしょう
でも民主主義国家には必要なプロセス
ちょっと反米風味で民心を得ようとしたが、
それが一段落して現実的になればF-35しかあり得なかったというだけのオチかな
トルドー首相がアホだったからでは…?
左翼首相が当選するとほんとどこもおかしくなるんだわ
議会がまともだとなんとか踏みとどまるけど失敗するとお隣とかフランスとかブラジルとか……
過去にF-18のステルス改修案とか提示しつつも結局はステルス戦闘機を一機種も作らなかったボーイングの自滅だよね
泣き言にしか見えない