ロシアは軽量な単発戦闘機「チェックメイト」を20日発表、2023年に初飛行を実施して2025年までに量産準備を整える予定らしい。
参考:Russia’s Checkmate Light Tactical Fighter Is Officially Unveiled
チェックメイトは戦闘機市場の新規プレーヤーからロシア製戦闘機のシェアを守るための切り札
新型戦闘機「チェックメイト」の基本的なスペックは最大速度マッハ1.8~2.0、航続距離は機内タンクのみで2,993km(作戦半径は1,496km)、ペイロードは6.8トン以上で、同機のウェポンベイは左右のエアインテーク側面に1基づつと大型のウェポンベイが機体下部に設置されており、ここにR-37Mの輸出版「RVV-BD」を3発搭載可能=つまりロシアが採用している長射程迎撃ミサイル戦術(S-400が運用する40N6や戦闘機が運用するR-37M等で価値が高く損耗することを前提にしていないAWCASや空中給油機を遠距離から狙い撃つ=つまり航空支援戦力を前線から後退させる戦術のこと)の実行が可能だという意味だ。
参考:Эксперт оценил экспортный потенциал нового легкого истребителя Checkmate
さらにチェックメイトの最大荷重はSu-35よりも低い「8G」に設定されているので機動性や操縦性よりも低観測性や航続距離に重点を置いて設計された可能性が高く「Su-57と同じ正面方向からのステルス性能を追求したのだろう」と海外メディアは評している。
最も興味深いのはロステックのチェメゾフCEOがチェックメイトの調達コスト(機体単価で関連費用を含んでいない)について「2,500万ドル~3,000万ドルになる」と明かした点で、海外メディアは「楽観的過ぎる」と否定的だがコストを押し上げる要因の一つに挙げられる「デリケートなステルスコーティング」をチェックメイトは採用していない=機体形状や素材で対応できる範囲のステルスに限定していれば不可能ではないかもしれない。
参考:Чемезов назвал стоимость нового истребителя Checkmate
チェックメイトの設計を担当したスホーイ設計局の関係者は「コスト削減のため可能な限りSu-57の技術、各種コンポーネント、搭載兵器を流用した」と述べているので、本機の開発コストは一から開発する戦闘機よりもの相当低く抑えられているはずだ。
参考:Мантуров рассказал о новейшем истребителе Checkmate
海外市場で人気が高いF-16Vの機体単価は約5,490万ドル/約58.5億円(国防総省がFMS経由で受注したF-16Vをロッキード・マーティンに発注した際の契約金額を発注数で割った数字)、中国とパキスタンが共同開発したJF-17ですら機体単価は約4,000万ドル/約44億円(推定金額:ナイジェリア空軍向けのBlock2)もするため、正面方向のステルス性能が優秀なチェックメイトが本当に3,000万ドル/約32億円程度で海外市場に供給されはじめれば「ある程度の低観測性能を有している中国のJ-31、韓国のKF-21、トルコのTF-Xはこれより高価でチェックメイトだ」という主張も頷ける。
関連記事:ロシアの新型戦闘機は中国のJ-31、韓国のKF-21、トルコのTF-Xといった競合機に対する回答
他にも興味深い点は以下の通りだ。
- 新型戦闘機の正式名称はチェックメイト
- ロシア空軍向けにSu-75という名称を取得する可能性がある
- 75という数字は逆から書くと57で開発者曰く「ラッキーナンバー」らしい
- 今回公開された機体はモックアップではなく飛行可能な試作機
- チェックメイトは無人機とのエアチーミングが可能
- チェックメイトは小型の無人機を搭載して必要に応じて発射可能
- 短距離離着陸に対応(F-35Bのような短距離離陸・垂直着陸ではない)
参考:Глава ОАК рассказал об истребителе Checkmate
参考:Истребитель Checkmate сможет нести на борту группу беспилотников
果たしてロシアのチェックメイトは戦闘機市場の新規プレーヤーからロシア製戦闘機のシェアを守ることが出来るだろうか?
ここで躓けばロシアの航空宇宙産業は研究・開発費用の回りが悪化して米国や中国に遅れをとる可能性も出てくるためチェックメイトにかかる期待は大きいだろう。
※アイキャッチ画像の出典:Rostec
ここまで安価を目指すとなるとSu-57のような長寿命ではなく
従来のロシア機のように機体寿命はかなり短そうですね。
>2023年に初飛行を実施して2025年までに量産準備
絶対無理だろ…。
Su-57もPAK-FAの頃出る出る詐欺凄かったしな
スペックもそうだけど、とりあえずでかく言っとけっていういつものロシア仕草だと思う
いや少なくとも現時点で試作機できてりゃロシアなら2年ありゃ初飛行はできるだろう。
そして2025年は「量産準備」であって量産開始ではないw
「整う」という言葉をどう捉えるかだが、どうせ翻訳フィルター越しなのでそこは深く考えても無駄だな。
ロシアには悪いけど革新的すぎて嘘くさい。
随所にトリックはありそうだけど、たぶん最大のポイントは「第五世代」ってところな気がする
第五世代・ステルス機っていうとついF-22とかF-35に準じた性能を想定しがちだけど、Su-57も低RCSって意味ではそんなでもないって言われていたのと同様にこいつもEF-2000未満F-35以上の、おそらくはEF-2000寄りのRCSって話になる気がする
なるほど
極端に言ってしまえばUAVとの連携などの能力が第五世代であって機体は4.5世代相当と
そう考えると異常な低価格も納得がいく
そうなると第五世代よりの4.5世代を格安で売るのか。
飛びつく国は多そうだな。
この価格で製造できるのなら買い手は多いだろうけど、本当にこの価格を実現できるのかが不透明すぎるな。
仮に実現できたとしても、エンジン寿命が短めでランニングコストは他の戦闘機と大差ない、といった可能性も高そう。
エンジン交換必須って考えてもこのスペックがこの価格で買えるなら安いもんでしょう
ライフサイクルコストが今までのロシア機より極端に高いとは思えませんし
公開されている条件見ると見つからずにまっすぐ飛んでミサイルを撃つ以外の性能はほぼ捨てている割り切ったコンセプト機だから製造数次第では案外いけるかも>価格
ただ運用方法が限定的すぎて使いにくそうではあるけど
最近中国機やトルコの無人機に押されて影の薄かったロシアが一気に注目を取り返したな
安さをウリにするだろうとは思ったがまさかここまでとは
ミグではなく設計したスホーイでの登場でしたね
デモフライトを観てみたい
> 航続距離は機内タンクのみで2,993km(作戦半径は1,496km)
これ公式の発表ではあるけど、航続距離の1/2は作戦行動半径じゃねえよなぁ・・・
流石のロシアクオリティというかなんというか
F-35Aが実は航続距離5000kmオーバーと目されつつ、作戦行動半径は1200km以上(ミッションパッケージ次第では1500km弱)ってあたりから単純計算すると
実際の戦闘行動半径は750〜800kmくらい?
見つからないよう近づいて長距離ミサイルブッパしてすぐ逃げる想定での数値だろうか?
個人的な感覚としては、いわゆるベストエフォート方式かなと
本当に1500㎞先に進出できるようなミッションは存在しないけど理論上は可能、的な
というか、全体的な傾向だけどロシアは「理想的条件が揃った時の最大値」をカタログスペックに設定するのに対して
欧米は「本当はもっと頑張れるけど、おおむね現実に近い数値」をカタログスペックに設定する傾向があるから、どちらか一方の感覚でもう一方を見ると読み違える
作戦行動半径は武装形態や飛翔高度にも依るからなあ
行動半径の方は普通にドロップタンク込みの形態での数字かもしれないし
君は純粋だなぁ。
>2,993km(作戦半径は1,496km)
2993÷2=1496.5
俺はこの時点で細かい数字は気にしなくなるよ。
増槽つけて燃料増えるけど抵抗は増えて、そこから作戦行動時間を考慮して…、その結果たまたまぴったり同じ数字になると思う?
てか俺なら仮に同じ数字になっても、「2で割っただけじゃん」と思われたくないから少しズラすわ。
作戦半径なんて仮定の数字どうとでもいじれるんだし。
そもそもトーマス・ニューデック氏が公式発表とか嘘ついてるだけで、ロシア語のサイト見てもロステックのチェメゾフ氏は戦闘行動半径には言及していない。
これ機体価格は安いけどエンジンと部品購入とかの整備関係で金取るいつものロシア方式じゃん
>ここで躓けばロシアの航空宇宙産業は研究・開発費用の回りが悪化して米国や中国に遅れをとる可能性も出てくるためチェックメイトにかかる期待は大きいだろう。
躓いたら逆王手みたいな状態になるのか。
チェス版の逆王手って何と言うのだろう?
王手=チェック。宣言不要だけど、素人同士では宣言するかも、(声に出しても出さなくても)チェックされたら相手は自爆禁止。
逆王手=クロスチェック。
チェックメイトは、投了。つまり、つまづかない。
細かい事を言うとチェックメイトは「詰み」じゃないかな。
「投了(≒降参)」は多分リザイン。
チェスは詳しくないんで違ったらすまん。
お二方、ありがとうございます。
ひゃほー管理人さん、この日を楽しみに3日間通いました。情報ありがとうございます。
割り切った考え方、従来技術を使ってコストダウン、ステルス塗装無し、本当に現実的な選択したと思います。
稼働率を上げることが容易になりそうですね。制空権維持にはこういった兵器の方がいいんじゃないかと。
ところで、何方か教えていただきたいんですけど、ロシアなのにPVが全て英語って当たり前なんですかね?
DSIぽいのに最大速度マッハ1.8~2.0ですか。
コブもよく分からないし、進化してるのかな。
DSIついてるからって遅くなるわけじゃないぞ?
可動しないから最適速度以外だと吸気効率が悪くなるってだけで
輸出する為の戦闘機だからじゃないの、英語ならとりあえず通じるし
前のPVも中東を意識してるし、そうかなーとは思うんですけど。字幕つければロシア語でも問題ないよなーと思いまして。結構ロシア(ソ連時代も)の方って愛国心高いイメージがあったんです。やっぱ宣伝目的が妥当な考えですよね。ありがとうございました。
ステルス機は高価だという流れに対するロシアのアンチテーゼだな。
チェックメイトはミグ21のガワをひし形にしてウエポンベイを付けた外形ステルス機という実に合理的なデザインに思える、アビオやコクピットもSu27から移せば開発費もそれほどかからないしエンジンは単発だからそれだけ安くなるしランニングコストも下げられる。
まさにこんなのでいいんだよなステルス機だ、これでもF35以外に対しては優位に戦える。
あごの下にエアインテークを付けることで曲がりダクトを実現したのもよいアイデアだが、デルタ翼の翼端を斜めにカットしてあるのもロシアらしい細かい気遣いで翼端から発生する乱流を減らすことができる、まあF-15のマネなんだけどね。
見るからにスマートなデザインでJF17やTFX、KFXとは機体の持っているポテンシャルが全くに誓うことが見て取れる。
あーもう(命名規則)めちゃくちゃだよ
予算不足やらのなんだかんだでPAK-FAことSu-57がF-22的不遇ポジになって、こいつがF-35的な主力になりそうな予感
今のロシアって威勢は良いけども、西側に中国と仮想敵は強大なのに、予算不足でロクに冷戦時代の兵器更新も出来てないから悲惨な状況よね……
とはいえ、エアインテークの面積が小さいだの尾翼が低くないかとか言われてたけども、こうやって様々な角度から見ると妥当なバランスの様に見えるな。機体サイズも案外大きそうだし。エンジンと双尾翼の間の機体末端部にも操縦翼面っぽい線が有るな
ウェポンベイの様子が分かりにくくされてるけども、現時点では最低でもサイドベイに短AAM x2とメインベイに大物が2発積める模様
そのF-35も絶賛炎上中なんだけどね
稼働率どうなることやら
・使えるコンポーネントはできるだけ流用している
・(ここ重要)特定の要求仕様に基づいていない
ということであれば、そこそこ早いペースで初飛行までもっていけそうな気もする。
第5世代のF5タイガー?的な感じ
それを言うなら第五世代のMiG-21だよ!
オッサンのマニアはみんな思っています。
シャープなシェイプがMiG-21に通じるカッコ良さがある!
まぁMiG-21って今見てもめちゃくちゃカッコいい!
チェックメートが第5世代版のMig-21なら、
西側にも同クラスな機体が登場して第5世代版F-5として張り合って欲しい。
サーブ辺りに期待かな?
ついこないだまで存在を知らなかったのに
F-16をステルス化したような…F-16J…ハッ
戦闘妖精雪風のF/A-27を単発化したようにも見える
こんなに小さなエアインテークで大丈夫なのか…。
離陸機体引き上げ時ヤバそうな気が
ちゃんとこの価格でリリース出来て更に無人機バージョンとかも同じ価格ラインで作れたら、コイツのシリーズとチーミング用小型UAV&武装全部ロシア製でワンセット調達みたいな例も出てきたりするんかな
MiG-29に代わる、値段相応の安物中型戦闘機というだけなのでは…
エンジン、アビオニクス、ステルス性等がF-35と同等とはとてもじゃないけれども思えないし。
そのF-35を気軽に買えない国をターゲットにしてるんだからそりゃそうよとしか…
今の戦闘機で最重要で一番コストがかかるのはアビオニクスだから
ロシアの新型戦闘機が安すぎると言われているが、JF-17の一機当たりの価格が整備機材及び運用終了までのランニングコストを含めたいわゆるライフサイクルコストから導入機数を割って計算されたものならおかしくはない。
戦闘機の導入費用においてライフサイクルコストしか公表されず、混乱することは多々ある。近年はブルガリアのF-16Vの導入価格が高すぎると問題になった。
ロシアは一人当たりのGDPが経済制裁の影響で額面上(ドルレート)低く、また開発企業のロステックは国営であり、民間企業であり、利益を追求しなければならず、高コスト体質を批判されることのあるロッキード・マーティンやBAEなどと違い、開発費は大幅に安いと言われている。
開発費が安いというか計上してないor経理上安く出してる部分はありそう
>>最大速度マッハ1.8~2.0、航続距離は機内タンクのみで2,993km(作戦半径は1,496km)、ペイロードは6.8トン
ステルス性が高いf-16があればこんな性能になりそうだな
手持ちのコンポーネントと技術でシンプルにカタチにしてみました。
一通りのミッションには使えるんじゃないかなあ。
ほら、高嶺の花より身近な野花、的な?
とでも言いたげな機体。嫌いじゃない。
レーダーや兵装・アビオニクス等を割り切ってしまえば次世代のミグ21になるかもしれんね。
機体は意外と大きいから発展性もありそうだけど、F16と同等に戦える程度の性能を持たせようとしたら金額は倍くらいになりそうだけど。